「PARAPSYCHO」 Doris Norton
「PARAPSYCHO」 (1981 Disco Più)
Doris Norton:vocals・Roland Jupiter8・Sequencial Circuit Prophet5・KORG MS-20・Roland CSQ-600・Roland MC-8・Roland SH-7・Roland CR-78・Kawai 100F・Arp2600・EMS VCS3 II・KORG PS-3100・Roland System 100M

1.「PARAPSYCHO」 Doris Norton/Antonius Rex
2.「LUDUS」 Antonius Rex
3.「PSYCHIC RESERCH」 Doris Norton/Antonius Rex
4.「TELEPATHIA」 Doris Norton/Antonius Rex/Federico Bergamini/M.Marcucci
5.「HYPNOTISED BY NORTON」 Doris Norton/Antonius Rex
6.「TEARS」 Antonius Rex/Vitros
7.「OBSESSION」 Doris Norton/Antonio Bartoccetti/Bullfrog
<support musician>
Mike Lee:guitars
Antonius Rex:bass・Roland GR-500 guitar synthesizer
Andy Jackson:drums
Tullio De Piscopo:drums
Alex Cooper:flute
Hugo Heredia:flute
produced by Musik Reserch
engineered by Doris Norton
● 何とも言えない雰囲気のプログレ発フリーミュージックを料理したシンセサウンドで魅了するイタリアンエレクトリックレディの2ndアルバム
夫のAntonio Bartoccettiと共に黒魔術よろしくおどろおどろしい世界観で活動していたイタリアのシンフォニックプログレバンドJACLUA〜Antonius Rexでキーボードを担当していたDoris Nortonは、早くからシンセサイザーの魅力に取り憑かれたエレクトロマスターの1人です。同バンドの活動休止後ソロ活動を開始した彼女は、Bartoccettiをサポートにアルバム制作にとりかかり1stアルバム「Raptus」をリリース、持ち前のプログレ展開満載の楽曲とテンションの高いシンセを弾きまくる女性ならではの情念的なサウンドを披露し、シンセポップ&ニューウェーブ全盛の80年代初頭にあって、イタリアの地から鈍くも異彩を放っていました。そして同年には間髪入れず2ndアルバムである本作をスピーディーに制作、前作の衝撃を踏襲しながら楽曲の幅を広げつつ少しずつ進化させた兄弟アルバムに仕上げるなど、その貪欲な創作意欲を遺憾なく発揮することになります。
Doris Nortonの(80年代中期までの)ソロ作品はRolandやAppleにスポンサードされていることもあって膨大な電子楽器群に支えられた電力感満載のシンセ博覧会といったものがほとんどですが、1st「Raptus」や2ndの本作ではAntonius Rex時代の70年代プログレの空気を何重にも纏っているため、荒くれたシンセフレーズの影にノスタルジックかつアナクロなサウンドが同居しているような印象です。パンキッシュなDoris自身のヴォーカルも潔いタイトル曲「PARAPSYCHO」や70年代ドラマのBGMみたいな「LUDUS」、ジャンキーな電子音をバックに弾きまくると同時にデス声で唸るテクノマジック「PSYCHIC RESERCH」、メランコリックな癒し楽曲「TEARS」(すごく浮いてる・・)等異なるタイプの楽曲で緩急自在に聴き手を飽きさせない構成は、コズミックディスコな側面が表面化している前作よりもバラエティに富み過ぎていかにも過渡期と言わざるを得ない仕上がり度であると言えるでしょう。このように本作において実験を施しサウンドの方向性をエレクトリック方面に確定させた後、2年後には「Nortoncomputerforpeace」、翌年にあのAppleロゴが燦然と輝く名盤「Personal Computer」でバリバリのエレクトリックレディに進化していくことになるわけです。
<Favorite Songs>
・「HYPNOTISED BY NORTON」
9分以上にも及ぶ初期Doris Nortonの象徴的なエレクトロプログレサウンドをこれでもかと堪能できる楽曲。ミニマルなシーケンスと飛び交う電子音、それに加えて生演奏で光るドラム&ベース、オルガンとの融合が非常にスリリングです。Dorisのファルセットボイスとテンション高く吹きまくられるフルートに強烈なシンセソロも相まってなんともストレンジな世界が広がってきます。
・「OBSESSION」
バンドサウンドと弾きまくるシンセソロのカオティックな融合という本作の裏テーマを如実に表現したラストチューン。のっけからシンセソロをガンガンに飛ばしていきます。この楽曲では2本のシンセソロを多重録音で走らせるのでさらに重厚感が増しています。それにしても最初から最後までほぼソロは弾きまくりというテンションの高さ、脱帽です。
<評点>
・サウンド ★★ (バンドサウンドとの融合でシンセの存在感が際立つ)
・メロディ ★ (ユルめの楽曲ではメロディを意識する一面も)
・リズム ★ (この音の中でアコースティックに専念するのも時代性)
・曲構成 ★★ (想像以上に緩急をつけて多彩な作風を楽しめる)
・個性 ★★ (基本弾きまくりの中にも彼女の作品中最も変化に富む)
総合評点: 6点
