「ファースト・キッス」 トロピカル大臣
「ファースト・キッス」(1995 トリニティ)
トロピカル大臣

<members>
上田コウヘイ(30):vocal・keyboards
水野圭太郎(15):guitar・vocal・chorus
加地孝義(9):drums・sax・chorus
今江タケシ(27):bass・chorus
遠藤タカアキ(26):trombone
1.「地底の世界」 詞・曲:上田コウヘイ 編:上田コウヘイ・トロピカル大臣
2.「ミルクマン」
詞:加地孝義 曲:加地孝義・水野圭太郎・上田コウヘイ
編:加地孝義・トロピカル大臣
3.「そして野菜スープ」
詞・曲:加地孝義・水野圭太郎 編:加地孝義・トロピカル大臣
4.「がんばれジーザス」 詞・曲:上田コウヘイ 編:上田コウヘイ・トロピカル大臣
5.「異次元ロッカー」 詞・曲:上田コウヘイ 編:トロピカル大臣
6.「7月10日」 曲:今江タケシ・加地孝義 編:加地孝義・トロピカル大臣
7.「サーカスセーカツ」
詞:加地孝義・上田コウヘイ 曲:加地孝義・上田コウヘイ・水野圭太郎
編:上田コウヘイ・トロピカル大臣
8.「天才くんバイオレンス」 詞・曲:上田コウヘイ 編:トロピカル大臣
9.「モノポリー」 詞:加地孝義 曲・編:加地孝義・トロピカル大臣
10.「ブレーキ」 詞・曲:上田コウヘイ 編:トロピカル大臣
11.「虚無 -Kyomu-(ライブ)」
詞・曲:上田コウヘイ・加地孝義 編:トロピカル大臣
produced by トロピカル大臣
engineered by 水野圭太郎・加地孝義
● おとぼけニューウェーヴに粘着系絶叫ボーカル!関西が生んだ超個性派バンドのカルトな名盤
1980年代後半より関西を中心としてアンダーグラウンドに活動してきたトロピカル大臣は、80年代初頭のニューウェーブシーンに影響された知る人ぞ知るバンドですが、本格的に活発に活動していたのは90年代初頭から中期にかけてであり、P-MODELの影響が濃いリーダーの上田がP-MODELのコピーバンド大会に出場したことをきっかけに、TRIGGERレーベル~トランソニックレコード主宰の永田一直と出会った頃から東京にも進出、カセット「Tokyo Mo TROPICAL DAIZINNNNNNN」を発表、ディスクユニオン2号店などのテクノポップ・ニューウェーブ系に強いレコード店で販売されていました。折しも90年代は表面的にはクラブ系テクノがもてはやされる中、インディーズシーンでは80年代ニューウェーブリバイバルが芽吹きつつあり、特に関東ではパラペッツやGPPなどが地道にライブシーンで活動していたこともあり、こうした流れに乗る形で前述の永田一直がトランソニックレコード内に個性的な歌モノニューウェーブを世に送り出すためにTrinityレーベルを発足させ、GPPのアルバムと共にトロピカル大臣も初めてのCDリリースを果たすことになりました。それが8cmCD規格でのリリースとなった本作です。
メンバーを番号で呼び合ったり全身ジャージで登場したり、時には寸劇やネタも厭わない、ライブパフォーマンスでは独特のユルい感じを醸し出す彼らですが、本作に収録されている楽曲群もニューウェーブらしくロック的なかっこよさとは少しズレた、ニューウェーブやGS、パンクなどをミクスチャーしたような、ある種の脱力感が感じられる作風です。シンセはモノフォニック中心の限りなくチープでな音色が中心で、前衛的なギターと共にSEといってもよいほど不思議なフレーズが彼らの得意とするところです。煮え切らないメロディに剥き出しの電子音、そして一部で参加するヘタウマなトロンボーンの響きが気怠く、時には(誉め言葉として)暑苦しい感覚に襲われますが、それはやはり泥臭く叫ぶようなヴォーカルスタイルによる部分が大きいでしょう。しかしこうした野性的なヴォーカルと、どこか斜に構えて小馬鹿にしたようなチープなシンセと音階が曖昧な演奏とのコントラストが彼らの個性でもあり、魅力なのではないでしょうか。21世紀を過ぎてからは思い出した時にしか活動を再開しない彼らですが、現在でも存続しているベテランバンドとして奇跡的に新しい音源がリリースされることを期待しています。
<Favorite Songs>
・「がんばれジーザス」
ゲームのようにチープなシンセと自由なギターが目立つ彼らの代表曲。身勝手な歌詞を泥臭く絶叫系唱法で歌い上げるヴォーカルは、バックのサウンドと対照的でそのズレがさらに脱力感を呼び起こします。
・「虚無 -Kyomu-(ライブ)」
人力のユルいリズムに電子音がふんだんに絡むライブ録音。シンセをフィーチャーしたプログレ風の変わった構成の楽曲で、薄く入っている控えめなトロンボーンがいい味を出しています。
<評点>
・サウンド ★★ (パンキッシュな中で脱力的チープシンセがスパイスに)
・メロディ ★ (わざと煮え切らないようにしたフレーズがこそばゆい)
・リズム ★ (全体的なユルさを醸し出しているのはこの人力リズム)
・曲構成 ★ (8cmCDのため収録時間が短いのが残念というより寡作)
・個性 ★★★ (その存在自体が普通ではなくどこか少しずつズレている)
総合評点: 7点
トロピカル大臣

<members>
