「4 -when the world was young-」 REAL FISH
「4 -when the world was young-」 (1987 ビクター)
REAL FISH

<members>
矢口博康:sax・clarinet
戸田誠司:guitar・computer
福原まり:piano・keyboard・synthesizer
渡辺等:bass・acoustic guitar
1.「junk」 曲:戸田誠司 編:REAL FISH
2.「a leaf of weapon」 曲:渡辺等 編:REAL FISH
3.「rendez-vous」 曲:福原まり 編:REAL FISH
4.「alligetor&cinema」 曲:矢口博康 編:REAL FISH
5.「idle」 曲:福原まり 編:REAL FISH
6.「solan」 曲:戸田誠司 編:REAL FISH
7.「tricky-coil」 曲:渡辺等 編:REAL FISH
8.「444bellboy」 曲:福原まり 編:REAL FISH
9.「as time-machine goes by」 曲:矢口博康 編:REAL FISH
10.「when the world was young」 曲:戸田誠司 編:REAL FISH
<support musician>
中牟礼貞則:guitar
宮之上貴昭:guitar
石坪信也:drums
寺谷誠一:drums
produced by 戸田誠司
engineered by 飯尾芳史・赤川新一
● 未来から俯瞰したジャズの記憶を映し出したSF JAZZを聞かせる80'sラウンジミュージックの傑作
日本が誇る大道芸的ポップインストバンドと呼ばれた実力派演奏集団REAL FISHは、1984年のメジャーデビュー後2枚のアルバムをリリースし、戸田誠司や福原まり他メンバー4名が結成していたポストニューウェーブバンドSHI-SHONENと並行する形で順調に活動を続けてきましたが、テクノロジーへの傾倒が如実に表れた2ndアルバム「TENON」を最後に、ドラムの友田真吾とバイオリンの美尾洋乃が脱退、コアメンバーとも言える4人編成となります。しかしその後にリリースされた12インチシングル「ジャンクビート東京」は桑田圭祐やいとうせいこう等を迎えたヒップホップで、おまけとは言いながら彼らのイメージとはかけ離れた楽曲であり、さすがの完成度ではあるもののREAL FISH名義というには疑問が残る楽曲でした。こうした方向性が迷走する中リリースされた本作は、顕著になったテクノロジーサウンドを生かしながら、アンチジャズを標榜してきた彼らが未来からもう1度ジャズを俯瞰するというコンセプトのもと作られた興味深い作品です。
強力なスネアドラムとドリーミーでファンタジックな曲調が遊星オーケストラという名にふさわしかった前作「TENON」と比べると、ポップ性は抑えられたものの、メンバー4人がそれぞれ手掛けた楽曲の個性が際立つことになり、よりテクノロジーと生演奏の融合が板についてきたという印象を受けます。SFジャズというだけあって「ジャズ」を下地にしながらもただ複雑な演奏力を見せつけるだけでなく、シンセベースや電子音を多用した未来を感じさせるサウンドを巧みに加えることによって、全く古臭さやノスタルジーは感じさせません。楽曲によってはラウンジミュージック感覚がひしひしと感じられる癒しテイストのものもありますが、どの楽曲もプレイヤーの演奏力を再確認させながらも電子音響的な部分はどうしても外せない、むしろそれが個性であることを主張しているかのような彼らのサウンドは、やはり同時代の他のグループにはなかった唯一無二のものではなかったかと思われます。本作をもって彼らは活動休止に至りますが、いまだに彼らのような個性的なノージャンルのインストグループはなかなか現れていないのが現状です。
<Favorite Songs>
・「junk」
サンプラーによる強烈なマシナリーリズムで幕を開けるテクノジャズ。剥き出しのコンピューター音によるシーケンスとシンセベースによるジャズフレーズが違和感を感じさせます。暴走するロボットのような制御しきれない感じがユーモラスです。
・「solan」
本作中最もポップで近未来、そしてファンタジックなサウンドを持つ名曲。コードを奏でる白玉パッドの落ち着きが何とも言えない味を醸し出しています。中盤のシンセブラスの目まぐるしいフレーズも様式美が感じられます。
・「444bellboy」
ホテルのBGMでかかるようなこれぞラウンジの元祖ともいうべき癒し楽曲。落ち着きのあるメインフレーズから広がりのあるBパートまで、その穏やかさと共に緻密さにも感心させられます。そしてこのかわいらしさとエレガンスさが福原まりの個性の1つであると再確認させられます。
<評点>
・サウンド ★★★ (混ぜ合わせてくる電子音とジャズの融合が非常に新鮮)
・メロディ ★★ (ジャズとはいえ覚えやすいフレーズでポップ性は失わず)
・リズム ★★★ (石坪と寺谷の2人のドラマーは友田の不在を感じさせず)
・曲構成 ★★ (後半は少し落ち着きが過ぎるのではないかとあえて注文)
・個性 ★★ (バンドとしての終末感は漂うが気持ちよく演奏が聴ける)
総合評点: 7点
REAL FISH

<members>
矢口博康:sax・clarinet
戸田誠司:guitar・computer
福原まり:piano・keyboard・synthesizer
渡辺等:bass・acoustic guitar
1.「junk」 曲:戸田誠司 編:REAL FISH
2.「a leaf of weapon」 曲:渡辺等 編:REAL FISH
3.「rendez-vous」 曲:福原まり 編:REAL FISH
4.「alligetor&cinema」 曲:矢口博康 編:REAL FISH
5.「idle」 曲:福原まり 編:REAL FISH
