「FROM A TO B」 NEW MUSIK
「FROM A TO B」(1980 GTO)
NEW MUSIK

<members>
Tony Mansfield:vocals・guitars・keyboards
Tony Hibbert:bass
Clive Gates:keyboards
Phil Towner:drums・percussion
1.「STRAIGHT LINES」 Tony Mansfield
2.「SANCTUARY」 Tony Mansfield
3.「A MAP OF YOU」 Tony Mansfield
4.「SCIENCE」 Tony Mansfield
5.「ON ISLANDS」 Tony Mansfield
6.「THIS WORLD OF WATER」 Tony Mansfield
7.「LIVING BY NUMBERS」 Tony Mansfield
8.「DEAD FISH (DON'T SWIM HOME)」 Tony Mansfield
9.「ADVENTURES」 Tony Mansfield
10.「THE SAFE SIDE」 Tony Mansfield
<support musician>
Nick Bailey:string synthesizer・piano
Jane Kennaway:backing vocals
produced by Tony Mansfield
engineered by Peter Hammond
● 英国流メロディセンスとほのかなシンセサウンドが見事に融合!80年代初頭を飾るリアルポップバンドの名盤
後にテクノポップの代表的なグループと評されるTony Mansfield率いるNew Musikは、1979年にシングル「Straight Line」でデビュー、2ndシングル「LIVING BY NUMBERS」と合わせてギターを中心にしたメロディアスで爽やかなアコースティックポップな作風で注目されていました。本作はそんな彼らのデビューアルバムですが、もちろん80年代の幕開けの時期ということもあってチープなシンセサウンドも導入されてはいるものの、やはり後年に比べるとまだ味付け程度の使い方であり、本質はきらびやかなメロディラインに裏打ちされた類稀なポップセンスであり、懐かしさと切なさが同居する正統派POPS作品としての評価も高いアルバムです。
そのようなメロディ志向の楽曲をさらに引き立てているのがパーカッション系音色です。スネア音も当時としては凝っていますが「Straight Line」等のようなノイズをリズミカルに刻む独特の手法や、シンセで作ったと思われるソナー音っぽいいわゆるトニマンサウンドは、当時の他のメロディ系POPSには余り見られなかったものです。また、前述のようにシンセは味付け程度と言えますが、そのアクセント的な使用法が逆に存在感を増しており、「A MAP OF YOU」のリングモジュレートを施したフレーズや「THIS WORLD OF WATER」のモーフィングされたヴォーカル処理などは、本作がその本質とは異なっているとはいえテクノポップの名盤と語られる大きな理由であることを感じさせられます。そしてやはり忘れてはならないのがTony Mansfieldのきれい過ぎる発音のヴォーカル。英語が苦手なリスナーでも聞き取れる耳の優しいキレのある発音であると思います。特に洋楽においてキャッチーなPOPSを楽しむ場合、聞き取りやすいというのはかなりのアドバンテージになると思うのですが、そういった意味においても本作はPOPS作品として誉れ高い名盤と言えるのではないでしょうか。
<Favorite Songs>
・「THIS WORLD OF WATER」
サビのメロディ&ヴォーカル処理にノックアウトされる名曲。イントロにしてもサビにしてもどこか切ないフレーズに、とにもかくにもサビのヴォーカル処理のアイデアには驚かされます。
・「LIVING BY NUMBERS」
爽やかなネオアコ系メロディラインが印象的なセカンドシングル。生演奏だけで成立しそうなポップソングですが、力強いノイジーパッドによるリズムのアクセントが(よい意味で)気になって仕方がありません。
・「ADVENTURES」
これも爽やか系&キャッチーなポップソング。小気味良いカッティングが楽曲を引っ張っていますが、リバース気味のピアノフレーズが非常に効果的です。また、この楽曲はBメロからの流れが素晴らしいです。
<評点>
・サウンド ★★ (ギターに絡むアクセント的なシンセの効果は十分)
・メロディ ★★★★ (デビュー時にしてポップマスターの名に恥じない)
・リズム ★★★★ (ノイズの使い方が絶妙でインパクトは抜群)
・曲構成 ★ (似たような楽曲が多くなり作風はまだ未完成か)
・個性 ★ (POPSバンドとしては評価されるがまだ発展途上)
総合評点: 7点
NEW MUSIK

<members>
