「unveil」 Asriel
「unveil」(2009 5pb.)
Asriel

<members>
KOKOMI:vocal・chorus
黒瀬圭亮:compose
1.「Metamorphose」 詞:KOKOMI 曲:黒瀬圭亮 編:村上純
2.「穢れ亡き夢」 詞:KOKOMI 曲:黒瀬圭亮 編:塩田幸成
3.「千億の星屑降らす夜ノ空」 詞:KOKOMI 曲:黒瀬圭亮 編:塩田幸成
4.「雪月花 (unveil Ver.)」 詞:KOKOMI 曲:黒瀬圭亮 編:村上純
5.「Gemini」 詞:KOKOMI 曲:黒瀬圭亮 編:村上純
6.「思いの欠片と信じる欠片」 詞:KOKOMI 曲:黒瀬圭亮 編:塩田幸成
7.「氷の月夜」 詞:KOKOMI 曲:黒瀬圭亮 編:村上純
8.「綻びし華」 詞:KOKOMI 曲:黒瀬圭亮 編:村上純
9.「歎きの雨を一雫」 詞:KOKOMI 曲:黒瀬圭亮 編:水野大輔
10.「追憶の誓い (Naked JAZZ Mix)」
詞:KOKOMI 曲:黒瀬圭亮 編:村上純・塩田幸成
11.「Al meila (unveil Ver.)」 詞:KOKOMI 曲:黒瀬圭亮 編:塩田幸成
12.「unveil」 詞:KOKOMI 曲:黒瀬圭亮 編:塩田幸成
<support musician>
戎屋聖一郎:guitar・bass
二羽克:guitar
藤村小道:guitar
吉田穣:guitar
Tei:bass
角田一輝:bass
山中重夫:bass
As Real Chamber Ensemble:strings
前田みねりストリングス:strings
produced by 5pb.Records
mixing engineered by 中島次郎・大串浩彰
recording engineered by 中島次郎
● シンフォニックスタイルのハードロックでドラマチックに展開する楽曲が魅力の男女ユニット待望のメジャーデビュー盤
長く同人音楽界で活動し膨大な作品をリリースしてきた日本式シンフォニックメタルユニットAsrielは、そのヴィジュアル系ハードロックの系譜を継ぐ憂いを含んだわかりやすいフレーズを多用する楽曲と縦横無尽にかけめぐるストリングスアレンジが魅力的な男女ユニットです。メンバーが2人のみとは思えないほどの目まぐるしい楽曲構成は同人音楽の世界にあって聴き手を圧倒させるほどでしたが、そんな彼らは2008年にアニメ「モノクローム・ファクター」主題歌に抜擢された「Metamorphose」で颯爽とメジャーデビューを果たしその名を知らしめた後、ゲーム「11eyes」シリーズの主題歌や挿入歌で辣腕をふるった後、2009年には満を持してメジャー初のアルバムである本作をリリースすることになります。
ゴシカルなヴィジュアルイメージとは裏腹にKOKOMIの線の細いヴォーカルはある種の個性として生きているともいえますが、好き嫌いの分かれる部分かもしれません。とはいえ本作はインディーズでは膨大な作品群の中でアレンジを共にこなしながらメジャー進出を機に外部アレンジャーに編曲を託し、メロディメイクに専念する黒瀬圭亮の技巧的なフレーズの訴求力が強く、KOKOMIの線の細さとのコントラストが楽しめる仕上がりとなっています。サウンド面は基本はハードギター+ストリングスのドラマティックなシンフォニックロックで、そのどこまでも大げさで激しく豪華絢爛なサウンドはまるで満漢全席を並べられているようですが、バスドラ連打のスピードメタル調のサウンドよりも本作で目立つのはストリングスの柔らかさを生かしたメロディ重視の楽曲群で、いくらギターやリズムが派手に暴れ回ったとしても根底のあるのはそのわかりやすさ、ストリングスでいかに派手に彩っていようともポイントはヒネリは加えてくるもののしっかり哀愁と泣きを入れてくるサビの切なさ、このあたりを自然と自身の楽曲における個性として既に確立しているところに妙な安心感を与えてくれます。インディーズ時代のほどよい粗さと自由奔放なサウンドスタイルからは少々洗練された感もありそれが物足りないリスナーも多いと思われますが、メジャー進出において洗練されバランスがとられた本作もAsrielとしての1つの側面と言えるでしょう。その証拠にメジャーリリースにおける次作「Angelrhythm」ではさらにメロディ志向が強くなっていきます。
<Favorite Songs>
・「Metamorphose」
記念すべきメジャーデビューシングル(タイアップ付)。大げさ過ぎると思えるほどのせわしないストリングスに乗ったスピーディーなロックチューンで、リズムも打ち込みとは思えないほどの暴れっぷりですがやはりシングル曲だけあってメロディが非常にわかりやすく、開放感のあるサビなどはポップ性抜群です。
