「e.s.s.e」 eyelush
「e.s.s.e」(1997 Oo)
eyelush

<members>
秋葉伸実:vocal・synthesizers programming・background vocals
大竹正和:keyboards・synthesizers programming・background vocals
<electric instruments>
KORG Prophecy・KORG MONO Poly・KORG Polysix・KORG MS-50・KORG Wave Station SR・BOSS PC-2・AKAI S1000・E-mu Vintage Keys・Roland JX-8P・Roland SH-2・Roland TR-909・Roland TR-606・Roland VS-880・Yamaha QX-1・Yamaha SY-99・Yamaha DX-7 II FD・ULT -Sound
1.「脳走~Brain Drive」 詞:15 曲・編:eyelush
2.「1000th Venus」 詞:15 曲・編:eyelush
3.「Domino Of Noise」 曲・編:eyelush
4.「未遂」 詞:15 曲・編:eyelush
5.「r.s.q (before the last order)」 詞:15 曲・編:eyelush
6.「融雪~A long way off, Here~」 詞:15 曲・編:eyelush
<support musician>
鈴木精華:background vocals
produced by eyelush・深田悦之
mixing engineered by John Gallen
recording engineered by 徳永宏
●エレポップの河村隆一?マニアックなシンセサウンドと親しみやすいメロディが噛み合った傑作
90年代後半に突如現れたクラブ系テクノの悪影響を全く受けていない10年早過ぎたエレポップユニットがこのeyelushです。相川七瀬のサポートキーボーディストであった秋葉伸実とその相棒である宇宙人アンテナを持つ男、大竹正和のシンセマニアデュオであるこのユニットは、ギターやベースを全く使わずアナログシンセやセミビンテージシンセとリズムマシンやエレドラ(上記Electric instruments参照)を駆使した徹底したTECHNOLOGYサウンドと熱唱型ナルシスティックヴォーカルで、キャッチーなメロディのPOPSを創り出す興味深いユニットだったのですが、売れませんでしたね・・。96年の1stミニアルバム「Bavarois」から電子楽器まみれの求道的なエレポップ観が顕著で、かつ非常に覚えやすいポップな作風が潔かったのですが、この2ndでも同路線を踏襲し、さらに王道エレポップ路線を邁進しています。
そしてこの2ndでは、eyelushの特徴でもあるどぎつい強烈なシンセソロが全編で炸裂しています。恐らくここまでシンセソロが目立ちまくった楽曲を聴かせてくれるのはeyelushだけではないでしょうか。それでいて大事なのは、やはりそのポップ感覚。ポップというのは80'sエレポップにとって非常に重要なキーでありますが、その影響をモロに受けたeyelushは、POPSであることを前提に電子POPSに仕上げているので全く違和感がないのです。あるとすれば時に羽目を外したシンセソロでしょうか。また、当時流行のヴィジュアル系的ヴォーカルは好き嫌いが分かれるところですが、この手のサウンドにありがちなCOOLさは感じられず、とにかく熱いのです(暑苦しくはありません)。ここにもeyelush的エレポップの個性が表れていると思います。ただ、このアルバムではラストの「融雪」がチープさを狙った割には地味で、他の楽曲に埋もれた形になっているのが惜しいといえば惜しいですね。
eyelushは結局2枚のアルバムを残してインディーズへ。3rdアルバム「apple minds」をリリース後、思い出したように活動するのみですが、Ooレコード在籍時のこの作品はTECHNOLOGY POPSど真ん中の傑作として記憶に残したい1枚です。惜しむらくは前作とドッキングさせた方がさらに名盤になったと思うのですが。
<Favorite Songs>
・「1000th Venus」
eyelushが残した(今のところ)最高傑作。未来観溢れるコード感覚によく伸びるヴォーカル、そして間奏の名シンセソロ。どれをとってもTECHNOLOGY POPS的にはたまらない構成の楽曲です。あくまで流行テクノに惑わされない直球80'sエレポップ路線が潔いのです。
・「脳走~Brain Drive」
アルバムのオープニングを飾る味のあるアップテンポナンバー。アナログシンセ特有のコシのあるシンセベースが気持ちいいが、この曲もやはりシンセソロ。とにかくeyelushの曲はシンセソロが飽きないのです。
・「r.s.q (before the last order)」
アナログシンセ的エレポップですが、さらに軽薄さを前面に押し出したポップチューン。しつこいようですが、これも電気を大量に消費するかのようなコクのあるシンセソロが魅力的。逆に言うとこのシンセソロが味噌汁にキムチ放り込んだ状態にしているのかもしれません。
<評点>
・サウンド ★★★★★(電子楽器1本で勝負する潔さとやはりシンセソロが○)
・メロディ ★★★★★(シンセが生きるのはこのメロディセンスがあってこそ)
・リズム ★★★ (TRシリーズが大活躍だが、強烈なゲートスネアも聴きたい)
・曲構成 ★★★ (ラストのバラードでもう少し頑張れれば・・・)
・個性 ★★★★ (ヴォーカル、シンセソロ、個性の塊なはずなのだが・・)
総合評点: 9点
eyelush

<members>
