「COLORFUL VIBRATION」 Pyokn
「COLORFUL VIBRATION」(2004 AMJ)
Pyokn

<members>
小妻美樹:vocals
伊藤信也:effects・voices
Hideo B Ojiro:computer programming・keyboards・chorus
1.「グッドバイ」 詞:伊藤信也 曲・編:Hideo B Ojiro
2.「ガネーシャ」 詞:伊藤信也 曲・編:Hideo B Ojiro
3.「ロボ」 詞:伊藤信也 曲・編:Hideo B Ojiro
4.「その匂い」 詞:伊藤信也 曲・編:Hideo B Ojiro
5.「うすずみ色前線」 詞:伊藤信也 曲・編:Hideo B Ojiro
6.「骨の声」 詞:伊藤信也 曲・編:Hideo B Ojiro
7.「繭と空」 詞:伊藤信也 曲・編:Hideo B Ojiro
8.「微睡」 詞:伊藤信也 曲・編:Hideo B Ojiro
9.「幻の喫水線」 詞:伊藤信也 曲・編:Hideo B Ojiro
10.「BE YOURSELF」 詞:伊藤信也 曲・編:Hideo B Ojiro
<support musician>
松村信也:guitar
サカイヤスフミ:violin
produced by 岡田徹・Pyokn
engineered by Hideo B Ojiro
● エレポップバンドとは思えないムーディーで力の抜けた洒落たPOPSを聴かせるトリオユニットの完成度の高いデビュー作
21世紀に入り徐々に「歌」を意識したエレクトロポップが復権を果たしていくようになりますが、そのあり方は多種多様で、90年代テクノの流れから生まれたクラブ御用達ダンサブルユニット、ニューウェーブ直系の斜に構える系のバンドスタイル、ヴィジュアル系に特化したデジロック風味の耽美系バンド等々、多彩なアプローチからの次世代エレクトロポップが水面下で邦楽界を席巻していくことになります。そのような中デモテープが岡田徹に見初められた3人組ユニットPyoknは、岡田のプロデュースのもと作品発表の機会を与えられることとなり、2004年には彗星のごとく1stアルバムのリリースに至ることとなります。打ち込み&シンセベースのエレクトリックスタイルでありながら泣きのメロディラインをもって歌を聴かせることを重視した彼らの音楽性は、他の同系ユニットとは一風異なるものであり、本作もエレクトロポップというよりはむしろ、音の輪郭に丸みを帯びた柔らかくどこかソウルフルなポップミュージックといった趣の作品と言えるものです。
様々なジャンルを飲み込んだリズム隊は軽く涼やかに、ヴォーカルは比較的淡々と歌いこなすという比較的地味な印象ですが、楽曲を装飾するシンセのかぶせ方にクセがあり、このあたりがエレポップとされるゆえんであると思われます。しかしながらそのシンセ音色はニューウェーブ系やトランス系では使わないような電子音剥き出し音というよりは、どちらかといえば生音シミュレート音色も巧みにエフェクト処理したような緻密な音づくりのこだわりが感じられます(特にベースにレゾナンスな要素は少ないようです)。楽曲ももともとラテン系やジャズ、R&Bといったタイプををエレポップにリミックスしたような、良い意味で違和感が感じられるものを得意としているようです。前述のソウルフルな感覚はそんな楽曲の印象から生まれたものと言えるでしょう。サウンド面の余りにも丁寧な作りから淡々とした抑揚のなさが気になる作品ではありますが、クオリティの高さは間違いなく、その後活動は細々と継続しながらもリリースされていない次回作が待たれるところです。
<Favorite Songs>
・「ロボ」
タイトルの通りヴォーカルにエフェクト変調を効かせたテクノロジーを意識したデジポップ。ボトムの効いた速くも遅くもないリズムに乗り、逆回転サウンドをフレーズにしたり、シンセパッドやアルペジオの上モノで派手に装飾したりと、小技が光る楽曲です。
・「繭と空」
スウィングするリズムにおしゃれなメロディで踊らせるソウルフルなポップミュージック。Bメロ〜サビのリズムの4小節目で入る金属音が絶妙なアクセントとなっています。本作随一のキャッチーなサビは、作品全体の空気を象徴していると思います。
・「幻の喫水線」
ふんわりしたシンセリフに包まれたアンビエント系エレポップ。歌とシンセによる音の壁を錆びで作り出していて雰囲気はバッチリです。鳥の泣き声っぽいギミック的シンセフレーズなど、細かい配慮も忘れない玄人好みの楽曲です。
<評点>
・サウンド ★★★ (上モノシンセで淡々とした楽曲を見事に味つけ)
・メロディ ★★ (メロディ重視ではあるが泣きというほどでもない)
・リズム ★ (大人しく軽い印象があるものの作りは丁寧に)
・曲構成 ★ (もう少し楽曲にバラエティがあっても良いかも)
・個性 ★ (シンセの乗せ方に光るものがあるので今後に期待)
総合評点: 6点
Pyokn

<members>
小妻美樹:vocals