Tony Mansfield:vocals・guitars・keyboards
Tony Hibbert:bass
Clive Gates:keyboards
Phil Towner:drums・percussion
1.「STRAIGHT LINES」 Tony Mansfield
2.「SANCTUARY」 Tony Mansfield
3.「A MAP OF YOU」 Tony Mansfield
4.「SCIENCE」 Tony Mansfield
5.「ON ISLANDS」 Tony Mansfield
6.「THIS WORLD OF WATER」 Tony Mansfield
7.「LIVING BY NUMBERS」 Tony Mansfield
8.「DEAD FISH (DON'T SWIM HOME)」 Tony Mansfield
9.「ADVENTURES」 Tony Mansfield
10.「THE SAFE SIDE」 Tony Mansfield
<support musician>
Nick Bailey:string synthesizer・piano
Jane Kennaway:backing vocals
produced by Tony Mansfield
engineered by Peter Hammond
● 英国流メロディセンスとほのかなシンセサウンドが見事に融合!80年代初頭を飾るリアルポップバンドの名盤
後にテクノポップの代表的なグループと評されるTony Mansfield率いるNew Musikは、1979年にシングル「Straight Line」でデビュー、2ndシングル「LIVING BY NUMBERS」と合わせてギターを中心にしたメロディアスで爽やかなアコースティックポップな作風で注目されていました。本作はそんな彼らのデビューアルバムですが、もちろん80年代の幕開けの時期ということもあってチープなシンセサウンドも導入されてはいるものの、やはり後年に比べるとまだ味付け程度の使い方であり、本質はきらびやかなメロディラインに裏打ちされた類稀なポップセンスであり、懐かしさと切なさが同居する正統派POPS作品としての評価も高いアルバムです。
そのようなメロディ志向の楽曲をさらに引き立てているのがパーカッション系音色です。スネア音も当時としては凝っていますが「Straight Line」等のようなノイズをリズミカルに刻む独特の手法や、シンセで作ったと思われるソナー音っぽいいわゆるトニマンサウンドは、当時の他のメロディ系POPSには余り見られなかったものです。また、前述のようにシンセは味付け程度と言えますが、そのアクセント的な使用法が逆に存在感を増しており、「A MAP OF YOU」のリングモジュレートを施したフレーズや「THIS WORLD OF WATER」のモーフィングされたヴォーカル処理などは、本作がその本質とは異なっているとはいえテクノポップの名盤と語られる大きな理由であることを感じさせられます。そしてやはり忘れてはならないのがTony Mansfieldのきれい過ぎる発音のヴォーカル。英語が苦手なリスナーでも聞き取れる耳の優しいキレのある発音であると思います。特に洋楽においてキャッチーなPOPSを楽しむ場合、聞き取りやすいというのはかなりのアドバンテージになると思うのですが、そういった意味においても本作はPOPS作品として誉れ高い名盤と言えるのではないでしょうか。
<Favorite Songs>
・「THIS WORLD OF WATER」
サビのメロディ&ヴォーカル処理にノックアウトされる名曲。イントロにしてもサビにしてもどこか切ないフレーズに、とにもかくにもサビのヴォーカル処理のアイデアには驚かされます。
・「LIVING BY NUMBERS」
爽やかなネオアコ系メロディラインが印象的なセカンドシングル。生演奏だけで成立しそうなポップソングですが、力強いノイジーパッドによるリズムのアクセントが(よい意味で)気になって仕方がありません。
・「ADVENTURES」
これも爽やか系&キャッチーなポップソング。小気味良いカッティングが楽曲を引っ張っていますが、リバース気味のピアノフレーズが非常に効果的です。また、この楽曲はBメロからの流れが素晴らしいです。
<評点>
・サウンド ★★ (ギターに絡むアクセント的なシンセの効果は十分)
・メロディ ★★★★ (デビュー時にしてポップマスターの名に恥じない)
・リズム ★★★★ (ノイズの使い方が絶妙でインパクトは抜群)
・曲構成 ★ (似たような楽曲が多くなり作風はまだ未完成か)
・個性 ★ (POPSバンドとしては評価されるがまだ発展途上)
総合評点: 7点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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