「つみきみほ」 つみきみほ
「つみきみほ」(1988 ポニーキャニオン)
つみきみほ:vocal

1.「おまじない」 詞:蓮田ひろか 曲:山口美央子 編:松本晃彦
2.「少年」 詞:森本抄夜子 曲:八田雅弘 編:清水信之
3.「星の人」 詞・曲:中川進 編:松本晃彦
4.「サヨナラのあくる日」 詞:松本隆 曲:細野晴臣 編:清水信之
5.「楽園」 詞:森本抄夜子 曲:井上ヨシマサ 編:松本晃彦
6.「森へ帰ろう」 詞・曲:山口美央子 編:松本晃彦
7.「エンジェルの苺わいん」 詞:蓮田ひろか 曲:井上ヨシマサ 編:松本晃彦
8.「#」 詞:播摩祐子 曲:山本寛太郎 編:清水信之
9.「CASTLE ON A CLOUD」
詞:Herbert Kretzmer 曲:Claude-Michel Schonberg 編:松本晃彦
10.「時代よ変われ」 詞:松本隆 曲:細野晴臣 編:清水信之
produced by 吉田成彦・武田ノリオ
mixing engineered by 大川正義・内沼映二
recording engineered by 大川正義・松本幸一郎・森本信・家守久雄
● 不思議な存在感とユニセックスの魅力で独自の世界観を築いた個性派女優のデビュー作
吉川晃司主演映画ヒロインオーディションでグランプリを獲得、そのボーイッシュなルックスと猫のような強力な眼力によって周りを引きつける魅力を持った女優つみきみほは、1987年の映画「精霊のささやき」では主演を務めるなど順調に売り出され存在感を高めていきましたが、同年歌手としても活動を開始し、シングル「森へ帰ろう」でデビューします。ルックスに違わぬ明朗活発なイメージとどこか非現実感を感じさせる雰囲気を持ったこのシングルをきっかけに、「少年」「時代よ変われ」と立て続けに個性的なシングルを連発、その歌手活動の集大成として88年にリリースされたのが自身の名前を冠した本作です。
作曲にシンガーソングライターであった山口美央子や当時売り出し中の井上ヨシマサ、そして言わずと知れた細野晴臣らを迎えた豪華作家陣による本作は、既に大御所の風格漂う清水信之とVIZION~ショコラータを経てかず一のアーティストのサポートキーボーディストとして活躍していた松本晃彦という2人のアレンジャーによる巧みで深みのあるサウンドも相まって、非常に恵まれた環境にあったと言えるでしょう。お世辞にも上手いとは言えない素人風の歌唱ながらナチュラルさを感じるつみきみほの声質を生かすために、従来のアイドルソングとは少し異なったアプローチによるアーティスティックな楽曲に仕上げており、ギターサウンドとストリングス、デジタルサウンドを巧みに織り交ぜながら、まさに少年の心のようにメルヘンティックで明るい未来を感じさせるような独特の音楽性はもっと評価されても良いのではないでしょうか。
本来女優中心に活動していくはずの彼女は結局アルバムとしては本作のみしか残していませんが、せっかく興味深い音楽性を持ち会わせていたのだから、もう何作かアルバムを残してほしかったというのが個人的な感想です。
<Favorite Songs>
・「おまじない」
ハードボイルドなイントロと間奏の縦横無尽なサックスソロに意表を突かれるオープニングナンバー。オーケストレーションとチェレスタのような音色を取り入れたサビで一気にヨーロッパ的なメルヘンイメージに変身するところもおもしろいです。
・「森へ帰ろう」
山口美央子作詞作曲のオーガニックメルヘンPOPSの名曲。説得力抜群のサビのフレーズに滑らかなストリングスが絡んでくる構成が美しく、特にサビ前のストリングスブレイクは秀逸です。前に出てくるような生ドラムとのバランスも良いです。
・「時代よ変われ」
天下の松本+細野コンビが贈る不思議メッセージソング。本編はメジャーとマイナーを行き来する細野節が堪能できますが、トルコ軍楽隊なイントロから音に隙間が感じられるシンプルなサウンドを構築した清水信之の渋い仕事ぶりも光ります。
<評点>
・サウンド ★★★ (ストリングスとデジタルの融合で新たなアプローチに)
・メロディ ★★ (この作品も90's前期アイドル歌謡を先走った秀逸メロ)
・リズム ★★ (派手すぎず埋もれすぎないバランスのとれたリズム音色)
・曲構成 ★★ (タレントのイメージを崩さない統一された世界観)
・個性 ★★ (アイドルというよりは女優の音楽作品として語るべき)
総合評点: 7点
つみきみほ:vocal

1.「おまじない」 詞:蓮田ひろか 曲:山口美央子 編:松本晃彦
