「MISS」 渡辺満里奈
「MISS」 (1989 エピックソニー)
渡辺満里奈:vocal・chorus

1.「Miss Lonely Weekend」 詞:吉元由美 曲:岸正之 編:山川恵津子
2.「フォトグラフ」 詞:沢ちひろ 曲:上田知華 編:武部聡志
3.「カレンダー」 詞:吉元由美 曲:岸正之 編:武部聡志
4.「困らないで」 詞:岡部真理子 曲:山口美央子 編:山川恵津子
5.「出会いたい」 詞:岡部真理子 曲:山口美央子 編:山川恵津子
6.「BIG TOWN」 詞:吉元由美 曲・編:山川恵津子
7.「Catch Me Tonight」 詞:吉元由美 曲・編:山川恵津子
8.「素敵なSaison」 詞:吉元由美 曲・編:山川恵津子
9.「プールサイド」 詞:岡部真理子 曲:上田知華 編:山川恵津子
10.「My Song」 詞:岡部真理子・MARINA 曲:上田知華 編:山川恵津子
<support musician>
今 剛:guitar
鳥山雄司:guitar
松原正樹:guitar
高水健司:bass
美久月千晴:bass
長谷部徹:drums
山木秀夫:drums
山川恵津子:keyboards・chorus
武部聡志:keyboards
伊集加代子:chorus
木戸泰弘:chorus
比山貴咏史:chorus
和田夏代子:chorus
大竹徹夫:synthesizer operate
迫田到:synthesizer operate
松武秀樹:synthesizer operate
produced by 赤井タダシ
mixing engineered by 助川健
recording engineered by 助川健・松本元成・松尾順二・森岡徹也
● 徹底したグリーンエヴァーアイドル歌謡の完成形として90年代への指針となった貫禄の4th
おニャン子クラブのソロ歌手の中でもキュートでピュアなイメージのもと上品且つセレブな楽曲で個性を打ち出していた渡辺満里奈は、アイドル時代はそのイメージを決して損なうことなく、山川恵津子を始めとした優れた作家陣が創り出すハイクオリティな楽曲に恵まれてコアなアイドルファン以外にもその音楽性の評価を高めていきました。特に傑作である2nd「EVERGREEN」と3rd「SUNNYSIDE」、そして4thアルバムである本作の3作はアイドル時代の清楚なイメージを確立した彼女の全盛期と言っても過言ではない作品群です。今回取り上げる本作は、確立したイメージの集大成的な作品であり既に風格すら漂う安心して満里奈サウンドが楽しめる作品となっています。
デビュー時から彼女の楽曲を支える山川恵津子アレンジは全くぶれることのない肌触りの良い爽やかさを感じさせる風通しの良いサウンドで表現され、本作では一部の楽曲に斉藤由貴や種ともこらの作品におけるデジアナ感覚のアレンジに定評があった武部聡志を迎え、彼のきらびやかなシンセサウンドが、彼女の世界観を崩すことなく作品群に厚みを加えている印象があります。そして彼女の作品群を質の高いものにしている優れたメロディを紡ぎ出すのは、山川恵津子、山口美央子、岸正之、上田知華といったニューミュージック~シティポップを心得た手練のメロディメイカー達で、その余りにもすんなり溶け込んでいくあっさり味のメロディラインはともすれば引っかかりのない希薄な印象を与えるかもしれませんが、不快感も与えず安心して聴くことができます。この中庸感というか清潔感はその後90年代のアイドル死の時代の楽曲に受け継がれていきます。後に彼女はFlipper's Guitarと組んだりして渋谷系アイドルの道を模索していきますが、そのように時代を意識しなくてもアイドル時代に90年代アイドルソングにおける時代の先取りをしっかり果たしているのです。
<Favorite Songs>
・「Miss Lonely Weekend」
おしゃれな部分を残しつつダンサブル路線に控えめに挑戦したオープニングナンバー。キレのあるシンセブラスと軽快なカッティングギターが目立つライブ映えする楽曲で、そんな中でもサビに切なさを織り込むところはすっかり十八番になっています。
・「カレンダー」
ギターリフやピチカート系の音色が涼しげなシングル曲。切なげに推移するAメロ~Bメロから切なキュートなサビへとつながるメロディ構成には無駄がありません。1つ1つの音色に関しても山川アレンジと比べて主張が強く、武部アレンジの個性が出ています。
・「プールサイド」
よく響くシンセリフが快活な印象を与えるサマーソング。比山貴咏史や木戸泰弘といった日本有数のコーラス隊による分厚いバッキングヴォーカルが特徴です。寂しげなサビのフレーズとは裏腹にサウンドは元気で、そのギャップも楽しめる部分でしょう。
<評点>
・サウンド ★★ (安定感のある出しゃばらないシンセは山川アレンジの風物詩)
・メロディ ★★★ (彼女の作品ではおなじみの作家陣による隙のないメロディ)
・リズム ★ (POPSの枠を外さない目立たず縁の下の力持ちに徹している)
・曲構成 ★★ (キラーチューンはないものの冒険も控えめに期待も裏切らず)
・個性 ★★ (アイドル渡辺満里奈としての個性は既に確立し驚きはない)
総合評点: 7点
渡辺満里奈:vocal・chorus

