「PULSE」 JULLAN
「PULSE」(1985 サウンドデザイン)
JULLAN

<members>
HIROSHI:vocal・synthesizers・acoustic piano・drums & bass programming
TADASHI:guitar
1.「DEPEND ON YOU」 詞・曲・編:JULLAN
2.「STOP THE RACE」 詞・曲・編:JULLAN
3.「THE SHIP」 詞・曲・編:JULLAN
4.「SAVE THEM」 詞・曲・編:JULLAN
5.「TIME (FOR PEOPLE)」 詞・曲・編:JULLAN
6.「LET'S DANCE EVERYNIGHT」 詞・曲・編:JULLAN
7.「ELECTROMANCE」 詞・曲・編:JULLAN
8.「LOVE SOMEBODY」 詞・曲・編:JULLAN
9.「CIRCULATION」 曲・編:JULLAN
produced by 南里高世
engineered by 永見竜生
● サンプラーを導入しさらにサウンドにパワーが増したエレポップ王道デュオのラストアルバム
ポストYMOと称され英国での高い評価が話題となったエレポップデュオJULLANは、「Imaginally Doll」「Electromance」と立て続けに2枚のアルバムをリリースし、シングル「Because of Love」はコーセー化粧品CMソングに抜擢されるなど順調に活動を進めていましたが、サウンドメイクの中心であったHIROSHIの影に隠れた印象であったATSUSHIが脱退、新たにTADASHIが加入しある種の転換期を迎えることになります。そして再びCMソングに起用された哀愁メロディのシングル「Rouge Train」(これは名曲!)の後、3rdアルバムとして本作がリリースされるわけですが、良くも悪くも陰りのあるUKエレポップの影響化にあったそれまでのサウンドとは異なり、力強いリズムと執拗なサンプリング攻撃による新たな側面を見せつけた作品となっています。
本作は前述の通りサンプラーの導入がサウンドに劇的な変化を与えており、サンプラーを触った者が誰もが通る道であるドモリングボイスサンプリングもさることながら、とにかくリズムの音響処理が格段に進歩している印象を受けます。リズムが派手になった分シンセサウンドもそれに負けじと前に出てくるようなデジタル系の尖った音色が多用されていて、それが全体的に明朗快活な雰囲気を醸し出している要因でもあると思います。また、これまでは内に籠りがちな印象があった楽曲のイメージを覆すかのように、間奏で強烈なシンセソロを聴かせる楽曲が多くなり、それもクロスモジュレーション系の歪み音色を混ぜたりと比較的プレイヤー寄りのアプローチを見せるなど、新境地を開拓してさらに高みを目指そうという意欲が感じられる作品です。1~2枚目とは音の印象が全く異なり、2枚目までのテイストが好きな方にはしっくりこないかもしれませんが、アレンジの緻密さや音響処理の凝り具合などは彼らの最高傑作に値すると個人的には思っています。しかし、この後ほどなくJULLANは解散、HIROSHIこと瀬川博史は、オカリナ奏者宗次郎のアルバムでプロデューサーの南里高世と共に作曲者として名を連ねているのを見かけて以来、消息を知りたいところです(なんとかしてJULLANの作品をCD化できないものでしょうか・・・)。
<Favorite Songs>
・「DEPEND ON YOU」
斜に構えたJULLAN節はそのままに、ハードエッジなギターの効いたロックテイストのエレポップに挑戦したハイパーチューン。直線的なシンセベースにしっかりと前に出てくるシンセサウンドがこれまでになく攻撃的です。
・「STOP THE RACE」
歌はサビだけというほとんどインストながら歌心が感じられるマイナー系エレポップ。陰りのあるAメロの渋いフレーズや粘りのあるファンキーなシンセベースも味がありますが、途中でドリルな高速ロールのバスドラや強烈なスネアの音響処理、誰もが一度は遊びたくなるボイスサンプリングなど、聴き所は満載です。
・「SAVE THEM」
音の長さの短い跳ねるようなシンセベースとパワフルなリズムトラックが特徴のファンキーエレポップ。とにかく前へ前へと出てくる跳ねまくるリズムのノリが心地良いです。間奏のシンセソロもこれまでのJULLANでは考えられないほどの歪む系音色で力強さを感じます。
<評点>
・サウンド ★★★★ (キレもパワーも格段にアップして音像がクッキリした)
・メロディ ★★ (相変わらずステレオタイプのUKエレポップフレーズ)
・リズム ★★★★ (音色・リズムパターン共に気合いが感じられる凝り具合)
・曲構成 ★ (ラストのインストはデザート扱いとはいえ必要ない気が)
・個性 ★★★ (サウンドの流行を敏感に感じ取り吸収した先進性は買う)
総合評点: 8点
JULLAN

<members>
