「HUMPE・HUMPE」 HUMPE・HUMPE
「HUMPE・HUMPE」(1985 Wea)
HUMPE・HUMPE

<members>
Anete Humpe:vocals・keyboards
Inga Humpe:vocals・keyboards
1.「3 OF US」 Anete Humpe/Inga Humpe
2.「HAPPINESS IS HARD TO TAKE」 Anete Humpe
3.「MEMORIES」 Anete Humpe/Inga Humpe
4.「CAN’T LEAVE THE POOL」 Anete Humpe
5.「DON’T KNOW WHERE I BELONG」 Anete Humpe/Inga Humpe
6.「YAMA-HA」 Anete Humpe
7.「GESCHRIEN IM SCHLAF」 Anete Humpe
8.「YO NO BAILO」 Peter Viehweger/Anete Humpe/Inga Humpe
9.「BELLE JAR」 Anete Humpe
10.「YOU DIDN’T WANT ME WHEN YOU HAD ME」
Anete Humpe/Inga Humpe/Stefan Remmler
<support musician>
Jimmy Bralower:drum machines
Gerd Paseman:guitar
Peter Viehweger:guitar・piano・whistle
Rudiger Elze:guitar・mandolin
Simon Jeffes:guitar・fretless guitar・megaphone
Alistair McMordie:bass
Carol Colman:bass
Hans Baar:bass
David Van Tieghem:drums
Rudiger Braune:drums
David Collard:keyboards
Jeff Bova:keyboards
Ingo Bischoff:keyboards
Klaus Buhlert:keyboards・Synclavier Programming
Martin Gore:keyboards・toy keyboard
Roma Baran:keyboards
Daniel Miller:synthesizer
Sue Hadjopoulos:percussion
Phenix Horns:horns
Conny Plank:sequencer
produced by Roma Baran・Conny Plank
co-produced by Gareth Jones・HUMPE・HUMPE
● 80年代中期にドイツから登場したニューウェーブの異分子的姉妹デュオの脱力と硬質の絶妙なバランスが光るデビュー盤
1985年に西ドイツに颯爽と登場したInga HumpeとAnete Humpe姉妹によるジャーマンエレポップユニットHUMPE・HUMPE。彼女らが日本でも知られるようになったのは何といってもラップ調に日本語で歌う脱力エレポップ「YAMA-HA」でした。「ヤマハ・三菱・トヨタ・スズキ・ソニー」と企業名を連呼し、「これが人生だ」と歌う(歌わされた)彼女達にとって日本がどのように見えていたかは知るよしもありませんが、何にせよこの楽曲がネタ的とはいえ日本でも話題になったことは確かです。そんな彼女らの迷曲を収録した1stアルバムが本作となります。
少しとぼけたユルいエレポップといった印象の「YAMA-HA」が有名となり誤解されがちかもわかりませんが、本作を聴けばいかにも80年代中盤のドイツ的なガリガリの几帳面なエレクトリックサウンドで楽曲が構成されていることがわかります。硬質で直線的なビートとローファイなサンプリングを駆使したこれらの楽曲をプロデュースするのは、20世紀の音楽制作において革命を起こしたと言ってもよいテクノゴッドの名エンジニア&プロデューサーCony Plunkで、その他にもJohn FoxxやDepeche Mode、Einstürzende Neubautenを手掛けたインダストリアルテクノ御用達のエンジニアGareth Jonesや、MUTEレーベルの創始者Daniel MillerやDepeche ModeのコンポーザーMartin Gore、Klaus Buhlert、Jeff Bova、David Van Tieghem等といった錚々たる面々がバックアップ、新人歌手にはもったいないほどの期待をかけられて制作されています。そこには決してただのガールポップには仕上げないぞ!