「Precious tone」 麻生夏子
「Precious tone」(2011 ランティス)
麻生夏子:vocal

1.「エウレカベイビー」 詞:畑亜貴 曲・編:前山田健一
2.「More-more LOVERS!!」 詞:畑亜貴 曲・編:前山田健一
3.「空想リジューム」 詞:島田カイエ 曲・編:村井大
4.「トキメキ☆トラベラー」 詞・曲:本田みちよ 編:OVERROCKET
5.「Daylight」 詞・曲:岩田アッチュ 編:岩田アッチュ・クリハラミノル
6.「Knockin’ On Dream’s Door」 詞:こだまさおり 曲:ぺさま 編:ぺさま+2ANIMEny’DJs
7.「Luminous face, It’s mine!」 詞:畑亜貴 曲:伊橋成哉 編:中西亮輔
8.「bitter」 詞:麻生夏子 曲・編:渡辺翔
9.「starry-eyed future」 詞:麻生夏子 曲:片山義美 編:関根元規
10.「恋愛向上committee」 詞:こだまさおり 曲・編:前山田健一
11.「ダイヤモンドスター☆」 詞:こだまさおり 曲・編:関根元規
12.「Precious tone」 詞:こだまさおり 曲・編:中土智博 弦編:ぺさま
<support musician>
板垣祐介:guitar
鈴木マサキ:guitar
ミト:guitar・bass
山路一志:guitar
若菜貴之:guitar
岩田アッチュ:chorus
遠藤正明:chorus
影山ヒロノブ:chorus
きただにひろし:chorus
福山芳樹:chorus
後藤勇一郎ストリングス:strings
A-bee:additional sound editing
牛尾憲輔:sound processing・electronics
ぺさま:strings arrangement
produced by 櫻井優香
engineered by 高田浩太郎・朝野克彦・浅野浩伸・渡部高士・杉山勇司・佐藤純之介・上條直之
● 今回も豪華でクセのある作家陣を迎えひたすらわかりやすいエレポップソングを繰り広げるアニソンシンガーの2ndアルバム
2009年シングル「Brand New World」でデビューした後アニメのタイアップを次々と獲得し、一躍アニソンシンガーとしての地位を確立した麻生夏子は、00年代に良質なアニメソングを次々と送り込んできたレコード会社ランティスの個性的な作家陣の楽曲にも恵まれ、1stアルバム「Movement of magic」もその恵まれたスタッフに助けられアニソンシンガーとしてのステイタスはさらに向上し、その後もその活躍ぶりは衰えを知らない状況です。そしてその後も1年間4枚のシングルがすべてアニメの主題歌としてタイアップされ、満を持してリリースされた2ndアルバムの本作は、そのキャッチーなシングル曲もさることながら、バラエティの富んだ作家陣に支えられた1stにも負けず劣らない力作となりました。
ここ数作で快活でオプティズムポップを確立した麻生の元気溢れるボーカルを中心に、注目のクリエイター前山田健一や前作も参加した関根元規の他にも多数のアニメソング〜JPOPクリエイターが力を注いでおり、その熱量が作品全体から伝わってきます。しかし本作の注目はなんといってもoverrocketやニルギリスの参加で新境地を見せているところです。アニメソングも多く手掛けるニルギリスの楽曲(「daylight」)は作品の中でもしっかり溶け込んでいますが、00年代に多数の名作を作り上げた歌モノテクノユニットoverrocketの「トキメキ☆トラベラー」の音の空気感、すなわち音色の選び方からシーケンス処理やリズムパターンなどは明らかに異彩を放っており、この1曲だけでも本作の価値を数段上げている感覚があります。また、本作ではぺさま名義で参加しているぺーじゅんとクラムボンのミトと最近ではLAMAの活動の記憶も新しい牛尾憲輔のユニット「2ANIMEny’DJs」のトリッキーなアレンジが楽しめる「Knockin’ On Dream’s Door」のような多少逸脱気味のアレンジ曲も楽しめるのも、多少普遍的なイメージがある麻生夏子作品の魅力の1つであると思います。このレベルの作品を維持して行けるかどうかが彼女のアニソンシンガーとしての1つの指針となっていくでしょう。
<Favorite Songs>
・「More-more LOVERS!!」
アニメ「えむえむっ!」エンディング主題歌としてタイアップがついたシングルカット曲。高速4つ打ちにベンチャーズ、そしてオリエンタルフレーズが魅力的な攻撃的なエレポップですが、早口セリフ気味にたたみかけるイントロからAメロ、メロウなBメロ、サビの盛り上げ方など飽きさせない構成力が本作の圧倒的なポイントです。
・「トキメキ☆トラベラー」
本作の中でも最も異彩を放つテクノユニットoverrocketが手掛けた世界一周エレポップ。リズムやシンセ&シーケンスフレーズの音色の選択が他の追随を許さず、そしてとにかく世界一周ということで音材をこれでもかと詰め込んだトラックメイクが楽しさ満点です。
・「Precious tone」
ライトなシーケンス&リズムが爽やかなタイトルチューン。大げさなストリングスアレンジは相変わらずの佐藤純之介(ぺさま)仕事で、この楽曲のようなサウンドもアニメ「系」ソングの1つの黄金パターンの1つと言えるでしょう。
<評点>
・サウンド ★★ (一部の楽曲を除いてギラギラ感を全面に出過ぎか)
・メロディ ★★ (覚えやすく意外と楽曲構成がしっかりした曲も多い)
・リズム ★ (一部の楽曲を除いて前面に出てこない煮え切らなさ)
・曲構成 ★ (中盤に凡庸な楽曲が続いてしまうのが難点)
・個性 ★ (まだまだ楽曲負けする部分もあるが自己主張も)
総合評点: 6点
麻生夏子:vocal

1.「エウレカベイビー」 詞:畑亜貴 曲・編:前山田健一
