「躁鬱 SO・UTSU」 早瀬優香子
「躁鬱 SO・UTSU」(1986 シックスティ)
早瀬優香子:vocal

1.「TROIS QUARTS」 詞:秋元康 曲:桐ヶ谷仁 編:西平彰
2.「サディスト」 詞:秋元康 曲:見岳章 編:西平彰
3.「サルトルで眠れない」 詞:秋元康 曲:大村憲司 編:西平彰
4.「ピンクのCHAPEAU」 詞:秋元康 曲:MAYUMI 編:西平彰
5.「去年マリエンバードで」 詞:秋元康 曲:亀井登志夫 編:西平彰
6.「蟻」 詞:秋元康 曲:見岳章 編:西平彰
7.「Le CABARET」 詞:CECILE 曲:原田真二 編:西平彰
8.「セシルはセシル」 詞:秋元康 曲:MAYUMI 編:西平彰
9.「水曜日までに死にたいの」 詞:秋元康 曲:原田真二 編:西平彰
10.「ララバイ」 詞:秋元康 曲:財津和夫 編:西平彰
<support musician>
堀内孝仁:vocal
西平彰:keyboards
松井隆雄:synthesizer operate
produced by 三野明洋
mixing engineered by Bruce Lampcov
recording engineered by 藤野成喜
● 個性的な舌足らずボーカルと独特の欧州POP感覚が話題を呼んだアンニュイなデビュー作
映画「早春物語」で本格的に女優活動を開始した早瀬優香子は、その存在感のある佇まいとヴィジュアルイメージを生かして音楽活動も開始し、1986年にシングル「サルトルで眠れない」でデビューすると同時に、同日に1stアルバムである本作をリリースします。当時飛ぶ鳥を落とす勢いであった秋元康を作詞に迎え憎らしいほどのオシャレ路線を狙った歌詞は、奇しくも彼女に対する一般的なアンニュイイメージを見事に表現することに成功しており、一筋縄ではいかないフレンチポップな世界観と一度聴くと忘れられない個性的な声質も相まって、デビュー作にして18歳という年齢にそぐわない作風でリスナーにインパクトを与えた作品として評価されています。
ハスキー&ウィスパーなTwitter唱法ともいうべき彼女の楽曲は、その不可思議な存在感を表現するかのようにヨーロピアンサウンドを基調とした幻想的な作風を特徴としています。持続音を多用する音色の使い方や自由な音階を聴かせるベースなどに前衛ぶりが垣間見えますが、このようなファンタジックサウンドに貢献しているのが売れっ子アレンジャーの1人、元EXOTICSの西平彰とプログラマーの松井隆雄です。このコンビが、それまで彼らが手掛けた作品以上にアレンジ的にもサウンド的にも「実験的」で「冒険」を試みた結果、本作を記憶に残るレベルの完成度に引き上げていると言えるでしょう。もちろんサウンドの冒険だけでなく、見岳章、MAYUMI、原田真二など贅を尽くした敏腕メロディメイカーによる楽曲の質も申し分なく、早瀬というパーソナリティを媒介としてクリエイター陣が工夫を凝らして作り上げた職人芸的1枚としても語られるべき作品です。
<Favorite Songs>
・「サディスト」
浮遊感のある前曲から一気に激しさを感じるこれが本編と思わせるアヴァンPOPS。力強く複雑なドラミングでスタートし、ニューウェーブなベースプレイとエフェクティブなフレーズが挿入されるプログレな構成が現在でも新しさを感じます。
・「ピンクのCHAPEAU」
無声映画の音楽っぽいホンキートンクなピアノが楽しいキュートな楽曲。本来ならばブラスセクションで豪華に演奏する部分をキーボードでテクニカルに演奏するところは、そのチープ加減が逆にキャッチー度を増した仕上がりに仕立て上げています。
・「Le CABARET」
本作唯一の早瀬自身の作詞(CECILE名義)による明るいパーティーチューン。シンプルなアレンジながら力強いリズムと南欧な雰囲気の曲調が、後の「POLYESTER」に代表されるような彼女のエスニックな作風の基礎となっているように思えます。
<評点>
・サウンド ★★★ (ファンタジックなデジタルシンセ音色が大活躍)
・メロディ ★★★ (聴きやすくもひとひねりしたねじれメロディが◯)
・リズム ★★★ (ドラム音色の処理も良く複雑なリズムで存在感上昇)
・曲構成 ★★★★ (全体に漂う圧倒的でコンセプチュアルな世界観)
・個性 ★★★★ (唯一無二の個性的な声質を存分にアピール)
総合評点: 8点
早瀬優香子:vocal