6.「solan」 曲:戸田誠司 編:REAL FISH
7.「tricky-coil」 曲:渡辺等 編:REAL FISH
8.「444bellboy」 曲:福原まり 編:REAL FISH
9.「as time-machine goes by」 曲:矢口博康 編:REAL FISH
10.「when the world was young」 曲:戸田誠司 編:REAL FISH
<support musician>
中牟礼貞則:guitar
宮之上貴昭:guitar
石坪信也:drums
寺谷誠一:drums
produced by 戸田誠司
engineered by 飯尾芳史・赤川新一
● 未来から俯瞰したジャズの記憶を映し出したSF JAZZを聞かせる80'sラウンジミュージックの傑作
日本が誇る大道芸的ポップインストバンドと呼ばれた実力派演奏集団REAL FISHは、1984年のメジャーデビュー後2枚のアルバムをリリースし、戸田誠司や福原まり他メンバー4名が結成していたポストニューウェーブバンドSHI-SHONENと並行する形で順調に活動を続けてきましたが、テクノロジーへの傾倒が如実に表れた2ndアルバム「TENON」を最後に、ドラムの友田真吾とバイオリンの美尾洋乃が脱退、コアメンバーとも言える4人編成となります。しかしその後にリリースされた12インチシングル「ジャンクビート東京」は桑田圭祐やいとうせいこう等を迎えたヒップホップで、おまけとは言いながら彼らのイメージとはかけ離れた楽曲であり、さすがの完成度ではあるもののREAL FISH名義というには疑問が残る楽曲でした。こうした方向性が迷走する中リリースされた本作は、顕著になったテクノロジーサウンドを生かしながら、アンチジャズを標榜してきた彼らが未来からもう1度ジャズを俯瞰するというコンセプトのもと作られた興味深い作品です。
強力なスネアドラムとドリーミーでファンタジックな曲調が遊星オーケストラという名にふさわしかった前作「TENON」と比べると、ポップ性は抑えられたものの、メンバー4人がそれぞれ手掛けた楽曲の個性が際立つことになり、よりテクノロジーと生演奏の融合が板についてきたという印象を受けます。SFジャズというだけあって「ジャズ」を下地にしながらもただ複雑な演奏力を見せつけるだけでなく、シンセベースや電子音を多用した未来を感じさせるサウンドを巧みに加えることによって、全く古臭さやノスタルジーは感じさせません。楽曲によってはラウンジミュージック感覚がひしひしと感じられる癒しテイストのものもありますが、どの楽曲もプレイヤーの演奏力を再確認させながらも電子音響的な部分はどうしても外せない、むしろそれが個性であることを主張しているかのような彼らのサウンドは、やはり同時代の他のグループにはなかった唯一無二のものではなかったかと思われます。本作をもって彼らは活動休止に至りますが、いまだに彼らのような個性的なノージャンルのインストグループはなかなか現れていないのが現状です。
<Favorite Songs>
・「junk」
サンプラーによる強烈なマシナリーリズムで幕を開けるテクノジャズ。剥き出しのコンピューター音によるシーケンスとシンセベースによるジャズフレーズが違和感を感じさせます。暴走するロボットのような制御しきれない感じがユーモラスです。
・「solan」
本作中最もポップで近未来、そしてファンタジックなサウンドを持つ名曲。コードを奏でる白玉パッドの落ち着きが何とも言えない味を醸し出しています。中盤のシンセブラスの目まぐるしいフレーズも様式美が感じられます。
・「444bellboy」
ホテルのBGMでかかるようなこれぞラウンジの元祖ともいうべき癒し楽曲。落ち着きのあるメインフレーズから広がりのあるBパートまで、その穏やかさと共に緻密さにも感心させられます。そしてこのかわいらしさとエレガンスさが福原まりの個性の1つであると再確認させられます。
<評点>
・サウンド ★★★ (混ぜ合わせてくる電子音とジャズの融合が非常に新鮮)
・メロディ ★★ (ジャズとはいえ覚えやすいフレーズでポップ性は失わず)
・リズム ★★★ (石坪と寺谷の2人のドラマーは友田の不在を感じさせず)
・曲構成 ★★ (後半は少し落ち着きが過ぎるのではないかとあえて注文)
・個性 ★★ (バンドとしての終末感は漂うが気持ちよく演奏が聴ける)
総合評点: 7点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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告知失礼いたします。ぜひ、テクノ好きな方に聴いて頂きたいアーティストがあります。
DSだけで音楽を作ったユニット、”DS i Love You”が、2010.11.10にデビューします。
2010.11.10にデビューアルバム、2010.11.24にクリスマスアルバムをBounDEEより配信リリースします。
(海外配信、約1ヶ月遅れの予定)
DS i Love You は、CM音楽作曲家として80年代から一部業界人に熱狂的な信者を持つ本間柑治の新ユニットで、全ての曲をニンテンドーDS用音楽ツール KORG DS-10 PLUS一台のみで制作する実験プロジェクトです。
未加工、ライン一発録り、Mixなし、マスタリングなし。DS1台で鳴っているとは信じがたい驚異のサウンドメイキングが、早くも注目を集めています。
コーネリアスのエンジニアの美島豊明さん他多くのミュージシャンの方々からも、大絶賛を頂いております。
公式で全曲試聴ができますので、ピコテクノ☆アナログシンセ☆ゲームミュージック☆YMO LOVEな皆様に、是非お聴き頂ければと思います。
http://dsiloveyou.com/
クリスマスアルバムは非常に凝った内容で、ディズニーランドのエレクトリカルパレードの音楽が好きな方にも、大変お勧めです。
どうぞよろしくお願いします。