といった確固たる信念を感じますし、実際出来上がってきたのはPCMドラムマシンとエレドラがフィーチャーされたリズムトラックに乗ったシリアスなジャーマンエレポップで、「YAMA-HA」はほぼ飛び道具といって良い代物で、本作でもこの楽曲に続く「GESCHRIEN IM SCHLAF」以降の3曲によるスピード感と緻密なサンプルを散りばめたジャーマンエレクトロなシリアスサウンドが、彼女達の本来の姿と言えると思われます。作詞作曲自体はほとんどが姉妹で手掛けているためか表向きはノーマルなPOPSメロディの形をとっていながら、アレンジはやりたい放題という典型的なプロデューサー&エンジニア主導の作品と言えるでしょう。しかしながら結局そのインパクトは長くは続かず、その後彼女達は88年まで活動を続けもう1枚アルバムをリリースした後、それぞれのミュージシャンとしての活動へ身を投じていくことになります。
<Favorite Songs>
・「GESCHRIEN IM SCHLAF」
重厚なハンマービートを基調としたデジタルガールPOPS。腰の入ったスネアドラムの響きは芯があって素晴らしいです。メロディは明るめなのにゴリゴリ感が否めないのはすべてこのリズムトラックにあります。前衛的なペラペラギターワークも実にニューウェーブ感たっぷりです。
・「YO NO BAILO」
ゲートの長いスネアがカラーを決めるミディアムダンスチューン。多彩なサンプル音を詰め込んだ地味ながらも情報量が多い楽曲です。とにかくほとんどがサンプラーで独占されているといってよいほどこの当時流行の最新機材が大活躍しています。
・「BELLE JAR」
電子的なシンセベースシーケンスにドシッとしたリズムトラックといういかにもジャーマンテクノ感満載のエレポップ。ひきつるようなシーケンスの譜割にアシッド魂を感じます。全体的に疾走する楽曲にあってそのインダストリアル感覚は本作でも随一です。
<評点>
・サウンド ★★ (サンプラーの比率が高く必然的にインダストリアルに)
・メロディ ★ (牧歌的ともいえる輪郭の緩い普遍的メロディ)
・リズム ★★★ (こうした重厚なデジタルドラムはいかにもドイツ産)
・曲構成 ★★ (特に後半にたたみかけたリズム重視の楽曲がポイント)
・個性 ★ (裏方の話題が目立ち本人達の魅力が伝わりにくい)
総合評点: 6点
HUMPE・HUMPE

<members>
Anete Humpe:vocals・keyboards
Inga Humpe:vocals・keyboards
1.「3 OF US」 Anete Humpe/Inga Humpe
2.「HAPPINESS IS HARD TO TAKE」 Anete Humpe
3.「MEMORIES」 Anete Humpe/Inga Humpe
4.「CAN’T LEAVE THE POOL」 Anete Humpe
5.「DON’T KNOW WHERE I BELONG」 Anete Humpe/Inga Humpe
6.「YAMA-HA」 Anete Humpe
7.「GESCHRIEN IM SCHLAF」 Anete Humpe
8.「YO NO BAILO」 Peter Viehweger/Anete Humpe/Inga Humpe
9.「BELLE JAR」 Anete Humpe
10.「YOU DIDN’T WANT ME WHEN YOU HAD ME」
Anete Humpe/Inga Humpe/Stefan Remmler
<support musician>
Jimmy Bralower:drum machines
Gerd Paseman:guitar
Peter Viehweger:guitar・piano・whistle
Rudiger Elze:guitar・mandolin
Simon Jeffes:guitar・fretless guitar・megaphone
Alistair McMordie:bass
Carol Colman:bass
Hans Baar:bass
David Van Tieghem:drums
Rudiger Braune:drums
David Collard:keyboards
Jeff Bova:keyboards
Ingo Bischoff:keyboards
Klaus Buhlert:keyboards・Synclavier Programming
Martin Gore:keyboards・toy keyboard
Roma Baran:keyboards
Daniel Miller:synthesizer
Sue Hadjopoulos:percussion
