「旋律のフレア」 CooRie
「旋律のフレア」(2008 ランティス)
CooRie

<members>
rino:vocal
1.「旋律のフレア」 詞・曲:rino 編:中西亮輔
2.「クロス*ハート」 詞・曲:rino 編:海星響
3.「Spring has come」 詞・曲:rino 編:大久保薫
4.「ウソツキ」 詞・曲:rino 編:大久保薫
5.「Sweetest」 詞・曲:rino 編:宅見将典
6.「君DK」 詞・曲:rino 編:佐藤Fisher五魚
7.「探し物」 詞・曲:rino 編:佐藤Fisher五魚
8.「桜の羽根~Endless memory~」 詞・曲:rino 編:大久保薫
9.「水玉」 詞・曲:rino 編:大久保薫
10.「リトル・モア」 詞・曲:rino 編:chokix
11.「優しさは雨のように」 詞・曲:rino 編:大久保薫
12.「想い」 詞・曲:rino 編:今泉洋
<support musician>
飯室博:guitar
今泉洋:guitar
菊谷知樹:guitar
高山一也:guitar
宅見将典:guitar
古川昌義:guitar
入江太郎:bass
宮田繁男:drums
柴田俊文:piano
須藤賢一:piano
永田エルトン一郎:piano
泰輝:piano
三沢またろう:percussion
CHIKA:violin
小池弘之:violin
大先生室屋:violin
CHIKAストリングス:strings
金原ストリングス:strings
弦一徹ストリングス:strings
小池ストリングス:strings
大先生室屋ストリングス:strings
produced by 伊藤善之
mixing engineered by 小林敦・浅野浩伸
recording engineered by 小林敦・白井康裕・関朋充・森田信之
● アニメソングでソングライティング能力を鍛えられた感動系ポップシンガーの3rdアルバム
80年代のアイドルソングがサウンドクリエイターたちの実験場であったのと同じように、現在はその役割をアニメーションやゲーム音楽に使用される楽曲が担っていると言っても過言ではなく、このCooRieも純度の高いシンガーソングライターとしての力量をアニメ&ゲーム音楽のフィールドで様々なシチューエーションによる作品に関わる楽曲を手掛けることで、着実に蓄積しその才能を開花させたアーティストです。長田直之との2人組ユニットとしてデビューしたため、よくある女性シンガー・男性クリエイタータイプのグループと思われがちですが、実は後に長田の脱退によりソロユニットとなってからがrinoの才能が本格化し、「センチメンタル」(アニメ「美鳥の日々」主題歌)や「いろは」(アニメ「びんちょうタン」主題歌)といった名曲を生み出すなど、その成長には著しいものがありました。そして2008年リリースされた本作は、前年リリースされた充実のシングル群をはじめとした既発表曲とそれに劣らないクオリティを誇るオリジナル楽曲が収録された3rdアルバムとして、2nd「トレモロ」よりも一段上のレベルに達した貫禄すら感じさせる優れたPOPS作品に仕上がっています。
彼女の楽曲の魅力といえばキャッチーで覚えやすいメロディとそれを盛り上げる流麗なストリングス、そして随所で隠し味的役割を果たす電子音です。この訴求力の高いメロディセンスであればシンプルなアレンジでも十分映えると思われるのですが、ゴージャスにストリングスで着飾りつつ躊躇なくデジタルサウンドも取り入れる柔軟性で見事に楽曲に「色」を加えています。既存楽曲を集めているため、参加ミュージシャンも多彩で演奏面でも全く問題がなくある意味贅沢とも言えるラインナップですが、それもrinoの作り出す瑞々しいポップセンスと00年代POPS界の重要クリエイターとも言える大久保薫をはじめとしたアレンジャー陣(特に海星響には驚かされました)の力量の賜物であり、本作はベスト盤的要素もありながらアルバムとしての統一感も感じられます。アニメやゲーム界隈で楽しむだけではもったいない純粋なPOPS名盤として語られるべき作品であると思います。
<Favorite Songs>
・「クロス*ハート」
アニメ「京四郎と永遠の空」主題歌としてシングルカットされたアップテンポなストリングスPOPS。うっすら電子シーケンスに乗るピチカートの多用など派手過ぎるほどのストリングスアレンジが眩し過ぎます。アレンジャーの海星響は謎が多い編曲家ですが(著名クリエイターのペンネーム?)、凄まじいセンスです。2周目のAメロ終わりのシンドラのフィルインが素晴らしい。
・「水玉」
午後の昼下がりがよく似合う流麗なストリングスが特徴のミディアムバラード。癒し系なメロディにグルーヴ感たっぷりなリズム隊の演奏も楽しめます。少し泣きの入った高音フレーズはCooRieの得意とするところでしょう。
・「優しさは雨のように」
アニメ「D.C.II」エンディング主題歌となったストリングスPOPS魔人大久保薫渾身アレンジの名曲バラード。Aメロのうっすら電子音とイントロのTony Mansfieldばりの「コーンッ」というソナー音が地味に嬉しいところです。また感動的なサビのキラーフレーズはrino本人のセンスと力量をそのまま物語っています。
<評点>
・サウンド ★★★ (ストリングスと電子音の相性は抜群だが大げさ過ぎか)
・メロディ ★★★★ (多様な作品を手掛け鍛えられた美しいメロディの貫禄)
・リズム ★★ (リズムトラックというより音符のタイミングが秀逸)
・曲構成 ★★ (寄せ集めともいえるのにCooRie色が確立されている)
・個性 ★★ (本作から徐々にアーティストとしての自我が芽生える)
総合評点: 7点
CooRie

<members>
rino:vocal