2.「More-more LOVERS!!」 詞:畑亜貴 曲・編:前山田健一
3.「空想リジューム」 詞:島田カイエ 曲・編:村井大
4.「トキメキ☆トラベラー」 詞・曲:本田みちよ 編:OVERROCKET
5.「Daylight」 詞・曲:岩田アッチュ 編:岩田アッチュ・クリハラミノル
6.「Knockin’ On Dream’s Door」 詞:こだまさおり 曲:ぺさま 編:ぺさま+2ANIMEny’DJs
7.「Luminous face, It’s mine!」 詞:畑亜貴 曲:伊橋成哉 編:中西亮輔
8.「bitter」 詞:麻生夏子 曲・編:渡辺翔
9.「starry-eyed future」 詞:麻生夏子 曲:片山義美 編:関根元規
10.「恋愛向上committee」 詞:こだまさおり 曲・編:前山田健一
11.「ダイヤモンドスター☆」 詞:こだまさおり 曲・編:関根元規
12.「Precious tone」 詞:こだまさおり 曲・編:中土智博 弦編:ぺさま
<support musician>
板垣祐介:guitar
鈴木マサキ:guitar
ミト:guitar・bass
山路一志:guitar
若菜貴之:guitar
岩田アッチュ:chorus
遠藤正明:chorus
影山ヒロノブ:chorus
きただにひろし:chorus
福山芳樹:chorus
後藤勇一郎ストリングス:strings
A-bee:additional sound editing
牛尾憲輔:sound processing・electronics
ぺさま:strings arrangement
produced by 櫻井優香
engineered by 高田浩太郎・朝野克彦・浅野浩伸・渡部高士・杉山勇司・佐藤純之介・上條直之
● 今回も豪華でクセのある作家陣を迎えひたすらわかりやすいエレポップソングを繰り広げるアニソンシンガーの2ndアルバム
2009年シングル「Brand New World」でデビューした後アニメのタイアップを次々と獲得し、一躍アニソンシンガーとしての地位を確立した麻生夏子は、00年代に良質なアニメソングを次々と送り込んできたレコード会社ランティスの個性的な作家陣の楽曲にも恵まれ、1stアルバム「Movement of magic」もその恵まれたスタッフに助けられアニソンシンガーとしてのステイタスはさらに向上し、その後もその活躍ぶりは衰えを知らない状況です。そしてその後も1年間4枚のシングルがすべてアニメの主題歌としてタイアップされ、満を持してリリースされた2ndアルバムの本作は、そのキャッチーなシングル曲もさることながら、バラエティの富んだ作家陣に支えられた1stにも負けず劣らない力作となりました。
ここ数作で快活でオプティズムポップを確立した麻生の元気溢れるボーカルを中心に、注目のクリエイター前山田健一や前作も参加した関根元規の他にも多数のアニメソング〜JPOPクリエイターが力を注いでおり、その熱量が作品全体から伝わってきます。しかし本作の注目はなんといってもoverrocketやニルギリスの参加で新境地を見せているところです。アニメソングも多く手掛けるニルギリスの楽曲(「daylight」)は作品の中でもしっかり溶け込んでいますが、00年代に多数の名作を作り上げた歌モノテクノユニットoverrocketの「トキメキ☆トラベラー」の音の空気感、すなわち音色の選び方からシーケンス処理やリズムパターンなどは明らかに異彩を放っており、この1曲だけでも本作の価値を数段上げている感覚があります。また、本作ではぺさま名義で参加しているぺーじゅんとクラムボンのミトと最近ではLAMAの活動の記憶も新しい牛尾憲輔のユニット「2ANIMEny’DJs」のトリッキーなアレンジが楽しめる「Knockin’ On Dream’s Door」のような多少逸脱気味のアレンジ曲も楽しめるのも、多少普遍的なイメージがある麻生夏子作品の魅力の1つであると思います。このレベルの作品を維持して行けるかどうかが彼女のアニソンシンガーとしての1つの指針となっていくでしょう。
<Favorite Songs>
・「More-more LOVERS!!」
アニメ「えむえむっ!」エンディング主題歌としてタイアップがついたシングルカット曲。高速4つ打ちにベンチャーズ、そしてオリエンタルフレーズが魅力的な攻撃的なエレポップですが、早口セリフ気味にたたみかけるイントロからAメロ、メロウなBメロ、サビの盛り上げ方など飽きさせない構成力が本作の圧倒的なポイントです。
・「トキメキ☆トラベラー」
本作の中でも最も異彩を放つテクノユニットoverrocketが手掛けた世界一周エレポップ。リズムやシンセ&シーケンスフレーズの音色の選択が他の追随を許さず、そしてとにかく世界一周ということで音材をこれでもかと詰め込んだトラックメイクが楽しさ満点です。
・「Precious tone」
ライトなシーケンス&リズムが爽やかなタイトルチューン。大げさなストリングスアレンジは相変わらずの佐藤純之介(ぺさま)仕事で、この楽曲のようなサウンドもアニメ「系」ソングの1つの黄金パターンの1つと言えるでしょう。
<評点>
・サウンド ★★ (一部の楽曲を除いてギラギラ感を全面に出過ぎか)
・メロディ ★★ (覚えやすく意外と楽曲構成がしっかりした曲も多い)
・リズム ★ (一部の楽曲を除いて前面に出てこない煮え切らなさ)
・曲構成 ★ (中盤に凡庸な楽曲が続いてしまうのが難点)
・個性 ★ (まだまだ楽曲負けする部分もあるが自己主張も)
総合評点: 6点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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