「カメラ=万年筆」 MOON RIDERS
「カメラ=万年筆」(1980 クラウン)
MOON RIDERS

<members>
鈴木慶一:vocal・manual effects
岡田徹:keyboards
武川雅寛:violin・vocal
橿渕哲郎:drums
白井良明:guitars
鈴木博文:electric bass
1.「彼女について知っている二、三の事柄」
詞:鈴木博文 曲:鈴木慶一 編:MOON RIDERS
2.「第三の男」 曲:Anton Karas 編:MOON RIDERS
3.「無防備都市」 詞・曲:鈴木博文 編:MOON RIDERS
4.「アルファビル」 詞・曲:白井良明 編:MOON RIDERS
5.「24時間の情事」 詞:橿渕哲郎・鈴木慶一 曲・編:MOON RIDERS
6.「インテリア」 詞・曲:鈴木博文 編:MOON RIDERS
7.「沈黙」 詞:鈴木博文 曲:岡田徹 編:MOON RIDERS
8.「幕間」 詞・曲:佐藤奈々子 編:MOON RIDERS
9.「太陽の下の18才」
詞:Luciano Salce(訳詞:音羽たかし) 曲:Ennio Morricone
編:MOON RIDERS
10.「水の中のナイフ」 詞:鈴木博文 曲:岡田徹 編:MOON RIDERS
11.「ロリータ・ヤ・ヤ」 曲:Nelson Riddle・Bob Harris 編:MOON RIDERS
12.「狂ったバカンス」 詞・曲:橿渕哲郎 編:MOON RIDERS
13.「欲望」 詞・曲:鈴木慶一 編:MOON RIDERS
14.「大人は判ってくれない」 詞:鈴木慶一 曲・編:MOON RIDERS
15.「大都会交響楽」 曲・編:MOON RIDERS
<support musician>
佐藤奈々子:vocal・chorus
Anton Karas:zither
国吉静治:tenor sax
チャーリー中田:chorus
櫻林美佐:lolita
produced by MOON RIDERS
engineered by 田中信一
● 新たな発想でみずからの楽曲を再構築!コラージュ感覚が刺激的で姿勢がテクノな実験作
1970年半ばから活動する日本最古のロックバンドであるMOONRIDERSは、4thアルバム「ヌーベル・バーグ」においていち早くシンセサイザーを導入しその先見性を垣間見せていましたが、世界を席巻するニューウェーブブームに敏感に反応する形で79年「モダーン・ミュージック」でDEVOスタイルに身を包み、完全胃ニューウェーブへサウンドを転換しました。そしてその勢いのまま翌80年には本作がリリースされるわけですが、既存の楽曲を換骨奪胎して再構築するという手法によりその実験精神は極限に達し、映画のタイトルを引用したオリジナル楽曲による架空のサウンドトラック的なコンセプトアルバムとして語られることの多い作品となっています。
本作ではまだシーケンサーは導入されてはいないものの、サンプリング&コラージュの手法を取り入れた実験的サウンドは当時のニューウェーブシーンにおいても先進性を感じさせるものであり、その類稀な音楽センスが本作において一気に開花した感があります。ニューウェーブといってもスタイリッシュさは感じさせずあくまでロック的な曲調が基本であり、その原曲をエフェクトやフレーズの再構築で新たな別の楽曲に作り上げるというダブ的手法には、一種のマッドサイエンティスト的な狂気を感じさせます。しかしそこには新たなサウンド手法とそれを実現する最先端の機材とその応用を極力楽しむ姿勢が見られることも事実です。それが本作を彼らの作品の中でも最も斬新で攻撃的、そしてニューウェーブ精神にあふれた名盤として評価される理由なのではないかと思えるのです。その後彼らはレコード会社移籍を機にシーケンサーMC-4を導入し、テクノポップへと進化し、ますます実験精神を発揮していくことになります。
<Favorite Songs>
・「彼女について知っている二、三の事柄」
3拍子のリズムに乗るスパイダンディな曲調のシングルカット曲。ギターのちょっとした壊れ具合にニューウェーブ精神を感じます。しつこいI love youの繰り返しにも本作全体に漂う狂気を垣間見せています。
・「アルファビル」
フレーズコラージュを散りばめたスピード感のある狂気の楽曲。ただでさえはっちゃけたような演奏に鈴木慶一のしゃくり上げヴォーカルが自由奔放に暴れ回っています。それでも混沌とはならずにしっかり楽曲としてまとめ上げるところが彼らのセンスの賜物でしょう。
・「水の中のナイフ」
本作の中でもわかりやすいタイプの楽曲。SE的音色と乾いたギターサウンドとアヴァンギャルドなフレーズが目立つものの、他の楽曲に比べると実験性は抑え気味で、比較的聴きやすく仕上げられています。
<評点>
・サウンド ★★★★ (細かい音の1つ1つに無機質で実験的な精神を感じる)
・メロディ ★ (基本POPSの体を成しているがキャッチーではない)
・リズム ★ (冒険的な楽曲の中で前衛性を感じるものの音に軽さも)
・曲構成 ★★★ (普通の曲は少ないが全体的にコンセプチュアルな構成)
・個性 ★★★ (ただのロックバンドではない強烈な個性を手に入れる)
総合評点: 7点
MOON RIDERS

<members>
