「VIOLATOR」 DEPECHE MODE
「VIOLATOR」(1990 Mute)
DEPECHE MODE

<members>
Andrew Flecher:synthesizer
David Gahan:vocal
Martin Gore:synthesizer
Alan Wilder:synthesizer
1.「World in My Eyes」 Martin Gore
2.「Sweetest Perfection」 Martin Gore
3.「Personal Jesus」 Martin Gore
4.「Halo」 Martin Gore
5.「Waiting for the Night」 Martin Gore
6.「Enjoy the Silence」 Martin Gore
7.「Policy of Truth」 Martin Gore
8.「Blue Dress」 Martin Gore
9.「Clean」 Martin Gore
produced by DEPECHE MODE・Flood
mixing engineered by Francois Kevorkian・Daniel Miller・Flood
recording engineered by Pino Pischetola・Peter Lversen・Steve Lyon・Goh Hotoda・Alan Gregorie・Dennis Mitchell・Phil Legg
● 計算され尽くした深みのあるシンセサウンド!テクノの枠にとどまらない円熟味あふれる渋い名盤
スマッシュヒットとなった1984年のアルバム「Some Great Reward」以降ダークな側面を前面に押し出し、よりスピリチュアルで地味ながらも貫禄のシンセサウンドで、かつての若手エレポップバンドの面影を払拭したDepeche Modeは、ヒットの恩恵を被ったバンドならではの実験的かつアヴァンギャルドな作風とは裏腹に売り上げは伸びていき、90年代に入る頃には既に大物バンドの風格が漂うようになってきました。そこでリリースされた本作は、彼らの追求してきたサウンドの集大成となる吟味され尽くしたシンセと深みの増したヴォーカル、真っ暗闇という表現が似合う楽曲が他の追随を許さない世界観を築き上げ、彼らの評価を不動のものとする最大のヒット作となりました。
「Black Celebration」「Music For The Masses」という前2作でもその傾向はあったものの、音響面でも優れる深淵のシンセサウンドを基調にますますダークなイメージを突き進む彼らは、本作によってサウンド的には頂点に達した感があります。それだけ渋みのあるDavid Gahanのヴォーカルとマイナー調を書かせれば一級品のMartin Goreの重厚感溢れる楽曲、そしてAlan Wilderのサウンドデザイナーとしてのセンス、それらをまとめ上げたAndrew Flecherのバランス感覚(こんな印象で申し訳ありません・・)は本作において見事に昇華したと言えるでしょう。緻密な打ち込みであるがゆえに音の隙間が気になるという方もいるかもしれませんが、この通気のよい隙間は1つ1つの音に力強さを与えているように感じられます。90年代に入りナチュラルなアナログサウンドが見直され、ピュアシンセの音色が目立つようになってきますが、本作はこうしたサウンドにしっかりDepeche Mode風味の「深さ」をまぶしているところに彼らの自信と経験に裏打ちされたセンスを感じざるを得ません。もちろんこのサウンドに多大な貢献をしているU2のエンジニアとしても知られるFloodの功績も忘れてはなりませんが、それ以上にメンバーの成長と一歩突き抜けた感が感じられ、多数のリスナーが本作を最高傑作と評するのも十分理解できる作品と言えるでしょう。
<Favorite Songs>
・「World in My Eyes」
軽快なイントロと思いきや曲が進んでいくにつれて深く地中に潜っていくような感覚に襲われるダークな名曲。荘厳なシンセパッドが醸し出す雰囲気とサビでのあの深みがたまらない方も多いのではないでしょうか。
・「Enjoy the Silence」
内向的な彼らの特性を十分に生かした最大のヒット曲となった名曲。イントロのシンセパッドとハウス調のリズムはシングル曲ならではですが、サビの強烈なレゾナンスの強い電子音にエレクトロバンドとしての主張が感じられます。
・「Clean」
こみ上げてくるようなシンセフレーズとズシンズシンと響いてくる土着的リズムによりアンビエントなのか民族音楽がごった煮になったかのような濃い味のラストナンバー。ある意味彼らが到達点として後光が差している感覚にも襲われます。
<評点>
・サウンド ★★★★★(雰囲気を俺色に染め上げる貫禄のシンセサウンド)
・メロディ ★★★ (全編暗いフレーズで統一されMartinのセンスが生きる)
・リズム ★★★ (少し軽めになってきたリズムだが時代の趨勢とも)
・曲構成 ★★★ (一貫してダークに徹する芯の強さを感じる)
・個性 ★★★ (彼らのイメージはそのままに質のみをグッと上げた)
総合評点: 8点
DEPECHE MODE

<members>
