「Long Long Way Home」 鈴木祥子
「Long Long Way Home」(1990 エピックソニー)
鈴木祥子:vocal・hi-hat・glockenspiel・background vocals

1.「光の駅」 詞:杉林恭雄 曲:鈴木祥子 編:佐橋佳幸・藤井丈司
2.「メロディ」 詞:杉林恭雄 曲:鈴木祥子 編:佐橋佳幸・藤井丈司
3.「Little Love」
詞:西尾佐栄子 曲:鈴木祥子・佐橋佳幸 編:佐橋佳幸・藤井丈司・門倉聡
4.「水の中の月」 詞・曲:鈴木祥子 編:門倉聡
5.「Down By The River」 詞・曲:鈴木祥子 編:佐橋佳幸・藤井丈司・西本明
6.「夏のまぼろし」 詞・曲:鈴木祥子 編:佐橋佳幸・藤井丈司
7.「あの空に帰ろう」 詞:戸沢暢美 曲:鈴木祥子 編:佐橋佳幸・藤井丈司
8.「青い空の音符」 詞:大貫妙子 曲:鈴木祥子 編:佐橋佳幸・藤井丈司
9.「かもめ」 詞・曲:鈴木祥子 編:門倉聡
10.「どこにもかえらない」 詞・曲:鈴木祥子 編:佐橋佳幸・藤井丈司
<support musician>
佐橋佳幸:electric guitar・acoustic guitar・glockenspiel・mandolin・uklele・background vocals
小倉博和:gut guitar・charango・uklele・bouzouki
浅田孟:electric bass
美久月千晴:electric bass・acoustic bass
渡辺等:acoustic bass・uklele・mandocello・mandolin・bowed psaltery
青山純:drums
小田原豊:drums
山木秀夫:drums
Sir Nikolai Kadokov:acoustic piano
門倉聡:acoustic piano・keyboards・Roland S-50・reed organ
Huj Mahar:Roland S-50 solo
柴田俊文:synthesizer・Wurlitzer
西本明:synthesizer・acoustic piano・Hammond organ・Prophet5 solo・Wurlitzer
浜口茂外也:percussion・tambourines・sticks・shaker・rainmaker・pandero
矢口博康:alto sax・tenor sax・soprano sax solo
坂宏之:oboe
金子飛鳥:violin
桑野聖:violin
村山達哉:viola
堀内茂雄:cello
Emmy Lou Bell:background vocals・glockenspiel
Lefty Bridges:background vocals
井上利衣:background vocals
向井寛:background vocals
藤井丈司:computer programming
produced by 藤井丈司
co-produced by 佐橋佳幸
engineered by 村瀬範恭・飯尾芳史
● 落ち着きのあるアコースティックサウンドに確かなメロディセンスを発揮した癒し系傑作アルバム
瑞々しい感性のアコースティックサウンドを得意とする新感覚派アーティストとしてデビューした鈴木祥子は、2ndアルバム「水の冠」によって作曲家としての才能が開花し、特にミディアムテンポの楽曲においてそのメロディセンスを際立たせ始めました。さらに佐橋佳幸や西平彰といった熟練のアレンジャー陣によるきらびやかなサウンドは、楽曲を引き立てるに十分なクオリティを誇り、3rdアルバム「風の扉」における大々的なプロモーション活動のおかげもあり、EPICレコードの一押しアーティストとしてその名を知られることになります。しかし鈴木本人にとってはその状況は違和感のあるものであったらしく、3rdリリースの同年にはシックなジャケからも感じられるような一抹の寂寥感を醸し出す静謐なアルバムである本作をリリース、当時の鈴木の持てる力が十二分に発揮された自信作となりました。
