「女王陛下のピチカート・ファイヴ」 pizzicato five
「女王陛下のピチカート・ファイヴ」 (1989 CBSソニー)
pizzicato five

<members>
田島貴男:vocal・guitars・horn arrangement
高浪慶太郎:vocal
小西康陽:vocal・narration・turntable
1.「オードリィ・ヘプバーンの休日」 曲:高浪慶太郎 編:pizzicato five
2.「~イントロダクション"ジェイムズ・ボンドとヴェトナム"」
3.「新ベリッシマ」 詞・曲:小西康陽 編:pizzicato five
4.「恋のテレビジョン・エイジ」 詞・曲:小西康陽 編:pizzicato five
5.「リップ・サーヴィス」
詞:田島貴男・小西康陽 曲:小西康陽 編:pizzicato five
6.「「女王陛下のエロチカ大作戦」からの抜粋」
~a. ナイロビの女王陛下 曲:小西康陽 編:pizzicato five
~b. スパイ対スパイ 詞:田島貴男・小西康陽 曲:小西康陽 編:pizzicato five
~c. スウェーデン娘 詞:田島貴男・小西康陽 曲:小西康陽 編:pizzicato five
~d. 自白剤 詞・曲:高浪慶太郎 編:pizzicato five
~e. 陽動作戦 曲:高浪慶太郎 編:pizzicato five
7.「トップ・シークレット(最高機密)」
詞:田島貴男・小西康陽 曲:小西康陽 編:pizzicato five
8.「バナナの皮」 詞:小西康陽 曲:高浪慶太郎 編:pizzicato five
9.「トップ40」 詞・曲:田島貴男 編:pizzicato five
10.「ホームシック・ブルース」 詞・曲:高浪慶太郎 編:pizzicato five
11.「衛星中継」 詞・曲:小西康陽 編:pizzicato five
12.「遠い天国」 曲:高浪慶太郎 編:pizzicato five
13.「女王陛下よ永遠なれ」 詞・曲:小西康陽 編:pizzicato five
14.「夜をぶっとばせ」 詞:小西康陽 曲:田島貴男 編:pizzicato five
15.「ゴーゴー女王陛下」 曲:小西康陽 編:pizzicato five
<support musician>
越美晴:vocal・chorus
鈴木智文:guitars
徳武弘文:guitars
花田裕之:guitars
村松邦男:guitars
沖山優司:electric bass
中原信雄:electric bass
渡辺等:electric bass・fretless guitar・acoustic bass
市原康:drums
宮田繁男:drums
島 健:keyboards
中山努:keyboards
丸尾めぐみ:accordion
河合マイケル:percussions
鳴島英治:percussions
ひらがくらよしえ:percussions
金山功:vibraphone・xylophone・glocken・timpani
八木のぶ夫:harmonica
数原晋:trumpet・flugel horn
西山健治:trombone
Jake H. Concepcion:tenor sax・flute・piccolo
山岸博:french horn
山田栄重:french horn
前田Strings:strings
山川恵子:harp
長谷川智樹:orchestration・conduct
伊集加代子:chorus
大内美貴子:chorus
野宮真貴:chorus
佐々木麻美子:voice
杉村純子:voice
高村宏:voice
馬場美智子:voice
森岡サーヤ:voice
井上大介:synthesizer manipulate
坂元俊介:synthesizer manipulate
福田竜太:synthesizer manipulate
山崎哲雄:synthesizer manipulate
produced by 小西康陽・高浪慶太郎・田島貴男
mixing engineered by 吉田保・森岡徹也・田中信一
recording engineered by 森岡徹也・加藤博美
● 豪華ゲストを絶妙に配置!架空のサウンドトラックの如き壮大なコンセプトアルバム
Original Loveの田島貴男をヴォーカルに迎え男性トリオとなった第2期pizzicato five。2ndフルアルバム「Bellissima!」は田島の艶やかなヴォーカルとソングライティング能力の目立つ大人のソウルフルPOPSでしたが、彼に刺激されたオリジナルメンバーの2人がこのまま黙っているはずはなく、小西は得意の企画編集能力、高浪は経験に裏打ちされたメロディセンスを発揮すべく、壮大なコンセプトアルバムを完成させます。3rdアルバムとなる本作は架空のサウンドトラックと呼べるほどのストーリー性を前面に押し出した作品で、多様なジャンルと花田裕之や越美晴、未来のメンバー野宮真貴ら多彩なミュージシャンによる安定感抜群の演奏、そして前作でも披露された実年齢にそぐわない円熟味あふれるサウンドメイキングが十二分に楽しめる第2期pizzicatoの集大成的大作となっています。
