「CUTTING EDGE」 CUTTING EDGE
「CUTTING EDGE」(1988 アルファ)
CUTTING EDGE

<members>
柴田卓俊:vocals・guitars
国分一郎:bass
広瀬充寿:drums
山崎彩平:keyboards
1.「CUTTING EDGE」 曲・編:佐久間正英
2.「KNOCKIN’ ON COSMIC DOOR」 詞・曲:柴田卓俊 編:CUTTING EDGE
3.「AMBITION」 詞:柴田卓俊 曲:国分一郎 編:CUTTING EDGE
4.「CRUSH OUT」 詞:柴田卓俊 曲:山崎彩平 編:CUTTING EDGE
5.「DON’T MAKE NO BIG MISS TAKES」 詞:柴田卓俊 曲:広瀬充寿 編:CUTTING EDGE
6.「FAKE FUR」 詞:柴田卓俊 曲・編:CUTTING EDGE
7.「GO GO TO THE CRAZY」 詞・曲:柴田卓俊 編:CUTTING EDGE
8.「EVIL KISS」 詞:柴田卓俊 曲:広瀬充寿 編:CUTTING EDGE
9.「ALICE IN WONDERLAND」 詞:柴田卓俊 曲:国分一郎 編:CUTTING EDGE
10.「BORN TO BE WILD」 詞・曲:Mars Bondfire 編:CUTTING EDGE
11.「ELECTRIC BLUE」 詞:柴田卓俊 曲:広瀬充寿 編:CUTTING EDGE
<support musician>
佐久間正英:guitars
Mary:voice
produced by 佐久間正英
engineered by 寺田仁
● Zerospectreリニューアル後佐久間正英をプロデューサーに独特の美意識ロックを再認識させた再スタートアルバム
The Roosterzのドラマー池畑潤二が率いてきたポストニューウェーブなロックバンド、Zerospectre(ゼロスペクター)の1988年は激動の年となりました。3月に3rdアルバム「Zero Generation」をリリースした彼らは、よりエッジの効いたロックサウンドに磨きがかかり、プロモーションの成果もあってブレイクまでもう一歩のところまで来ていたはずでしたが、ここで肝心のリーダー池畑がCOMPLEXサポートを一因として脱退しています。程なくギターの奥山直樹も脱退し3人となってバンド崩壊の危機に立たされた彼らでしたが、ここからがスムーズでした。既に準備されていたかのように池端の後任に元The Garden〜Blue Tonicの広瀬充寿が収まると、すぐさまプロデューサーには百戦錬磨の佐久間正英を迎えアルバム制作に取りかかります。そして10月にはバンド名を「CUTTING EDGE」と改めるとバンド名を冠した1stアルバムをリリース、というように、大黒柱を失ってもなお勢いを失わない貪欲さと若さがこのバンドには確かに存在していたと言えるでしょう。
このようにリニューアル後間髪入れずリリースされたということもあり路線は完全にZerospectreの延長線上にあります。しかしながら本作にはそこにいくつかのスパイスを忍ばせています。それはまず第一に佐久間正英をプロデューサーに迎えたことで、ニューウェーブサウンドに理解のある売れっ子プロデューサーにバンドを俯瞰的に見てもらった結果、池畑という強烈な個性を放っていたドラマーの抜けた穴を感じさせないクオリティに仕上げることに成功したこと、そして第二にZerospectre時代ではほとんどをバンドの共作もしくはヴォーカルの柴田卓俊が作曲していた楽曲を、本作では各メンバーがそれぞれ楽曲を持ち寄るスタイルに変更した結果、メンバーそれぞれに責任感が生まれると共に違ったタイプの一体感を生み出すことに成功したこと、この2つのスパイスが微妙に効いているのが本作というわけです。特に楽曲の書けるドラマーとして加入した広瀬充寿は本作で「DON’T MAKE NO BIG MISS TAKES」「EVIL KISS」といった良質のキャッチーな楽曲を提供するなど既に存在感を発揮しており、結果としてスムーズに新バンドへの移行を果たすことに成功した陰の立役者になったと言えるでしょう。その後のCUTTING EDGEは、メンバーチェンジを繰り返しながら92年頃まで活動を続けていくことになります。
<Favorite Songs>
・「KNOCKIN’ ON COSMIC DOOR」
ハードボイルドタッチで攻める本作のシングルカットナンバー。路線はゼロスペクターの延長線上にあり、ドラムが前面に押し出してくるサウンドは池畑潤二在籍時を想定してのものだったのではないかと推測されます。その勢いは失わずそれでいてキャッチーというシングル曲の鑑のような楽曲です。
・「CRUSH OUT」
チープなシンセが渋い味を出している直線的なスクールボーイロック。これも後期ゼロスペクターが得意とした路線ですが、キーボードの山崎彩平作曲ということもあってか、シンセが随所にフィーチャーされニューウェーブ色が強いです。特に間奏のひきつるようなシンセソロは単純なフレーズながらある種の個性を放っています。
・「EVIL KISS」
ストレンジなイントロで聴き手を引き込ませるファンク調のミディアムチューン。跳ねるリズムとねちっこいベースに支えられたAメロとBメロが秀逸で、ボイス変調や唸りを上げる佐久間のギターなど仕掛けも十分、演奏も充実しています。
<評点>
・サウンド ★★ (ギターレスなのにやけにギターが目立つロック仕様)
・メロディ ★ (サウンドの進化と共にわかりやすいメロも復活)
・リズム ★★ (パワフルさは前任に叶わないが技巧は全く問題なし)
・曲構成 ★ (さすがに最初のインストは蛇足かなと思う)
・個性 ★ (新バンドだがまだ前バンドの路線は継続中)
総合評点: 6点