Andrew Flecher:synthesizer
David Gahan:vocal
Martin Gore:synthesizer
Alan Wilder:synthesizer
1.「World in My Eyes」 Martin Gore
2.「Sweetest Perfection」 Martin Gore
3.「Personal Jesus」 Martin Gore
4.「Halo」 Martin Gore
5.「Waiting for the Night」 Martin Gore
6.「Enjoy the Silence」 Martin Gore
7.「Policy of Truth」 Martin Gore
8.「Blue Dress」 Martin Gore
9.「Clean」 Martin Gore
produced by DEPECHE MODE・Flood
mixing engineered by Francois Kevorkian・Daniel Miller・Flood
recording engineered by Pino Pischetola・Peter Lversen・Steve Lyon・Goh Hotoda・Alan Gregorie・Dennis Mitchell・Phil Legg
● 計算され尽くした深みのあるシンセサウンド!テクノの枠にとどまらない円熟味あふれる渋い名盤
スマッシュヒットとなった1984年のアルバム「Some Great Reward」以降ダークな側面を前面に押し出し、よりスピリチュアルで地味ながらも貫禄のシンセサウンドで、かつての若手エレポップバンドの面影を払拭したDepeche Modeは、ヒットの恩恵を被ったバンドならではの実験的かつアヴァンギャルドな作風とは裏腹に売り上げは伸びていき、90年代に入る頃には既に大物バンドの風格が漂うようになってきました。そこでリリースされた本作は、彼らの追求してきたサウンドの集大成となる吟味され尽くしたシンセと深みの増したヴォーカル、真っ暗闇という表現が似合う楽曲が他の追随を許さない世界観を築き上げ、彼らの評価を不動のものとする最大のヒット作となりました。
「Black Celebration」「Music For The Masses」という前2作でもその傾向はあったものの、音響面でも優れる深淵のシンセサウンドを基調にますますダークなイメージを突き進む彼らは、本作によってサウンド的には頂点に達した感があります。それだけ渋みのあるDavid Gahanのヴォーカルとマイナー調を書かせれば一級品のMartin Goreの重厚感溢れる楽曲、そしてAlan Wilderのサウンドデザイナーとしてのセンス、それらをまとめ上げたAndrew Flecherのバランス感覚(こんな印象で申し訳ありません・・)は本作において見事に昇華したと言えるでしょう。緻密な打ち込みであるがゆえに音の隙間が気になるという方もいるかもしれませんが、この通気のよい隙間は1つ1つの音に力強さを与えているように感じられます。90年代に入りナチュラルなアナログサウンドが見直され、ピュアシンセの音色が目立つようになってきますが、本作はこうしたサウンドにしっかりDepeche Mode風味の「深さ」をまぶしているところに彼らの自信と経験に裏打ちされたセンスを感じざるを得ません。もちろんこのサウンドに多大な貢献をしているU2のエンジニアとしても知られるFloodの功績も忘れてはなりませんが、それ以上にメンバーの成長と一歩突き抜けた感が感じられ、多数のリスナーが本作を最高傑作と評するのも十分理解できる作品と言えるでしょう。
<Favorite Songs>
・「World in My Eyes」
軽快なイントロと思いきや曲が進んでいくにつれて深く地中に潜っていくような感覚に襲われるダークな名曲。荘厳なシンセパッドが醸し出す雰囲気とサビでのあの深みがたまらない方も多いのではないでしょうか。
・「Enjoy the Silence」
内向的な彼らの特性を十分に生かした最大のヒット曲となった名曲。イントロのシンセパッドとハウス調のリズムはシングル曲ならではですが、サビの強烈なレゾナンスの強い電子音にエレクトロバンドとしての主張が感じられます。
・「Clean」
こみ上げてくるようなシンセフレーズとズシンズシンと響いてくる土着的リズムによりアンビエントなのか民族音楽がごった煮になったかのような濃い味のラストナンバー。ある意味彼らが到達点として後光が差している感覚にも襲われます。
<評点>
・サウンド ★★★★★(雰囲気を俺色に染め上げる貫禄のシンセサウンド)
・メロディ ★★★ (全編暗いフレーズで統一されMartinのセンスが生きる)
・リズム ★★★ (少し軽めになってきたリズムだが時代の趨勢とも)
・曲構成 ★★★ (一貫してダークに徹する芯の強さを感じる)
・個性 ★★★ (彼らのイメージはそのままに質のみをグッと上げた)
総合評点: 8点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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