「jellyfish」 jellyfish
「jellyfish」 (1998 ハッピーニューイアー)
jellyfish

<members>
石崎智子:vocal・keyboard・computer programming・chorus arrangement
内田三詠:chorus・vocal・ukulele
山川佐智子:chorus・vocal・ukulele
1.「POPの魔法」 詞・曲・編:石崎智子
2.「不道徳なカレ」 詞:jellyfish 曲・編:イシガキアトム
3.「ペパーミント・ランデブー」 詞・曲・編:石崎智子
4.「バンビーナ」 詞:内田三詠 曲:本多伸光 編:本多伸光・石崎智子
5.「天使のほほえみ [Devilfish Mix]」 詞:内田三詠 曲:石崎智子 編:増山龍太
6.「jellyfishのテーマ~ご機嫌いかが?」 詞:jellyfish 曲・編:石崎智子
7.「身の程知らずの恋」 詞・曲・編:清水太郎
8.「恋なんてくだらない [Album Version]」 詞:内田三詠 曲・編:イシガキアトム
9.「淡水魚」 詞・曲・編:石崎智子
10.「jellyfishのテーマ~海辺のヴァカンス」
詞:内田三詠 曲:石崎智子 編:jellyfish
11.「tete-a-tete」 詞・曲・編:石崎智子
12.「ピンクのフラミンゴちゃん」
詞:内田三詠 曲:永利裕志 編:永利裕志・石崎智子
13.「恋するジェリーフィッシュ」 詞・曲・編:石崎智子
14.「POPの魔法 [Repopped by MICROHEAVEN]」
詞・曲:石崎智子 編:増山龍太・三井ゆきこ
15.「jellyfishのテーマ~夢で会いましょう」 詞:内田三詠 曲・編:石崎智子
<support musician>
増田秀生:guitars
吉岡勲:bass
イシガキアトム:keyboard・computer programming
清水太郎:keyboard・computer programming
本多伸光:keyboard・computer programming
増山龍太:keyboard・computer programming
松本浩一:keyboard
三井ゆきこ:chorus・chorus arrangement
produced by jellyfish・イシガキアトム・増山龍太・清水太郎
engineered by 増山龍太・イシガキアトム・沢田朋伯・清水太郎
● アイドルポップを基調とした希少なシンセポップユニットのコンセプト仕立てな初リリース作
1990年代後半はダンサブルかつ力強いヴォーカルによる実力派POPSがもてはやされ、90年代前半には根強く残っていた純粋なアイドルPOPSは完全に冬の時代を迎えていましたが、密かにインディーズにおいて盛り上がりつつあったニューウェーブリバイバルによって、YMO以降のテクノポップからの洗礼と同時に80's的なシンセ中心のアイドルPOPSの影響を隠さないグループが現れ始めました。その代表的なグループが女性3人組のシンセポップユニットJellyfishです。80'sテクノアイドル歌謡から渋谷系を通過したようなわかりやすいメロディを引っさげた彼女らの楽曲は当時では少数派であり、メジャーデビュー前のPerfumeを先取った現代的ガールズテクノポップの先駆け的なグループでした。そんな彼女達のデビューアルバムが本作です。
「jellyfishのテーマ」をブリッジとした3部構成からなるコンセプトアルバムであたかもラジオ番組を聴いているような本作は、ほどよくキュートなヴォーカルとでチープエレクトロなシンセサウンドで肩の力が抜けた癒しのシンセPOPSを聴かせてくれます。OLっぽい歌詞とアイドルPOPSへの愛情が感じられる3人の声質に合わせるように、若干拙さの目立つアレンジが未完成の魅力を醸し出していますが、楽曲面を担当した石崎智子を始め気鋭の若手クリエイター陣による才能あふれる楽曲の数々は、本作を通しで聴いても飽きさせない確かなクオリティを放っています。もっとも本作に関しては、この時期にこうしたアイドルテクノポップを実践したことに大きな意義があり、しかもダンサブルに特化することなくあくまでメロディとそれを装飾するバッキングに徹したシンセサウンドで勝負していることに価値があるのだと思います。彼女達の進化したサウンドは次作「jellyfish sensation」によって開花していきますが、世紀末を股にかけた彼女達の活動は一般的には知られていなくても(テクノポップ愛好家の方々には)記憶に残っていくことでしょう(現在活動休止中)。