前作よりギターが目立つアコースティックな音が増した本作ですが、合わせてリズムも比較的乾いた音質となり早くも90年代を感じさせるサウンドです。定評のある構成力のあるメロディは前作以上にその威力を発揮しており、そのロマンティックかつ寂しげなフレーズはまさしくリリース時期でもある秋から冬にかけての季節にぴったりはまっています。そのような楽曲であるがゆえに生楽器の存在が大きくTECHNOLOGYも控えめになっていますが、そこは往年の曲者シンセプログラマー藤井丈司プロデュースの本作、随所に挿入されるシンセフレーズはチープながらも存在感を放つ個性的な音であり、特に「メロディ」や「Down By The River」のシンセソロは聴き所の1つでしょう。とはいえやはり本作はアコースティックな味わいの落ち着きのある作風という表現がしっくりくるのも事実であり、鈴木祥子の湿り気のある艶やかな声質も相まって、4枚目にして遂に彼女独自の世界観を確立した感のある名盤として、彼女のファンにもそれほどファンでない方々にも語られることの多い作品です。そして現在息長く活動している彼女の作品群の中でもいまだ本作を上回る作品には出会っていないのも事実です。
<Favorite Songs>
・「メロディ」
ウキウキと歩きたくなるような心地良いテンポのタイトル通り良い「メロディ」のポップミュージック。コーラスとオルガンが温かみを与え、キャッチーなサビに安心感があります。間奏のProphet5によるキュートなシンセソロもよいアクセントになって高い完成度となっています。
・「Little Love」
鈴木祥子の魅力をぎっしり詰め込んだクリスマスシーズンにぴったりの珠玉の名曲。相変わらずのAメロキラーぶりにポップマエストロに不可欠なサビのキャッチー性がカッチリはまった見事な構成で、シンセストリングスも暖かいギターとヒンヤリとしたシンセストリングスの対比もよく、「メロディ」同様線の細いシンセソロフレーズのアクセントが絶妙です。
・「あの空に帰ろう」
カントリーミュージックの趣すら感じさせるノスタルジックなミディアムPOPS。ここでも最大限にアピールするのは分厚いコーラスで、冷たい空気の中の人肌の温もりのような暖かさを感じる優しい癒しのサウンドで和ませること間違いなしの楽曲です。
<評点>
・サウンド ★★★ (生楽器中心の中にチープなシンセが際立つ)
・メロディ ★★★★ (独特の奥が深い暖かいメロディは彼女の才能)
・リズム ★★ (楽曲により力強くメリハリが効いたリズムも)
・曲構成 ★★★ (後半は地味めな楽曲が続くところで気分が・・)
・個性 ★★★★ (間違いなく「水の冠」と並ぶ彼女の最高傑作)
総合評点: 8点
鈴木祥子:vocal・hi-hat・glockenspiel・background vocals

1.「光の駅」 詞:杉林恭雄 曲:鈴木祥子 編:佐橋佳幸・藤井丈司
2.「メロディ」 詞:杉林恭雄 曲:鈴木祥子 編:佐橋佳幸・藤井丈司
3.「Little Love」
詞:西尾佐栄子 曲:鈴木祥子・佐橋佳幸 編:佐橋佳幸・藤井丈司・門倉聡
4.「水の中の月」 詞・曲:鈴木祥子 編:門倉聡
5.「Down By The River」 詞・曲:鈴木祥子 編:佐橋佳幸・藤井丈司・西本明
6.「夏のまぼろし」 詞・曲:鈴木祥子 編:佐橋佳幸・藤井丈司
7.「あの空に帰ろう」 詞:戸沢暢美 曲:鈴木祥子 編:佐橋佳幸・藤井丈司
8.「青い空の音符」 詞:大貫妙子 曲:鈴木祥子 編:佐橋佳幸・藤井丈司
9.「かもめ」 詞・曲:鈴木祥子 編:門倉聡
10.「どこにもかえらない」 詞・曲:鈴木祥子 編:佐橋佳幸・藤井丈司
<support musician>
佐橋佳幸:electric guitar・acoustic guitar・glockenspiel・mandolin・uklele・background vocals
小倉博和:gut guitar・charango・uklele・bouzouki
浅田孟:electric bass
美久月千晴:electric bass・acoustic bass
渡辺等:acoustic bass・uklele・mandocello・mandolin・bowed psaltery
青山純:drums
小田原豊:drums
山木秀夫:drums
Sir Nikolai Kadokov:acoustic piano
門倉聡:acoustic piano・keyboards・Roland S-50・reed organ
Huj Mahar:Roland S-50 solo
柴田俊文:synthesizer・Wurlitzer
西本明:synthesizer・acoustic piano・Hammond organ・Prophet5 solo・Wurlitzer
浜口茂外也:percussion・tambourines・sticks・shaker・rainmaker・pandero
矢口博康:alto sax・tenor sax・soprano sax solo
