「MILLION MIRRORS」 SOFT BALLET
「MILLION MIRRORS」 (1992 ビクター)
SOFT BALLET

<members>
遠藤遼一:vocal
森岡賢:computer programming・synthesizer・acoustic piano
藤井麻輝:computer programming・synthesizer・sampled drums・machinary・electric guitar
1.「FRACTAL」 詞:遠藤遼一 曲:森岡賢 編:SOFT BALLET
2.「WHOLE THE WHOLE」 詞:遠藤遼一 曲:森岡賢 編:SOFT BALLET
3.「A SHEPHERD'S SON」 詞:遠藤遼一 曲:森岡賢 編:SOFT BALLET
4.「VIETNAM」 詞:遠藤遼一 曲:藤井麻輝 編:SOFT BALLET
5.「INSTINCT?」 詞:遠藤遼一 曲:森岡賢 編:SOFT BALLET
6.「HYSTERIA」 詞:遠藤遼一 曲:森岡賢・藤井麻輝 編:SOFT BALLET
7.「FAIRY TALE」 詞:遠藤遼一 曲:森岡賢 編:SOFT BALLET
8.「MEDDLER」 詞:遠藤遼一 曲:藤井麻輝 編:SOFT BALLET
9.「THRESHOLD (YELLOW-MIX)」 詞:遠藤遼一 曲:藤井麻輝 編:SOFT BALLET
10.「THRESHOLD (WHITE-MIX)」 詞:遠藤遼一 曲:藤井麻輝 編:SOFT BALLET
<support musician>
Tee Green:vocal
石塚伯広:electric guitar
今井寿:electric guitar
成田忍:electric guitar
KIKI:chorus
Tracy Ackerman:chorus
太田ヨウコ:voice
Dennis Gunn:poetry reading
Ian Curnow:additional keyboard programming
produced by SOFT BALLET
mixing engineered by Phil Harding
recording engineered by 杉山勇司
● 渋味を増したサウンドマジック!緻密かつクリア名サウンドで生まれ変わった最高傑作
3rdアルバム「愛と平和」でダークダンサブルな独自のエレクトリックサウンドを確立したSOFT BALLETは、新展開を望んで心機一転レコード会社を移籍します。世間に彼らの音楽性が浸透し急速にファンを増やしていたタイミングでの移籍は一種の賭けのようにも思われましたが、移籍後初のアルバムである本作では新生SOFT BALLETにふさわしい唯一無二の個性を遺憾なく発揮したクオリティを極限まで追求した名盤となりました。アルファレコード在籍時の若さと勢いを感じさせながらも計算されたダンサブルエレポップの側面を期待したリスナーを逆手に取った、どちらかといえば地味な、それでいて深みのあるノイジーなサウンドは、YMOでいうところのファン切り捨てと呼ばれた実験作「BGM」を想起させるものであり、またそれは彼らのサウンドが独自の領域に進化した証拠でもあったと思われます。
新生SOFT BALLETはサウンド的に藤井麻輝のイニシアチブが強くなった感があり、彼のお得意であるディストーションで汚したノイジーなサウンドを惜しげもなく多用しながら、その一方でシンセの音色1つ1つにアナログ的コクをもたらすように細部にこだわった音づくりを施しています。音はすっきり削ぎ落とされていることもあってシンセの音色が一際目立つように緻密に配置されたフレーズは、そのシンプルさがゆえにキャッチーなメロディを控えられていますが、レコード会社移籍の間に格段に深みが増し何かが憑衣したような遠藤のヴォーカルによる世界観の構築力がただものではなく、それまでみずからのルーツに影響されていた彼らの音楽性を、はるか高みに昇華させていった彼らのチャレンジ精神は尊敬に値します。その後彼らは95年の活動停止まで森岡のポップ性と藤井のアヴァンギャルド性がかけ離れていくのを繋ぎ止めながら、危うい微妙なバランスを保って活動して行くことになります。
<Favorite Songs>
・「FRACTAL」
物語のプロローグのように淡々とリズムを刻みながら広がる荘厳な世界観で迫るオープニングナンバー。4分を超えるインストの後入ってくるヴォーカルの渋みは効果的ですが、それを支えるのは格段に洗練されたシンセサウンドあってこそです。
・「VIETNAM」
ノイズにこだわっていた藤井麻輝の真骨頂というべき宗教的すら感じさせる実験的楽曲。ノイズサンプルと民族的リズム、そして宗教儀式を思わせるおどろおどろしいヴォーカルは、ダークな世界にどっぷり浸かってしまう感覚に襲われます。
・「FAIRY TALE」
本作では珍しい開放感のあるメジャー調メロディの壮大なミディアムバラード。グラウンドビートに乗ってシンセストリングスが盛り上げるサウンドに、遠藤の荘厳なヴォーカルとKIKIの神々しいコーラスが楽曲の美しさをさらに強調している名曲です。
<評点>
・サウンド ★★★★★ (シンプルかつ凝りまくったエレクトロサウンドの極致)
・メロディ ★★★ (地味と言われるがダークだがよく作り込まれたメロディ)
・リズム ★★★ (非常にノーマルな音だがこのシンプルさで他の音が際立つ)
・曲構成 ★★★ (ラスト2曲はコンセプト的にも迎合してしまって必要なし)
・個性 ★★★★★ (この圧倒的な存在感はエレクトロ系バンドになかったもの)
総合評点: 9点
SOFT BALLET

<members>