1.「TROIS QUARTS」 詞:秋元康 曲:桐ヶ谷仁 編:西平彰
2.「サディスト」 詞:秋元康 曲:見岳章 編:西平彰
3.「サルトルで眠れない」 詞:秋元康 曲:大村憲司 編:西平彰
4.「ピンクのCHAPEAU」 詞:秋元康 曲:MAYUMI 編:西平彰
5.「去年マリエンバードで」 詞:秋元康 曲:亀井登志夫 編:西平彰
6.「蟻」 詞:秋元康 曲:見岳章 編:西平彰
7.「Le CABARET」 詞:CECILE 曲:原田真二 編:西平彰
8.「セシルはセシル」 詞:秋元康 曲:MAYUMI 編:西平彰
9.「水曜日までに死にたいの」 詞:秋元康 曲:原田真二 編:西平彰
10.「ララバイ」 詞:秋元康 曲:財津和夫 編:西平彰
<support musician>
堀内孝仁:vocal
西平彰:keyboards
松井隆雄:synthesizer operate
produced by 三野明洋
mixing engineered by Bruce Lampcov
recording engineered by 藤野成喜
● 個性的な舌足らずボーカルと独特の欧州POP感覚が話題を呼んだアンニュイなデビュー作
映画「早春物語」で本格的に女優活動を開始した早瀬優香子は、その存在感のある佇まいとヴィジュアルイメージを生かして音楽活動も開始し、1986年にシングル「サルトルで眠れない」でデビューすると同時に、同日に1stアルバムである本作をリリースします。当時飛ぶ鳥を落とす勢いであった秋元康を作詞に迎え憎らしいほどのオシャレ路線を狙った歌詞は、奇しくも彼女に対する一般的なアンニュイイメージを見事に表現することに成功しており、一筋縄ではいかないフレンチポップな世界観と一度聴くと忘れられない個性的な声質も相まって、デビュー作にして18歳という年齢にそぐわない作風でリスナーにインパクトを与えた作品として評価されています。
ハスキー&ウィスパーなTwitter唱法ともいうべき彼女の楽曲は、その不可思議な存在感を表現するかのようにヨーロピアンサウンドを基調とした幻想的な作風を特徴としています。持続音を多用する音色の使い方や自由な音階を聴かせるベースなどに前衛ぶりが垣間見えますが、このようなファンタジックサウンドに貢献しているのが売れっ子アレンジャーの1人、元EXOTICSの西平彰とプログラマーの松井隆雄です。このコンビが、それまで彼らが手掛けた作品以上にアレンジ的にもサウンド的にも「実験的」で「冒険」を試みた結果、本作を記憶に残るレベルの完成度に引き上げていると言えるでしょう。もちろんサウンドの冒険だけでなく、見岳章、MAYUMI、原田真二など贅を尽くした敏腕メロディメイカーによる楽曲の質も申し分なく、早瀬というパーソナリティを媒介としてクリエイター陣が工夫を凝らして作り上げた職人芸的1枚としても語られるべき作品です。
<Favorite Songs>
・「サディスト」
浮遊感のある前曲から一気に激しさを感じるこれが本編と思わせるアヴァンPOPS。力強く複雑なドラミングでスタートし、ニューウェーブなベースプレイとエフェクティブなフレーズが挿入されるプログレな構成が現在でも新しさを感じます。
・「ピンクのCHAPEAU」
無声映画の音楽っぽいホンキートンクなピアノが楽しいキュートな楽曲。本来ならばブラスセクションで豪華に演奏する部分をキーボードでテクニカルに演奏するところは、そのチープ加減が逆にキャッチー度を増した仕上がりに仕立て上げています。
・「Le CABARET」
本作唯一の早瀬自身の作詞(CECILE名義)による明るいパーティーチューン。シンプルなアレンジながら力強いリズムと南欧な雰囲気の曲調が、後の「POLYESTER」に代表されるような彼女のエスニックな作風の基礎となっているように思えます。
<評点>
・サウンド ★★★ (ファンタジックなデジタルシンセ音色が大活躍)
・メロディ ★★★ (聴きやすくもひとひねりしたねじれメロディが◯)
・リズム ★★★ (ドラム音色の処理も良く複雑なリズムで存在感上昇)
・曲構成 ★★★★ (全体に漂う圧倒的でコンセプチュアルな世界観)
・個性 ★★★★ (唯一無二の個性的な声質を存分にアピール)
総合評点: 8点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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