「automatic」 SHARPE+NUMAN
「automatic」 (1989 Polydor)
SHARPE+NUMAN

<members>
Bill Sharpe:keyboards
Gary Numan:vocals
1.「Change Your Mind」 Bill Sharpe/Roger Odell
2.「Turn Off The World」 Bill Sharpe/Gary Numan
3.「No More Lies ('89 Mix)」 Bill Sharpe/Gary Numan
4.「Breathe In Emotion」 Bill Sharpe/Gary Numan
5.「Some New Game」 Bill Sharpe/Gary Numan
6.「I'm On Automatic」 Bill Sharpe/Gary Numan
7.「Rip It Up」 Bill Sharpe/Gary Numan
8.「Welcome To Love」 Bill Sharpe/Gary Numan
9.「Voices」 Bill Sharpe/Gary Numan/Roger Odell
10.「Nightlife」 Bill Sharpe/Gary Numan
11.「No More Lies (Original 12" Mix)」 Bill Sharpe/Gary Numan
12.「I'm On Automatic (12" Mix)」 Bill Sharpe/Gary Numan
<support musician>
Mitch Dalton:guitar
Roger Odell:drums
Linda Taylor:backing vocals
Tessa Niles:backing vocals
John Davies:synthesizer programming
produced by Bill Sharpe
mixing engineered by Nick Smith・Wally Brill
recording engineered by Nick Smith・John Davies
● 異なるジャンルから夢のタッグが実現!独特のボーカルと技巧派キーボードが妙にマッチしたエレポップ名盤
1980年代のニューウェーブムーブメントの黎明期からそのアンドロイド然とした風貌と爬虫類系の個性的ボイスで一躍スターダムにのし上がったGary Numanは、83年までメジャーシーンで活動するものの翌年メジャーレーベルとの契約満了後、自身が設立したNUMAレコードから音源をリリース、髪を青色に染め顔面も白塗りに変身し、イメチェンとともに再出発を図ります。しかしニューウェーブの王道を歩むソロとは別に全く異なるジャンルのアーティストとの共同作業を始めました。それがこのSHARPE+NUMANです。SHARPEとはイギリスのフュージョンバンドで日本においても人気を博したShakatakのキーボーディストであるBill Sharpeで、ニューウェーブシーンとは無縁の彼とその世界にどっぷり浸かったNumanとのコラボは注目を浴び、1stシングル「Change Your Mind」はスマッシュヒットを放ちました。その後彼らは緩やかに活動を続け、80年代も終わりに近づいた89年に待望の1stアルバムである本作をリリースするに至ります。
フロントマンのGary Numanが目立ってしまうため彼主導のユニットと思われがちですが、本作を聴いた印象としては、サウンド全体を仕切っているBill SharpeのソロプロジェクトにNumanをヴォーカリストに迎えていると言っても過言ではないでしょう。Shakatakでは都会的なインストで名を馳せたSharpeの楽曲は、このユニットでは意外なほど直球なエレポップに徹底されており、Numanのソロで同時期に志向していたひねりのある硬質なデジタルサウンドと比較しても、起承転結のはっきりした構成にフュージョン特有の温かみのあるシンセサウンドが目立つ、人間味のある作風になっています。どぎつい単音を多用してインパクトで勝負するNumanソロに対する和音を基調にした安定感のあるシンセPOPSといったところでしょうか。本格的なキーボーディストの参加によって厚みを得ることと引き換えに、飛び抜けたショッキングなサウンドはなく安定感を選択したとも言える本作ですが、ヴォーカリストに徹したNumanとPOPSの世界で注目されたいSharpeの思惑が一致した興味深い作品であると思います(なお廃盤後再発もされていません)。
<Favorite Songs>
・「Change Your Mind」
記念すべきデビューシングル。唯一のGary Numan白塗り時代の楽曲で、Bill SharpeのFairlightの響きも豊かなキャッチーなエレポップに仕上がっています。陰鬱なサビのフレーズにニューロマの香りが漂い、個性的な音色のシンセソロで聴き手を注目させてくれます。
・「No More Lies ('89 Mix)」
都会感覚満点の2ndシングル。ひねりも全くないストレートなシンセパッドに潔さを感じます。微妙に跳ねるシンセベースのノリに乗ったキャッチーなサビが命の典型的なシティ派エレポップです。
・「I'm On Automatic」
ほぼタイトルチューンと言ってもよい3rdシングル。前2作と同様の哀愁のフレーズを忍び込ませた直球エレポップですが、この頃には少々スノッブな一面も垣間見えており、デビュー直後のインパクトは消えつつあります。
<評点>
・サウンド ★★★ (シンセによる和音の響かせ方はさすがフュージョン畑の業)
・メロディ ★★ (ポップセンスをよく理解しているがワンパターンな面も)
・リズム ★★ (力強いスネア音色を多用しているが目新しさもない)
・曲構成 ★ (後半は似たような楽曲が並び飽きが来てしまう恐れも)
・個性 ★★ (各々の主たる活動とはそれぞれ異なった側面を披露した)
総合評点: 7点
SHARPE+NUMAN

<members>
