「THE GARDEN」 John Foxx
「THE GARDEN」(1981 Virgin)
John Foxx:vocals・electric guitar・acoustic guitar・drum programming・piano・synthesizers・toms

1.「EUROPE AFTER THE RAIN」 John Foxx
2.「SYSTEMS OF ROMANCE」 John Foxx
3.「WHEN I WAS A MAN AND YOU WERE A WOMAN」 John Foxx
4.「DANCING LIKE A GUN」 John Foxx
5.「PATER NOSTER」 John Foxx
6.「NIGHT SUIT」 John Foxx
7.「YOU WERE THERE」 John Foxx
8.「FUSION/FISSION」 John Foxx
9.「WALK AWAY」 John Foxx
10.「THE GARDEN」 John Foxx
<support musician>
Robin Simon:guitar
Duncan Bridgeman:bass・bongoes・brass・cymbals・percussion・piano・sequencer・synthesizers・toms
Jake Durant:bass
Jo Dworniak:bass
Philip Roberts:drums
Gareth Jones:percussion
produced by John Foxx
engineered by Gareth Jones
● 前作と打って変わってバンド色を強くしたニューウェーブを志向する肉感的な中にひんやりした空気感が同居する2ndアルバム
70年代末から80年代前半にかけてのニューウェーブムーブメントにおける最重要バンドの1つであるUltravox!のフロントマンであり、ブームの火付け役の1つとなった傑作「Systems of Romance」リリース後スター街道の日の目を見ることもなく脱退しソロに転向したJohn Foxx。語尾が下がる特徴的な歌唱とシンセサイザーや電子音響を多用したストイックかつクールな作風は、数々のニューロマ〜ニューウェーブのアーティストに影響を与えました。特に1stアルバム「Metamatic」は無機質な電子音をこれでもかと使いこなした真性エレクトロポップ作品であり、その後何十年もエレクトリックサウンド信奉者に愛されることになりますが、John Foxx本人はこの路線を1stアルバムで潔く捨て去り、2ndアルバムである本作からはバンドサウンドの中でのエレクトリックサウンドの混ぜ込み方に関心があったのか、1stと比べるとより肉感的な、人間味に近づいたような作風となっています。
日本ではCMソングとなったシングルカット曲のオープニングナンバー「EUROPE AFTER THE RAIN」から生ベースにアコースティックなギターの響きが目立つ哀愁ナンバーで、前作のようなストイックに満ちたサイバーな世界観は奥に引っ込めた感があります。しかし随所で電子的な音響をスパイス的に挿入させていることからもわかるように、電子音を脇役的に使用することでよりそのサウンドを際立たせる手法の違いということであって、斜に構えたクールなエレクトロロックという点では実は前作とはそれほど異なっていはいないようにも見受けられます。特にポルタメントを多用したねちっこいシンセソロフレーズや、モジュレーション系エフェクト好きが高じたようなギターフレーズへのギミック等は、もはやFoxx節と言える程の個性的な音色であり、ともすればシンプルで薄っぺらい音色とも受け取られかねないシンセの使い方ながら、その効果は絶大です。吐き捨てるような語尾下げ歌唱やうねるシンセフレーズ等のねちっこさは好き嫌いが分かれる部分ですが、ソロ活動を始めてからは孤独で静謐な印象のあった彼がバンドを従えて生き生きとした表情を音楽からも感じ取れるのは好印象です。その後はますますポップにスノッブになっていくJohn Foxxですが、後年は電子音に回帰、Louis GordonやBengeといったパートナーと共にストイックなエレクトリックポップを追求していくことになります。
<Favorite Songs>
・「SYSTEMS OF ROMANCE」
あの名盤と同タイトルを冠したUltravox時代を彷佛とさせる熱気溢れるロックナンバー。全編にわたり直線的な高速シーケンスをまとい、ギター中心のサウンドで朗々と歌い上げるテンションの高い作風で、バンドサウンドの回帰の中で最も勢いのある楽曲に仕上げています。
・「DANCING LIKE A GUN」
2ndシングルカット曲だけあって、わかりやすいメロディラインにエッジの効いたサウンドが魅力的なニューウェーブチューン。シンセの割合も高く、特にポルタメントを少し効かせた効果的なソロフレーズには前作の名残すら感じさせます。
・「YOU WERE THERE」
尖ったベースラインが目立つ哀愁ニューロマンティックナンバー。ドラムは全く表に出て来なくても粒の立ったベースとエッジを効かせたギターで曲全体を引っ張っています。シンセのポルタメントも印象的ですが、ピアノの効果的な挿入がさらに物悲しさを増長させます。
<評点>
・サウンド ★★ (チープなシンセとエフェクティブなギターに確かな個性)
・メロディ ★ (独特の哀愁旋律は持っているがパターンは豊富ではない)
・リズム ★ (ヒューマンなノリも加わったが音に迫力はまだない)
・曲構成 ★ (芸風が広いタイプではないので似たような作風が並ぶ)
・個性 ★★ (生楽器への回帰で電子音の効果的な利用にいち早く開眼)
総合評点: 6点
