「POP RATIO」 NICE MUSIC
「POP RATIO」 (1995 ビクター)
NICE MUSIC

<members>
佐藤清喜:vocal・guitars・computer & synthesizer programming
清水雄史:vocal・keyboards
1.「KISSはカラーポップ (Album Version)」
詞:サエキけんぞう・佐藤清喜 曲:佐藤清喜 編:NICE MUSIC・Tony Mansfield
2.「Star Parade」 詞・曲:佐藤清喜 編:冨田恵一
3.「Venus in Summer」 詞・曲:佐藤清喜 編:NICE MUSIC
4.「Ordinary Lovers」 詞・曲:清水雄史 編:NICE MUSIC・90 West Jazz Band
5.「恋はミルキーウェイ」
詞:サエキけんぞう・佐藤清喜 曲:佐藤清喜 編:NICE MUSIC
6.「銀の星屑」 詞・曲:佐藤清喜 編:冨田恵一
7.「クールな瞳のJENNY」 詞・曲:佐藤清喜 編:NICE MUSIC
8.「空の上でふりむいて」
詞:サエキけんぞう・佐藤清喜 曲:佐藤清喜 編:NICE MUSIC
9.「白銀のステージ」 詞・曲:清水雄史 編:NICE MUSIC
10.「Snowblind」 詞・曲:佐藤清喜 編:NICE MUSIC
11.「心の鏡」 詞・曲:清水雄史 編:NICE MUSIC
12.「愛すべき世界」 詞・曲:佐藤清喜 編:NICE MUSIC・冨田恵一
<support musician>
桜井芳樹:electric guitar・12 strings guitar・guitar solo
根本温彦:electric guitar・acoustic guitar
寺島邦夫:banjo
角田敦:bass
長 忠:drums
田中紀彦:piano
渡辺貴浩:Wurlizer
国見智子:trumpet
早房長隆:trombone
竹林紀久:cornet
杉原丈史:tuba
清水幹雄:clarinet
桑野聖:violin
藤家泉子:violin
両角りか:viola
四家卯大:cello
田沢智:background vocal
飯田希和:chorus
田崎良子:chorus
Tony Mansfield:computer & synthesizer programming
冨田恵一:computer & synthesizer programming・acoustic guitar・6 strings bass・background vocal・strings arrangement
Rob Fisher:additional computer & synthesizer programming
produced by NICE MUSIC・Tony Mansfield・Out to Lunch
mixing engineered by 土井章嗣・Tony Mansfield・松田龍太
recording engineered by 土井章嗣・松田龍太
● POPSユニットの威信を賭けた珠玉のメロディ&サウンド!捨て曲皆無の名作ラストアルバム
YMOの影響を受けたエレクトリックポップなサウンドとソフトロックの後継者的なキラーメロディが同居した貴重なポップユニットであったNICE MUSICは、3rdアルバムの名盤「Across The Universe」で完全にそれまでのイメージを脱却し、開き直ったかのようなシンセポップで本領発揮を果たしました。この名盤に引き続いてリリースされたのが結果的にラストアルバムとなった本作です。しかしこの作品は前作の宇宙感覚溢れる作風からメロディ志向にシフトした形となり、本気でメロディに向き合った結果として全曲シングルを切ることができるほどのクオリティを備えた珠玉の作品群がずらりと並んでいます。
もちろん彼らの得意技である電子音を織り交ぜた多彩できらびやかなシンセアレンジは本作でも全開ですが、本作は今まで彼らのみでこなしていたアレンジについて、Tony Mansfield(!)や冨田恵一、清水雄史の父親のバンドである90 West Jazz Bandといった外部のアーティストを招いていることも特徴で、それに伴い打ち込みだけでなく生楽器も違和感なく取り入れられ、シンセポップとは一概に言えないほどサウンド的にもしっかり融合が図られています。しかしそんなアレンジャー陣の活躍よりも本作で目立つのは、佐藤と清水が作り上げた楽曲自体のクオリティの高さです。これまでも彼らが得意としていた懐かしさと切なさを同居させたキラーフレーズは本作でも連発、何より驚くべきは全曲においてその楽曲群の「質」が最後まで落ちないことで、その部分はヴォーカルの弱さで過小評価されがちな彼らがさらに再評価されるべき特徴の1つであると言えるでしょう。前作「Across The Universe」と本作の2枚の対照的な名盤によって力を使い果たしたかのように彼らは解散しますが、その類稀なポップセンスは佐藤の夫婦ユニットmicrostarに後年も引き継がれていくことになります。