Phenix Horns:horns
Conny Plank:sequencer
produced by Roma Baran・Conny Plank
co-produced by Gareth Jones・HUMPE・HUMPE
● 80年代中期にドイツから登場したニューウェーブの異分子的姉妹デュオの脱力と硬質の絶妙なバランスが光るデビュー盤
1985年に西ドイツに颯爽と登場したInga HumpeとAnete Humpe姉妹によるジャーマンエレポップユニットHUMPE・HUMPE。彼女らが日本でも知られるようになったのは何といってもラップ調に日本語で歌う脱力エレポップ「YAMA-HA」でした。「ヤマハ・三菱・トヨタ・スズキ・ソニー」と企業名を連呼し、「これが人生だ」と歌う(歌わされた)彼女達にとって日本がどのように見えていたかは知るよしもありませんが、何にせよこの楽曲がネタ的とはいえ日本でも話題になったことは確かです。そんな彼女らの迷曲を収録した1stアルバムが本作となります。
少しとぼけたユルいエレポップといった印象の「YAMA-HA」が有名となり誤解されがちかもわかりませんが、本作を聴けばいかにも80年代中盤のドイツ的なガリガリの几帳面なエレクトリックサウンドで楽曲が構成されていることがわかります。硬質で直線的なビートとローファイなサンプリングを駆使したこれらの楽曲をプロデュースするのは、20世紀の音楽制作において革命を起こしたと言ってもよいテクノゴッドの名エンジニア&プロデューサーCony Plunkで、その他にもJohn FoxxやDepeche Mode、Einstürzende Neubautenを手掛けたインダストリアルテクノ御用達のエンジニアGareth Jonesや、MUTEレーベルの創始者Daniel MillerやDepeche ModeのコンポーザーMartin Gore、Klaus Buhlert、Jeff Bova、David Van Tieghem等といった錚々たる面々がバックアップ、新人歌手にはもったいないほどの期待をかけられて制作されています。そこには決してただのガールポップには仕上げないぞ!といった確固たる信念を感じますし、実際出来上がってきたのはPCMドラムマシンとエレドラがフィーチャーされたリズムトラックに乗ったシリアスなジャーマンエレポップで、「YAMA-HA」はほぼ飛び道具といって良い代物で、本作でもこの楽曲に続く「GESCHRIEN IM SCHLAF」以降の3曲によるスピード感と緻密なサンプルを散りばめたジャーマンエレクトロなシリアスサウンドが、彼女達の本来の姿と言えると思われます。作詞作曲自体はほとんどが姉妹で手掛けているためか表向きはノーマルなPOPSメロディの形をとっていながら、アレンジはやりたい放題という典型的なプロデューサー&エンジニア主導の作品と言えるでしょう。しかしながら結局そのインパクトは長くは続かず、その後彼女達は88年まで活動を続けもう1枚アルバムをリリースした後、それぞれのミュージシャンとしての活動へ身を投じていくことになります。
<Favorite Songs>
・「GESCHRIEN IM SCHLAF」
重厚なハンマービートを基調としたデジタルガールPOPS。腰の入ったスネアドラムの響きは芯があって素晴らしいです。メロディは明るめなのにゴリゴリ感が否めないのはすべてこのリズムトラックにあります。前衛的なペラペラギターワークも実にニューウェーブ感たっぷりです。
・「YO NO BAILO」
ゲートの長いスネアがカラーを決めるミディアムダンスチューン。多彩なサンプル音を詰め込んだ地味ながらも情報量が多い楽曲です。とにかくほとんどがサンプラーで独占されているといってよいほどこの当時流行の最新機材が大活躍しています。
・「BELLE JAR」
電子的なシンセベースシーケンスにドシッとしたリズムトラックといういかにもジャーマンテクノ感満載のエレポップ。ひきつるようなシーケンスの譜割にアシッド魂を感じます。全体的に疾走する楽曲にあってそのインダストリアル感覚は本作でも随一です。
<評点>
・サウンド ★★ (サンプラーの比率が高く必然的にインダストリアルに)
・メロディ ★ (牧歌的ともいえる輪郭の緩い普遍的メロディ)
・リズム ★★★ (こうした重厚なデジタルドラムはいかにもドイツ産)
・曲構成 ★★ (特に後半にたたみかけたリズム重視の楽曲がポイント)
・個性 ★ (裏方の話題が目立ち本人達の魅力が伝わりにくい)
総合評点: 6点
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