Doris Norton:vocals・Roland Jupiter8・Sequencial Circuit Prophet5・KORG MS-20・Roland CSQ-600・Roland MC-8・Roland SH-7・Roland CR-78・Kawai 100F・Arp2600・EMS VCS3 II・KORG PS-3100・Roland System 100M

1.「PARAPSYCHO」 Doris Norton/Antonius Rex
2.「LUDUS」 Antonius Rex
3.「PSYCHIC RESERCH」 Doris Norton/Antonius Rex
4.「TELEPATHIA」 Doris Norton/Antonius Rex/Federico Bergamini/M.Marcucci
5.「HYPNOTISED BY NORTON」 Doris Norton/Antonius Rex
6.「TEARS」 Antonius Rex/Vitros
7.「OBSESSION」 Doris Norton/Antonio Bartoccetti/Bullfrog
<support musician>
Mike Lee:guitars
Antonius Rex:bass・Roland GR-500 guitar synthesizer
Andy Jackson:drums
Tullio De Piscopo:drums
Alex Cooper:flute
Hugo Heredia:flute
produced by Musik Reserch
engineered by Doris Norton
● 何とも言えない雰囲気のプログレ発フリーミュージックを料理したシンセサウンドで魅了するイタリアンエレクトリックレディの2ndアルバム
夫のAntonio Bartoccettiと共に黒魔術よろしくおどろおどろしい世界観で活動していたイタリアのシンフォニックプログレバンドJACLUA〜Antonius Rexでキーボードを担当していたDoris Nortonは、早くからシンセサイザーの魅力に取り憑かれたエレクトロマスターの1人です。同バンドの活動休止後ソロ活動を開始した彼女は、Bartoccettiをサポートにアルバム制作にとりかかり1stアルバム「Raptus」をリリース、持ち前のプログレ展開満載の楽曲とテンションの高いシンセを弾きまくる女性ならではの情念的なサウンドを披露し、シンセポップ&ニューウェーブ全盛の80年代初頭にあって、イタリアの地から鈍くも異彩を放っていました。そして同年には間髪入れず2ndアルバムである本作をスピーディーに制作、前作の衝撃を踏襲しながら楽曲の幅を広げつつ少しずつ進化させた兄弟アルバムに仕上げるなど、その貪欲な創作意欲を遺憾なく発揮することになります。
Doris Nortonの(80年代中期までの)ソロ作品はRolandやAppleにスポンサードされていることもあって膨大な電子楽器群に支えられた電力感満載のシンセ博覧会といったものがほとんどですが、1st「Raptus」や2ndの本作ではAntonius Rex時代の70年代プログレの空気を何重にも纏っているため、荒くれたシンセフレーズの影にノスタルジックかつアナクロなサウンドが同居しているような印象です。パンキッシュなDoris自身のヴォーカルも潔いタイトル曲「PARAPSYCHO」や70年代ドラマのBGMみたいな「LUDUS」、ジャンキーな電子音をバックに弾きまくると同時にデス声で唸るテクノマジック「PSYCHIC RESERCH」、メランコリックな癒し楽曲「TEARS」(すごく浮いてる・・)等異なるタイプの楽曲で緩急自在に聴き手を飽きさせない構成は、コズミックディスコな側面が表面化している前作よりもバラエティに富み過ぎていかにも過渡期と言わざるを得ない仕上がり度であると言えるでしょう。このように本作において実験を施しサウンドの方向性をエレクトリック方面に確定させた後、2年後には「Nortoncomputerforpeace」、翌年にあのAppleロゴが燦然と輝く名盤「Personal Computer」でバリバリのエレクトリックレディに進化していくことになるわけです。
<Favorite Songs>
・「HYPNOTISED BY NORTON」
9分以上にも及ぶ初期Doris Nortonの象徴的なエレクトロプログレサウンドをこれでもかと堪能できる楽曲。ミニマルなシーケンスと飛び交う電子音、それに加えて生演奏で光るドラム&ベース、オルガンとの融合が非常にスリリングです。Dorisのファルセットボイスとテンション高く吹きまくられるフルートに強烈なシンセソロも相まってなんともストレンジな世界が広がってきます。
・「OBSESSION」
バンドサウンドと弾きまくるシンセソロのカオティックな融合という本作の裏テーマを如実に表現したラストチューン。のっけからシンセソロをガンガンに飛ばしていきます。この楽曲では2本のシンセソロを多重録音で走らせるのでさらに重厚感が増しています。それにしても最初から最後までほぼソロは弾きまくりというテンションの高さ、脱帽です。
<評点>
・サウンド ★★ (バンドサウンドとの融合でシンセの存在感が際立つ)
・メロディ ★ (ユルめの楽曲ではメロディを意識する一面も)
・リズム ★ (この音の中でアコースティックに専念するのも時代性)
・曲構成 ★★ (想像以上に緩急をつけて多彩な作風を楽しめる)
・個性 ★★ (基本弾きまくりの中にも彼女の作品中最も変化に富む)
総合評点: 6点
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