<Favorite Songs>
・「KISSはカラーポップ (Album Version)」
シングルカットの楽曲をあのTony Mansfieldがリアレンジ。ボコーダーコーラスにキラキラしたシンセ、爽やかで柔らかいシンセパッドが心地良いポップソングで、このAlbum Versionでは間奏のシンセストリングスにビブラートをかけているのが微妙にクセになる味です。
・「Snowblind」
アカペラ的コーラスと足踏みオルガンが切ない珠玉のウィンターソング。本作ではこれまで以上にコーラスが目立つ作風が多く、この楽曲も例外ではありません。特にこの楽曲ではコーラスの盛り上げ(特に後半)でサビのキラーメロディの良さを引き立てています。
・「心の鏡」
アルペジオなシーケンスが目立つNICE MUSIC特有のメロディアスなエレポップソング。滲むようなシンセパッドと淡々と刻む打ち込みシンセベースは前作のシンセポップ路線を踏襲しているかのようです。間奏のハーモニカも未来的なサウンドなのに懐かしさが同居した印象を醸し出すのに一役買っています。
<評点>
・サウンド ★★★★★(外部編曲者の導入で新境地を垣間見せる玄人好みのサウンド)
・メロディ ★★★★★(良質のフレーズをふんだんに詰め込んだポップソングの真髄)
・リズム ★★★ (ほとんど打ち込みのリズムとはいえ地味ながら凝り性な音色)
・曲構成 ★★★★★(12曲に全く捨て曲がない高めで安定したクオリティが光る)
・個性 ★★★★ (良質なメロディ&サウンドが同居した貴重なユニットだった)
総合評点: 10点
NICE MUSIC

<members>
佐藤清喜:vocal・guitars・computer & synthesizer programming
清水雄史:vocal・keyboards
1.「KISSはカラーポップ (Album Version)」
詞:サエキけんぞう・佐藤清喜 曲:佐藤清喜 編:NICE MUSIC・Tony Mansfield
2.「Star Parade」 詞・曲:佐藤清喜 編:冨田恵一
3.「Venus in Summer」 詞・曲:佐藤清喜 編:NICE MUSIC
4.「Ordinary Lovers」 詞・曲:清水雄史 編:NICE MUSIC・90 West Jazz Band
5.「恋はミルキーウェイ」
詞:サエキけんぞう・佐藤清喜 曲:佐藤清喜 編:NICE MUSIC
6.「銀の星屑」 詞・曲:佐藤清喜 編:冨田恵一
7.「クールな瞳のJENNY」 詞・曲:佐藤清喜 編:NICE MUSIC
8.「空の上でふりむいて」
詞:サエキけんぞう・佐藤清喜 曲:佐藤清喜 編:NICE MUSIC
9.「白銀のステージ」 詞・曲:清水雄史 編:NICE MUSIC
10.「Snowblind」 詞・曲:佐藤清喜 編:NICE MUSIC
11.「心の鏡」 詞・曲:清水雄史 編:NICE MUSIC
12.「愛すべき世界」 詞・曲:佐藤清喜 編:NICE MUSIC・冨田恵一
<support musician>
桜井芳樹:electric guitar・12 strings guitar・guitar solo
根本温彦:electric guitar・acoustic guitar
寺島邦夫:banjo
角田敦:bass
長 忠:drums
田中紀彦:piano
渡辺貴浩:Wurlizer
国見智子:trumpet
早房長隆:trombone
竹林紀久:cornet
杉原丈史:tuba
清水幹雄:clarinet
桑野聖:violin
藤家泉子:violin
両角りか:viola
四家卯大:cello
田沢智:background vocal
飯田希和:chorus
田崎良子:chorus
Tony Mansfield:computer & synthesizer programming
