「NEW WAVER」 オカノフリーク
「NEW WAVER」 (1999 Hu-Kenkoh STUDIO)
オカノフリーク

<members>
岡野晶:all instruments・chorus
1.「誘惑のすべて」 詞:土木キャロライン 曲・編:岡野晶
2.「ラジオ塔の下で会いましょう」 詞:土木キャロライン・岡野晶 曲・編:岡野晶
3.「RING MY BELL」 詞・曲・編:岡野晶
4.「ジャンピング・ジャック・ローラー」 詞:土木キャロライン 曲・編:岡野晶
5.「盗聴機」 詞・曲・編:岡野晶
6.「自動書記」 詞・曲・編:岡野晶
7.「あなたに夢中」 詞・曲・編:岡野晶
8.「幻惑のドライブ」 詞・曲・編:岡野晶
9.「嵐が丘」 詞:土木キャロライン・岡野晶 曲・編:岡野晶
10.「DING DONG」 詞:源代恭子 曲・編:岡野晶
11.「NW@1971」 詞・曲・編:岡野晶
12.「Sweet JAM」 詞・曲・編:岡野晶
<support musician>
源代恭子:vocals
つるたまゆみ:vocals・chorus
TAMA:vocals・chorus
キャプテン材木:electric guitar・MIDI guitar・E-bow guitar
久保恵司:electric guitar
アーヴァン野村:chorus
土木キャロライン:chorus
produced by 岡野晶
engineered by 岡野晶
● ここにオカノ流ニューウェーヴ歌謡が完成!名曲揃いの関西自主制作ソロユニット最高傑作
関西中心に活躍するセミプロサウンドクリエイター(マルチクリエイター?)オカノアキラが90年代にパーマネントなソロユニットとして活動していたオカノフリークは、外資系レコード店におけるカセットテープ販売等で当時から知る人ぞ知る存在でしたが、小泉今日子の一般公募楽曲を揃えたアルバム「KYO→」にはオカノ作曲の「夢の底」が採用されたり、Cosmic Village主催のリミックスコンテストでグランプリに輝くなど、その80年代センスに裏打ちされたニューウェーブサウンドと昭和(アイドル)歌謡なメロディラインは評価されるべき才能であると思います。さて、オカノフリークのカセットアルバムはVol.1~Vol.6までリリースされてきましたが、実はVol.4は何らかの理由でお蔵入りになっており、そのリリースは1999年まで待たなくてはなりませんでした。そしてついにCD-Rとなってライブ会場を中心にリリースされたのが本作、Vol.4「NEW WAVER」というわけです。
タイトルからも80年代への影響が隠せないことからもわかるように、本作も基本となるのはオカノ本人の打ち込みを中心としたニューウェーブ仕込みの歌謡POPSです。楽曲によってヴォーカリストを取っ替え引っ替えするスタイルは不変ですが、今回は源代恭子やつるたまゆみの歌唱センスも目に見えてアップしており、オカノ自身でなくサポート部隊にも本作への意気込みが窺えるようです。また、本作の特徴はオカノ本人の作詞が多く、それがしっかりとしたコンセプトのもとに統一感のある作品に無理なく仕上げられている要因の1つかもしれません。オカノフリークの王道POPS路線ともいえる「誘惑のすべて」「RING MY BELL」、80'sアイドルソングへの愛が見られる「ジャンピング・ジャック・ローラー」「DING DONG」や小泉今日子提供曲の最終候補に残ったといわれる「盗聴器」「自動書記」といったマニアックなマイナーPOPS、昭和の香り満載の「嵐が丘」や珠玉の哀愁バラード「Sweet JAM」など楽曲のタイプも豊富ですが、そのどれもが良い意味で粗さの残るリズムトラックと映画音楽からの影響を引き出しにしたオーケストレーションとエレクトリックな電子音をまぶして、セミプロとは思えないクオリティに仕上がっています。これはまさに20世紀最後に残した隠れた名盤です。