HIROSHI:vocal・synthesizers・acoustic piano・drums & bass programming
TADASHI:guitar
1.「DEPEND ON YOU」 詞・曲・編:JULLAN
2.「STOP THE RACE」 詞・曲・編:JULLAN
3.「THE SHIP」 詞・曲・編:JULLAN
4.「SAVE THEM」 詞・曲・編:JULLAN
5.「TIME (FOR PEOPLE)」 詞・曲・編:JULLAN
6.「LET'S DANCE EVERYNIGHT」 詞・曲・編:JULLAN
7.「ELECTROMANCE」 詞・曲・編:JULLAN
8.「LOVE SOMEBODY」 詞・曲・編:JULLAN
9.「CIRCULATION」 曲・編:JULLAN
produced by 南里高世
engineered by 永見竜生
● サンプラーを導入しさらにサウンドにパワーが増したエレポップ王道デュオのラストアルバム
ポストYMOと称され英国での高い評価が話題となったエレポップデュオJULLANは、「Imaginally Doll」「Electromance」と立て続けに2枚のアルバムをリリースし、シングル「Because of Love」はコーセー化粧品CMソングに抜擢されるなど順調に活動を進めていましたが、サウンドメイクの中心であったHIROSHIの影に隠れた印象であったATSUSHIが脱退、新たにTADASHIが加入しある種の転換期を迎えることになります。そして再びCMソングに起用された哀愁メロディのシングル「Rouge Train」(これは名曲!)の後、3rdアルバムとして本作がリリースされるわけですが、良くも悪くも陰りのあるUKエレポップの影響化にあったそれまでのサウンドとは異なり、力強いリズムと執拗なサンプリング攻撃による新たな側面を見せつけた作品となっています。
本作は前述の通りサンプラーの導入がサウンドに劇的な変化を与えており、サンプラーを触った者が誰もが通る道であるドモリングボイスサンプリングもさることながら、とにかくリズムの音響処理が格段に進歩している印象を受けます。リズムが派手になった分シンセサウンドもそれに負けじと前に出てくるようなデジタル系の尖った音色が多用されていて、それが全体的に明朗快活な雰囲気を醸し出している要因でもあると思います。また、これまでは内に籠りがちな印象があった楽曲のイメージを覆すかのように、間奏で強烈なシンセソロを聴かせる楽曲が多くなり、それもクロスモジュレーション系の歪み音色を混ぜたりと比較的プレイヤー寄りのアプローチを見せるなど、新境地を開拓してさらに高みを目指そうという意欲が感じられる作品です。1~2枚目とは音の印象が全く異なり、2枚目までのテイストが好きな方にはしっくりこないかもしれませんが、アレンジの緻密さや音響処理の凝り具合などは彼らの最高傑作に値すると個人的には思っています。しかし、この後ほどなくJULLANは解散、HIROSHIこと瀬川博史は、オカリナ奏者宗次郎のアルバムでプロデューサーの南里高世と共に作曲者として名を連ねているのを見かけて以来、消息を知りたいところです(なんとかしてJULLANの作品をCD化できないものでしょうか・・・)。
<Favorite Songs>
・「DEPEND ON YOU」
斜に構えたJULLAN節はそのままに、ハードエッジなギターの効いたロックテイストのエレポップに挑戦したハイパーチューン。直線的なシンセベースにしっかりと前に出てくるシンセサウンドがこれまでになく攻撃的です。
・「STOP THE RACE」
歌はサビだけというほとんどインストながら歌心が感じられるマイナー系エレポップ。陰りのあるAメロの渋いフレーズや粘りのあるファンキーなシンセベースも味がありますが、途中でドリルな高速ロールのバスドラや強烈なスネアの音響処理、誰もが一度は遊びたくなるボイスサンプリングなど、聴き所は満載です。
・「SAVE THEM」
音の長さの短い跳ねるようなシンセベースとパワフルなリズムトラックが特徴のファンキーエレポップ。とにかく前へ前へと出てくる跳ねまくるリズムのノリが心地良いです。間奏のシンセソロもこれまでのJULLANでは考えられないほどの歪む系音色で力強さを感じます。
<評点>
・サウンド ★★★★ (キレもパワーも格段にアップして音像がクッキリした)
・メロディ ★★ (相変わらずステレオタイプのUKエレポップフレーズ)
・リズム ★★★★ (音色・リズムパターン共に気合いが感じられる凝り具合)
・曲構成 ★ (ラストのインストはデザート扱いとはいえ必要ない気が)
・個性 ★★★ (サウンドの流行を敏感に感じ取り吸収した先進性は買う)
総合評点: 8点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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