・「Gemini」
ゴリゴリのメタルロック志向の楽曲も多いAsrielの中では少々あっさり目のメロディアスなストリングスPOPS。ハウス調の軽めのリズムにストリングスに乗った流麗なメロディが特徴的な、本作中でも最もポップセンスが光楽曲でもあります。笛の音や琴も交えた和風テイストも忍ばせるなどアクセントも忘れていません。
・「綻びし華」
本作の中でも最も激しくドラマティックなシンフォニックメタルナンバー。どちらかといえばインディーズ時代の混沌とした粗さと激しさが生かされた音楽性を踏襲したもので、激しさの中にリバースを入れたり細かい演出も忘れないリズムトラックなどある種の仕掛けも忘れないところも聴き逃せません。
<評点>
・サウンド ★ (とにかく豪勢なのは理解できるがせわしなさも同居する)
・メロディ ★★ (ヴィジュアル系を思わせる泣きのメロディが目立つ)
・リズム ★★ (激しさを感じるリズムはすべて打ち込みとは思えない)
・曲構成 ★ (聴きやすさを追求した結果角が取れ過ぎる結果に)
・個性 ★ (この手のサウンドにおけるわかりやすさは実は貴重)
総合評点: 6点
Asriel

<members>
KOKOMI:vocal・chorus
黒瀬圭亮:compose
1.「Metamorphose」 詞:KOKOMI 曲:黒瀬圭亮 編:村上純
2.「穢れ亡き夢」 詞:KOKOMI 曲:黒瀬圭亮 編:塩田幸成
3.「千億の星屑降らす夜ノ空」 詞:KOKOMI 曲:黒瀬圭亮 編:塩田幸成
4.「雪月花 (unveil Ver.)」 詞:KOKOMI 曲:黒瀬圭亮 編:村上純
5.「Gemini」 詞:KOKOMI 曲:黒瀬圭亮 編:村上純
6.「思いの欠片と信じる欠片」 詞:KOKOMI 曲:黒瀬圭亮 編:塩田幸成
7.「氷の月夜」 詞:KOKOMI 曲:黒瀬圭亮 編:村上純
8.「綻びし華」 詞:KOKOMI 曲:黒瀬圭亮 編:村上純
9.「歎きの雨を一雫」 詞:KOKOMI 曲:黒瀬圭亮 編:水野大輔
10.「追憶の誓い (Naked JAZZ Mix)」
詞:KOKOMI 曲:黒瀬圭亮 編:村上純・塩田幸成
11.「Al meila (unveil Ver.)」 詞:KOKOMI 曲:黒瀬圭亮 編:塩田幸成
12.「unveil」 詞:KOKOMI 曲:黒瀬圭亮 編:塩田幸成
<support musician>
戎屋聖一郎:guitar・bass
二羽克:guitar
藤村小道:guitar
吉田穣:guitar
Tei:bass
角田一輝:bass
山中重夫:bass
As Real Chamber Ensemble:strings
前田みねりストリングス:strings
produced by 5pb.Records
mixing engineered by 中島次郎・大串浩彰
recording engineered by 中島次郎
● シンフォニックスタイルのハードロックでドラマチックに展開する楽曲が魅力の男女ユニット待望のメジャーデビュー盤
長く同人音楽界で活動し膨大な作品をリリースしてきた日本式シンフォニックメタルユニットAsrielは、そのヴィジュアル系ハードロックの系譜を継ぐ憂いを含んだわかりやすいフレーズを多用する楽曲と縦横無尽にかけめぐるストリングスアレンジが魅力的な男女ユニットです。メンバーが2人のみとは思えないほどの目まぐるしい楽曲構成は同人音楽の世界にあって聴き手を圧倒させるほどでしたが、そんな彼らは2008年にアニメ「モノクローム・ファクター」主題歌に抜擢された「Metamorphose」で颯爽とメジャーデビューを果たしその名を知らしめた後、ゲーム「11eyes」シリーズの主題歌や挿入歌で辣腕をふるった後、2009年には満を持してメジャー初のアルバムである本作をリリースすることになります。