<Favorite Songs>
・「不道徳なカレ」
ポストテクノ御用達の雑誌「TECHII」への読者投稿も懐かしいクリエイターであるイシガキアトム(後にjellyfishに加入)作編曲のリズミカルなシンセポップ。軽めなリズムのキレは良く、フニャフニャしたシンセ音色も相まってそのサウンドのメリハリに貢献しています。非常に取っつきやすい軽々しさこそがこの楽曲の魅力と言えるでしょう。
・「バンビーナ」
伝説のテクノポップオムニバス「トロイの木馬」にも参加し、現在は名古屋テクノポップムーブメントの重要人物でもある本多伸光作編曲のチープテクノポップ。独特の金属的で線の細いシンセストリングスといかにもシンセで作られたスペイシーな電子音が特徴でありながら、印象は非常にほんわかで癒し系。他の楽曲と比べても異色のチープサウンドです。
・「天使のほほえみ [Devilfish Mix]」
YMOをテーマにしたクイズ番組「カルトQ」にも回答者として出演したマイクロヘヴンの増山龍太(後にjellyfishに加入)編曲のローファイなギターがフィーチャーされた楽曲。ノイジーなギターカッティングに粘っこいシンセベース、ワウ気味な柔らかく濁ったリズムでモッサリした空間を作ることに成功したミキシング力の感じられるシンセPOPSです。
<評点>
・サウンド ★★ (ところどころ粗さは目立つものの音色のセンスは良い)
・メロディ ★★★ (夏の日射しを感じさせるユルいフレーズ感覚)
・リズム ★★ (全体的にチープなリズムトラックに微かに工夫を施す)
・曲構成 ★★ (中だるみはあるが自己紹介的な構成は考えられている)
・個性 ★★★ (現代的ガールズテクノポップの元祖として再評価を)
総合評点: 7点
jellyfish

<members>
石崎智子:vocal・keyboard・computer programming・chorus arrangement
内田三詠:chorus・vocal・ukulele
山川佐智子:chorus・vocal・ukulele
1.「POPの魔法」 詞・曲・編:石崎智子
2.「不道徳なカレ」 詞:jellyfish 曲・編:イシガキアトム
3.「ペパーミント・ランデブー」 詞・曲・編:石崎智子
4.「バンビーナ」 詞:内田三詠 曲:本多伸光 編:本多伸光・石崎智子
5.「天使のほほえみ [Devilfish Mix]」 詞:内田三詠 曲:石崎智子 編:増山龍太
6.「jellyfishのテーマ~ご機嫌いかが?」 詞:jellyfish 曲・編:石崎智子
7.「身の程知らずの恋」 詞・曲・編:清水太郎
8.「恋なんてくだらない [Album Version]」 詞:内田三詠 曲・編:イシガキアトム
9.「淡水魚」 詞・曲・編:石崎智子
10.「jellyfishのテーマ~海辺のヴァカンス」
詞:内田三詠 曲:石崎智子 編:jellyfish
11.「tete-a-tete」 詞・曲・編:石崎智子
12.「ピンクのフラミンゴちゃん」
詞:内田三詠 曲:永利裕志 編:永利裕志・石崎智子
13.「恋するジェリーフィッシュ」 詞・曲・編:石崎智子
14.「POPの魔法 [Repopped by MICROHEAVEN]」
詞・曲:石崎智子 編:増山龍太・三井ゆきこ
15.「jellyfishのテーマ~夢で会いましょう」 詞:内田三詠 曲・編:石崎智子
<support musician>
増田秀生:guitars
吉岡勲:bass
イシガキアトム:keyboard・computer programming
清水太郎:keyboard・computer programming
本多伸光:keyboard・computer programming
増山龍太:keyboard・computer programming
松本浩一:keyboard
三井ゆきこ:chorus・chorus arrangement