坂宏之:oboe
金子飛鳥:violin
桑野聖:violin
村山達哉:viola
堀内茂雄:cello
Emmy Lou Bell:background vocals・glockenspiel
Lefty Bridges:background vocals
井上利衣:background vocals
向井寛:background vocals
藤井丈司:computer programming
produced by 藤井丈司
co-produced by 佐橋佳幸
engineered by 村瀬範恭・飯尾芳史
● 落ち着きのあるアコースティックサウンドに確かなメロディセンスを発揮した癒し系傑作アルバム
瑞々しい感性のアコースティックサウンドを得意とする新感覚派アーティストとしてデビューした鈴木祥子は、2ndアルバム「水の冠」によって作曲家としての才能が開花し、特にミディアムテンポの楽曲においてそのメロディセンスを際立たせ始めました。さらに佐橋佳幸や西平彰といった熟練のアレンジャー陣によるきらびやかなサウンドは、楽曲を引き立てるに十分なクオリティを誇り、3rdアルバム「風の扉」における大々的なプロモーション活動のおかげもあり、EPICレコードの一押しアーティストとしてその名を知られることになります。しかし鈴木本人にとってはその状況は違和感のあるものであったらしく、3rdリリースの同年にはシックなジャケからも感じられるような一抹の寂寥感を醸し出す静謐なアルバムである本作をリリース、当時の鈴木の持てる力が十二分に発揮された自信作となりました。
前作よりギターが目立つアコースティックな音が増した本作ですが、合わせてリズムも比較的乾いた音質となり早くも90年代を感じさせるサウンドです。定評のある構成力のあるメロディは前作以上にその威力を発揮しており、そのロマンティックかつ寂しげなフレーズはまさしくリリース時期でもある秋から冬にかけての季節にぴったりはまっています。そのような楽曲であるがゆえに生楽器の存在が大きくTECHNOLOGYも控えめになっていますが、そこは往年の曲者シンセプログラマー藤井丈司プロデュースの本作、随所に挿入されるシンセフレーズはチープながらも存在感を放つ個性的な音であり、特に「メロディ」や「Down By The River」のシンセソロは聴き所の1つでしょう。とはいえやはり本作はアコースティックな味わいの落ち着きのある作風という表現がしっくりくるのも事実であり、鈴木祥子の湿り気のある艶やかな声質も相まって、4枚目にして遂に彼女独自の世界観を確立した感のある名盤として、彼女のファンにもそれほどファンでない方々にも語られることの多い作品です。そして現在息長く活動している彼女の作品群の中でもいまだ本作を上回る作品には出会っていないのも事実です。
<Favorite Songs>
・「メロディ」
ウキウキと歩きたくなるような心地良いテンポのタイトル通り良い「メロディ」のポップミュージック。コーラスとオルガンが温かみを与え、キャッチーなサビに安心感があります。間奏のProphet5によるキュートなシンセソロもよいアクセントになって高い完成度となっています。
・「Little Love」
鈴木祥子の魅力をぎっしり詰め込んだクリスマスシーズンにぴったりの珠玉の名曲。相変わらずのAメロキラーぶりにポップマエストロに不可欠なサビのキャッチー性がカッチリはまった見事な構成で、シンセストリングスも暖かいギターとヒンヤリとしたシンセストリングスの対比もよく、「メロディ」同様線の細いシンセソロフレーズのアクセントが絶妙です。
・「あの空に帰ろう」
カントリーミュージックの趣すら感じさせるノスタルジックなミディアムPOPS。ここでも最大限にアピールするのは分厚いコーラスで、冷たい空気の中の人肌の温もりのような暖かさを感じる優しい癒しのサウンドで和ませること間違いなしの楽曲です。
<評点>
・サウンド ★★★ (生楽器中心の中にチープなシンセが際立つ)
・メロディ ★★★★ (独特の奥が深い暖かいメロディは彼女の才能)
・リズム ★★ (楽曲により力強くメリハリが効いたリズムも)
・曲構成 ★★★ (後半は地味めな楽曲が続くところで気分が・・)
・個性 ★★★★ (間違いなく「水の冠」と並ぶ彼女の最高傑作)
総合評点: 8点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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