「GENTLEMEN TAKE POLAROIDS」 JAPAN
「GENTLEMEN TAKE POLAROIDS」(1980 Virgin)
JAPAN

<members>
David Sylvian:vocals・guitar
Rob Dean:guitar・vocals
Mick Karn:bass・flute・sax・vocals
Steve Jansen:drums・percussion・vocals
Richard Barbieri:synthesizers・keyboards・vocals
1.「GENTLEMEN TAKE POLAROIDS」 David Sylvian
2.「SWING」 David Sylvian
3.「BURNING BRIDGES」 David Sylvian
4.「MY NEW CAREER」 David Sylvian
5.「METHODS OF DANCE」 David Sylvian
6.「AIN'T THAT PECULIAR」
William Robinson/Warren Moore/Marvin Tarplan/Robert Rodgers
7.「NIGHTPORTER」 David Sylvian
8.「TAKING ISLANDS IN AFRICA」 坂本龍一/David Sylvian
produced by John Punter
mixing engineered by John Punter
recording engineered by John Punter・Nigel Walker・Colin Fairley・Steve Prestage
● ナルシストな歌唱に不気味なシンセ&ベース!ダークNWにサウンドを進化させた傑作
グラムロックに影響された奇抜なルックスでデビューし、日本でのみ人気を博しながら正当な音楽的評価は得られなかったイギリス出身のバンドJAPANは、1979年のGiorgio Moroderプロデュースのミュンヘンディスコ路線シングル「Life in Tokyo」から一気にエレクトロで耽美的なニューウェーブ路線に傾倒し、アルバム「Quiet Life」では徐々にねちっこい妖艶なDavid Sylvianのヴォーカルと、奇妙なフレーズを繰り出すMick Karnのベースが目立つようになってきました。そしてレコード会社もVirginに移籍してリリースした本作では本格的にニューウェーブ化に拍車がかかり、陰鬱なメロディラインに自由奔放にのたうち回るフレットレスベースを中心に、特徴的なシンセサウンドと複雑なリズムワークが絡み合う、後世に記憶されるJAPAN独自の音世界が存分に堪能できる作品に仕上がっています。
前作までの若気の至り的な躍動感のある楽曲は影を潜め、限りなくダークなイメージを背負う本作のサウンドの核としては、やはりRichard Barbieriが紡ぎ出す滲むようなシンセの音感が挙げられます。Prophet5の魅力を巧みに表現した見事な音づくりは、超個性的な他の3人(David,Mick,Steve)のプレイの縁の下の力持ち的な役割を担いながらも、自身の個性をその音色でしっかりアピールしているところにRichardの意外な主張の強さが感じられます。そしてそのあおりを食った形となったのがギターのRob Deanで、ヌメリのあるニューウェーブサウンドにバンドが傾倒していく中でギターの存在感が徐々に薄れていったために本作リリース後脱退を余儀なくされてしまいました。本作では急激なサウンドの変化において随所でエフェクティブなギターワークを見せるものの、他の個性に埋もれていってしまったのは仕方のないことでしょう。本作は坂本龍一とDavidの共作「TAKING ISLANDS IN AFRICA」が収録されたのも話題の1つとなりましたが、秀作であるこの楽曲を除いても、JAPANがJAPANたり得るための実力を注ぎ込んだ名盤であることには間違いなく、次作「Tin Drum」と並んでフォロワーの多い作品として語り継がれています。
<Favorite Songs>
・「GENTLEMEN TAKE POLAROIDS」
比較的ゆったりとしながらSteveが正確なリズムを刻む後期JAPANの典型的なサウンドのアルバムタイトル曲。Mickの自由過ぎるベースの活躍はもちろん、間奏の牧歌的なサックスソロにもMickのセンスの良さが表れています。
・「SWING」
前曲にも増してその変態度が目立つベースフレーズが強い印象を残す本作随一の名曲。Aメロの陰鬱でありながらキャッチーなフレーズにはニューロマ好きの心をつかむのに余りあるシブかっこよさが感じられます。