全19曲というこれ以上ない楽曲の詰め込み方を見せたこの作品ですが、楽曲のクオリティに手抜きはありません。前作を踏襲したソウルのみならずロックあり、ジャズあり、ブルースあり、テクノありと盛りだくさんな中でもキャッチーなメロディを忘れないPOPS職人ぶりを見せつけています。しかし本作といえばやはりそのサウンドトラックなコンセプトをおいてほかはありません。小曲を5曲集めた組曲風の「「女王陛下のエロチカ大作戦」からの抜粋」は、それぞれが短いながらも彼らが持ち合わせている音楽的な引き出しと経験によるエッセンスが織り込まれており、本作のハイライトの1つとであると言えるでしょう。また、TECHNOLOGY POPS的にはアナログ的な前作と比較してプログラミング度が高くなったのも嬉しいところで、「恋のテレビジョン・エイジ」や「衛星中継」のようなストレートな打ち込みPOPSのほかにも隠し味的なシンセベースや緻密なリズムトラックなど細部にわたって作り込まれているのが本作の強みと言えます。通常これくらいの大作になると良い楽曲が多数収録されていてもお腹いっぱいになるおそれもありますが、本作では最後まで楽しめるだけの品質が保証されています。ラストの本作のハイライト的な「ゴーゴー女王陛下」のコラージュ感覚が、次作のリミックスベスト「月面軟着陸」の前哨戦にもなっているなど、次回予告のような細かい配慮もなされていて、その徹底したコンセプトに頭が下がる名盤です。
<Favorite Songs>
・「恋のテレビジョン・エイジ」
キラキラしたシンセをフィーチャーしたギターポップ。初期のDX7テクノ路線を彷佛とさせる軽さと爽やかさを感じさせるポップチューンで、淡々とした打ち込みのリズムもその軽やかさに一役買っています。
・「リップ・サーヴィス」
これでもかという美メロを聴かせる前作路線を踏襲した名曲。サビ一発のキラーフレーズが素晴らしいです。色気たっぷりのヴォーカルに泣けるフレーズの相性が抜群です。コーラスが挿入されるタイミングも絶妙です。
・「衛星中継」
タイトルからも連想されるどこかしらスペイシーな打ち込みPOPS。ほどなく正式メンバーとなる野宮真貴をゲストに迎えたデュオ形式の楽曲で、ふんわりした曲調とサンプリングボイスが特徴ですが、本作に限っては衛星中継を上手く表現したサビの歌詞のセンスが上手いです。間奏のKraftwerk「The Telephone Call」の引用もご愛嬌です。
<評点>
・サウンド ★★★★ (多彩なジャンルにかかわらずこだわりのある音を構築)
・メロディ ★★★★★(才能あふれる3人が競い合うように名フレーズを紡ぎ出す)
・リズム ★★★ (特別なことはしていないがそれはPOPS仕事として正解)
・曲構成 ★★★★★(最初から最後まで全く隙がない壮大なコンセプト作品)
・個性 ★★★ (当時3人が持っている力を出し切った感のある集大成)
総合評点: 9点
注意:再発盤にはなぜか「ナイロビの女王陛下」、「ゴーゴー女王陛下」が未収録ですので、オリジナル盤をお薦めします。
pizzicato five

<members>
田島貴男:vocal・guitars・horn arrangement
高浪慶太郎:vocal
小西康陽:vocal・narration・turntable
1.「オードリィ・ヘプバーンの休日」 曲:高浪慶太郎 編:pizzicato five
2.「~イントロダクション"ジェイムズ・ボンドとヴェトナム"」
3.「新ベリッシマ」 詞・曲:小西康陽 編:pizzicato five
4.「恋のテレビジョン・エイジ」 詞・曲:小西康陽 編:pizzicato five
5.「リップ・サーヴィス」
詞:田島貴男・小西康陽 曲:小西康陽 編:pizzicato five
6.「「女王陛下のエロチカ大作戦」からの抜粋」
~a. ナイロビの女王陛下 曲:小西康陽 編:pizzicato five
~b. スパイ対スパイ 詞:田島貴男・小西康陽 曲:小西康陽 編:pizzicato five
~c. スウェーデン娘 詞:田島貴男・小西康陽 曲:小西康陽 編:pizzicato five
~d. 自白剤 詞・曲:高浪慶太郎 編:pizzicato five
~e. 陽動作戦 曲:高浪慶太郎 編:pizzicato five
7.「トップ・シークレット(最高機密)」
詞:田島貴男・小西康陽 曲:小西康陽 編:pizzicato five
