「STEVE MCQUEEN」 PREFAB SPROUT
「STEVE MCQUEEN」(1985 Kitchenware)
PREFAB SPROUT

<members>
Paddy McAloon:vocals・guitars
Martin McAloon:bass
Wendy Smith:backing vocals
Neil Conti:drums
1.「FARON」 Paddy McAloon
2.「BONNY」 Paddy McAloon
3.「APPETITE」 Paddy McAloon
4.「WHEN LOVE BREAKS DOWN」 Paddy McAloon
5.「GOODBYE LUCILLE #1」 Paddy McAloon
6.「HALLELUJAH」 Paddy McAloon
7.「MOVING THE RIVER」 Paddy McAloon
8.「HORSIN' AROUND」 Paddy McAloon
9.「DESIRE AS」 Paddy McAloon
10.「BLUEBERRY PIES」 Paddy McAloon
11.「WHEN THE ANGELS」 Paddy McAloon
<support musician>
Thomas Dolby:all instruments
Kevin Armstrong:guitar
Mark Lockhart:sax
produced by Thomas Dolby・Phil Thornally
mixing engineered by Nick Shipley・Thomas Dolby
recording engineered by Tim Hunt・Brian Evans・Andy Scarth・Chris Sheldon
● 類い稀なメロディセンスにCOOLにして透き通ったシンセサウンドが溶け合ったPOP史に残る名盤
UK POPS界において有数のセンチメンタルポップグループといえるPrefab Sproutはネオアコの旗手として84年にアルバム「Swoon」でデビューしました。当時はまさしくアコースティックギター基調の瑞々しいギターポップという趣でしたが、既にニューウェーブアーティストとしての地位を確立していたThomas Dolbyをプロデューサーに迎えた本作(本国では「Two Feels Good」というタイトルでリリース)が出世作となり、Paddy McAloonのメロディメイカーとしての才能も開花していくことになります。80年代も中盤を迎え高揚していく世の中に合わせるかのように派手さを増していくサウンドが横行していく中で、あくまでCOOLに落ち着きのある、それでいてロマンティックな響きを持つメロディを生かした楽曲はある意味異彩を放っていたと言えるのではないでしょうか。
前述のように本作のプロデュースを務めるのが「She Blinded Me With Science」の大ヒットで知られるマッドサウンドプロデューサーThomas Dolbyで、彼は名作と言われる本作の功労者と言っても過言ではありません。もともとメロディメイカーとしての素養があったPaddy McAloonの楽曲を、メロディを引き立たせるように控えめながら主張の激しいエレクトリックサウンドをまぶしたファンタジックなサウンドメイクで楽曲の幅を広げ、一気にPrefab独自の世界観の構築を成し遂げてしまいました。また、彼らはWendy Smithという独特のコーラスをメンバーに持つある意味変則的な構成のバンドですが、彼女の感情のこもらないどこおか機械的な歌唱を、エフェクティブに処理しながら存在を際立たせているのも本作の特徴です。Thomas Dolbyの緻密なサウンドとWendyの個性的な声質がPaddyが創り出す楽曲をよりロマンティックに、よりメランコリックに仕上げています。このように世界観を確立すると同時に、バンドとして数段レベルアップした彼らは、その後大作「Jordan:The Comeback」をはじめ名作を連発していきます。本作は歴史に残る稀代のPOPSバンドがはばたくきっかけとなったPOPS界における重要作と言えるのです。
<Favorite Songs>
・「WHEN LOVE BREAKS DOWN」
シングルカットされた瑞々しい感性が全開となった名曲。涼しげなシンセ音色が目立っており、Wendyのコーラスも宗教がかっているかのように幻想的です。そのドリーミーな音処理もあって世界観の確立ぶりが尋常でないことがわかります。
・「DESIRE AS」
いかにもThomas Dolbyサウンド(というよりほとんど彼のソロと見まがうほど)といった趣のミステリアスなバラード。チープなシンセパッドの音色が印象的で、エレクトリック主導のサウンドにサックスが絡む構成などは、往年の高橋幸宏のソロ楽曲を彷佛とさせるほどです。
・「WHEN THE ANGELS」
アルバムのラストを飾る爽やかなポップチューン。珍しくシーケンスフレーズに乗った涼しげかつキャッチーなサビがこの楽曲の命であるが、ここでもWendyの美声の存在感が素晴らしく、間違いなく本作のハイライトとなる楽曲です。しかしそれでいて決して熱くならない。ここにPrefab Sproutたるゆえんが隠されているのではないかと思うのです。
<評点>
・サウンド ★★★★★ (派手さを抑えた大人のシンセサウンドメイキング)
・メロディ ★★★★★ (しゃれた雰囲気に持ち前のメロディセンスが見事に開花)
・リズム ★★★ (実はMartin & Neilの堅実なリズムワークも欠かせない)
・曲構成 ★★★ (盛り上がる楽曲はないものの良曲揃いで無駄がない)
・個性 ★★★★ (2ndにして早くも個性は確立し以後熟成をはかることに)
総合評点: 9点
PREFAB SPROUT

<members>