CUTTING EDGE

<members>
柴田卓俊:vocals・guitars
国分一郎:bass
広瀬充寿:drums
山崎彩平:keyboards
1.「CUTTING EDGE」 曲・編:佐久間正英
2.「KNOCKIN’ ON COSMIC DOOR」 詞・曲:柴田卓俊 編:CUTTING EDGE
3.「AMBITION」 詞:柴田卓俊 曲:国分一郎 編:CUTTING EDGE
4.「CRUSH OUT」 詞:柴田卓俊 曲:山崎彩平 編:CUTTING EDGE
5.「DON’T MAKE NO BIG MISS TAKES」 詞:柴田卓俊 曲:広瀬充寿 編:CUTTING EDGE
6.「FAKE FUR」 詞:柴田卓俊 曲・編:CUTTING EDGE
7.「GO GO TO THE CRAZY」 詞・曲:柴田卓俊 編:CUTTING EDGE
8.「EVIL KISS」 詞:柴田卓俊 曲:広瀬充寿 編:CUTTING EDGE
9.「ALICE IN WONDERLAND」 詞:柴田卓俊 曲:国分一郎 編:CUTTING EDGE
10.「BORN TO BE WILD」 詞・曲:Mars Bondfire 編:CUTTING EDGE
11.「ELECTRIC BLUE」 詞:柴田卓俊 曲:広瀬充寿 編:CUTTING EDGE
<support musician>
佐久間正英:guitars
Mary:voice
produced by 佐久間正英
engineered by 寺田仁
● Zerospectreリニューアル後佐久間正英をプロデューサーに独特の美意識ロックを再認識させた再スタートアルバム
The Roosterzのドラマー池畑潤二が率いてきたポストニューウェーブなロックバンド、Zerospectre(ゼロスペクター)の1988年は激動の年となりました。3月に3rdアルバム「Zero Generation」をリリースした彼らは、よりエッジの効いたロックサウンドに磨きがかかり、プロモーションの成果もあってブレイクまでもう一歩のところまで来ていたはずでしたが、ここで肝心のリーダー池畑がCOMPLEXサポートを一因として脱退しています。程なくギターの奥山直樹も脱退し3人となってバンド崩壊の危機に立たされた彼らでしたが、ここからがスムーズでした。既に準備されていたかのように池端の後任に元The Garden〜Blue Tonicの広瀬充寿が収まると、すぐさまプロデューサーには百戦錬磨の佐久間正英を迎えアルバム制作に取りかかります。そして10月にはバンド名を「CUTTING EDGE」と改めるとバンド名を冠した1stアルバムをリリース、というように、大黒柱を失ってもなお勢いを失わない貪欲さと若さがこのバンドには確かに存在していたと言えるでしょう。
このようにリニューアル後間髪入れずリリースされたということもあり路線は完全にZerospectreの延長線上にあります。しかしながら本作にはそこにいくつかのスパイスを忍ばせています。それはまず第一に佐久間正英をプロデューサーに迎えたことで、ニューウェーブサウンドに理解のある売れっ子プロデューサーにバンドを俯瞰的に見てもらった結果、池畑という強烈な個性を放っていたドラマーの抜けた穴を感じさせないクオリティに仕上げることに成功したこと、そして第二にZerospectre時代ではほとんどをバンドの共作もしくはヴォーカルの柴田卓俊が作曲していた楽曲を、本作では各メンバーがそれぞれ楽曲を持ち寄るスタイルに変更した結果、メンバーそれぞれに責任感が生まれると共に違ったタイプの一体感を生み出すことに成功したこと、この2つのスパイスが微妙に効いているのが本作というわけです。特に楽曲の書けるドラマーとして加入した広瀬充寿は本作で「DON’T MAKE NO BIG MISS TAKES」「EVIL KISS」といった良質のキャッチーな楽曲を提供するなど既に存在感を発揮しており、結果としてスムーズに新バンドへの移行を果たすことに成功した陰の立役者になったと言えるでしょう。その後のCUTTING EDGEは、メンバーチェンジを繰り返しながら92年頃まで活動を続けていくことになります。
<Favorite Songs>
・「KNOCKIN’ ON COSMIC DOOR」
ハードボイルドタッチで攻める本作のシングルカットナンバー。路線はゼロスペクターの延長線上にあり、ドラムが前面に押し出してくるサウンドは池畑潤二在籍時を想定してのものだったのではないかと推測されます。その勢いは失わずそれでいてキャッチーというシングル曲の鑑のような楽曲です。
・「CRUSH OUT」
チープなシンセが渋い味を出している直線的なスクールボーイロック。これも後期ゼロスペクターが得意とした路線ですが、キーボードの山崎彩平作曲ということもあってか、シンセが随所にフィーチャーされニューウェーブ色が強いです。特に間奏のひきつるようなシンセソロは単純なフレーズながらある種の個性を放っています。
・「EVIL KISS」
ストレンジなイントロで聴き手を引き込ませるファンク調のミディアムチューン。跳ねるリズムとねちっこいベースに支えられたAメロとBメロが秀逸で、ボイス変調や唸りを上げる佐久間のギターなど仕掛けも十分、演奏も充実しています。
<評点>
・サウンド ★★ (ギターレスなのにやけにギターが目立つロック仕様)
・メロディ ★ (サウンドの進化と共にわかりやすいメロも復活)
・リズム ★★ (パワフルさは前任に叶わないが技巧は全く問題なし)
・曲構成 ★ (さすがに最初のインストは蛇足かなと思う)
・個性 ★ (新バンドだがまだ前バンドの路線は継続中)
総合評点: 6点
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