1.「旋律のフレア」 詞・曲:rino 編:中西亮輔
2.「クロス*ハート」 詞・曲:rino 編:海星響
3.「Spring has come」 詞・曲:rino 編:大久保薫
4.「ウソツキ」 詞・曲:rino 編:大久保薫
5.「Sweetest」 詞・曲:rino 編:宅見将典
6.「君DK」 詞・曲:rino 編:佐藤Fisher五魚
7.「探し物」 詞・曲:rino 編:佐藤Fisher五魚
8.「桜の羽根~Endless memory~」 詞・曲:rino 編:大久保薫
9.「水玉」 詞・曲:rino 編:大久保薫
10.「リトル・モア」 詞・曲:rino 編:chokix
11.「優しさは雨のように」 詞・曲:rino 編:大久保薫
12.「想い」 詞・曲:rino 編:今泉洋
<support musician>
飯室博:guitar
今泉洋:guitar
菊谷知樹:guitar
高山一也:guitar
宅見将典:guitar
古川昌義:guitar
入江太郎:bass
宮田繁男:drums
柴田俊文:piano
須藤賢一:piano
永田エルトン一郎:piano
泰輝:piano
三沢またろう:percussion
CHIKA:violin
小池弘之:violin
大先生室屋:violin
CHIKAストリングス:strings
金原ストリングス:strings
弦一徹ストリングス:strings
小池ストリングス:strings
大先生室屋ストリングス:strings
produced by 伊藤善之
mixing engineered by 小林敦・浅野浩伸
recording engineered by 小林敦・白井康裕・関朋充・森田信之
● アニメソングでソングライティング能力を鍛えられた感動系ポップシンガーの3rdアルバム
80年代のアイドルソングがサウンドクリエイターたちの実験場であったのと同じように、現在はその役割をアニメーションやゲーム音楽に使用される楽曲が担っていると言っても過言ではなく、このCooRieも純度の高いシンガーソングライターとしての力量をアニメ&ゲーム音楽のフィールドで様々なシチューエーションによる作品に関わる楽曲を手掛けることで、着実に蓄積しその才能を開花させたアーティストです。長田直之との2人組ユニットとしてデビューしたため、よくある女性シンガー・男性クリエイタータイプのグループと思われがちですが、実は後に長田の脱退によりソロユニットとなってからがrinoの才能が本格化し、「センチメンタル」(アニメ「美鳥の日々」主題歌)や「いろは」(アニメ「びんちょうタン」主題歌)といった名曲を生み出すなど、その成長には著しいものがありました。そして2008年リリースされた本作は、前年リリースされた充実のシングル群をはじめとした既発表曲とそれに劣らないクオリティを誇るオリジナル楽曲が収録された3rdアルバムとして、2nd「トレモロ」よりも一段上のレベルに達した貫禄すら感じさせる優れたPOPS作品に仕上がっています。
彼女の楽曲の魅力といえばキャッチーで覚えやすいメロディとそれを盛り上げる流麗なストリングス、そして随所で隠し味的役割を果たす電子音です。この訴求力の高いメロディセンスであればシンプルなアレンジでも十分映えると思われるのですが、ゴージャスにストリングスで着飾りつつ躊躇なくデジタルサウンドも取り入れる柔軟性で見事に楽曲に「色」を加えています。既存楽曲を集めているため、参加ミュージシャンも多彩で演奏面でも全く問題がなくある意味贅沢とも言えるラインナップですが、それもrinoの作り出す瑞々しいポップセンスと00年代POPS界の重要クリエイターとも言える大久保薫をはじめとしたアレンジャー陣(特に海星響には驚かされました)の力量の賜物であり、本作はベスト盤的要素もありながらアルバムとしての統一感も感じられます。アニメやゲーム界隈で楽しむだけではもったいない純粋なPOPS名盤として語られるべき作品であると思います。
<Favorite Songs>
・「クロス*ハート」
アニメ「京四郎と永遠の空」主題歌としてシングルカットされたアップテンポなストリングスPOPS。うっすら電子シーケンスに乗るピチカートの多用など派手過ぎるほどのストリングスアレンジが眩し過ぎます。アレンジャーの海星響は謎が多い編曲家ですが(著名クリエイターのペンネーム?)、凄まじいセンスです。2周目のAメロ終わりのシンドラのフィルインが素晴らしい。
・「水玉」
午後の昼下がりがよく似合う流麗なストリングスが特徴のミディアムバラード。癒し系なメロディにグルーヴ感たっぷりなリズム隊の演奏も楽しめます。少し泣きの入った高音フレーズはCooRieの得意とするところでしょう。
・「優しさは雨のように」
アニメ「D.C.II」エンディング主題歌となったストリングスPOPS魔人大久保薫渾身アレンジの名曲バラード。Aメロのうっすら電子音とイントロのTony Mansfieldばりの「コーンッ」というソナー音が地味に嬉しいところです。また感動的なサビのキラーフレーズはrino本人のセンスと力量をそのまま物語っています。
<評点>
・サウンド ★★★ (ストリングスと電子音の相性は抜群だが大げさ過ぎか)
・メロディ ★★★★ (多様な作品を手掛け鍛えられた美しいメロディの貫禄)
・リズム ★★ (リズムトラックというより音符のタイミングが秀逸)
・曲構成 ★★ (寄せ集めともいえるのにCooRie色が確立されている)
・個性 ★★ (本作から徐々にアーティストとしての自我が芽生える)
総合評点: 7点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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