そんなインディーズに埋もれた中で今となってはほとんど誰もが見つけることができない本作を残して、90年代をもってオカノフリークは活動休止、オカノアキラはチャンキー松本とのデュオ「33」を経て現在はソロ活動(もちろん関西アンダーグラウンドで)で活動しています。1度オカノフリークの作品はCD-Rで再発されましたが(自主制作で)もう1度配信でもよいので過去の音源を再発してほしいところです。
<Favorite Songs>
・「誘惑のすべて」
シンセストリングスとギターのユニゾンが気持ち良い壮大な歌詞のオープニングナンバー。相変わらずしつこいフィルインのリズムトラックが楽しいです。いつもの歌謡オーケストレーションに力強いギターが加わって全体的にスケールアップしている感じです。
・「自動書記」
オルガンとピアノを基調にした昭和の匂い漂うマイナー調の名曲。1周目のサビからパヤパヤコーラス~歌謡ブラスセクションからピアノソロへの流れは絶品です。そしてサビへなだれ込んでいく流れも巧みです。
・「DING DONG」
本作の中でも最もテクノポップに近いアイドル歌謡POPS。跳ねるようなシンセベースに昭和歌謡フレーズが乗っかるベタベタなアイドルソングですが、間奏のシンセソロからギターソロに続く場面の切り替わり具合が絶妙で、またラストを幸宏エンディング(スネアのフィルインで止める)で締めるところもニクいです。
<評点>
・サウンド ★★★★★ (大雑把に見えて細部にこだわる計算ずくの音世界)
・メロディ ★★★★★ (彼の売りはこのメロディ構築能力に間違いない)
・リズム ★★★★ (相変わらずこのしつこ過ぎるフィルインがツボを突く)
・曲構成 ★★★★★ (12曲の間に起伏を作り起承転結がはっきりしている)
・個性 ★★★★ (あえて80's歌謡POPSで勝負する隠れた才能に再評価を)
総合評点: 10点
オカノフリーク

<members>
岡野晶:all instruments・chorus
1.「誘惑のすべて」 詞:土木キャロライン 曲・編:岡野晶
2.「ラジオ塔の下で会いましょう」 詞:土木キャロライン・岡野晶 曲・編:岡野晶
3.「RING MY BELL」 詞・曲・編:岡野晶
4.「ジャンピング・ジャック・ローラー」 詞:土木キャロライン 曲・編:岡野晶
5.「盗聴機」 詞・曲・編:岡野晶
6.「自動書記」 詞・曲・編:岡野晶
7.「あなたに夢中」 詞・曲・編:岡野晶
8.「幻惑のドライブ」 詞・曲・編:岡野晶
9.「嵐が丘」 詞:土木キャロライン・岡野晶 曲・編:岡野晶
10.「DING DONG」 詞:源代恭子 曲・編:岡野晶
11.「NW@1971」 詞・曲・編:岡野晶
12.「Sweet JAM」 詞・曲・編:岡野晶
<support musician>
源代恭子:vocals
つるたまゆみ:vocals・chorus
TAMA:vocals・chorus
キャプテン材木:electric guitar・MIDI guitar・E-bow guitar
久保恵司:electric guitar
アーヴァン野村:chorus
土木キャロライン:chorus
produced by 岡野晶
engineered by 岡野晶
● ここにオカノ流ニューウェーヴ歌謡が完成!名曲揃いの関西自主制作ソロユニット最高傑作
関西中心に活躍するセミプロサウンドクリエイター(マルチクリエイター?)オカノアキラが90年代にパーマネントなソロユニットとして活動していたオカノフリークは、外資系レコード店におけるカセットテープ販売等で当時から知る人ぞ知る存在でしたが、小泉今日子の一般公募楽曲を揃えたアルバム「KYO→」にはオカノ作曲の「夢の底」が採用されたり、Cosmic Village主催のリミックスコンテストでグランプリに輝くなど、その80年代センスに裏打ちされたニューウェーブサウンドと昭和(アイドル)歌謡なメロディラインは評価されるべき才能であると思います。さて、オカノフリークのカセットアルバムはVol.1~Vol.6までリリースされてきましたが、実はVol.4は何らかの理由でお蔵入りになっており、そのリリースは1999年まで待たなくてはなりませんでした。そしてついにCD-Rとなってライブ会場を中心にリリースされたのが本作、Vol.4「NEW WAVER」というわけです。