1.「Miss Lonely Weekend」 詞:吉元由美 曲:岸正之 編:山川恵津子
2.「フォトグラフ」 詞:沢ちひろ 曲:上田知華 編:武部聡志
3.「カレンダー」 詞:吉元由美 曲:岸正之 編:武部聡志
4.「困らないで」 詞:岡部真理子 曲:山口美央子 編:山川恵津子
5.「出会いたい」 詞:岡部真理子 曲:山口美央子 編:山川恵津子
6.「BIG TOWN」 詞:吉元由美 曲・編:山川恵津子
7.「Catch Me Tonight」 詞:吉元由美 曲・編:山川恵津子
8.「素敵なSaison」 詞:吉元由美 曲・編:山川恵津子
9.「プールサイド」 詞:岡部真理子 曲:上田知華 編:山川恵津子
10.「My Song」 詞:岡部真理子・MARINA 曲:上田知華 編:山川恵津子
<support musician>
今 剛:guitar
鳥山雄司:guitar
松原正樹:guitar
高水健司:bass
美久月千晴:bass
長谷部徹:drums
山木秀夫:drums
山川恵津子:keyboards・chorus
武部聡志:keyboards
伊集加代子:chorus
木戸泰弘:chorus
比山貴咏史:chorus
和田夏代子:chorus
大竹徹夫:synthesizer operate
迫田到:synthesizer operate
松武秀樹:synthesizer operate
produced by 赤井タダシ
mixing engineered by 助川健
recording engineered by 助川健・松本元成・松尾順二・森岡徹也
● 徹底したグリーンエヴァーアイドル歌謡の完成形として90年代への指針となった貫禄の4th
おニャン子クラブのソロ歌手の中でもキュートでピュアなイメージのもと上品且つセレブな楽曲で個性を打ち出していた渡辺満里奈は、アイドル時代はそのイメージを決して損なうことなく、山川恵津子を始めとした優れた作家陣が創り出すハイクオリティな楽曲に恵まれてコアなアイドルファン以外にもその音楽性の評価を高めていきました。特に傑作である2nd「EVERGREEN」と3rd「SUNNYSIDE」、そして4thアルバムである本作の3作はアイドル時代の清楚なイメージを確立した彼女の全盛期と言っても過言ではない作品群です。今回取り上げる本作は、確立したイメージの集大成的な作品であり既に風格すら漂う安心して満里奈サウンドが楽しめる作品となっています。
デビュー時から彼女の楽曲を支える山川恵津子アレンジは全くぶれることのない肌触りの良い爽やかさを感じさせる風通しの良いサウンドで表現され、本作では一部の楽曲に斉藤由貴や種ともこらの作品におけるデジアナ感覚のアレンジに定評があった武部聡志を迎え、彼のきらびやかなシンセサウンドが、彼女の世界観を崩すことなく作品群に厚みを加えている印象があります。そして彼女の作品群を質の高いものにしている優れたメロディを紡ぎ出すのは、山川恵津子、山口美央子、岸正之、上田知華といったニューミュージック~シティポップを心得た手練のメロディメイカー達で、その余りにもすんなり溶け込んでいくあっさり味のメロディラインはともすれば引っかかりのない希薄な印象を与えるかもしれませんが、不快感も与えず安心して聴くことができます。この中庸感というか清潔感はその後90年代のアイドル死の時代の楽曲に受け継がれていきます。後に彼女はFlipper's Guitarと組んだりして渋谷系アイドルの道を模索していきますが、そのように時代を意識しなくてもアイドル時代に90年代アイドルソングにおける時代の先取りをしっかり果たしているのです。
<Favorite Songs>
・「Miss Lonely Weekend」
おしゃれな部分を残しつつダンサブル路線に控えめに挑戦したオープニングナンバー。キレのあるシンセブラスと軽快なカッティングギターが目立つライブ映えする楽曲で、そんな中でもサビに切なさを織り込むところはすっかり十八番になっています。
・「カレンダー」
ギターリフやピチカート系の音色が涼しげなシングル曲。切なげに推移するAメロ~Bメロから切なキュートなサビへとつながるメロディ構成には無駄がありません。1つ1つの音色に関しても山川アレンジと比べて主張が強く、武部アレンジの個性が出ています。
・「プールサイド」
よく響くシンセリフが快活な印象を与えるサマーソング。比山貴咏史や木戸泰弘といった日本有数のコーラス隊による分厚いバッキングヴォーカルが特徴です。寂しげなサビのフレーズとは裏腹にサウンドは元気で、そのギャップも楽しめる部分でしょう。
<評点>
・サウンド ★★ (安定感のある出しゃばらないシンセは山川アレンジの風物詩)
・メロディ ★★★ (彼女の作品ではおなじみの作家陣による隙のないメロディ)
・リズム ★ (POPSの枠を外さない目立たず縁の下の力持ちに徹している)
・曲構成 ★★ (キラーチューンはないものの冒険も控えめに期待も裏切らず)
・個性 ★★ (アイドル渡辺満里奈としての個性は既に確立し驚きはない)
総合評点: 7点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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