「Dance」 四人囃子
「Dance」(1989 BMGビクター)
四人囃子

<members>
佐久間正英:vocals・guitars・bass・winds・Fairlight CMI・synthesizers
坂下秀実:vocals・keyboards
岡井大二:vocals・drums・synth drums・percussions
1.「一千の夜(1000 Nights)」 詞・曲:佐久間正英 編:四人囃子
2.「Dance」 詞・曲:佐久間正英 編:四人囃子
3.「Chaos」 詞・曲:佐久間正英 編:四人囃子
4.「Who’ll Be The Next (in line)」 詞・曲:岡井大二 編:四人囃子
5.「DEEP」 詞:佐久間正英・Tama 曲:佐久間正英 編:四人囃子
6.「Lucifer」 詞:Jey Mal 曲:坂下秀実 編:四人囃子
7.「Never Ending Story」 詞・曲:佐久間正英 編:四人囃子
8.「al-sala-di SCENE」 詞:岡井大二・Jey Mal 曲:岡井大二 編:四人囃子
9.「Good Good」 詞・曲:佐久間正英 編:四人囃子
10.「I’m In Action」 詞:佐久間正英 曲:佐久間正英・岡井大二 編:四人囃子
11.「A Spoon For The Boy」 詞:岡井大二・佐久間正英 曲:岡井大二 編:四人囃子
12.「眠い月(Nemui-Tsuki)」 曲:佐久間正英 編:四人囃子
<support musician>
坂下マユウ:voice
produced by 佐久間正英
engineered by 寺田仁
● 当代きってのプログレバンドがスタイリッシュに復活!佐久間色の強いニューウェーブサウンドへと変化を遂げた問題作
1970年代初頭に活動を開始し、デビューアルバム「一触即発」の驚くべき完成度が黎明期の邦楽ロックシーンに多大な影響を与えたカリスマプログレッシブロックバンド四人囃子は、2ndアルバムリリース前に佐久間正英や茂木由多加を迎えるなど、順風満帆な活動を進めていくに見えたものの、2ndリリース後バンドの顔ともいうべき名ギタリスト森園勝敏が脱退し、求心力が低下した四人囃子は新メンバーを迎えてサウンドカラーを変更しつつ70年代に3枚のアルバムを残し活動を休止してしまいます。それから10年ほど経ってサディスティックミカバンドなどの70年代大物バンドの再結成ブームがもてはやされる中、四人囃子活動休止後PLASTICSのメンバーとしてテクノポップの洗礼を受けながらエレクトリックサウンドを巧みに取り入れたプロデューサーとして売れっ子となった佐久間正英を中心に、リーダーである岡井大二と坂下秀実が参加して、トリオバンドとして活動を再開、オリジナルアルバムである本作を10年ぶりにリリースすることになります。
3人とはいえサウンドのイニシアチブをとっているのは佐久間正英であり、Fairlight CMIを駆使した彼は本作では八面六臂の大活躍で、彼の色が出過ぎてしまい岡井と坂下をサポートに迎えたソロアルバムと言っても通用するほどの作風となっています。しかしながら80年代を通過したポストニューウェーブともいうべきサウンドスタイルは、かつての後期の四人囃子がそのニューウェーブな方向性をそのまま推し進めた到達点とも言えるのではないでしょうか。パワフルで躍動感のあるドラムや洗練されたギターワーク、そして重厚感溢れるシンセやサンプラー等のエレクトリックなサウンドデザインは、本来の難解で前衛的な楽曲をさらに広がりを持たせることに成功しています。豊富な経験に基づく重厚な音楽性に多少親しみを持ちやすくするために彼らなりに極力わかりやすくポップに仕立てた楽曲も多く収録されていますが、そこはなかなか魂が抜けきれないのかテクニカルで几帳面、そしてサウンドへの強力なこだわりが感じられてしまうため、新旧どちらのリスナーにも微妙な印象を与えてしまったことも否めません。しかし、そのクオリティの高さは疑う余地もなく、80年代最後に70年代カリスマバンドが一石を投じた意地の作品として語り継いでおきたいものです。
<Favorite Songs>
・「一千の夜(1000 Nights)」
含蓄のあるドラミングとボコーダーでハードに攻めるオープニングナンバー。良く考えられた展開に負けないほどの音の分厚さが彼らの豊富なキャリアを彷佛とさせますが、渋みを持たせたロボボイスにある種の「深さ」を感じさせます。
・「DEEP」
重厚でダンサブルなファンクテイストの楽曲。シャープなシンセフレーズとアタック感の強いベースライン&跳ねるドラム、唸りまくるギター等サウンド面もさることながら、ポップなロックチューンとして高い完成度に仕上げられているのがさすがの熟練度です。
・「Never Ending Story」
冒頭のサンプリングブラスに圧倒される美しいメロディアスバラード。本作中でも最もポップに、泣きのメロディが考えられた構成で、バラードといえどもしっかりビートを刻みギターもうねった上で、ボコーダーのコーラスも楽しいサビでFairlightサウンドが生きています。
<評点>
・サウンド ★★★ (各パートから感じられる含蓄が彼らの経験則)
・メロディ ★ (ポップをねらいながらも抜けきれない難解さとの葛藤)
・リズム ★★★ (パワフルな音処理も良いがずっしりとした安定感は流石)
・曲構成 ★ (前半と後半でも少しカラーが違うので戸惑いも)
・個性 ★★★ (ベテランとしての経験と意地が見せた匠の技に学ぶ面も)
総合評点: 7点
四人囃子

<members>