・「METHODS OF DANCE」
幻想的でくぐもったシーケンスが誘う陰鬱ニューウェーブの典型的な楽曲。Steveの複雑緻密なドラミングが大活躍する楽曲で、相変わらず変態的なベースプレイを聴かせるMickといえどもこの楽曲においてはSteveのプレイが印象度において軍配が上がります。
<評点>
・サウンド ★★★★★(独特のくぐもりProphetサウンドが全体を席巻)
・メロディ ★ (盛り上がりそうで盛り上がれない微妙なメロディ)
・リズム ★★★★★(センスと実力の塊のような超個性派リズム隊)
・曲構成 ★ (バラードが陰鬱過ぎてバランスを崩している面も)
・個性 ★★ (十分際立った作風だが実はこれだという決定打もない)
総合評点: 7点
JAPAN

<members>
David Sylvian:vocals・guitar
Rob Dean:guitar・vocals
Mick Karn:bass・flute・sax・vocals
Steve Jansen:drums・percussion・vocals
Richard Barbieri:synthesizers・keyboards・vocals
1.「GENTLEMEN TAKE POLAROIDS」 David Sylvian
2.「SWING」 David Sylvian
3.「BURNING BRIDGES」 David Sylvian
4.「MY NEW CAREER」 David Sylvian
5.「METHODS OF DANCE」 David Sylvian
6.「AIN'T THAT PECULIAR」
William Robinson/Warren Moore/Marvin Tarplan/Robert Rodgers
7.「NIGHTPORTER」 David Sylvian
8.「TAKING ISLANDS IN AFRICA」 坂本龍一/David Sylvian
produced by John Punter
mixing engineered by John Punter
recording engineered by John Punter・Nigel Walker・Colin Fairley・Steve Prestage
● ナルシストな歌唱に不気味なシンセ&ベース!ダークNWにサウンドを進化させた傑作
グラムロックに影響された奇抜なルックスでデビューし、日本でのみ人気を博しながら正当な音楽的評価は得られなかったイギリス出身のバンドJAPANは、1979年のGiorgio Moroderプロデュースのミュンヘンディスコ路線シングル「Life in Tokyo」から一気にエレクトロで耽美的なニューウェーブ路線に傾倒し、アルバム「Quiet Life」では徐々にねちっこい妖艶なDavid Sylvianのヴォーカルと、奇妙なフレーズを繰り出すMick Karnのベースが目立つようになってきました。そしてレコード会社もVirginに移籍してリリースした本作では本格的にニューウェーブ化に拍車がかかり、陰鬱なメロディラインに自由奔放にのたうち回るフレットレスベースを中心に、特徴的なシンセサウンドと複雑なリズムワークが絡み合う、後世に記憶されるJAPAN独自の音世界が存分に堪能できる作品に仕上がっています。
前作までの若気の至り的な躍動感のある楽曲は影を潜め、限りなくダークなイメージを背負う本作のサウンドの核としては、やはりRichard Barbieriが紡ぎ出す滲むようなシンセの音感が挙げられます。Prophet5の魅力を巧みに表現した見事な音づくりは、超個性的な他の3人(David,Mick,Steve)のプレイの縁の下の力持ち的な役割を担いながらも、自身の個性をその音色でしっかりアピールしているところにRichardの意外な主張の強さが感じられます。そしてそのあおりを食った形となったのがギターのRob Deanで、ヌメリのあるニューウェーブサウンドにバンドが傾倒していく中でギターの存在感が徐々に薄れていったために本作リリース後脱退を余儀なくされてしまいました。本作では急激なサウンドの変化において随所でエフェクティブなギターワークを見せるものの、他の個性に埋もれていってしまったのは仕方のないことでしょう。本作は坂本龍一とDavidの共作「TAKING ISLANDS IN AFRICA」が収録されたのも話題の1つとなりましたが、秀作であるこの楽曲を除いても、JAPANがJAPANたり得るための実力を注ぎ込んだ名盤であることには間違いなく、次作「Tin Drum」と並んでフォロワーの多い作品として語り継がれています。
