「愛情の天才」 岩城由美
「愛情の天才」(1994 コロムビア)
岩城由美:vocal・piano

1.「空中線」 詞:岩城由美 曲・編:金津ひろし
2.「トリップ・リップ・タラップ・ホップ」 詞・曲:岩城由美 編:金津ひろし
3.「愛情の天才」 詞・曲:岩城由美 編:金津ひろし
4.「ここまでおいで」 詞・曲:岩城由美 編:金津ひろし
5.「雨行きのバス」 詞:岩城由美 曲:金津ひろし・岩城由美 編:金津ひろし
6.「ハオ!」 詞:岩城由美 曲・編:金津ひろし
7.「朝」 詞・曲:岩城由美 編:金津ひろし
8.「チェリーのお酒」 詞・曲:岩城由美 編:金津ひろし・岩城由美
9.「ELIZA」 詞・曲:岩城由美 編:金津ひろし
10.「7Days Hat」 詞・曲:岩城由美 編:金津ひろし
11.「私のきもち」 詞・曲:岩城由美 編:金津ひろし
<support musician>
伊丹雅博:guitar・mandolin・ukulele
小倉博和:guitar
鈴木智文:guitar
横川理彦:bouzouki・mandolin
荻原"MECKEN"基文:bass
渡辺等:bass・cello・mandolin・ukulele
三浦晃司:drums
小川文明:keyboards
金津ひろし:keyboards・computer programming
中山努:keyboards
ライオンメリー:accordion
帆足"WHACHO"哲昭:percussions
大石真理恵:marimba
菊地成孔:sax
矢口博康:sax
武川雅寛:violin
朝川朋之:harp
Cheryl Poirier:background vocals
Dana Kral:background vocals
水谷紹:background vocals
produced by 吉永タカシ
co-produced by 金津ひろし
mixing engineered by Craig Leon
recording engineered by 藤井暁
● ファニーな歌声で休日の昼下がりを癒す無国籍旅行に誘う90年代ガールポップの隠れた名作
CM界では有名な女性シンガーとして現在も活躍する岩城由美はソロシンガーとして94年にシングル「トリップ・リップ・タラップ・ホップ」、そして本作「愛情の天才」でデビューを果たします。90年代前半は80年代特有の実験的で派手なサウンドに疲れた耳を癒すかのようにメロディ志向が強まり、またアコースティック系や渋谷系のアナログな味を醸し出すサウンドが流行したこともあり、特に女性アーティストは癒し系と称される穏やかな楽曲を創り出す傾向にあったと思われます。そのようなシーンの中に確かにこの岩城由美も存在していたのではないかと思います。タイプ的にはオシャレ感をやや抑えたかの香織、現実的な小川美潮といった立ち位置にいたのではないでしょうか。もちろん彼女は歌だけではなく、作曲家としての側面もあり、また鴨宮諒のユニットThe End Of The Worldにおいてもメインで作詞を担当しているように、作詞家としての才能も目立っているマルチアーティストとしても評価されるべきであり、だからこそ現在もCM業界を中心に活躍できているのです。
さて、このデビュー作は流行のアコースティックな肌触りを持つものの、実は結構打ち込み度が高く、雰囲気に似つかわしくない電子音も随所に散りばめられている作品です。特に本作の特徴の1つであるオリエンタルな雰囲気は、そのメロディもありますがコミカルさを演出するような電子音(「トリップ・リップ・タラップ・ホップ」や「ハオ!」のような)による部分も大きいのではないかと思います。そうしたサウンドをプロデュースしているのは、本間哲子とのユニットであるプラチナKITでも良作を生み出していた金津ひろし。もともと派手さはないものの職人技とも言えるサウンドメイクを手掛ける彼は全曲アレンジを任せられ、90年代サウンドの命題でもある打ち込みと生演奏の融合を巧みに仕掛けるなど本領を発揮しています。岩城のナチュラル系ではあるが随所でファニーでコミカルな側面を垣間見せる独特の声質もあってプラチナKITの続編のような印象も与え、オリエンタルからユーロピアンまで世界を一周するかのような(しかもラストの「私のきもち」は日本風?)本作ですが、デビュー作にして地味ながらも存在感を放つ良質なPOPSアルバムとしてチェックしておくべき作品でしょう。
<Favorite Songs>
・「空中線」
柔らかいシンセサウンドによる癒しのオリエンタルフレーズが特徴的な楽曲。独特の声質に施されたリバーブに代表される雰囲気作りに非常に長けていて、特に盛り上がるわけではないものの安心感のあるメロディが心地良いです。
・「トリップ・リップ・タラップ・ホップ」
水の中のようなおもしろい音響を聴かせるシングルカット曲。スチールドラムっぽい音色や縦横無尽に駆け巡るハープなどゴージャスながら力の抜けたサウンドに、サビに向かって整理良くまとめられたメロディに秀逸さを感じさせます。
・「7Days Hat」
オルガンのフレーズとベースフレーズがオシャレでジャジーな空間を演出するポップチューン。ジャズテイストということでとにかく肩の力が抜けた印象で、休日によく似合う暖かさと心地良さが同居した雰囲気は幸福感に満ちあふれた感じでそれが彼女の持ち味となっているようです。
<評点>
・サウンド ★★ (シンセ度は高いもののそれを感じさせないのは匠の技)
・メロディ ★★ (随所にハッとさせるフレーズは導入させているが・・・)
・リズム ★ (タイプ的にリズムは目立たない楽曲が多いので仕方ないか)
・曲構成 ★★ (同タイプの作品も多く刺激は少なく中だるみの危険性も)
・個性 ★ (良質であるがゆえに普遍的に埋もれがちになったかも)
総合評点: 6点
岩城由美:vocal・piano

1.「空中線」 詞:岩城由美 曲・編:金津ひろし
2.「トリップ・リップ・タラップ・ホップ」 詞・曲:岩城由美 編:金津ひろし
