「THE MIX」 KRAFTWERK
「THE MIX」(1991 EMI)
KRAFTWERK

<members>
Ralf Hutter:voice・electronics
Florian Schneider:electronics
1.「THE ROBOTS」 KRAFTWERK
2.「COMPUTERLOVE」 KRAFTWERK
3.「POCKET CALCULATOR」 KRAFTWERK
4.「DENTAKU」 KRAFTWERK
5.「AUTOBAHN」 KRAFTWERK
6.「RADIOACTIVITY」 KRAFTWERK
7.「TRANS EUROPE EXPRESS」 KRAFTWERK
8.「ABZUG」 KRAFTWERK
9.「METAL ON METAL」 KRAFTWERK
10.「HOMECOMPUTER」 KRAFTWERK
11.「MUSIQUE NON STOP」 KRAFTWERK
produced by KRAFTWERK
engineered by Ralf Hutter・Florian Schneider・Fritz Hilpert
● ハウスのリズムを大胆に導入!過去の名曲を華麗にリメイクした限りなく新作に近い名ベスト盤
言わずと知れた「テクノ・ゴッド」KRAFTWERKはそのマイペースな活動ぶりで80年代に残した作品は「Computer World」とシングル「Tour de France」、そして1986年の「Electric Cafe」(リマスター化の際に「Techno Pop」と改名)にとどまり、彼らの先進的な電子サウンドは時代に追いつかれ追い越されたという評価をされつつありました。その後、一般的にデジタルサウンドが氾濫していく中で彼らの活動意義が薄まっていくことを感じ取ったのか、彼らの活動ペースはさらに落ちていくわけですが、80年代末から世界的に広まりつつあったクラブ系テクノ~ハウスミュージックの流れの中でKRAFTWERKは再評価され、彼らの活動再開の気運が高まっていきました。そこで重い腰を上げた彼らが世間に提示した回答が、過去の作品をリメイクした本作です。
Wolfgang FlurとKarl Bartos(本作途中までは参加)がその活動ペースに業を煮やして脱退しオリジナルメンバーの2人による制作となった本作ですが、ベスト盤というよりは過去の作品のリミックスならぬリメイク作品です。リミックスというにはオリジナルに忠実ですが、当時のハウスリズムを過去の楽曲に大胆に導入しダンサブルに変身させ、見事に既にチープ化していた過去の楽曲を甦らせることに成功しています。KRAFTWERKとしての質感はそのままに、音源を追加し再構築したそのサウンドはまさにリミックスではなし得ない、本人達でしか完成し得ない素晴らしいリメイク作品であると思います。また、驚くべきはハウス的リズムとの抜群の相性で、ダンサブルなリズムを追加することでこれほどまでに楽曲が生き生きするのかと感心させられます。こうしたテクノポップ、TECHNOLOGY POPSにおけるリズムの重要性を再認識させるアルバムでもあるのです。
<Favorite Songs>
・「COMPUTERLOVE」
アルバム「Coputer World」収録のヴォーカルナンバー。ゆったりめのストイックなオリジナルと比較しても格段にリズム感が向上、それに伴い楽曲そのものが持ち合わせていたポップ性まで際立たせています。ダンサブルなリズムと彼ら独特の電子音との相性の良さが再確認できる1曲です。
・「POCKET CALCULATOR」~「DENTAKU」
これも「Coputer World」収録の人気ナンバーのリメイク。従前の彼らの楽曲ではあり得なかったようなはじけたリズム感が特徴で、特に縦横無尽に飛び交う電子音ソロは圧巻で、リバーブの使い方も絶妙です。「DENTAKU」へのつなげ方も日本人にはうれしいところです。
・「RADIOACTIVITY」
1975年のアルバム「Radioactivity」からタイトル曲のダンサブルバージョン。この楽曲もオリジナルのどす黒いイメージの陰鬱なサウンドから跳ねるリズムによるノリノリのダンス系リメイクのより一気のポップ化しています。エンディングをしっかり完結させているのも余韻があって良いです。
<評点>
・サウンド ★★★★ (オリジナルの音色の良さを生かして見事に甦らせた)
・メロディ ★★ (実は聞きやすいメロディで彼らのポップ性が滲み出る)
・リズム ★★★★ (ハウスムーブメントに呼応したリズムトラックも絶妙)
・曲構成 ★ (楽曲をもう少しコンパクトにするともっと聴きやすい)
・個性 ★★★ (いわゆるリメイク物の中では抜群の完成度を誇る)
総合評点: 8点
KRAFTWERK

<members>
Ralf Hutter:voice・electronics
Florian Schneider:electronics
1.「THE ROBOTS」 KRAFTWERK
2.「COMPUTERLOVE」 KRAFTWERK
3.「POCKET CALCULATOR」 KRAFTWERK
4.「DENTAKU」 KRAFTWERK
5.「AUTOBAHN」 KRAFTWERK
6.「RADIOACTIVITY」 KRAFTWERK
7.「TRANS EUROPE EXPRESS」 KRAFTWERK
8.「ABZUG」 KRAFTWERK