8.「バナナの皮」 詞:小西康陽 曲:高浪慶太郎 編:pizzicato five
9.「トップ40」 詞・曲:田島貴男 編:pizzicato five
10.「ホームシック・ブルース」 詞・曲:高浪慶太郎 編:pizzicato five
11.「衛星中継」 詞・曲:小西康陽 編:pizzicato five
12.「遠い天国」 曲:高浪慶太郎 編:pizzicato five
13.「女王陛下よ永遠なれ」 詞・曲:小西康陽 編:pizzicato five
14.「夜をぶっとばせ」 詞:小西康陽 曲:田島貴男 編:pizzicato five
15.「ゴーゴー女王陛下」 曲:小西康陽 編:pizzicato five
<support musician>
越美晴:vocal・chorus
鈴木智文:guitars
徳武弘文:guitars
花田裕之:guitars
村松邦男:guitars
沖山優司:electric bass
中原信雄:electric bass
渡辺等:electric bass・fretless guitar・acoustic bass
市原康:drums
宮田繁男:drums
島 健:keyboards
中山努:keyboards
丸尾めぐみ:accordion
河合マイケル:percussions
鳴島英治:percussions
ひらがくらよしえ:percussions
金山功:vibraphone・xylophone・glocken・timpani
八木のぶ夫:harmonica
数原晋:trumpet・flugel horn
西山健治:trombone
Jake H. Concepcion:tenor sax・flute・piccolo
山岸博:french horn
山田栄重:french horn
前田Strings:strings
山川恵子:harp
長谷川智樹:orchestration・conduct
伊集加代子:chorus
大内美貴子:chorus
野宮真貴:chorus
佐々木麻美子:voice
杉村純子:voice
高村宏:voice
馬場美智子:voice
森岡サーヤ:voice
井上大介:synthesizer manipulate
坂元俊介:synthesizer manipulate
福田竜太:synthesizer manipulate
山崎哲雄:synthesizer manipulate
produced by 小西康陽・高浪慶太郎・田島貴男
mixing engineered by 吉田保・森岡徹也・田中信一
recording engineered by 森岡徹也・加藤博美
● 豪華ゲストを絶妙に配置!架空のサウンドトラックの如き壮大なコンセプトアルバム
Original Loveの田島貴男をヴォーカルに迎え男性トリオとなった第2期pizzicato five。2ndフルアルバム「Bellissima!」は田島の艶やかなヴォーカルとソングライティング能力の目立つ大人のソウルフルPOPSでしたが、彼に刺激されたオリジナルメンバーの2人がこのまま黙っているはずはなく、小西は得意の企画編集能力、高浪は経験に裏打ちされたメロディセンスを発揮すべく、壮大なコンセプトアルバムを完成させます。3rdアルバムとなる本作は架空のサウンドトラックと呼べるほどのストーリー性を前面に押し出した作品で、多様なジャンルと花田裕之や越美晴、未来のメンバー野宮真貴ら多彩なミュージシャンによる安定感抜群の演奏、そして前作でも披露された実年齢にそぐわない円熟味あふれるサウンドメイキングが十二分に楽しめる第2期pizzicatoの集大成的大作となっています。
全19曲というこれ以上ない楽曲の詰め込み方を見せたこの作品ですが、楽曲のクオリティに手抜きはありません。前作を踏襲したソウルのみならずロックあり、ジャズあり、ブルースあり、テクノありと盛りだくさんな中でもキャッチーなメロディを忘れないPOPS職人ぶりを見せつけています。しかし本作といえばやはりそのサウンドトラックなコンセプトをおいてほかはありません。小曲を5曲集めた組曲風の「「女王陛下のエロチカ大作戦」からの抜粋」は、それぞれが短いながらも彼らが持ち合わせている音楽的な引き出しと経験によるエッセンスが織り込まれており、本作のハイライトの1つとであると言えるでしょう。また、TECHNOLOGY POPS的にはアナログ的な前作と比較してプログラミング度が高くなったのも嬉しいところで、「恋のテレビジョン・エイジ」や「衛星中継」のようなストレートな打ち込みPOPSのほかにも隠し味的なシンセベースや緻密なリズムトラックなど細部にわたって作り込まれているのが本作の強みと言えます。通常これくらいの大作になると良い楽曲が多数収録されていてもお腹いっぱいになるおそれもありますが、本作では最後まで楽しめるだけの品質が保証されています。ラストの本作のハイライト的な「ゴーゴー女王陛下」のコラージュ感覚が、次作のリミックスベスト「月面軟着陸」の前哨戦にもなっているなど、次回予告のような細かい配慮もなされていて、その徹底したコンセプトに頭が下がる名盤です。
