「Birth Of Monsters」 RAEL
「Birth Of Monsters」 (1990 アルファ)
RAEL

<members>
ホッピー神山:vocal・keyboards
下山淳:vocal・guitars
1.「Summer & New Moon」 詞:宇辺セージ 曲・編:RAEL
2.「Super Creature」 詞・曲・編:RAEL
3.「ミントの森」 詞・曲・編:RAEL
4.「LINK I~UNYDO」 曲・編:RAEL
5.「MAMA ma」 詞・曲・編:RAEL
6.「時は過ぎて~The Time Goes By~」 詞:宇辺セージ 曲・編:RAEL
7.「LINK II~Love Song」 曲・編:RAEL
8.「in you」 詞・曲・編:RAEL
9.「Arrive to my life」 詞・曲・編:RAEL
10.「LINK III~Birth of Monsters」 曲・編:RAEL
11.「Yeah! Yeah! Yeah! Yeah! Yeah!」 詞・曲・編:RAEL
12.「Divine Core
~いつも自分のうちにすべてはあり、自分はすべてをすでに知っている~」
詞・曲・編:RAEL
13.「Ocean」 詞・曲・編:RAEL
14.「Arabian Mirror~Sensual Door」 詞:宇辺セージ・RAEL 曲・編:RAEL
15.「Sun, Rains & Radio」 詞・曲・編:RAEL
<support musician>
北川晴美:vocal
下山アキラ:bass・chorus
湊雅史:drums・synthesizer・timpani・Simmons
スティーブ衛藤:percussions・gong・lazer
Whacho:percussions・chinju・chin
桑名晴子:chorus
藤井丈司:computer manipulate
松前公高:computer manipulate
produced by RAEL・佐々馨
mixing engineered by 山口州治
recording engineered by 山口州治・寺田康彦
● 80年代を通過した個性派アーティストのセンスが激突した究極ユニットの最初で最後のジャンル横断ロック作品
80年代を代表する個性と実力を兼ね備えていたニューウェーブロックバンド、PINKのキーボーディストであり、アレンジャーやサウンドプロデューサーとしてもその辣腕を発揮していたホッピー神山が、自身もアレンジャーとして参加しためんたいロックの代表的実力派バンドThe Roostersのギタリスト下山淳を迎えて、PINK解散後に結成したユニットがRAELです。後期PINKにて顕著になったホッピー神山のグラムロック色に呼応するかのような下山淳のギターワークは、この90年代に差しかかった時期におけるホッピーの音楽性との相性が良く、しかもいまだホッピーのポップ性が残っていた時期ということもあって、RAELとして唯一リリースされた本作は、2人の個性がぶつかり合いながらも歌モノ作品としてツボを押さえた作りに仕上がった好作品であります。
さて、本作では基本的にプレイヤーである彼らがそれぞれヴォーカルを担当して積極的に歌モノに挑戦していますが、特にPINK時代からも定評があったホッピー神山の美声が堪能できる(特に「時は過ぎて~The Time Goes By~」「Ocean」のようなミディアムソングにて本領発揮)のも貴重です。奇抜なルックスに似合わず爽やかな声質は、本作のポップな側面を印象づける要素の1つと言えるでしょう。もちろんサウンド面でもホッピー神山らしい奇抜なワンフレーズで魅了するシンセがアクセントとして機能するなどギミックも満載で、アヴァンギャルドなギターも含めたその他のパートも実験性にあふれており、気の合うパートナーと楽しみながら制作している情景が目に浮かぶようです。バックボーンとも言えるグラムロックを基調としながらプログレやニューウェーブ、ワールドミュージックまでカバーする多彩なアプローチも彼らの個性からすれば十分うなずけますが、それがマニアックかつ自己満足に陥らずに、比較的マイルドに仕上げられているところに好感が持てます。結果的にこのユニットは本作のみで自然消滅した形になっていますが、本作がその後の彼らの活躍の糧になっていると信じてやみません。
<Favorite Songs>
・「ミントの森」
下山淳ヴォーカルの壮大なプログレ展開を見せる無国籍ロック。シンセによるアルペジオシーケンスと即興的なギターフレーズ、民族的サンプリングを織り交ぜながらドラマティックに展開する楽曲ですが、やはり途中の大胆なモジュレーションのシンセソロと同じ音階からフェイドインするギターソロが圧巻の一言です。
・「MAMA ma」
気怠い歌の裏でシンセとギターが暴れまくる実験的なギミックポップ。猫が鳴くかのような尖ったシンセフレーズが目立つ本編に、後半はうねるようなフレーズで自由に動き回るギターソロにワクワクさせられます。
・「in you」
本作でも浮き上がるほどの超絶ポップソング。いかにも強面な彼らが精一杯考え抜いて作り上げたらこうなりました、というようなキラーフレーズときらびやかなシンセ、耳に痛くない程度に抑えられたギターと、聴きやすさは抜群です。
<評点>
・サウンド ★★★ (音色・フレーズ共にセンスよく緻密に作り上げている)
・メロディ ★★ (実験的な作風の中でも「歌」として聴きやすいのが◯)
・リズム ★★ (湊雅史のドラミングも大活躍でリズムに芯を入れる)
・曲構成 ★★ (楽曲数が多く時間も長いが意外と飽きさせず聴ける)
・個性 ★★ (個性派の2人の作品としては意外にもまとまった感が)
総合評点: 7点
RAEL