<Favorite Songs>
・「GENTLEMEN TAKE POLAROIDS」
比較的ゆったりとしながらSteveが正確なリズムを刻む後期JAPANの典型的なサウンドのアルバムタイトル曲。Mickの自由過ぎるベースの活躍はもちろん、間奏の牧歌的なサックスソロにもMickのセンスの良さが表れています。
・「SWING」
前曲にも増してその変態度が目立つベースフレーズが強い印象を残す本作随一の名曲。Aメロの陰鬱でありながらキャッチーなフレーズにはニューロマ好きの心をつかむのに余りあるシブかっこよさが感じられます。
・「METHODS OF DANCE」
幻想的でくぐもったシーケンスが誘う陰鬱ニューウェーブの典型的な楽曲。Steveの複雑緻密なドラミングが大活躍する楽曲で、相変わらず変態的なベースプレイを聴かせるMickといえどもこの楽曲においてはSteveのプレイが印象度において軍配が上がります。
<評点>
・サウンド ★★★★★(独特のくぐもりProphetサウンドが全体を席巻)
・メロディ ★ (盛り上がりそうで盛り上がれない微妙なメロディ)
・リズム ★★★★★(センスと実力の塊のような超個性派リズム隊)
・曲構成 ★ (バラードが陰鬱過ぎてバランスを崩している面も)
・個性 ★★ (十分際立った作風だが実はこれだという決定打もない)
総合評点: 7点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
コメント
No title
No title
久々にメジャーなアルバムのレビューですね(笑)
JAPANは大好きなので、ウキウキしながら読ませていただきました。
ミックの情報ありがとうございます。
心配ですね。当ブログでも情報を掲載することにしました。
自分に出来ることはそれくらいしかないので・・・
JAPANは大好きなので、ウキウキしながら読ませていただきました。
ミックの情報ありがとうございます。
心配ですね。当ブログでも情報を掲載することにしました。
自分に出来ることはそれくらいしかないので・・・
Re: No title
80's manさん、こんばんは。
私は結構デビュー曲「Adolescent Sex」」も好きなんですが、やはり後期JAPANは特別モノですよね。やっぱりあのベースがないと、です。
個人的には最高傑作は・・やっぱり「Tin Drum」ですねw
本作は「Nightporter」のようなバラードが苦手でして・・。
ちなみに私のJAPAN遍歴は80年代のDolphin Brothersあたりで止まってしまいましたw
私は結構デビュー曲「Adolescent Sex」」も好きなんですが、やはり後期JAPANは特別モノですよね。やっぱりあのベースがないと、です。
個人的には最高傑作は・・やっぱり「Tin Drum」ですねw
本作は「Nightporter」のようなバラードが苦手でして・・。
ちなみに私のJAPAN遍歴は80年代のDolphin Brothersあたりで止まってしまいましたw
Re: No title
ロボトリアさん、こんばんは。
マイナーなアルバムばかりで申し訳ありません。
でも、基本的に洋楽はメジャーな作品ばかり取り上げているつもりだったりしますw
Mick Karnの病気は個人的に親を同種の病気で亡くしてますので余り他人事ではない気がいたします。
とにかく頑張ってほしいとしか言えないですね・・。
マイナーなアルバムばかりで申し訳ありません。
でも、基本的に洋楽はメジャーな作品ばかり取り上げているつもりだったりしますw
Mick Karnの病気は個人的に親を同種の病気で亡くしてますので余り他人事ではない気がいたします。
とにかく頑張ってほしいとしか言えないですね・・。
No title
初めて買ったcdがこれだった・・・
Re: No title
dkさん、こんばんは。
やはり原点ですよねw
やはり原点ですよねw
コメントの投稿
一般的には“Tin Drum”を最高傑作とする意見が多いようですが、個人的にはこの4作目の方がUKニューウェーブの王道らしい曲が多くて好きですね。
ところで、先日とある映画のエンディングナンバーがえらく渋くて良かったので調べたところnine horsesというデイヴィッド&スティーブのユニットの曲だと分かり、彼らがまだまだ現役であることが意外なところで確認できてとっても嬉しくなりました。