<Favorite Songs>
・「恋のテレビジョン・エイジ」
キラキラしたシンセをフィーチャーしたギターポップ。初期のDX7テクノ路線を彷佛とさせる軽さと爽やかさを感じさせるポップチューンで、淡々とした打ち込みのリズムもその軽やかさに一役買っています。
・「リップ・サーヴィス」
これでもかという美メロを聴かせる前作路線を踏襲した名曲。サビ一発のキラーフレーズが素晴らしいです。色気たっぷりのヴォーカルに泣けるフレーズの相性が抜群です。コーラスが挿入されるタイミングも絶妙です。
・「衛星中継」
タイトルからも連想されるどこかしらスペイシーな打ち込みPOPS。ほどなく正式メンバーとなる野宮真貴をゲストに迎えたデュオ形式の楽曲で、ふんわりした曲調とサンプリングボイスが特徴ですが、本作に限っては衛星中継を上手く表現したサビの歌詞のセンスが上手いです。間奏のKraftwerk「The Telephone Call」の引用もご愛嬌です。
<評点>
・サウンド ★★★★ (多彩なジャンルにかかわらずこだわりのある音を構築)
・メロディ ★★★★★(才能あふれる3人が競い合うように名フレーズを紡ぎ出す)
・リズム ★★★ (特別なことはしていないがそれはPOPS仕事として正解)
・曲構成 ★★★★★(最初から最後まで全く隙がない壮大なコンセプト作品)
・個性 ★★★ (当時3人が持っている力を出し切った感のある集大成)
総合評点: 9点
注意:再発盤にはなぜか「ナイロビの女王陛下」、「ゴーゴー女王陛下」が未収録ですので、オリジナル盤をお薦めします。
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
コメント
No title
『女王陛下~』 は ミュージックテープで買いましたのでハードが無くてもう10年以上聞いていませんし、もう聞けないでしょう。佐々木麻美子、野宮真貴が参加してますね。
No title
すてきなブログですね。
とてもおもしろいです。
また遊びに来ます!!
とてもおもしろいです。
また遊びに来ます!!
No title
コンセプトアルバム好きの私にとって、当時、愛聴番の一つでした。
この後、暫くして、またまたメインヴォーカル交替と相成りますが、PIZZICATOとしてのスタイルはこのアルバムで確立されたように思えます。
ただ逆に、それ故、これ以上のアルバムは結局期待出来ないのではないかと思われるようになり、この後PIZZICATOが世に認められるようになる頃には、私はすっかり彼らの新譜を聴かなくなっていました。
この後、暫くして、またまたメインヴォーカル交替と相成りますが、PIZZICATOとしてのスタイルはこのアルバムで確立されたように思えます。
ただ逆に、それ故、これ以上のアルバムは結局期待出来ないのではないかと思われるようになり、この後PIZZICATOが世に認められるようになる頃には、私はすっかり彼らの新譜を聴かなくなっていました。
Re: No title
ケビケビさん、こんばんは。
ミュージックテープ!当時はまだ売っていたんですね。
89年はいよいよCDラジカセを手に入れた時期であったのですが、まだまだ持ち合わせがなくてレンタルしてカセットテープに録音していた時代でした。
結局当時録音した音源はほとんど後年購入し直しましたw
ミュージックテープ!当時はまだ売っていたんですね。
89年はいよいよCDラジカセを手に入れた時期であったのですが、まだまだ持ち合わせがなくてレンタルしてカセットテープに録音していた時代でした。
結局当時録音した音源はほとんど後年購入し直しましたw
Re: No title
riyokuさん、こんばんは。
楽しんでいただけてありがとうございます。
今後もおヒマな時に気軽に寄って下さい!
楽しんでいただけてありがとうございます。
今後もおヒマな時に気軽に寄って下さい!
Re: No title
PATTAYAさん、こんばんは。
経緯がワタシと同じですね。
ワタシも野宮嬢が正式に参加した「女性上位時代」が余りしっくりこなくて、その後は一歩距離を置いた形となってしまいました。
portable rockは好きなんですけどね。
経緯がワタシと同じですね。
ワタシも野宮嬢が正式に参加した「女性上位時代」が余りしっくりこなくて、その後は一歩距離を置いた形となってしまいました。
portable rockは好きなんですけどね。
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