「how do you dance?」 TELEX
「how do you dance?」(2006 EMI)
TELEX

<members>
Dan Lacksman:synthesizer programming
Michel Moers:vocal・vocoder
Marc Moulin:keyboards
1.「on the road again」 Alan Wilson/Floyd Jones
2.「how do you dance?」 Marc Moulin
3.「this is your song」 Michel Moers
4.「#1 song in heaven」 Russel Mael/Ronald Mael/Giorgio Moroder
5.「j'aime la vie」 Jean-Paul Furnemont/Angelo Crisci/Marino Atria
6.「white noise」 TELEX
7.「move!」 TELEX
8.「jailhouse rock」 Jerry Leiber/Mike Stoller
9.「do worry」 Michel Moers
10.「la bamba」 traditional
<support musician>
Christa Jerome:backing vocals
produced by TELEX
engineered by Dan Lacksman
● 忘れた頃に前触れもなく復活!微笑ましいほど変わらない音楽性が魅力的なテクノポップの教科書的作品
「Moskow Diskow」や「L'Amour Toujours」などのヒットで知られるベルギーのテクノポップバンド、TELEXは日本でも細野晴臣が絶賛し、越美晴も「L'Amour Toujours」をリメイクするなど、日本のテクノ・ニューウェーブバンドにも影響を与えつつ、彼らも80年代は順調にアルバムリリースを重ねるなど精力的に活動していましたが、その後オリジナルアルバムとしては1988年の「LOONEY TUNES」のリリースを最後に休眠状態に入りました。しかし、2006年に突如として復活、カントリーソング「on the road again」のリメイクシングルを皮切りに、18年ぶりに本作をリリース、その健在ぶりをアピールしました。「on the road again」のみならず、Sparksのヒット曲「#1 song in heaven」やElvis Presleyの名曲「jailhouse rock」など過去の名曲のリメイクを多数収録した本作ですが、サウンド面は18年前と変わらないオプティミズムに溢れたシンセポップミュージックであり、待ちくたびれたリスナーの期待を裏切らない作品となっています。
これまでも作品ごとに当時のテクノロジーに合わせてサウンドスタイルを大胆に変化させていったTELEXですが、本作もテクノポップの精神は忘れずにサウンドは00年代のエレクトロを取り入れたキレとリズムで勝負するようなシンセ&プログラミングで構成されています。特に気になるのは相変わらずのシンセ音色フェチな部分で、決して器用ではないものの酸いも甘いも知り尽くしたベテランだからこそ生み出せるコクがある深みのある音色は、Dan Lacksmanの絶妙なエンジニアリングも相まって、18年の月日を忘れさせてくれるほどのクオリティに到達していると思います。どこかとぼけたようなポップなメロディはそのまま、しかしサウンドは現代の潮流をとらえながらより執拗にミニマル志向のシーケンスを中心にして、以前よりもエレクトロ度は増したと言っても過言ではありません。これだけ年月が経っても同じメンバーによる同じテクノポップ精神を志向した、鋼のような共同体であるTELEXには尊敬の年を禁じ得ませんが、本作リリースの2年後サウンドクリエイトの中心であったMarc Moulinが亡くなり、恐らく彼らの最後の作品になってしまったことは残念でなりません。
<Favorite Songs>
・「how do you dance?」
シンセ&シーケンスが左右に飛び交うTELEX式00年型ダンスミュージック。微妙に音色を変化させながら執拗に左右にパンが振られるシーケンスは、尋常でないテンションを持っています。既に大ベテランの域に達した彼らの意地ともいうべき攻撃的な楽曲です。
・「white noise」
タイトル通りノイズパーカッシブなシーケンスが新鮮なこれぞシンセテクノロジーPOPS。こうしたPOPSとしては使用をためらうような音を上手く料理して聴き手を魅了する楽曲に仕上げるのも彼らの匠の技たるゆえんでしょう。
・「move!」
キャッチー度でいえば本作でも随一のダンサブルシンセポップ。隙間を埋め尽くすシーケンスと四つ打ちリズム、スイープ音が深いシンセベースがサウンドの中心ですが、サビにはボイス変調とストレンジなギミックを使用してストレンジ性を増しています。
<評点>
・サウンド ★★★★ (サウンドの充実ぶりは長い歳月を経ても伊達ではない)
・メロディ ★ (メロディ構成とすれば単純だがそれも彼らの味と思えば)
・リズム ★ (リズムは流行が如実に表れるもので本作もここは追随)
・曲構成 ★ (名曲のリメイクも良いがオリジナルがもっと聴きたい)
・個性 ★★ (良くも悪くも変わらないこれこそ鋼のコンセプト)
総合評点: 7点
TELEX

<members>