秋葉伸実:vocal・synthesizers programming・background vocals
大竹正和:keyboards・synthesizers programming・background vocals
<electric instruments>
KORG Prophecy・KORG MONO Poly・KORG Polysix・KORG MS-50・KORG Wave Station SR・BOSS PC-2・AKAI S1000・E-mu Vintage Keys・Roland JX-8P・Roland SH-2・Roland TR-909・Roland TR-606・Roland VS-880・Yamaha QX-1・Yamaha SY-99・Yamaha DX-7 II FD・ULT -Sound
1.「脳走~Brain Drive」 詞:15 曲・編:eyelush
2.「1000th Venus」 詞:15 曲・編:eyelush
3.「Domino Of Noise」 曲・編:eyelush
4.「未遂」 詞:15 曲・編:eyelush
5.「r.s.q (before the last order)」 詞:15 曲・編:eyelush
6.「融雪~A long way off, Here~」 詞:15 曲・編:eyelush
<support musician>
鈴木精華:background vocals
produced by eyelush・深田悦之
mixing engineered by John Gallen
recording engineered by 徳永宏
●エレポップの河村隆一?マニアックなシンセサウンドと親しみやすいメロディが噛み合った傑作
90年代後半に突如現れたクラブ系テクノの悪影響を全く受けていない10年早過ぎたエレポップユニットがこのeyelushです。相川七瀬のサポートキーボーディストであった秋葉伸実とその相棒である宇宙人アンテナを持つ男、大竹正和のシンセマニアデュオであるこのユニットは、ギターやベースを全く使わずアナログシンセやセミビンテージシンセとリズムマシンやエレドラ(上記Electric instruments参照)を駆使した徹底したTECHNOLOGYサウンドと熱唱型ナルシスティックヴォーカルで、キャッチーなメロディのPOPSを創り出す興味深いユニットだったのですが、売れませんでしたね・・。96年の1stミニアルバム「Bavarois」から電子楽器まみれの求道的なエレポップ観が顕著で、かつ非常に覚えやすいポップな作風が潔かったのですが、この2ndでも同路線を踏襲し、さらに王道エレポップ路線を邁進しています。
そしてこの2ndでは、eyelushの特徴でもあるどぎつい強烈なシンセソロが全編で炸裂しています。恐らくここまでシンセソロが目立ちまくった楽曲を聴かせてくれるのはeyelushだけではないでしょうか。それでいて大事なのは、やはりそのポップ感覚。ポップというのは80'sエレポップにとって非常に重要なキーでありますが、その影響をモロに受けたeyelushは、POPSであることを前提に電子POPSに仕上げているので全く違和感がないのです。あるとすれば時に羽目を外したシンセソロでしょうか。また、当時流行のヴィジュアル系的ヴォーカルは好き嫌いが分かれるところですが、この手のサウンドにありがちなCOOLさは感じられず、とにかく熱いのです(暑苦しくはありません)。ここにもeyelush的エレポップの個性が表れていると思います。ただ、このアルバムではラストの「融雪」がチープさを狙った割には地味で、他の楽曲に埋もれた形になっているのが惜しいといえば惜しいですね。
eyelushは結局2枚のアルバムを残してインディーズへ。3rdアルバム「apple minds」をリリース後、思い出したように活動するのみですが、Ooレコード在籍時のこの作品はTECHNOLOGY POPSど真ん中の傑作として記憶に残したい1枚です。惜しむらくは前作とドッキングさせた方がさらに名盤になったと思うのですが。
<Favorite Songs>
・「1000th Venus」
eyelushが残した(今のところ)最高傑作。未来観溢れるコード感覚によく伸びるヴォーカル、そして間奏の名シンセソロ。どれをとってもTECHNOLOGY POPS的にはたまらない構成の楽曲です。あくまで流行テクノに惑わされない直球80'sエレポップ路線が潔いのです。
・「脳走~Brain Drive」
アルバムのオープニングを飾る味のあるアップテンポナンバー。アナログシンセ特有のコシのあるシンセベースが気持ちいいが、この曲もやはりシンセソロ。とにかくeyelushの曲はシンセソロが飽きないのです。
・「r.s.q (before the last order)」
アナログシンセ的エレポップですが、さらに軽薄さを前面に押し出したポップチューン。しつこいようですが、これも電気を大量に消費するかのようなコクのあるシンセソロが魅力的。逆に言うとこのシンセソロが味噌汁にキムチ放り込んだ状態にしているのかもしれません。
<評点>
・サウンド ★★★★★(電子楽器1本で勝負する潔さとやはりシンセソロが○)
・メロディ ★★★★★(シンセが生きるのはこのメロディセンスがあってこそ)
・リズム ★★★ (TRシリーズが大活躍だが、強烈なゲートスネアも聴きたい)
・曲構成 ★★★ (ラストのバラードでもう少し頑張れれば・・・)
・個性 ★★★★ (ヴォーカル、シンセソロ、個性の塊なはずなのだが・・)
総合評点: 9点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
コメント
いいですね~!
