「奥の細道」 姫神せんせいしょん
「奥の細道」 (1981 ポニーキャニオン)
姫神せんせいしょん

<members>
星吉昭:synthesizer・keyboards
佐藤将展:drums・percussion
大久保正人:guitar
伊藤英彦:bass
1.「ありそ(荒磯)」 曲:星吉昭 編:姫神せんせいしょん
2.「奥の細道」 曲:星吉昭 編:姫神せんせいしょん
3.「リ・ア・ス」 曲:佐藤将展 編:姫神せんせいしょん
4.「紫野」 曲:星吉昭 編:姫神せんせいしょん
5.「邪馬台国の夜明け」 曲:星吉昭 編:姫神せんせいしょん
6.「Gun-Do」 曲:星吉昭 編:姫神せんせいしょん
7.「岩清水」 曲:佐藤将展 編:姫神せんせいしょん
8.「行秋」 曲:星吉昭 編:姫神せんせいしょん
9.「螢」 曲:星吉昭 編:姫神せんせいしょん
10.「やませ」 曲:星吉昭 編:姫神せんせいしょん
produced by 姉帯俊之
engineered by 永井ヨシノリ・佐藤将展
● 和風YMO!岩手が生んだ世界的ニューエイジミュージックユニットのバンドスタイルでの衝撃デビュー作
世界に誇れる日本製ニューエイジミュージックの代表的ユニットである姫神こと星吉昭は、古くから日本の原風景をシンセサイザー等を使用した電子音楽で表現する試みを続けてきましたが、1980年にバンド形式によるインストグループ、姫神せんせいしょんを結成し、本作においてデビューを果たします。シンセサイザー中心によるバンドスタイルは、当時テクノブームの真っ只中にあったYMOの人気に呼応する形で時代にピタリとはまる形になり、特に出身地である岩手県のラジオ番組「IBC TOP40」では年間ランキングベスト10にチャートインするなど、局地的にブレイクを果たしました。また、NHKなどテレビ番組やCMにおいてもBGMとして採用されるなど、最先端といわれた電子音楽をお茶の間にも身近なものに感じさせることに成功しました。
さて、本作の最大の魅力は、冷たく無機質な音楽と揶揄されていたシンセサイザーミュージックを、和風メロディと日本古来の楽器をシミュレートした音色によって、劇的に温かみと親しみのあるサウンドに変身させることに成功していることです。笛や琴、笙の音などをシンセで創り上げるだけでなく、短いポルタメントを織り交ぜることによる繊細な奏法によって微妙なニュアンスを施すことによって、和楽器のテイストを見事に表現し切っていることに驚かされます。同時期に活躍した日本のテクノポップグループの代表であるYMOの演奏にも東洋的なフレーズは多用されていましたが、それはまだ日本のハイテク先進都市をアピールするようなクールでスタイリッシュなサウンドでしたが、姫神せんせいしょんのサウンドはまさしく日本の情緒あふれるナチュラルなものであり、演奏には粗さがありチープな面もあるものの、そのフュージョンやプログレ的な要素を取り入れながら全体的に醸し出す確固たる世界観は他のバンドには出せない個性が感じられるのです。
<Favorite Songs>
・「奥の細道」
彼らがブレイクを果たすきっかけとなり、「姫神」の原点ともいえるオリエンタルテクノの名曲。日本の心を忘れないわかりやすいメロディに、独特の琴の音をシミュレートしたシンセサウンドおよび奏法には、深みが感じられます。
・「Gun-Do」
ソロユニット「姫神」の印象からは考えられないほどスピード感にあふれた楽曲。テクニカルなリズムギターと緊張感のあるサビのフレーズにテンションが上がります。特にサビ前のアルペジオが良いです。また間奏のエレクトリックパーカッションはもはやYMOに匹敵するほどのワクワク感があります。
・「行秋」
日本の美しい情景を表現するのにふさわしいシンセサイザーによる芸術ともいうべき名バラードインスト。寺社の鐘の音や金属的できらびやかな音色による繊細なフレーズ、後半になって一気に広がる壮大な音世界など構成も抜群です。
<評点>
・サウンド ★★★★★(シンセサイザーの演奏力、描写能力が素晴らしい)
・メロディ ★★★ (東洋的で覚えやすいフレーズは彼らの最大の魅力)
・リズム ★★★ (リズム隊のフュージョン的テクニックは大したもの)
・曲構成 ★★★ (陸奥の情景を物語性豊かに構成されたコンセプト作)
・個性 ★★★ (YMOスタイルに便乗ではなく独自に作り上げた和の心)
総合評点: 7点
姫神せんせいしょん