Paddy McAloon:vocals・guitars
Martin McAloon:bass
Wendy Smith:backing vocals
Neil Conti:drums
1.「FARON」 Paddy McAloon
2.「BONNY」 Paddy McAloon
3.「APPETITE」 Paddy McAloon
4.「WHEN LOVE BREAKS DOWN」 Paddy McAloon
5.「GOODBYE LUCILLE #1」 Paddy McAloon
6.「HALLELUJAH」 Paddy McAloon
7.「MOVING THE RIVER」 Paddy McAloon
8.「HORSIN' AROUND」 Paddy McAloon
9.「DESIRE AS」 Paddy McAloon
10.「BLUEBERRY PIES」 Paddy McAloon
11.「WHEN THE ANGELS」 Paddy McAloon
<support musician>
Thomas Dolby:all instruments
Kevin Armstrong:guitar
Mark Lockhart:sax
produced by Thomas Dolby・Phil Thornally
mixing engineered by Nick Shipley・Thomas Dolby
recording engineered by Tim Hunt・Brian Evans・Andy Scarth・Chris Sheldon
● 類い稀なメロディセンスにCOOLにして透き通ったシンセサウンドが溶け合ったPOP史に残る名盤
UK POPS界において有数のセンチメンタルポップグループといえるPrefab Sproutはネオアコの旗手として84年にアルバム「Swoon」でデビューしました。当時はまさしくアコースティックギター基調の瑞々しいギターポップという趣でしたが、既にニューウェーブアーティストとしての地位を確立していたThomas Dolbyをプロデューサーに迎えた本作(本国では「Two Feels Good」というタイトルでリリース)が出世作となり、Paddy McAloonのメロディメイカーとしての才能も開花していくことになります。80年代も中盤を迎え高揚していく世の中に合わせるかのように派手さを増していくサウンドが横行していく中で、あくまでCOOLに落ち着きのある、それでいてロマンティックな響きを持つメロディを生かした楽曲はある意味異彩を放っていたと言えるのではないでしょうか。
前述のように本作のプロデュースを務めるのが「She Blinded Me With Science」の大ヒットで知られるマッドサウンドプロデューサーThomas Dolbyで、彼は名作と言われる本作の功労者と言っても過言ではありません。もともとメロディメイカーとしての素養があったPaddy McAloonの楽曲を、メロディを引き立たせるように控えめながら主張の激しいエレクトリックサウンドをまぶしたファンタジックなサウンドメイクで楽曲の幅を広げ、一気にPrefab独自の世界観の構築を成し遂げてしまいました。また、彼らはWendy Smithという独特のコーラスをメンバーに持つある意味変則的な構成のバンドですが、彼女の感情のこもらないどこおか機械的な歌唱を、エフェクティブに処理しながら存在を際立たせているのも本作の特徴です。Thomas Dolbyの緻密なサウンドとWendyの個性的な声質がPaddyが創り出す楽曲をよりロマンティックに、よりメランコリックに仕上げています。このように世界観を確立すると同時に、バンドとして数段レベルアップした彼らは、その後大作「Jordan:The Comeback」をはじめ名作を連発していきます。本作は歴史に残る稀代のPOPSバンドがはばたくきっかけとなったPOPS界における重要作と言えるのです。
<Favorite Songs>
・「WHEN LOVE BREAKS DOWN」
シングルカットされた瑞々しい感性が全開となった名曲。涼しげなシンセ音色が目立っており、Wendyのコーラスも宗教がかっているかのように幻想的です。そのドリーミーな音処理もあって世界観の確立ぶりが尋常でないことがわかります。
・「DESIRE AS」
いかにもThomas Dolbyサウンド(というよりほとんど彼のソロと見まがうほど)といった趣のミステリアスなバラード。チープなシンセパッドの音色が印象的で、エレクトリック主導のサウンドにサックスが絡む構成などは、往年の高橋幸宏のソロ楽曲を彷佛とさせるほどです。
・「WHEN THE ANGELS」
アルバムのラストを飾る爽やかなポップチューン。珍しくシーケンスフレーズに乗った涼しげかつキャッチーなサビがこの楽曲の命であるが、ここでもWendyの美声の存在感が素晴らしく、間違いなく本作のハイライトとなる楽曲です。しかしそれでいて決して熱くならない。ここにPrefab Sproutたるゆえんが隠されているのではないかと思うのです。
<評点>
・サウンド ★★★★★ (派手さを抑えた大人のシンセサウンドメイキング)
・メロディ ★★★★★ (しゃれた雰囲気に持ち前のメロディセンスが見事に開花)
・リズム ★★★ (実はMartin & Neilの堅実なリズムワークも欠かせない)
・曲構成 ★★★ (盛り上がる楽曲はないものの良曲揃いで無駄がない)
・個性 ★★★★ (2ndにして早くも個性は確立し以後熟成をはかることに)
総合評点: 9点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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