上田コウヘイ(30):vocal・keyboards
水野圭太郎(15):guitar・vocal・chorus
加地孝義(9):drums・sax・chorus
今江タケシ(27):bass・chorus
遠藤タカアキ(26):trombone
1.「地底の世界」 詞・曲:上田コウヘイ 編:上田コウヘイ・トロピカル大臣
2.「ミルクマン」
詞:加地孝義 曲:加地孝義・水野圭太郎・上田コウヘイ
編:加地孝義・トロピカル大臣
3.「そして野菜スープ」
詞・曲:加地孝義・水野圭太郎 編:加地孝義・トロピカル大臣
4.「がんばれジーザス」 詞・曲:上田コウヘイ 編:上田コウヘイ・トロピカル大臣
5.「異次元ロッカー」 詞・曲:上田コウヘイ 編:トロピカル大臣
6.「7月10日」 曲:今江タケシ・加地孝義 編:加地孝義・トロピカル大臣
7.「サーカスセーカツ」
詞:加地孝義・上田コウヘイ 曲:加地孝義・上田コウヘイ・水野圭太郎
編:上田コウヘイ・トロピカル大臣
8.「天才くんバイオレンス」 詞・曲:上田コウヘイ 編:トロピカル大臣
9.「モノポリー」 詞:加地孝義 曲・編:加地孝義・トロピカル大臣
10.「ブレーキ」 詞・曲:上田コウヘイ 編:トロピカル大臣
11.「虚無 -Kyomu-(ライブ)」
詞・曲:上田コウヘイ・加地孝義 編:トロピカル大臣
produced by トロピカル大臣
engineered by 水野圭太郎・加地孝義
● おとぼけニューウェーヴに粘着系絶叫ボーカル!関西が生んだ超個性派バンドのカルトな名盤
1980年代後半より関西を中心としてアンダーグラウンドに活動してきたトロピカル大臣は、80年代初頭のニューウェーブシーンに影響された知る人ぞ知るバンドですが、本格的に活発に活動していたのは90年代初頭から中期にかけてであり、P-MODELの影響が濃いリーダーの上田がP-MODELのコピーバンド大会に出場したことをきっかけに、TRIGGERレーベル~トランソニックレコード主宰の永田一直と出会った頃から東京にも進出、カセット「Tokyo Mo TROPICAL DAIZINNNNNNN」を発表、ディスクユニオン2号店などのテクノポップ・ニューウェーブ系に強いレコード店で販売されていました。折しも90年代は表面的にはクラブ系テクノがもてはやされる中、インディーズシーンでは80年代ニューウェーブリバイバルが芽吹きつつあり、特に関東ではパラペッツやGPPなどが地道にライブシーンで活動していたこともあり、こうした流れに乗る形で前述の永田一直がトランソニックレコード内に個性的な歌モノニューウェーブを世に送り出すためにTrinityレーベルを発足させ、GPPのアルバムと共にトロピカル大臣も初めてのCDリリースを果たすことになりました。それが8cmCD規格でのリリースとなった本作です。
メンバーを番号で呼び合ったり全身ジャージで登場したり、時には寸劇やネタも厭わない、ライブパフォーマンスでは独特のユルい感じを醸し出す彼らですが、本作に収録されている楽曲群もニューウェーブらしくロック的なかっこよさとは少しズレた、ニューウェーブやGS、パンクなどをミクスチャーしたような、ある種の脱力感が感じられる作風です。シンセはモノフォニック中心の限りなくチープでな音色が中心で、前衛的なギターと共にSEといってもよいほど不思議なフレーズが彼らの得意とするところです。煮え切らないメロディに剥き出しの電子音、そして一部で参加するヘタウマなトロンボーンの響きが気怠く、時には(誉め言葉として)暑苦しい感覚に襲われますが、それはやはり泥臭く叫ぶようなヴォーカルスタイルによる部分が大きいでしょう。しかしこうした野性的なヴォーカルと、どこか斜に構えて小馬鹿にしたようなチープなシンセと音階が曖昧な演奏とのコントラストが彼らの個性でもあり、魅力なのではないでしょうか。21世紀を過ぎてからは思い出した時にしか活動を再開しない彼らですが、現在でも存続しているベテランバンドとして奇跡的に新しい音源がリリースされることを期待しています。
<Favorite Songs>
・「がんばれジーザス」
ゲームのようにチープなシンセと自由なギターが目立つ彼らの代表曲。身勝手な歌詞を泥臭く絶叫系唱法で歌い上げるヴォーカルは、バックのサウンドと対照的でそのズレがさらに脱力感を呼び起こします。
・「虚無 -Kyomu-(ライブ)」
人力のユルいリズムに電子音がふんだんに絡むライブ録音。シンセをフィーチャーしたプログレ風の変わった構成の楽曲で、薄く入っている控えめなトロンボーンがいい味を出しています。
<評点>
・サウンド ★★ (パンキッシュな中で脱力的チープシンセがスパイスに)
・メロディ ★ (わざと煮え切らないようにしたフレーズがこそばゆい)
・リズム ★ (全体的なユルさを醸し出しているのはこの人力リズム)
・曲構成 ★ (8cmCDのため収録時間が短いのが残念というより寡作)
・個性 ★★★ (その存在自体が普通ではなくどこか少しずつズレている)
総合評点: 7点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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