<members>
星吉昭:synthesizer・keyboards
佐藤将展:drums・percussion
大久保正人:guitar
伊藤英彦:bass
1.「ありそ(荒磯)」 曲:星吉昭 編:姫神せんせいしょん
2.「奥の細道」 曲:星吉昭 編:姫神せんせいしょん
3.「リ・ア・ス」 曲:佐藤将展 編:姫神せんせいしょん
4.「紫野」 曲:星吉昭 編:姫神せんせいしょん
5.「邪馬台国の夜明け」 曲:星吉昭 編:姫神せんせいしょん
6.「Gun-Do」 曲:星吉昭 編:姫神せんせいしょん
7.「岩清水」 曲:佐藤将展 編:姫神せんせいしょん
8.「行秋」 曲:星吉昭 編:姫神せんせいしょん
9.「螢」 曲:星吉昭 編:姫神せんせいしょん
10.「やませ」 曲:星吉昭 編:姫神せんせいしょん
produced by 姉帯俊之
engineered by 永井ヨシノリ・佐藤将展
● 和風YMO!岩手が生んだ世界的ニューエイジミュージックユニットのバンドスタイルでの衝撃デビュー作
世界に誇れる日本製ニューエイジミュージックの代表的ユニットである姫神こと星吉昭は、古くから日本の原風景をシンセサイザー等を使用した電子音楽で表現する試みを続けてきましたが、1980年にバンド形式によるインストグループ、姫神せんせいしょんを結成し、本作においてデビューを果たします。シンセサイザー中心によるバンドスタイルは、当時テクノブームの真っ只中にあったYMOの人気に呼応する形で時代にピタリとはまる形になり、特に出身地である岩手県のラジオ番組「IBC TOP40」では年間ランキングベスト10にチャートインするなど、局地的にブレイクを果たしました。また、NHKなどテレビ番組やCMにおいてもBGMとして採用されるなど、最先端といわれた電子音楽をお茶の間にも身近なものに感じさせることに成功しました。
さて、本作の最大の魅力は、冷たく無機質な音楽と揶揄されていたシンセサイザーミュージックを、和風メロディと日本古来の楽器をシミュレートした音色によって、劇的に温かみと親しみのあるサウンドに変身させることに成功していることです。笛や琴、笙の音などをシンセで創り上げるだけでなく、短いポルタメントを織り交ぜることによる繊細な奏法によって微妙なニュアンスを施すことによって、和楽器のテイストを見事に表現し切っていることに驚かされます。同時期に活躍した日本のテクノポップグループの代表であるYMOの演奏にも東洋的なフレーズは多用されていましたが、それはまだ日本のハイテク先進都市をアピールするようなクールでスタイリッシュなサウンドでしたが、姫神せんせいしょんのサウンドはまさしく日本の情緒あふれるナチュラルなものであり、演奏には粗さがありチープな面もあるものの、そのフュージョンやプログレ的な要素を取り入れながら全体的に醸し出す確固たる世界観は他のバンドには出せない個性が感じられるのです。
<Favorite Songs>
・「奥の細道」
彼らがブレイクを果たすきっかけとなり、「姫神」の原点ともいえるオリエンタルテクノの名曲。日本の心を忘れないわかりやすいメロディに、独特の琴の音をシミュレートしたシンセサウンドおよび奏法には、深みが感じられます。
・「Gun-Do」
ソロユニット「姫神」の印象からは考えられないほどスピード感にあふれた楽曲。テクニカルなリズムギターと緊張感のあるサビのフレーズにテンションが上がります。特にサビ前のアルペジオが良いです。また間奏のエレクトリックパーカッションはもはやYMOに匹敵するほどのワクワク感があります。
・「行秋」
日本の美しい情景を表現するのにふさわしいシンセサイザーによる芸術ともいうべき名バラードインスト。寺社の鐘の音や金属的できらびやかな音色による繊細なフレーズ、後半になって一気に広がる壮大な音世界など構成も抜群です。
<評点>
・サウンド ★★★★★(シンセサイザーの演奏力、描写能力が素晴らしい)
・メロディ ★★★ (東洋的で覚えやすいフレーズは彼らの最大の魅力)
・リズム ★★★ (リズム隊のフュージョン的テクニックは大したもの)
・曲構成 ★★★ (陸奥の情景を物語性豊かに構成されたコンセプト作)
・個性 ★★★ (YMOスタイルに便乗ではなく独自に作り上げた和の心)
総合評点: 7点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
コメント
コメントの投稿