produced by jellyfish・イシガキアトム・増山龍太・清水太郎
engineered by 増山龍太・イシガキアトム・沢田朋伯・清水太郎
● アイドルポップを基調とした希少なシンセポップユニットのコンセプト仕立てな初リリース作
1990年代後半はダンサブルかつ力強いヴォーカルによる実力派POPSがもてはやされ、90年代前半には根強く残っていた純粋なアイドルPOPSは完全に冬の時代を迎えていましたが、密かにインディーズにおいて盛り上がりつつあったニューウェーブリバイバルによって、YMO以降のテクノポップからの洗礼と同時に80's的なシンセ中心のアイドルPOPSの影響を隠さないグループが現れ始めました。その代表的なグループが女性3人組のシンセポップユニットJellyfishです。80'sテクノアイドル歌謡から渋谷系を通過したようなわかりやすいメロディを引っさげた彼女らの楽曲は当時では少数派であり、メジャーデビュー前のPerfumeを先取った現代的ガールズテクノポップの先駆け的なグループでした。そんな彼女達のデビューアルバムが本作です。
「jellyfishのテーマ」をブリッジとした3部構成からなるコンセプトアルバムであたかもラジオ番組を聴いているような本作は、ほどよくキュートなヴォーカルとでチープエレクトロなシンセサウンドで肩の力が抜けた癒しのシンセPOPSを聴かせてくれます。OLっぽい歌詞とアイドルPOPSへの愛情が感じられる3人の声質に合わせるように、若干拙さの目立つアレンジが未完成の魅力を醸し出していますが、楽曲面を担当した石崎智子を始め気鋭の若手クリエイター陣による才能あふれる楽曲の数々は、本作を通しで聴いても飽きさせない確かなクオリティを放っています。もっとも本作に関しては、この時期にこうしたアイドルテクノポップを実践したことに大きな意義があり、しかもダンサブルに特化することなくあくまでメロディとそれを装飾するバッキングに徹したシンセサウンドで勝負していることに価値があるのだと思います。彼女達の進化したサウンドは次作「jellyfish sensation」によって開花していきますが、世紀末を股にかけた彼女達の活動は一般的には知られていなくても(テクノポップ愛好家の方々には)記憶に残っていくことでしょう(現在活動休止中)。
<Favorite Songs>
・「不道徳なカレ」
ポストテクノ御用達の雑誌「TECHII」への読者投稿も懐かしいクリエイターであるイシガキアトム(後にjellyfishに加入)作編曲のリズミカルなシンセポップ。軽めなリズムのキレは良く、フニャフニャしたシンセ音色も相まってそのサウンドのメリハリに貢献しています。非常に取っつきやすい軽々しさこそがこの楽曲の魅力と言えるでしょう。
・「バンビーナ」
伝説のテクノポップオムニバス「トロイの木馬」にも参加し、現在は名古屋テクノポップムーブメントの重要人物でもある本多伸光作編曲のチープテクノポップ。独特の金属的で線の細いシンセストリングスといかにもシンセで作られたスペイシーな電子音が特徴でありながら、印象は非常にほんわかで癒し系。他の楽曲と比べても異色のチープサウンドです。
・「天使のほほえみ [Devilfish Mix]」
YMOをテーマにしたクイズ番組「カルトQ」にも回答者として出演したマイクロヘヴンの増山龍太(後にjellyfishに加入)編曲のローファイなギターがフィーチャーされた楽曲。ノイジーなギターカッティングに粘っこいシンセベース、ワウ気味な柔らかく濁ったリズムでモッサリした空間を作ることに成功したミキシング力の感じられるシンセPOPSです。
<評点>
・サウンド ★★ (ところどころ粗さは目立つものの音色のセンスは良い)
・メロディ ★★★ (夏の日射しを感じさせるユルいフレーズ感覚)
・リズム ★★ (全体的にチープなリズムトラックに微かに工夫を施す)
・曲構成 ★★ (中だるみはあるが自己紹介的な構成は考えられている)
・個性 ★★★ (現代的ガールズテクノポップの元祖として再評価を)
総合評点: 7点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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