「HEART & SOUL」 Sal Solo
「HEART & SOUL」(1985 MCA)
Sal Solo:vocals・acoustic guitar・CASIO・drum programming

1.「HEARTBEAT」 Sal Solo
2.「POLAND (YOUR SPIRIT WON’T DIE)」 Sal Solo
3.「SHOUT! SHOUT!」 Sal Solo
4.「SAN DAMIANO」 Sal Solo
5.「MUSIC+YOU」 Sal Solo
6.「CONTACT」 Sal Solo/Alain Maratrat
7.「GO NOW」 Larry Banks/Milton Bennett
8.「FOREVER BE」 Sal Solo
<support musician>
Rick Driscoll:electric guitar
Kevin Powell:bass
Mik Sweeney:bass
Paul Turley:drums
Fabrice Quagliotti:keyboards
Mel Simpson:keyboards
Robin Smith:keyboards
Pandit Dinesh:percussion
Ian Ritchie:sax
Jeff Driscoll:sax
John Dupres:horns
Quentin Engstrom:solist
Patricia Knight:solist
St. Philips Choir,Norbury:the additional voices
The London Community Gospel Choir:the additional voices
Nu Colors:the additional voices
Jeanette McKnight:the additional voices
Kimbo Sputnik:the additional voices
Pam Douglas:the additional voices
Paul McClements:the additional voices
Basil Meade:chorus arrangement
Lawrence Johnson:chorus arrangement
Paul Lennon:strings arrangement
produced by Sal Solo
co-produced by Mel Simpson・Andre Jacquemin
engineered by Mel Simpson・Andre Jacquemin・Trigger・Mike Pela
● ニューロマの寵児から宗教音楽への傾倒が顕著となってきたスキンヘッドヴォーカリストの初ソロ作
1980年代初頭のニューロマンティクスムーブメントの中でも黒を基調としたファッションにスキンヘッド&化粧というインパクト抜群のヴォーカルが異彩を放っていた4人組バンドClassix Nouveauxは、地味にヒットを飛ばしながらも3枚のアルバムを残して83年に解散します。そしてヴォーカルのSal Soloは、84年にスキンヘッドつながりでリニューアルしたフランスのスペースロックバンドRocketsに加入しアルバム「Imperception」をリリース、サウンドカラーやバンドイメージをニューウェーブに一新させるなど、持ち前のキャラクターは健在でした。ルックスに違わないおどろおどろしい声質がニューウェーブの耽美なサウンドに非常に良くマッチしていたわけですが、Rocketsとしての活動の傍らSal Soloはソロ活動にも転じ、85年に本作をリリースすることになります。時代はニューウェーブが終焉を迎えつつある中、その残り香を漂わせる作風は一応の評価を得ることとなり、シングルカットされた「San Damiano」はUKチャートでも上位に入るなどその健在ぶりを見せつける作品となったわけです。
ニューウェーブの残り香と前述しましたが作風としてはこれまでのイメージよりはやや柔らかで角が取れたような印象が強く、特徴のある爬虫類系ヴォーカルもインパクト重視というよりはしっかり忠実に歌い上げることに重きを置いた大人の仕上がりといった風情です。そしてなんといっても全体的に執拗に使われる大げさでゴージャスなコーラスワークが本作のすべてと言っても過言ではないでしょう。モロ賛美歌と言ってもよい宗教音楽への傾倒を隠せない「San Damiano」や「FOREVER BE」、重厚なコーラスに圧倒される「POLAND (YOUR SPIRIT WON’T DIE)」など、とにかく「声」の持つ力に覚醒したかのような楽曲が目立ちます。しかしただコーラス重視の楽曲だけに終わらないのが本作で、基本となるサウンドはノイジーに処理されたスネアドラムやかっちり型にはまったようなニューウェーブスタイルで(Classix NouveauxのMik Sweeneyや、RocketsのFabrice Quagliottiの参加も嬉しいところ)、一見相反するようなタイプのスタイルが融合した、この時代ならではのReligion New Waveな作品として興味深い作品と言えるかもしれません。その後Sal Soloは本作を足がかりに宗教色を強めていき、果ては本当に神父になってしまうというオチもありますが・・。
<Favorite Songs>
・「POLAND (YOUR SPIRIT WON’T DIE)」
のっけから重厚なコーラスで始まる壮大で開放的な彼のソロスタイルを象徴する楽曲。AメロこそClassix Nouveaux時代を彷佛とさせるものの、アコギやいかにもデジタルなベル音色などの使い方や執拗なコーラスワークなどドラマティックな展開に拍車がかかっています。
・「SHOUT! SHOUT!」
こちらもコーラスのパワーに圧倒させられるニューウェーブPOPS。少し跳ね気味&爆音スネアのリズム、暴れるチョッパーベースにニューウェーブ魂を感じますが、それを押しつぶしていくかのようなゴスペル調コーラスの圧力が強烈です。
・「San Damiano」
スマッシュヒットとなったSal Solo渾身のニューウェーブ賛美歌。淡々とした打ち込みサウンドの上に教会で歌われるかのような荘厳な宗教コーラスを乗せるという大胆なアイデアで、彼のソロシンガーとしての立ち位置を決定づけた代表曲と言えます。
<評点>
・サウンド ★ (音的には目新しくない典型的ニューウェーブだが・・)
・メロディ ★★ (人が変わったような幸福感漂う聖者のようなメロディ)
・リズム ★★ (こんな宗教色強い楽曲でもドラムは派手に処理される)
・曲構成 ★ (余りのコーラス大活躍にRocketsの「Contact」は不要?)