ゴシカルなヴィジュアルイメージとは裏腹にKOKOMIの線の細いヴォーカルはある種の個性として生きているともいえますが、好き嫌いの分かれる部分かもしれません。とはいえ本作はインディーズでは膨大な作品群の中でアレンジを共にこなしながらメジャー進出を機に外部アレンジャーに編曲を託し、メロディメイクに専念する黒瀬圭亮の技巧的なフレーズの訴求力が強く、KOKOMIの線の細さとのコントラストが楽しめる仕上がりとなっています。サウンド面は基本はハードギター+ストリングスのドラマティックなシンフォニックロックで、そのどこまでも大げさで激しく豪華絢爛なサウンドはまるで満漢全席を並べられているようですが、バスドラ連打のスピードメタル調のサウンドよりも本作で目立つのはストリングスの柔らかさを生かしたメロディ重視の楽曲群で、いくらギターやリズムが派手に暴れ回ったとしても根底のあるのはそのわかりやすさ、ストリングスでいかに派手に彩っていようともポイントはヒネリは加えてくるもののしっかり哀愁と泣きを入れてくるサビの切なさ、このあたりを自然と自身の楽曲における個性として既に確立しているところに妙な安心感を与えてくれます。インディーズ時代のほどよい粗さと自由奔放なサウンドスタイルからは少々洗練された感もありそれが物足りないリスナーも多いと思われますが、メジャー進出において洗練されバランスがとられた本作もAsrielとしての1つの側面と言えるでしょう。その証拠にメジャーリリースにおける次作「Angelrhythm」ではさらにメロディ志向が強くなっていきます。
<Favorite Songs>
・「Metamorphose」
記念すべきメジャーデビューシングル(タイアップ付)。大げさ過ぎると思えるほどのせわしないストリングスに乗ったスピーディーなロックチューンで、リズムも打ち込みとは思えないほどの暴れっぷりですがやはりシングル曲だけあってメロディが非常にわかりやすく、開放感のあるサビなどはポップ性抜群です。
・「Gemini」
ゴリゴリのメタルロック志向の楽曲も多いAsrielの中では少々あっさり目のメロディアスなストリングスPOPS。ハウス調の軽めのリズムにストリングスに乗った流麗なメロディが特徴的な、本作中でも最もポップセンスが光楽曲でもあります。笛の音や琴も交えた和風テイストも忍ばせるなどアクセントも忘れていません。
・「綻びし華」
本作の中でも最も激しくドラマティックなシンフォニックメタルナンバー。どちらかといえばインディーズ時代の混沌とした粗さと激しさが生かされた音楽性を踏襲したもので、激しさの中にリバースを入れたり細かい演出も忘れないリズムトラックなどある種の仕掛けも忘れないところも聴き逃せません。
<評点>
・サウンド ★ (とにかく豪勢なのは理解できるがせわしなさも同居する)
・メロディ ★★ (ヴィジュアル系を思わせる泣きのメロディが目立つ)
・リズム ★★ (激しさを感じるリズムはすべて打ち込みとは思えない)
・曲構成 ★ (聴きやすさを追求した結果角が取れ過ぎる結果に)
・個性 ★ (この手のサウンドにおけるわかりやすさは実は貴重)
総合評点: 6点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
コメント
初めて聞きました。
Re: 初めて聞きました。
ああこれも聴いていただけたんですねw
ゴシカルなシンフォニックロックなんてものを結構あるんですよ。
そしてストリングスをこれでもかと使いまくるのも大体傾向は同じですね。
まあ様式美ってところでしょうかねw
ただ表向きはそういう派手なサウンドに耳がいきがちですが結構メロディラインも凝っていて、泣きも入れてくるし、そういう部分も含めて彼らなりの個性があるのではないかと思うのです。
アニソン系というよりは同人系といったところでしょうかね。
ゴシカルなシンフォニックロックなんてものを結構あるんですよ。
そしてストリングスをこれでもかと使いまくるのも大体傾向は同じですね。
まあ様式美ってところでしょうかねw
ただ表向きはそういう派手なサウンドに耳がいきがちですが結構メロディラインも凝っていて、泣きも入れてくるし、そういう部分も含めて彼らなりの個性があるのではないかと思うのです。
アニソン系というよりは同人系といったところでしょうかね。
同人系。なるほど。
なるほど、同人系ですか。いろんなタイプのアーティストを紹介して頂けるので、いつも楽しみです。今回のように、まったく知らない方の曲を知る事が出来るのが、なにより嬉しいですね。曲を聞くたびreryoさんのレビューの正確さにも驚かされます。特に評点の各コメントがコンパクト且つ絶妙ですね。これからも隠れた名盤、珍品、色々紹介してください。
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ストリングスを重視したサウンドは◎。でもちょっと多用し過ぎかな・・1曲1曲が思ったより平坦な仕上がりになっているのはストリングスの多用が原因かと(スペシューム光線の使い過ぎの感)・・スミマセン偉そうに。しかし充分、期待出来るアーティストさんです。いろんな曲追っかけてみたいですね。昨今のアニソン系はホントあなどれないですねw。勉強になりました。