鈴木慶一:vocal・manual effects
岡田徹:keyboards
武川雅寛:violin・vocal
橿渕哲郎:drums
白井良明:guitars
鈴木博文:electric bass
1.「彼女について知っている二、三の事柄」
詞:鈴木博文 曲:鈴木慶一 編:MOON RIDERS
2.「第三の男」 曲:Anton Karas 編:MOON RIDERS
3.「無防備都市」 詞・曲:鈴木博文 編:MOON RIDERS
4.「アルファビル」 詞・曲:白井良明 編:MOON RIDERS
5.「24時間の情事」 詞:橿渕哲郎・鈴木慶一 曲・編:MOON RIDERS
6.「インテリア」 詞・曲:鈴木博文 編:MOON RIDERS
7.「沈黙」 詞:鈴木博文 曲:岡田徹 編:MOON RIDERS
8.「幕間」 詞・曲:佐藤奈々子 編:MOON RIDERS
9.「太陽の下の18才」
詞:Luciano Salce(訳詞:音羽たかし) 曲:Ennio Morricone
編:MOON RIDERS
10.「水の中のナイフ」 詞:鈴木博文 曲:岡田徹 編:MOON RIDERS
11.「ロリータ・ヤ・ヤ」 曲:Nelson Riddle・Bob Harris 編:MOON RIDERS
12.「狂ったバカンス」 詞・曲:橿渕哲郎 編:MOON RIDERS
13.「欲望」 詞・曲:鈴木慶一 編:MOON RIDERS
14.「大人は判ってくれない」 詞:鈴木慶一 曲・編:MOON RIDERS
15.「大都会交響楽」 曲・編:MOON RIDERS
<support musician>
佐藤奈々子:vocal・chorus
Anton Karas:zither
国吉静治:tenor sax
チャーリー中田:chorus
櫻林美佐:lolita
produced by MOON RIDERS
engineered by 田中信一
● 新たな発想でみずからの楽曲を再構築!コラージュ感覚が刺激的で姿勢がテクノな実験作
1970年半ばから活動する日本最古のロックバンドであるMOONRIDERSは、4thアルバム「ヌーベル・バーグ」においていち早くシンセサイザーを導入しその先見性を垣間見せていましたが、世界を席巻するニューウェーブブームに敏感に反応する形で79年「モダーン・ミュージック」でDEVOスタイルに身を包み、完全胃ニューウェーブへサウンドを転換しました。そしてその勢いのまま翌80年には本作がリリースされるわけですが、既存の楽曲を換骨奪胎して再構築するという手法によりその実験精神は極限に達し、映画のタイトルを引用したオリジナル楽曲による架空のサウンドトラック的なコンセプトアルバムとして語られることの多い作品となっています。
本作ではまだシーケンサーは導入されてはいないものの、サンプリング&コラージュの手法を取り入れた実験的サウンドは当時のニューウェーブシーンにおいても先進性を感じさせるものであり、その類稀な音楽センスが本作において一気に開花した感があります。ニューウェーブといってもスタイリッシュさは感じさせずあくまでロック的な曲調が基本であり、その原曲をエフェクトやフレーズの再構築で新たな別の楽曲に作り上げるというダブ的手法には、一種のマッドサイエンティスト的な狂気を感じさせます。しかしそこには新たなサウンド手法とそれを実現する最先端の機材とその応用を極力楽しむ姿勢が見られることも事実です。それが本作を彼らの作品の中でも最も斬新で攻撃的、そしてニューウェーブ精神にあふれた名盤として評価される理由なのではないかと思えるのです。その後彼らはレコード会社移籍を機にシーケンサーMC-4を導入し、テクノポップへと進化し、ますます実験精神を発揮していくことになります。
<Favorite Songs>
・「彼女について知っている二、三の事柄」
3拍子のリズムに乗るスパイダンディな曲調のシングルカット曲。ギターのちょっとした壊れ具合にニューウェーブ精神を感じます。しつこいI love youの繰り返しにも本作全体に漂う狂気を垣間見せています。
・「アルファビル」
フレーズコラージュを散りばめたスピード感のある狂気の楽曲。ただでさえはっちゃけたような演奏に鈴木慶一のしゃくり上げヴォーカルが自由奔放に暴れ回っています。それでも混沌とはならずにしっかり楽曲としてまとめ上げるところが彼らのセンスの賜物でしょう。
・「水の中のナイフ」
本作の中でもわかりやすいタイプの楽曲。SE的音色と乾いたギターサウンドとアヴァンギャルドなフレーズが目立つものの、他の楽曲に比べると実験性は抑え気味で、比較的聴きやすく仕上げられています。
<評点>
・サウンド ★★★★ (細かい音の1つ1つに無機質で実験的な精神を感じる)
・メロディ ★ (基本POPSの体を成しているがキャッチーではない)
・リズム ★ (冒険的な楽曲の中で前衛性を感じるものの音に軽さも)
・曲構成 ★★★ (普通の曲は少ないが全体的にコンセプチュアルな構成)
・個性 ★★★ (ただのロックバンドではない強烈な個性を手に入れる)
総合評点: 7点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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