3.「愛情の天才」 詞・曲:岩城由美 編:金津ひろし
4.「ここまでおいで」 詞・曲:岩城由美 編:金津ひろし
5.「雨行きのバス」 詞:岩城由美 曲:金津ひろし・岩城由美 編:金津ひろし
6.「ハオ!」 詞:岩城由美 曲・編:金津ひろし
7.「朝」 詞・曲:岩城由美 編:金津ひろし
8.「チェリーのお酒」 詞・曲:岩城由美 編:金津ひろし・岩城由美
9.「ELIZA」 詞・曲:岩城由美 編:金津ひろし
10.「7Days Hat」 詞・曲:岩城由美 編:金津ひろし
11.「私のきもち」 詞・曲:岩城由美 編:金津ひろし
<support musician>
伊丹雅博:guitar・mandolin・ukulele
小倉博和:guitar
鈴木智文:guitar
横川理彦:bouzouki・mandolin
荻原"MECKEN"基文:bass
渡辺等:bass・cello・mandolin・ukulele
三浦晃司:drums
小川文明:keyboards
金津ひろし:keyboards・computer programming
中山努:keyboards
ライオンメリー:accordion
帆足"WHACHO"哲昭:percussions
大石真理恵:marimba
菊地成孔:sax
矢口博康:sax
武川雅寛:violin
朝川朋之:harp
Cheryl Poirier:background vocals
Dana Kral:background vocals
水谷紹:background vocals
produced by 吉永タカシ
co-produced by 金津ひろし
mixing engineered by Craig Leon
recording engineered by 藤井暁
● ファニーな歌声で休日の昼下がりを癒す無国籍旅行に誘う90年代ガールポップの隠れた名作
CM界では有名な女性シンガーとして現在も活躍する岩城由美はソロシンガーとして94年にシングル「トリップ・リップ・タラップ・ホップ」、そして本作「愛情の天才」でデビューを果たします。90年代前半は80年代特有の実験的で派手なサウンドに疲れた耳を癒すかのようにメロディ志向が強まり、またアコースティック系や渋谷系のアナログな味を醸し出すサウンドが流行したこともあり、特に女性アーティストは癒し系と称される穏やかな楽曲を創り出す傾向にあったと思われます。そのようなシーンの中に確かにこの岩城由美も存在していたのではないかと思います。タイプ的にはオシャレ感をやや抑えたかの香織、現実的な小川美潮といった立ち位置にいたのではないでしょうか。もちろん彼女は歌だけではなく、作曲家としての側面もあり、また鴨宮諒のユニットThe End Of The Worldにおいてもメインで作詞を担当しているように、作詞家としての才能も目立っているマルチアーティストとしても評価されるべきであり、だからこそ現在もCM業界を中心に活躍できているのです。
さて、このデビュー作は流行のアコースティックな肌触りを持つものの、実は結構打ち込み度が高く、雰囲気に似つかわしくない電子音も随所に散りばめられている作品です。特に本作の特徴の1つであるオリエンタルな雰囲気は、そのメロディもありますがコミカルさを演出するような電子音(「トリップ・リップ・タラップ・ホップ」や「ハオ!」のような)による部分も大きいのではないかと思います。そうしたサウンドをプロデュースしているのは、本間哲子とのユニットであるプラチナKITでも良作を生み出していた金津ひろし。もともと派手さはないものの職人技とも言えるサウンドメイクを手掛ける彼は全曲アレンジを任せられ、90年代サウンドの命題でもある打ち込みと生演奏の融合を巧みに仕掛けるなど本領を発揮しています。岩城のナチュラル系ではあるが随所でファニーでコミカルな側面を垣間見せる独特の声質もあってプラチナKITの続編のような印象も与え、オリエンタルからユーロピアンまで世界を一周するかのような(しかもラストの「私のきもち」は日本風?)本作ですが、デビュー作にして地味ながらも存在感を放つ良質なPOPSアルバムとしてチェックしておくべき作品でしょう。
<Favorite Songs>
・「空中線」
柔らかいシンセサウンドによる癒しのオリエンタルフレーズが特徴的な楽曲。独特の声質に施されたリバーブに代表される雰囲気作りに非常に長けていて、特に盛り上がるわけではないものの安心感のあるメロディが心地良いです。
・「トリップ・リップ・タラップ・ホップ」
水の中のようなおもしろい音響を聴かせるシングルカット曲。スチールドラムっぽい音色や縦横無尽に駆け巡るハープなどゴージャスながら力の抜けたサウンドに、サビに向かって整理良くまとめられたメロディに秀逸さを感じさせます。
・「7Days Hat」
オルガンのフレーズとベースフレーズがオシャレでジャジーな空間を演出するポップチューン。ジャズテイストということでとにかく肩の力が抜けた印象で、休日によく似合う暖かさと心地良さが同居した雰囲気は幸福感に満ちあふれた感じでそれが彼女の持ち味となっているようです。
<評点>
・サウンド ★★ (シンセ度は高いもののそれを感じさせないのは匠の技)
・メロディ ★★ (随所にハッとさせるフレーズは導入させているが・・・)
・リズム ★ (タイプ的にリズムは目立たない楽曲が多いので仕方ないか)
・曲構成 ★★ (同タイプの作品も多く刺激は少なく中だるみの危険性も)
・個性 ★ (良質であるがゆえに普遍的に埋もれがちになったかも)
総合評点: 6点
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テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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