伊藤信也:effects・voices
Hideo B Ojiro:computer programming・keyboards・chorus
1.「グッドバイ」 詞:伊藤信也 曲・編:Hideo B Ojiro
2.「ガネーシャ」 詞:伊藤信也 曲・編:Hideo B Ojiro
3.「ロボ」 詞:伊藤信也 曲・編:Hideo B Ojiro
4.「その匂い」 詞:伊藤信也 曲・編:Hideo B Ojiro
5.「うすずみ色前線」 詞:伊藤信也 曲・編:Hideo B Ojiro
6.「骨の声」 詞:伊藤信也 曲・編:Hideo B Ojiro
7.「繭と空」 詞:伊藤信也 曲・編:Hideo B Ojiro
8.「微睡」 詞:伊藤信也 曲・編:Hideo B Ojiro
9.「幻の喫水線」 詞:伊藤信也 曲・編:Hideo B Ojiro
10.「BE YOURSELF」 詞:伊藤信也 曲・編:Hideo B Ojiro
<support musician>
松村信也:guitar
サカイヤスフミ:violin
produced by 岡田徹・Pyokn
engineered by Hideo B Ojiro
● エレポップバンドとは思えないムーディーで力の抜けた洒落たPOPSを聴かせるトリオユニットの完成度の高いデビュー作
21世紀に入り徐々に「歌」を意識したエレクトロポップが復権を果たしていくようになりますが、そのあり方は多種多様で、90年代テクノの流れから生まれたクラブ御用達ダンサブルユニット、ニューウェーブ直系の斜に構える系のバンドスタイル、ヴィジュアル系に特化したデジロック風味の耽美系バンド等々、多彩なアプローチからの次世代エレクトロポップが水面下で邦楽界を席巻していくことになります。そのような中デモテープが岡田徹に見初められた3人組ユニットPyoknは、岡田のプロデュースのもと作品発表の機会を与えられることとなり、2004年には彗星のごとく1stアルバムのリリースに至ることとなります。打ち込み&シンセベースのエレクトリックスタイルでありながら泣きのメロディラインをもって歌を聴かせることを重視した彼らの音楽性は、他の同系ユニットとは一風異なるものであり、本作もエレクトロポップというよりはむしろ、音の輪郭に丸みを帯びた柔らかくどこかソウルフルなポップミュージックといった趣の作品と言えるものです。
様々なジャンルを飲み込んだリズム隊は軽く涼やかに、ヴォーカルは比較的淡々と歌いこなすという比較的地味な印象ですが、楽曲を装飾するシンセのかぶせ方にクセがあり、このあたりがエレポップとされるゆえんであると思われます。しかしながらそのシンセ音色はニューウェーブ系やトランス系では使わないような電子音剥き出し音というよりは、どちらかといえば生音シミュレート音色も巧みにエフェクト処理したような緻密な音づくりのこだわりが感じられます(特にベースにレゾナンスな要素は少ないようです)。楽曲ももともとラテン系やジャズ、R&Bといったタイプををエレポップにリミックスしたような、良い意味で違和感が感じられるものを得意としているようです。前述のソウルフルな感覚はそんな楽曲の印象から生まれたものと言えるでしょう。サウンド面の余りにも丁寧な作りから淡々とした抑揚のなさが気になる作品ではありますが、クオリティの高さは間違いなく、その後活動は細々と継続しながらもリリースされていない次回作が待たれるところです。
<Favorite Songs>
・「ロボ」
タイトルの通りヴォーカルにエフェクト変調を効かせたテクノロジーを意識したデジポップ。ボトムの効いた速くも遅くもないリズムに乗り、逆回転サウンドをフレーズにしたり、シンセパッドやアルペジオの上モノで派手に装飾したりと、小技が光る楽曲です。
・「繭と空」
スウィングするリズムにおしゃれなメロディで踊らせるソウルフルなポップミュージック。Bメロ〜サビのリズムの4小節目で入る金属音が絶妙なアクセントとなっています。本作随一のキャッチーなサビは、作品全体の空気を象徴していると思います。
・「幻の喫水線」
ふんわりしたシンセリフに包まれたアンビエント系エレポップ。歌とシンセによる音の壁を錆びで作り出していて雰囲気はバッチリです。鳥の泣き声っぽいギミック的シンセフレーズなど、細かい配慮も忘れない玄人好みの楽曲です。
<評点>
・サウンド ★★★ (上モノシンセで淡々とした楽曲を見事に味つけ)
・メロディ ★★ (メロディ重視ではあるが泣きというほどでもない)
・リズム ★ (大人しく軽い印象があるものの作りは丁寧に)
・曲構成 ★ (もう少し楽曲にバラエティがあっても良いかも)
・個性 ★ (シンセの乗せ方に光るものがあるので今後に期待)
総合評点: 6点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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