2.「少年」 詞:森本抄夜子 曲:八田雅弘 編:清水信之
3.「星の人」 詞・曲:中川進 編:松本晃彦
4.「サヨナラのあくる日」 詞:松本隆 曲:細野晴臣 編:清水信之
5.「楽園」 詞:森本抄夜子 曲:井上ヨシマサ 編:松本晃彦
6.「森へ帰ろう」 詞・曲:山口美央子 編:松本晃彦
7.「エンジェルの苺わいん」 詞:蓮田ひろか 曲:井上ヨシマサ 編:松本晃彦
8.「#」 詞:播摩祐子 曲:山本寛太郎 編:清水信之
9.「CASTLE ON A CLOUD」
詞:Herbert Kretzmer 曲:Claude-Michel Schonberg 編:松本晃彦
10.「時代よ変われ」 詞:松本隆 曲:細野晴臣 編:清水信之
produced by 吉田成彦・武田ノリオ
mixing engineered by 大川正義・内沼映二
recording engineered by 大川正義・松本幸一郎・森本信・家守久雄
● 不思議な存在感とユニセックスの魅力で独自の世界観を築いた個性派女優のデビュー作
吉川晃司主演映画ヒロインオーディションでグランプリを獲得、そのボーイッシュなルックスと猫のような強力な眼力によって周りを引きつける魅力を持った女優つみきみほは、1987年の映画「精霊のささやき」では主演を務めるなど順調に売り出され存在感を高めていきましたが、同年歌手としても活動を開始し、シングル「森へ帰ろう」でデビューします。ルックスに違わぬ明朗活発なイメージとどこか非現実感を感じさせる雰囲気を持ったこのシングルをきっかけに、「少年」「時代よ変われ」と立て続けに個性的なシングルを連発、その歌手活動の集大成として88年にリリースされたのが自身の名前を冠した本作です。
作曲にシンガーソングライターであった山口美央子や当時売り出し中の井上ヨシマサ、そして言わずと知れた細野晴臣らを迎えた豪華作家陣による本作は、既に大御所の風格漂う清水信之とVIZION~ショコラータを経てかず一のアーティストのサポートキーボーディストとして活躍していた松本晃彦という2人のアレンジャーによる巧みで深みのあるサウンドも相まって、非常に恵まれた環境にあったと言えるでしょう。お世辞にも上手いとは言えない素人風の歌唱ながらナチュラルさを感じるつみきみほの声質を生かすために、従来のアイドルソングとは少し異なったアプローチによるアーティスティックな楽曲に仕上げており、ギターサウンドとストリングス、デジタルサウンドを巧みに織り交ぜながら、まさに少年の心のようにメルヘンティックで明るい未来を感じさせるような独特の音楽性はもっと評価されても良いのではないでしょうか。
本来女優中心に活動していくはずの彼女は結局アルバムとしては本作のみしか残していませんが、せっかく興味深い音楽性を持ち会わせていたのだから、もう何作かアルバムを残してほしかったというのが個人的な感想です。
<Favorite Songs>
・「おまじない」
ハードボイルドなイントロと間奏の縦横無尽なサックスソロに意表を突かれるオープニングナンバー。オーケストレーションとチェレスタのような音色を取り入れたサビで一気にヨーロッパ的なメルヘンイメージに変身するところもおもしろいです。
・「森へ帰ろう」
山口美央子作詞作曲のオーガニックメルヘンPOPSの名曲。説得力抜群のサビのフレーズに滑らかなストリングスが絡んでくる構成が美しく、特にサビ前のストリングスブレイクは秀逸です。前に出てくるような生ドラムとのバランスも良いです。
・「時代よ変われ」
天下の松本+細野コンビが贈る不思議メッセージソング。本編はメジャーとマイナーを行き来する細野節が堪能できますが、トルコ軍楽隊なイントロから音に隙間が感じられるシンプルなサウンドを構築した清水信之の渋い仕事ぶりも光ります。
<評点>
・サウンド ★★★ (ストリングスとデジタルの融合で新たなアプローチに)
・メロディ ★★ (この作品も90's前期アイドル歌謡を先走った秀逸メロ)
・リズム ★★ (派手すぎず埋もれすぎないバランスのとれたリズム音色)
・曲構成 ★★ (タレントのイメージを崩さない統一された世界観)
・個性 ★★ (アイドルというよりは女優の音楽作品として語るべき)
総合評点: 7点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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