Dan Lacksman:synthesizer programming
Michel Moers:vocal・vocoder
Marc Moulin:keyboards
1.「on the road again」 Alan Wilson/Floyd Jones
2.「how do you dance?」 Marc Moulin
3.「this is your song」 Michel Moers
4.「#1 song in heaven」 Russel Mael/Ronald Mael/Giorgio Moroder
5.「j'aime la vie」 Jean-Paul Furnemont/Angelo Crisci/Marino Atria
6.「white noise」 TELEX
7.「move!」 TELEX
8.「jailhouse rock」 Jerry Leiber/Mike Stoller
9.「do worry」 Michel Moers
10.「la bamba」 traditional
<support musician>
Christa Jerome:backing vocals
produced by TELEX
engineered by Dan Lacksman
● 忘れた頃に前触れもなく復活!微笑ましいほど変わらない音楽性が魅力的なテクノポップの教科書的作品
「Moskow Diskow」や「L'Amour Toujours」などのヒットで知られるベルギーのテクノポップバンド、TELEXは日本でも細野晴臣が絶賛し、越美晴も「L'Amour Toujours」をリメイクするなど、日本のテクノ・ニューウェーブバンドにも影響を与えつつ、彼らも80年代は順調にアルバムリリースを重ねるなど精力的に活動していましたが、その後オリジナルアルバムとしては1988年の「LOONEY TUNES」のリリースを最後に休眠状態に入りました。しかし、2006年に突如として復活、カントリーソング「on the road again」のリメイクシングルを皮切りに、18年ぶりに本作をリリース、その健在ぶりをアピールしました。「on the road again」のみならず、Sparksのヒット曲「#1 song in heaven」やElvis Presleyの名曲「jailhouse rock」など過去の名曲のリメイクを多数収録した本作ですが、サウンド面は18年前と変わらないオプティミズムに溢れたシンセポップミュージックであり、待ちくたびれたリスナーの期待を裏切らない作品となっています。
これまでも作品ごとに当時のテクノロジーに合わせてサウンドスタイルを大胆に変化させていったTELEXですが、本作もテクノポップの精神は忘れずにサウンドは00年代のエレクトロを取り入れたキレとリズムで勝負するようなシンセ&プログラミングで構成されています。特に気になるのは相変わらずのシンセ音色フェチな部分で、決して器用ではないものの酸いも甘いも知り尽くしたベテランだからこそ生み出せるコクがある深みのある音色は、Dan Lacksmanの絶妙なエンジニアリングも相まって、18年の月日を忘れさせてくれるほどのクオリティに到達していると思います。どこかとぼけたようなポップなメロディはそのまま、しかしサウンドは現代の潮流をとらえながらより執拗にミニマル志向のシーケンスを中心にして、以前よりもエレクトロ度は増したと言っても過言ではありません。これだけ年月が経っても同じメンバーによる同じテクノポップ精神を志向した、鋼のような共同体であるTELEXには尊敬の年を禁じ得ませんが、本作リリースの2年後サウンドクリエイトの中心であったMarc Moulinが亡くなり、恐らく彼らの最後の作品になってしまったことは残念でなりません。
<Favorite Songs>
・「how do you dance?」
シンセ&シーケンスが左右に飛び交うTELEX式00年型ダンスミュージック。微妙に音色を変化させながら執拗に左右にパンが振られるシーケンスは、尋常でないテンションを持っています。既に大ベテランの域に達した彼らの意地ともいうべき攻撃的な楽曲です。
・「white noise」
タイトル通りノイズパーカッシブなシーケンスが新鮮なこれぞシンセテクノロジーPOPS。こうしたPOPSとしては使用をためらうような音を上手く料理して聴き手を魅了する楽曲に仕上げるのも彼らの匠の技たるゆえんでしょう。
・「move!」
キャッチー度でいえば本作でも随一のダンサブルシンセポップ。隙間を埋め尽くすシーケンスと四つ打ちリズム、スイープ音が深いシンセベースがサウンドの中心ですが、サビにはボイス変調とストレンジなギミックを使用してストレンジ性を増しています。
<評点>
・サウンド ★★★★ (サウンドの充実ぶりは長い歳月を経ても伊達ではない)
・メロディ ★ (メロディ構成とすれば単純だがそれも彼らの味と思えば)
・リズム ★ (リズムは流行が如実に表れるもので本作もここは追随)
・曲構成 ★ (名曲のリメイクも良いがオリジナルがもっと聴きたい)
・個性 ★★ (良くも悪くも変わらないこれこそ鋼のコンセプト)
総合評点: 7点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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