佐久間正英:vocals・guitars・bass・winds・Fairlight CMI・synthesizers
坂下秀実:vocals・keyboards
岡井大二:vocals・drums・synth drums・percussions
1.「一千の夜(1000 Nights)」 詞・曲:佐久間正英 編:四人囃子
2.「Dance」 詞・曲:佐久間正英 編:四人囃子
3.「Chaos」 詞・曲:佐久間正英 編:四人囃子
4.「Who’ll Be The Next (in line)」 詞・曲:岡井大二 編:四人囃子
5.「DEEP」 詞:佐久間正英・Tama 曲:佐久間正英 編:四人囃子
6.「Lucifer」 詞:Jey Mal 曲:坂下秀実 編:四人囃子
7.「Never Ending Story」 詞・曲:佐久間正英 編:四人囃子
8.「al-sala-di SCENE」 詞:岡井大二・Jey Mal 曲:岡井大二 編:四人囃子
9.「Good Good」 詞・曲:佐久間正英 編:四人囃子
10.「I’m In Action」 詞:佐久間正英 曲:佐久間正英・岡井大二 編:四人囃子
11.「A Spoon For The Boy」 詞:岡井大二・佐久間正英 曲:岡井大二 編:四人囃子
12.「眠い月(Nemui-Tsuki)」 曲:佐久間正英 編:四人囃子
<support musician>
坂下マユウ:voice
produced by 佐久間正英
engineered by 寺田仁
● 当代きってのプログレバンドがスタイリッシュに復活!佐久間色の強いニューウェーブサウンドへと変化を遂げた問題作
1970年代初頭に活動を開始し、デビューアルバム「一触即発」の驚くべき完成度が黎明期の邦楽ロックシーンに多大な影響を与えたカリスマプログレッシブロックバンド四人囃子は、2ndアルバムリリース前に佐久間正英や茂木由多加を迎えるなど、順風満帆な活動を進めていくに見えたものの、2ndリリース後バンドの顔ともいうべき名ギタリスト森園勝敏が脱退し、求心力が低下した四人囃子は新メンバーを迎えてサウンドカラーを変更しつつ70年代に3枚のアルバムを残し活動を休止してしまいます。それから10年ほど経ってサディスティックミカバンドなどの70年代大物バンドの再結成ブームがもてはやされる中、四人囃子活動休止後PLASTICSのメンバーとしてテクノポップの洗礼を受けながらエレクトリックサウンドを巧みに取り入れたプロデューサーとして売れっ子となった佐久間正英を中心に、リーダーである岡井大二と坂下秀実が参加して、トリオバンドとして活動を再開、オリジナルアルバムである本作を10年ぶりにリリースすることになります。
3人とはいえサウンドのイニシアチブをとっているのは佐久間正英であり、Fairlight CMIを駆使した彼は本作では八面六臂の大活躍で、彼の色が出過ぎてしまい岡井と坂下をサポートに迎えたソロアルバムと言っても通用するほどの作風となっています。しかしながら80年代を通過したポストニューウェーブともいうべきサウンドスタイルは、かつての後期の四人囃子がそのニューウェーブな方向性をそのまま推し進めた到達点とも言えるのではないでしょうか。パワフルで躍動感のあるドラムや洗練されたギターワーク、そして重厚感溢れるシンセやサンプラー等のエレクトリックなサウンドデザインは、本来の難解で前衛的な楽曲をさらに広がりを持たせることに成功しています。豊富な経験に基づく重厚な音楽性に多少親しみを持ちやすくするために彼らなりに極力わかりやすくポップに仕立てた楽曲も多く収録されていますが、そこはなかなか魂が抜けきれないのかテクニカルで几帳面、そしてサウンドへの強力なこだわりが感じられてしまうため、新旧どちらのリスナーにも微妙な印象を与えてしまったことも否めません。しかし、そのクオリティの高さは疑う余地もなく、80年代最後に70年代カリスマバンドが一石を投じた意地の作品として語り継いでおきたいものです。
<Favorite Songs>
・「一千の夜(1000 Nights)」
含蓄のあるドラミングとボコーダーでハードに攻めるオープニングナンバー。良く考えられた展開に負けないほどの音の分厚さが彼らの豊富なキャリアを彷佛とさせますが、渋みを持たせたロボボイスにある種の「深さ」を感じさせます。
・「DEEP」
重厚でダンサブルなファンクテイストの楽曲。シャープなシンセフレーズとアタック感の強いベースライン&跳ねるドラム、唸りまくるギター等サウンド面もさることながら、ポップなロックチューンとして高い完成度に仕上げられているのがさすがの熟練度です。
・「Never Ending Story」
冒頭のサンプリングブラスに圧倒される美しいメロディアスバラード。本作中でも最もポップに、泣きのメロディが考えられた構成で、バラードといえどもしっかりビートを刻みギターもうねった上で、ボコーダーのコーラスも楽しいサビでFairlightサウンドが生きています。
<評点>
・サウンド ★★★ (各パートから感じられる含蓄が彼らの経験則)
・メロディ ★ (ポップをねらいながらも抜けきれない難解さとの葛藤)
・リズム ★★★ (パワフルな音処理も良いがずっしりとした安定感は流石)
・曲構成 ★ (前半と後半でも少しカラーが違うので戸惑いも)
・個性 ★★★ (ベテランとしての経験と意地が見せた匠の技に学ぶ面も)
総合評点: 7点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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