遠藤遼一:vocal
森岡賢:computer programming・synthesizer・acoustic piano
藤井麻輝:computer programming・synthesizer・sampled drums・machinary・electric guitar
1.「FRACTAL」 詞:遠藤遼一 曲:森岡賢 編:SOFT BALLET
2.「WHOLE THE WHOLE」 詞:遠藤遼一 曲:森岡賢 編:SOFT BALLET
3.「A SHEPHERD'S SON」 詞:遠藤遼一 曲:森岡賢 編:SOFT BALLET
4.「VIETNAM」 詞:遠藤遼一 曲:藤井麻輝 編:SOFT BALLET
5.「INSTINCT?」 詞:遠藤遼一 曲:森岡賢 編:SOFT BALLET
6.「HYSTERIA」 詞:遠藤遼一 曲:森岡賢・藤井麻輝 編:SOFT BALLET
7.「FAIRY TALE」 詞:遠藤遼一 曲:森岡賢 編:SOFT BALLET
8.「MEDDLER」 詞:遠藤遼一 曲:藤井麻輝 編:SOFT BALLET
9.「THRESHOLD (YELLOW-MIX)」 詞:遠藤遼一 曲:藤井麻輝 編:SOFT BALLET
10.「THRESHOLD (WHITE-MIX)」 詞:遠藤遼一 曲:藤井麻輝 編:SOFT BALLET
<support musician>
Tee Green:vocal
石塚伯広:electric guitar
今井寿:electric guitar
成田忍:electric guitar
KIKI:chorus
Tracy Ackerman:chorus
太田ヨウコ:voice
Dennis Gunn:poetry reading
Ian Curnow:additional keyboard programming
produced by SOFT BALLET
mixing engineered by Phil Harding
recording engineered by 杉山勇司
● 渋味を増したサウンドマジック!緻密かつクリア名サウンドで生まれ変わった最高傑作
3rdアルバム「愛と平和」でダークダンサブルな独自のエレクトリックサウンドを確立したSOFT BALLETは、新展開を望んで心機一転レコード会社を移籍します。世間に彼らの音楽性が浸透し急速にファンを増やしていたタイミングでの移籍は一種の賭けのようにも思われましたが、移籍後初のアルバムである本作では新生SOFT BALLETにふさわしい唯一無二の個性を遺憾なく発揮したクオリティを極限まで追求した名盤となりました。アルファレコード在籍時の若さと勢いを感じさせながらも計算されたダンサブルエレポップの側面を期待したリスナーを逆手に取った、どちらかといえば地味な、それでいて深みのあるノイジーなサウンドは、YMOでいうところのファン切り捨てと呼ばれた実験作「BGM」を想起させるものであり、またそれは彼らのサウンドが独自の領域に進化した証拠でもあったと思われます。
新生SOFT BALLETはサウンド的に藤井麻輝のイニシアチブが強くなった感があり、彼のお得意であるディストーションで汚したノイジーなサウンドを惜しげもなく多用しながら、その一方でシンセの音色1つ1つにアナログ的コクをもたらすように細部にこだわった音づくりを施しています。音はすっきり削ぎ落とされていることもあってシンセの音色が一際目立つように緻密に配置されたフレーズは、そのシンプルさがゆえにキャッチーなメロディを控えられていますが、レコード会社移籍の間に格段に深みが増し何かが憑衣したような遠藤のヴォーカルによる世界観の構築力がただものではなく、それまでみずからのルーツに影響されていた彼らの音楽性を、はるか高みに昇華させていった彼らのチャレンジ精神は尊敬に値します。その後彼らは95年の活動停止まで森岡のポップ性と藤井のアヴァンギャルド性がかけ離れていくのを繋ぎ止めながら、危うい微妙なバランスを保って活動して行くことになります。
<Favorite Songs>
・「FRACTAL」
物語のプロローグのように淡々とリズムを刻みながら広がる荘厳な世界観で迫るオープニングナンバー。4分を超えるインストの後入ってくるヴォーカルの渋みは効果的ですが、それを支えるのは格段に洗練されたシンセサウンドあってこそです。
・「VIETNAM」
ノイズにこだわっていた藤井麻輝の真骨頂というべき宗教的すら感じさせる実験的楽曲。ノイズサンプルと民族的リズム、そして宗教儀式を思わせるおどろおどろしいヴォーカルは、ダークな世界にどっぷり浸かってしまう感覚に襲われます。
・「FAIRY TALE」
本作では珍しい開放感のあるメジャー調メロディの壮大なミディアムバラード。グラウンドビートに乗ってシンセストリングスが盛り上げるサウンドに、遠藤の荘厳なヴォーカルとKIKIの神々しいコーラスが楽曲の美しさをさらに強調している名曲です。
<評点>
・サウンド ★★★★★ (シンプルかつ凝りまくったエレクトロサウンドの極致)
・メロディ ★★★ (地味と言われるがダークだがよく作り込まれたメロディ)
・リズム ★★★ (非常にノーマルな音だがこのシンプルさで他の音が際立つ)
・曲構成 ★★★ (ラスト2曲はコンセプト的にも迎合してしまって必要なし)
・個性 ★★★★★ (この圧倒的な存在感はエレクトロ系バンドになかったもの)
総合評点: 9点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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