買っちゃいました~。ほんとに私の好みでした~。荒木さんと松岡君をミックスしたような凝りまくった面白サウンドはたまりません。いいですよね?これ。なんで売れなかったのかな~。
買いましたか!
ありがとうございます。eyelushの良さは余り知られていないので忸怩たる思いをしていたのです。
彼らはテクノポップ/エレポップのジャンルでもう少し注目を浴びるべきだったのですが、少し早すぎたかもしれません。5年くらい待てば80'sブームだったのにw
売れなかったのはそういう状況と、Ooレコードというすぐつぶれてしまうようなレコード会社所属だったからでしょうか。プロモーションが・・。
ありがとうございます。eyelushの良さは余り知られていないので忸怩たる思いをしていたのです。
彼らはテクノポップ/エレポップのジャンルでもう少し注目を浴びるべきだったのですが、少し早すぎたかもしれません。5年くらい待てば80'sブームだったのにw
売れなかったのはそういう状況と、Ooレコードというすぐつぶれてしまうようなレコード会社所属だったからでしょうか。プロモーションが・・。
No title
reryoさん今晩は!書き込みさせて頂きます!
このユニットに使用されているシンセサイザーの数々、本当に羨ましいです!(笑)
1000th Venusの完成度は本当に高く、豪勢な展開ですよね。
そうそう、reryoさんのプロフィール画像、素晴らしい機材の数々ですね~!(羨)
最近のシンセは音を選ぶだけ(クオリティは高いんだけど)のものが多く、ワクワク感が無いですねぇ。V-SYNTHは興味アリです。
個人的には、今更ですがジュピターの6(ふるっ)が物凄く欲しいです。
P.S.当ブログよりリンクを張らせて頂きました!
このユニットに使用されているシンセサイザーの数々、本当に羨ましいです!(笑)
1000th Venusの完成度は本当に高く、豪勢な展開ですよね。
そうそう、reryoさんのプロフィール画像、素晴らしい機材の数々ですね~!(羨)
最近のシンセは音を選ぶだけ(クオリティは高いんだけど)のものが多く、ワクワク感が無いですねぇ。V-SYNTHは興味アリです。
個人的には、今更ですがジュピターの6(ふるっ)が物凄く欲しいです。
P.S.当ブログよりリンクを張らせて頂きました!
JUNさんこんばんは。いらっしゃいませ。
eyelushのシンセオタク具合は昔キーボードスペシャルっていう雑誌で特集コーナーがあって、ROLAND JX-8Pなどのセミビンテージシンセの良さをアピールしていたことでも、その度合いが知れていましたw
プロフィール画像へのツッコミもありがとうございます。
最近触る機会があまりなく残念なのですが、WALDORFファンですのであんなカラフルな感じになってしまいました。
実はJUPITER-6は昔持ってたんですよ。
でもスペースの問題と重くて床が抜けそうだったのと、MKS-80+MPG80コンビが入手できたので泣く泣く手放してしまいました・・。
JUNさんのブログも相互リンクさせていただきました。
今後ともよろしくお願いいたします。
eyelushのシンセオタク具合は昔キーボードスペシャルっていう雑誌で特集コーナーがあって、ROLAND JX-8Pなどのセミビンテージシンセの良さをアピールしていたことでも、その度合いが知れていましたw
プロフィール画像へのツッコミもありがとうございます。
最近触る機会があまりなく残念なのですが、WALDORFファンですのであんなカラフルな感じになってしまいました。
実はJUPITER-6は昔持ってたんですよ。
でもスペースの問題と重くて床が抜けそうだったのと、MKS-80+MPG80コンビが入手できたので泣く泣く手放してしまいました・・。
JUNさんのブログも相互リンクさせていただきました。
今後ともよろしくお願いいたします。
コメントの投稿