John Foxx:vocals・electric guitar・acoustic guitar・drum programming・piano・synthesizers・toms

1.「EUROPE AFTER THE RAIN」 John Foxx
2.「SYSTEMS OF ROMANCE」 John Foxx
3.「WHEN I WAS A MAN AND YOU WERE A WOMAN」 John Foxx
4.「DANCING LIKE A GUN」 John Foxx
5.「PATER NOSTER」 John Foxx
6.「NIGHT SUIT」 John Foxx
7.「YOU WERE THERE」 John Foxx
8.「FUSION/FISSION」 John Foxx
9.「WALK AWAY」 John Foxx
10.「THE GARDEN」 John Foxx
<support musician>
Robin Simon:guitar
Duncan Bridgeman:bass・bongoes・brass・cymbals・percussion・piano・sequencer・synthesizers・toms
Jake Durant:bass
Jo Dworniak:bass
Philip Roberts:drums
Gareth Jones:percussion
produced by John Foxx
engineered by Gareth Jones
● 前作と打って変わってバンド色を強くしたニューウェーブを志向する肉感的な中にひんやりした空気感が同居する2ndアルバム
70年代末から80年代前半にかけてのニューウェーブムーブメントにおける最重要バンドの1つであるUltravox!のフロントマンであり、ブームの火付け役の1つとなった傑作「Systems of Romance」リリース後スター街道の日の目を見ることもなく脱退しソロに転向したJohn Foxx。語尾が下がる特徴的な歌唱とシンセサイザーや電子音響を多用したストイックかつクールな作風は、数々のニューロマ〜ニューウェーブのアーティストに影響を与えました。特に1stアルバム「Metamatic」は無機質な電子音をこれでもかと使いこなした真性エレクトロポップ作品であり、その後何十年もエレクトリックサウンド信奉者に愛されることになりますが、John Foxx本人はこの路線を1stアルバムで潔く捨て去り、2ndアルバムである本作からはバンドサウンドの中でのエレクトリックサウンドの混ぜ込み方に関心があったのか、1stと比べるとより肉感的な、人間味に近づいたような作風となっています。
日本ではCMソングとなったシングルカット曲のオープニングナンバー「EUROPE AFTER THE RAIN」から生ベースにアコースティックなギターの響きが目立つ哀愁ナンバーで、前作のようなストイックに満ちたサイバーな世界観は奥に引っ込めた感があります。しかし随所で電子的な音響をスパイス的に挿入させていることからもわかるように、電子音を脇役的に使用することでよりそのサウンドを際立たせる手法の違いということであって、斜に構えたクールなエレクトロロックという点では実は前作とはそれほど異なっていはいないようにも見受けられます。特にポルタメントを多用したねちっこいシンセソロフレーズや、モジュレーション系エフェクト好きが高じたようなギターフレーズへのギミック等は、もはやFoxx節と言える程の個性的な音色であり、ともすればシンプルで薄っぺらい音色とも受け取られかねないシンセの使い方ながら、その効果は絶大です。吐き捨てるような語尾下げ歌唱やうねるシンセフレーズ等のねちっこさは好き嫌いが分かれる部分ですが、ソロ活動を始めてからは孤独で静謐な印象のあった彼がバンドを従えて生き生きとした表情を音楽からも感じ取れるのは好印象です。その後はますますポップにスノッブになっていくJohn Foxxですが、後年は電子音に回帰、Louis GordonやBengeといったパートナーと共にストイックなエレクトリックポップを追求していくことになります。
<Favorite Songs>
・「SYSTEMS OF ROMANCE」
あの名盤と同タイトルを冠したUltravox時代を彷佛とさせる熱気溢れるロックナンバー。全編にわたり直線的な高速シーケンスをまとい、ギター中心のサウンドで朗々と歌い上げるテンションの高い作風で、バンドサウンドの回帰の中で最も勢いのある楽曲に仕上げています。
・「DANCING LIKE A GUN」
2ndシングルカット曲だけあって、わかりやすいメロディラインにエッジの効いたサウンドが魅力的なニューウェーブチューン。シンセの割合も高く、特にポルタメントを少し効かせた効果的なソロフレーズには前作の名残すら感じさせます。
・「YOU WERE THERE」
尖ったベースラインが目立つ哀愁ニューロマンティックナンバー。ドラムは全く表に出て来なくても粒の立ったベースとエッジを効かせたギターで曲全体を引っ張っています。シンセのポルタメントも印象的ですが、ピアノの効果的な挿入がさらに物悲しさを増長させます。
<評点>
・サウンド ★★ (チープなシンセとエフェクティブなギターに確かな個性)
・メロディ ★ (独特の哀愁旋律は持っているがパターンは豊富ではない)
・リズム ★ (ヒューマンなノリも加わったが音に迫力はまだない)
・曲構成 ★ (芸風が広いタイプではないので似たような作風が並ぶ)
・個性 ★★ (生楽器への回帰で電子音の効果的な利用にいち早く開眼)
総合評点: 6点
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