・個性 ★ (強面な彼のイメージを完全に払拭して神父への道へ)
総合評点: 6点
Sal Solo:vocals・acoustic guitar・CASIO・drum programming

1.「HEARTBEAT」 Sal Solo
2.「POLAND (YOUR SPIRIT WON’T DIE)」 Sal Solo
3.「SHOUT! SHOUT!」 Sal Solo
4.「SAN DAMIANO」 Sal Solo
5.「MUSIC+YOU」 Sal Solo
6.「CONTACT」 Sal Solo/Alain Maratrat
7.「GO NOW」 Larry Banks/Milton Bennett
8.「FOREVER BE」 Sal Solo
<support musician>
Rick Driscoll:electric guitar
Kevin Powell:bass
Mik Sweeney:bass
Paul Turley:drums
Fabrice Quagliotti:keyboards
Mel Simpson:keyboards
Robin Smith:keyboards
Pandit Dinesh:percussion
Ian Ritchie:sax
Jeff Driscoll:sax
John Dupres:horns
Quentin Engstrom:solist
Patricia Knight:solist
St. Philips Choir,Norbury:the additional voices
The London Community Gospel Choir:the additional voices
Nu Colors:the additional voices
Jeanette McKnight:the additional voices
Kimbo Sputnik:the additional voices
Pam Douglas:the additional voices
Paul McClements:the additional voices
Basil Meade:chorus arrangement
Lawrence Johnson:chorus arrangement
Paul Lennon:strings arrangement
produced by Sal Solo
co-produced by Mel Simpson・Andre Jacquemin
engineered by Mel Simpson・Andre Jacquemin・Trigger・Mike Pela
● ニューロマの寵児から宗教音楽への傾倒が顕著となってきたスキンヘッドヴォーカリストの初ソロ作
1980年代初頭のニューロマンティクスムーブメントの中でも黒を基調としたファッションにスキンヘッド&化粧というインパクト抜群のヴォーカルが異彩を放っていた4人組バンドClassix Nouveauxは、地味にヒットを飛ばしながらも3枚のアルバムを残して83年に解散します。そしてヴォーカルのSal Soloは、84年にスキンヘッドつながりでリニューアルしたフランスのスペースロックバンドRocketsに加入しアルバム「Imperception」をリリース、サウンドカラーやバンドイメージをニューウェーブに一新させるなど、持ち前のキャラクターは健在でした。ルックスに違わないおどろおどろしい声質がニューウェーブの耽美なサウンドに非常に良くマッチしていたわけですが、Rocketsとしての活動の傍らSal Soloはソロ活動にも転じ、85年に本作をリリースすることになります。時代はニューウェーブが終焉を迎えつつある中、その残り香を漂わせる作風は一応の評価を得ることとなり、シングルカットされた「San Damiano」はUKチャートでも上位に入るなどその健在ぶりを見せつける作品となったわけです。
ニューウェーブの残り香と前述しましたが作風としてはこれまでのイメージよりはやや柔らかで角が取れたような印象が強く、特徴のある爬虫類系ヴォーカルもインパクト重視というよりはしっかり忠実に歌い上げることに重きを置いた大人の仕上がりといった風情です。そしてなんといっても全体的に執拗に使われる大げさでゴージャスなコーラスワークが本作のすべてと言っても過言ではないでしょう。モロ賛美歌と言ってもよい宗教音楽への傾倒を隠せない「San Damiano」や「FOREVER BE」、重厚なコーラスに圧倒される「POLAND (YOUR SPIRIT WON’T DIE)」など、とにかく「声」の持つ力に覚醒したかのような楽曲が目立ちます。しかしただコーラス重視の楽曲だけに終わらないのが本作で、基本となるサウンドはノイジーに処理されたスネアドラムやかっちり型にはまったようなニューウェーブスタイルで(Classix NouveauxのMik Sweeneyや、RocketsのFabrice Quagliottiの参加も嬉しいところ)、一見相反するようなタイプのスタイルが融合した、この時代ならではのReligion New Waveな作品として興味深い作品と言えるかもしれません。その後Sal Soloは本作を足がかりに宗教色を強めていき、果ては本当に神父になってしまうというオチもありますが・・。
<Favorite Songs>
・「POLAND (YOUR SPIRIT WON’T DIE)」
のっけから重厚なコーラスで始まる壮大で開放的な彼のソロスタイルを象徴する楽曲。AメロこそClassix Nouveaux時代を彷佛とさせるものの、アコギやいかにもデジタルなベル音色などの使い方や執拗なコーラスワークなどドラマティックな展開に拍車がかかっています。
・「SHOUT! SHOUT!」
こちらもコーラスのパワーに圧倒させられるニューウェーブPOPS。少し跳ね気味&爆音スネアのリズム、暴れるチョッパーベースにニューウェーブ魂を感じますが、それを押しつぶしていくかのようなゴスペル調コーラスの圧力が強烈です。
・「San Damiano」
スマッシュヒットとなったSal Solo渾身のニューウェーブ賛美歌。淡々とした打ち込みサウンドの上に教会で歌われるかのような荘厳な宗教コーラスを乗せるという大胆なアイデアで、彼のソロシンガーとしての立ち位置を決定づけた代表曲と言えます。
<評点>
・サウンド ★ (音的には目新しくない典型的ニューウェーブだが・・)
・メロディ ★★ (人が変わったような幸福感漂う聖者のようなメロディ)
・リズム ★★ (こんな宗教色強い楽曲でもドラムは派手に処理される)
・曲構成 ★ (余りのコーラス大活躍にRocketsの「Contact」は不要?)
・個性 ★ (強面な彼のイメージを完全に払拭して神父への道へ)
総合評点: 6点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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