9.「METAL ON METAL」 KRAFTWERK
10.「HOMECOMPUTER」 KRAFTWERK
11.「MUSIQUE NON STOP」 KRAFTWERK
produced by KRAFTWERK
engineered by Ralf Hutter・Florian Schneider・Fritz Hilpert
● ハウスのリズムを大胆に導入!過去の名曲を華麗にリメイクした限りなく新作に近い名ベスト盤
言わずと知れた「テクノ・ゴッド」KRAFTWERKはそのマイペースな活動ぶりで80年代に残した作品は「Computer World」とシングル「Tour de France」、そして1986年の「Electric Cafe」(リマスター化の際に「Techno Pop」と改名)にとどまり、彼らの先進的な電子サウンドは時代に追いつかれ追い越されたという評価をされつつありました。その後、一般的にデジタルサウンドが氾濫していく中で彼らの活動意義が薄まっていくことを感じ取ったのか、彼らの活動ペースはさらに落ちていくわけですが、80年代末から世界的に広まりつつあったクラブ系テクノ~ハウスミュージックの流れの中でKRAFTWERKは再評価され、彼らの活動再開の気運が高まっていきました。そこで重い腰を上げた彼らが世間に提示した回答が、過去の作品をリメイクした本作です。
Wolfgang FlurとKarl Bartos(本作途中までは参加)がその活動ペースに業を煮やして脱退しオリジナルメンバーの2人による制作となった本作ですが、ベスト盤というよりは過去の作品のリミックスならぬリメイク作品です。リミックスというにはオリジナルに忠実ですが、当時のハウスリズムを過去の楽曲に大胆に導入しダンサブルに変身させ、見事に既にチープ化していた過去の楽曲を甦らせることに成功しています。KRAFTWERKとしての質感はそのままに、音源を追加し再構築したそのサウンドはまさにリミックスではなし得ない、本人達でしか完成し得ない素晴らしいリメイク作品であると思います。また、驚くべきはハウス的リズムとの抜群の相性で、ダンサブルなリズムを追加することでこれほどまでに楽曲が生き生きするのかと感心させられます。こうしたテクノポップ、TECHNOLOGY POPSにおけるリズムの重要性を再認識させるアルバムでもあるのです。
<Favorite Songs>
・「COMPUTERLOVE」
アルバム「Coputer World」収録のヴォーカルナンバー。ゆったりめのストイックなオリジナルと比較しても格段にリズム感が向上、それに伴い楽曲そのものが持ち合わせていたポップ性まで際立たせています。ダンサブルなリズムと彼ら独特の電子音との相性の良さが再確認できる1曲です。
・「POCKET CALCULATOR」~「DENTAKU」
これも「Coputer World」収録の人気ナンバーのリメイク。従前の彼らの楽曲ではあり得なかったようなはじけたリズム感が特徴で、特に縦横無尽に飛び交う電子音ソロは圧巻で、リバーブの使い方も絶妙です。「DENTAKU」へのつなげ方も日本人にはうれしいところです。
・「RADIOACTIVITY」
1975年のアルバム「Radioactivity」からタイトル曲のダンサブルバージョン。この楽曲もオリジナルのどす黒いイメージの陰鬱なサウンドから跳ねるリズムによるノリノリのダンス系リメイクのより一気のポップ化しています。エンディングをしっかり完結させているのも余韻があって良いです。
<評点>
・サウンド ★★★★ (オリジナルの音色の良さを生かして見事に甦らせた)
・メロディ ★★ (実は聞きやすいメロディで彼らのポップ性が滲み出る)
・リズム ★★★★ (ハウスムーブメントに呼応したリズムトラックも絶妙)
・曲構成 ★ (楽曲をもう少しコンパクトにするともっと聴きやすい)
・個性 ★★★ (いわゆるリメイク物の中では抜群の完成度を誇る)
総合評点: 8点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
コメント
キター!
Re: キター!
ロボトリアさん、こんばんは。
これは本人がリメイクしているから良いのです。
本人達だからこそ「ツボ」がわかっているし、時代に受け入れられるにはどうすればよいのかを本当に「わかって」いるような気がするんです。
オリジナルは今聴くと結構地味に聴こえる時もあるんですが、この作品は本当にダンサブルで違和感なく聴けるのが嬉しいところですね。
これは本人がリメイクしているから良いのです。
本人達だからこそ「ツボ」がわかっているし、時代に受け入れられるにはどうすればよいのかを本当に「わかって」いるような気がするんです。
オリジナルは今聴くと結構地味に聴こえる時もあるんですが、この作品は本当にダンサブルで違和感なく聴けるのが嬉しいところですね。
コメントの投稿
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思ってました。それほど生まれ変わっていたので・・・
「RADIOACTIVITY」がいちばんお気に入りでした。
「POCKET CALCULATOR」~「DENTAKU」のつなぎは鳥肌ものですね。
あとこのアルバムには入ってませんが、ライブでみせる
「NUMBERS」~「COMPUTER WORLD」のつなぎも好きです(^^)