<members>
ホッピー神山:vocal・keyboards
下山淳:vocal・guitars
1.「Summer & New Moon」 詞:宇辺セージ 曲・編:RAEL
2.「Super Creature」 詞・曲・編:RAEL
3.「ミントの森」 詞・曲・編:RAEL
4.「LINK I~UNYDO」 曲・編:RAEL
5.「MAMA ma」 詞・曲・編:RAEL
6.「時は過ぎて~The Time Goes By~」 詞:宇辺セージ 曲・編:RAEL
7.「LINK II~Love Song」 曲・編:RAEL
8.「in you」 詞・曲・編:RAEL
9.「Arrive to my life」 詞・曲・編:RAEL
10.「LINK III~Birth of Monsters」 曲・編:RAEL
11.「Yeah! Yeah! Yeah! Yeah! Yeah!」 詞・曲・編:RAEL
12.「Divine Core
~いつも自分のうちにすべてはあり、自分はすべてをすでに知っている~」
詞・曲・編:RAEL
13.「Ocean」 詞・曲・編:RAEL
14.「Arabian Mirror~Sensual Door」 詞:宇辺セージ・RAEL 曲・編:RAEL
15.「Sun, Rains & Radio」 詞・曲・編:RAEL
<support musician>
北川晴美:vocal
下山アキラ:bass・chorus
湊雅史:drums・synthesizer・timpani・Simmons
スティーブ衛藤:percussions・gong・lazer
Whacho:percussions・chinju・chin
桑名晴子:chorus
藤井丈司:computer manipulate
松前公高:computer manipulate
produced by RAEL・佐々馨
mixing engineered by 山口州治
recording engineered by 山口州治・寺田康彦
● 80年代を通過した個性派アーティストのセンスが激突した究極ユニットの最初で最後のジャンル横断ロック作品
80年代を代表する個性と実力を兼ね備えていたニューウェーブロックバンド、PINKのキーボーディストであり、アレンジャーやサウンドプロデューサーとしてもその辣腕を発揮していたホッピー神山が、自身もアレンジャーとして参加しためんたいロックの代表的実力派バンドThe Roostersのギタリスト下山淳を迎えて、PINK解散後に結成したユニットがRAELです。後期PINKにて顕著になったホッピー神山のグラムロック色に呼応するかのような下山淳のギターワークは、この90年代に差しかかった時期におけるホッピーの音楽性との相性が良く、しかもいまだホッピーのポップ性が残っていた時期ということもあって、RAELとして唯一リリースされた本作は、2人の個性がぶつかり合いながらも歌モノ作品としてツボを押さえた作りに仕上がった好作品であります。
さて、本作では基本的にプレイヤーである彼らがそれぞれヴォーカルを担当して積極的に歌モノに挑戦していますが、特にPINK時代からも定評があったホッピー神山の美声が堪能できる(特に「時は過ぎて~The Time Goes By~」「Ocean」のようなミディアムソングにて本領発揮)のも貴重です。奇抜なルックスに似合わず爽やかな声質は、本作のポップな側面を印象づける要素の1つと言えるでしょう。もちろんサウンド面でもホッピー神山らしい奇抜なワンフレーズで魅了するシンセがアクセントとして機能するなどギミックも満載で、アヴァンギャルドなギターも含めたその他のパートも実験性にあふれており、気の合うパートナーと楽しみながら制作している情景が目に浮かぶようです。バックボーンとも言えるグラムロックを基調としながらプログレやニューウェーブ、ワールドミュージックまでカバーする多彩なアプローチも彼らの個性からすれば十分うなずけますが、それがマニアックかつ自己満足に陥らずに、比較的マイルドに仕上げられているところに好感が持てます。結果的にこのユニットは本作のみで自然消滅した形になっていますが、本作がその後の彼らの活躍の糧になっていると信じてやみません。
<Favorite Songs>
・「ミントの森」
下山淳ヴォーカルの壮大なプログレ展開を見せる無国籍ロック。シンセによるアルペジオシーケンスと即興的なギターフレーズ、民族的サンプリングを織り交ぜながらドラマティックに展開する楽曲ですが、やはり途中の大胆なモジュレーションのシンセソロと同じ音階からフェイドインするギターソロが圧巻の一言です。
・「MAMA ma」
気怠い歌の裏でシンセとギターが暴れまくる実験的なギミックポップ。猫が鳴くかのような尖ったシンセフレーズが目立つ本編に、後半はうねるようなフレーズで自由に動き回るギターソロにワクワクさせられます。
・「in you」
本作でも浮き上がるほどの超絶ポップソング。いかにも強面な彼らが精一杯考え抜いて作り上げたらこうなりました、というようなキラーフレーズときらびやかなシンセ、耳に痛くない程度に抑えられたギターと、聴きやすさは抜群です。
<評点>
・サウンド ★★★ (音色・フレーズ共にセンスよく緻密に作り上げている)
・メロディ ★★ (実験的な作風の中でも「歌」として聴きやすいのが◯)
・リズム ★★ (湊雅史のドラミングも大活躍でリズムに芯を入れる)
・曲構成 ★★ (楽曲数が多く時間も長いが意外と飽きさせず聴ける)
・個性 ★★ (個性派の2人の作品としては意外にもまとまった感が)
総合評点: 7点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
コメント
コメントの投稿