タイトルからも80年代への影響が隠せないことからもわかるように、本作も基本となるのはオカノ本人の打ち込みを中心としたニューウェーブ仕込みの歌謡POPSです。楽曲によってヴォーカリストを取っ替え引っ替えするスタイルは不変ですが、今回は源代恭子やつるたまゆみの歌唱センスも目に見えてアップしており、オカノ自身でなくサポート部隊にも本作への意気込みが窺えるようです。また、本作の特徴はオカノ本人の作詞が多く、それがしっかりとしたコンセプトのもとに統一感のある作品に無理なく仕上げられている要因の1つかもしれません。オカノフリークの王道POPS路線ともいえる「誘惑のすべて」「RING MY BELL」、80'sアイドルソングへの愛が見られる「ジャンピング・ジャック・ローラー」「DING DONG」や小泉今日子提供曲の最終候補に残ったといわれる「盗聴器」「自動書記」といったマニアックなマイナーPOPS、昭和の香り満載の「嵐が丘」や珠玉の哀愁バラード「Sweet JAM」など楽曲のタイプも豊富ですが、そのどれもが良い意味で粗さの残るリズムトラックと映画音楽からの影響を引き出しにしたオーケストレーションとエレクトリックな電子音をまぶして、セミプロとは思えないクオリティに仕上がっています。これはまさに20世紀最後に残した隠れた名盤です。
そんなインディーズに埋もれた中で今となってはほとんど誰もが見つけることができない本作を残して、90年代をもってオカノフリークは活動休止、オカノアキラはチャンキー松本とのデュオ「33」を経て現在はソロ活動(もちろん関西アンダーグラウンドで)で活動しています。1度オカノフリークの作品はCD-Rで再発されましたが(自主制作で)もう1度配信でもよいので過去の音源を再発してほしいところです。
<Favorite Songs>
・「誘惑のすべて」
シンセストリングスとギターのユニゾンが気持ち良い壮大な歌詞のオープニングナンバー。相変わらずしつこいフィルインのリズムトラックが楽しいです。いつもの歌謡オーケストレーションに力強いギターが加わって全体的にスケールアップしている感じです。
・「自動書記」
オルガンとピアノを基調にした昭和の匂い漂うマイナー調の名曲。1周目のサビからパヤパヤコーラス~歌謡ブラスセクションからピアノソロへの流れは絶品です。そしてサビへなだれ込んでいく流れも巧みです。
・「DING DONG」
本作の中でも最もテクノポップに近いアイドル歌謡POPS。跳ねるようなシンセベースに昭和歌謡フレーズが乗っかるベタベタなアイドルソングですが、間奏のシンセソロからギターソロに続く場面の切り替わり具合が絶妙で、またラストを幸宏エンディング(スネアのフィルインで止める)で締めるところもニクいです。
<評点>
・サウンド ★★★★★ (大雑把に見えて細部にこだわる計算ずくの音世界)
・メロディ ★★★★★ (彼の売りはこのメロディ構築能力に間違いない)
・リズム ★★★★ (相変わらずこのしつこ過ぎるフィルインがツボを突く)
・曲構成 ★★★★★ (12曲の間に起伏を作り起承転結がはっきりしている)
・個性 ★★★★ (あえて80's歌謡POPSで勝負する隠れた才能に再評価を)
総合評点: 10点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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