冨田恵一:computer & synthesizer programming・acoustic guitar・6 strings bass・background vocal・strings arrangement
Rob Fisher:additional computer & synthesizer programming
produced by NICE MUSIC・Tony Mansfield・Out to Lunch
mixing engineered by 土井章嗣・Tony Mansfield・松田龍太
recording engineered by 土井章嗣・松田龍太
● POPSユニットの威信を賭けた珠玉のメロディ&サウンド!捨て曲皆無の名作ラストアルバム
YMOの影響を受けたエレクトリックポップなサウンドとソフトロックの後継者的なキラーメロディが同居した貴重なポップユニットであったNICE MUSICは、3rdアルバムの名盤「Across The Universe」で完全にそれまでのイメージを脱却し、開き直ったかのようなシンセポップで本領発揮を果たしました。この名盤に引き続いてリリースされたのが結果的にラストアルバムとなった本作です。しかしこの作品は前作の宇宙感覚溢れる作風からメロディ志向にシフトした形となり、本気でメロディに向き合った結果として全曲シングルを切ることができるほどのクオリティを備えた珠玉の作品群がずらりと並んでいます。
もちろん彼らの得意技である電子音を織り交ぜた多彩できらびやかなシンセアレンジは本作でも全開ですが、本作は今まで彼らのみでこなしていたアレンジについて、Tony Mansfield(!)や冨田恵一、清水雄史の父親のバンドである90 West Jazz Bandといった外部のアーティストを招いていることも特徴で、それに伴い打ち込みだけでなく生楽器も違和感なく取り入れられ、シンセポップとは一概に言えないほどサウンド的にもしっかり融合が図られています。しかしそんなアレンジャー陣の活躍よりも本作で目立つのは、佐藤と清水が作り上げた楽曲自体のクオリティの高さです。これまでも彼らが得意としていた懐かしさと切なさを同居させたキラーフレーズは本作でも連発、何より驚くべきは全曲においてその楽曲群の「質」が最後まで落ちないことで、その部分はヴォーカルの弱さで過小評価されがちな彼らがさらに再評価されるべき特徴の1つであると言えるでしょう。前作「Across The Universe」と本作の2枚の対照的な名盤によって力を使い果たしたかのように彼らは解散しますが、その類稀なポップセンスは佐藤の夫婦ユニットmicrostarに後年も引き継がれていくことになります。
<Favorite Songs>
・「KISSはカラーポップ (Album Version)」
シングルカットの楽曲をあのTony Mansfieldがリアレンジ。ボコーダーコーラスにキラキラしたシンセ、爽やかで柔らかいシンセパッドが心地良いポップソングで、このAlbum Versionでは間奏のシンセストリングスにビブラートをかけているのが微妙にクセになる味です。
・「Snowblind」
アカペラ的コーラスと足踏みオルガンが切ない珠玉のウィンターソング。本作ではこれまで以上にコーラスが目立つ作風が多く、この楽曲も例外ではありません。特にこの楽曲ではコーラスの盛り上げ(特に後半)でサビのキラーメロディの良さを引き立てています。
・「心の鏡」
アルペジオなシーケンスが目立つNICE MUSIC特有のメロディアスなエレポップソング。滲むようなシンセパッドと淡々と刻む打ち込みシンセベースは前作のシンセポップ路線を踏襲しているかのようです。間奏のハーモニカも未来的なサウンドなのに懐かしさが同居した印象を醸し出すのに一役買っています。
<評点>
・サウンド ★★★★★(外部編曲者の導入で新境地を垣間見せる玄人好みのサウンド)
・メロディ ★★★★★(良質のフレーズをふんだんに詰め込んだポップソングの真髄)
・リズム ★★★ (ほとんど打ち込みのリズムとはいえ地味ながら凝り性な音色)
・曲構成 ★★★★★(12曲に全く捨て曲がない高めで安定したクオリティが光る)
・個性 ★★★★ (良質なメロディ&サウンドが同居した貴重なユニットだった)
総合評点: 10点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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