Bill Sharpe:keyboards
Gary Numan:vocals
1.「Change Your Mind」 Bill Sharpe/Roger Odell
2.「Turn Off The World」 Bill Sharpe/Gary Numan
3.「No More Lies ('89 Mix)」 Bill Sharpe/Gary Numan
4.「Breathe In Emotion」 Bill Sharpe/Gary Numan
5.「Some New Game」 Bill Sharpe/Gary Numan
6.「I'm On Automatic」 Bill Sharpe/Gary Numan
7.「Rip It Up」 Bill Sharpe/Gary Numan
8.「Welcome To Love」 Bill Sharpe/Gary Numan
9.「Voices」 Bill Sharpe/Gary Numan/Roger Odell
10.「Nightlife」 Bill Sharpe/Gary Numan
11.「No More Lies (Original 12" Mix)」 Bill Sharpe/Gary Numan
12.「I'm On Automatic (12" Mix)」 Bill Sharpe/Gary Numan
<support musician>
Mitch Dalton:guitar
Roger Odell:drums
Linda Taylor:backing vocals
Tessa Niles:backing vocals
John Davies:synthesizer programming
produced by Bill Sharpe
mixing engineered by Nick Smith・Wally Brill
recording engineered by Nick Smith・John Davies
● 異なるジャンルから夢のタッグが実現!独特のボーカルと技巧派キーボードが妙にマッチしたエレポップ名盤
1980年代のニューウェーブムーブメントの黎明期からそのアンドロイド然とした風貌と爬虫類系の個性的ボイスで一躍スターダムにのし上がったGary Numanは、83年までメジャーシーンで活動するものの翌年メジャーレーベルとの契約満了後、自身が設立したNUMAレコードから音源をリリース、髪を青色に染め顔面も白塗りに変身し、イメチェンとともに再出発を図ります。しかしニューウェーブの王道を歩むソロとは別に全く異なるジャンルのアーティストとの共同作業を始めました。それがこのSHARPE+NUMANです。SHARPEとはイギリスのフュージョンバンドで日本においても人気を博したShakatakのキーボーディストであるBill Sharpeで、ニューウェーブシーンとは無縁の彼とその世界にどっぷり浸かったNumanとのコラボは注目を浴び、1stシングル「Change Your Mind」はスマッシュヒットを放ちました。その後彼らは緩やかに活動を続け、80年代も終わりに近づいた89年に待望の1stアルバムである本作をリリースするに至ります。
フロントマンのGary Numanが目立ってしまうため彼主導のユニットと思われがちですが、本作を聴いた印象としては、サウンド全体を仕切っているBill SharpeのソロプロジェクトにNumanをヴォーカリストに迎えていると言っても過言ではないでしょう。Shakatakでは都会的なインストで名を馳せたSharpeの楽曲は、このユニットでは意外なほど直球なエレポップに徹底されており、Numanのソロで同時期に志向していたひねりのある硬質なデジタルサウンドと比較しても、起承転結のはっきりした構成にフュージョン特有の温かみのあるシンセサウンドが目立つ、人間味のある作風になっています。どぎつい単音を多用してインパクトで勝負するNumanソロに対する和音を基調にした安定感のあるシンセPOPSといったところでしょうか。本格的なキーボーディストの参加によって厚みを得ることと引き換えに、飛び抜けたショッキングなサウンドはなく安定感を選択したとも言える本作ですが、ヴォーカリストに徹したNumanとPOPSの世界で注目されたいSharpeの思惑が一致した興味深い作品であると思います(なお廃盤後再発もされていません)。
<Favorite Songs>
・「Change Your Mind」
記念すべきデビューシングル。唯一のGary Numan白塗り時代の楽曲で、Bill SharpeのFairlightの響きも豊かなキャッチーなエレポップに仕上がっています。陰鬱なサビのフレーズにニューロマの香りが漂い、個性的な音色のシンセソロで聴き手を注目させてくれます。
・「No More Lies ('89 Mix)」
都会感覚満点の2ndシングル。ひねりも全くないストレートなシンセパッドに潔さを感じます。微妙に跳ねるシンセベースのノリに乗ったキャッチーなサビが命の典型的なシティ派エレポップです。
・「I'm On Automatic」
ほぼタイトルチューンと言ってもよい3rdシングル。前2作と同様の哀愁のフレーズを忍び込ませた直球エレポップですが、この頃には少々スノッブな一面も垣間見えており、デビュー直後のインパクトは消えつつあります。
<評点>
・サウンド ★★★ (シンセによる和音の響かせ方はさすがフュージョン畑の業)
・メロディ ★★ (ポップセンスをよく理解しているがワンパターンな面も)
・リズム ★★ (力強いスネア音色を多用しているが目新しさもない)
・曲構成 ★ (後半は似たような楽曲が並び飽きが来てしまう恐れも)
・個性 ★★ (各々の主たる活動とはそれぞれ異なった側面を披露した)
総合評点: 7点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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