「箱庭ノート」 kukui
「箱庭ノート」(2007 ランティス)
kukui

<members>
霜月はるか:vocal・chorus
myu:all instruments・chorus
1.「Approach」 曲・編:myu
2.「箱庭ノート」 詞:霜月はるか 曲・編:myu
3.「コンコルディア」 詞:霜月はるか 曲・編:myu
4.「Starry Waltz」 詞:霜月はるか 曲・編:myu
5.「cycle」 詞:霜月はるか 曲・編:myu
6.「夜の奥底」 詞:霜月はるか 曲・編:myu
7.「透明シェルター~kukui ver.~」 詞・曲・編:myu
8.「虹色クオーツ」 詞:霜月はるか 曲・編:myu
9.「空のメロディ」 詞:霜月はるか 曲・編:myu
10.「記憶」 詞:霜月はるか 曲・編:myu
11.「アマヤドリ」 詞:霜月はるか 曲・編:myu
12.「二重奏」 詞:霜月はるか 曲・編:myu
13.「Little Primrose」 詞:霜月はるか 曲・編:myu
<support musician>
飯室博:guitar
高山一也:guitar
渡辺等:bass
朝川朋之:harp
高桑英世:flute
CHIKAストリングス:strings
小池弘之ストリングス:strings
篠崎正嗣ストリングス:strings
大先生室谷ストリングス:strings
produced by 伊藤善之
engineered by 浅野浩伸・小林敦・守屋勝美・森田信之音
● 癒しボイスとデジアナサウンドがファンタジックな世界観を彩る充実のデビューアルバム
同人音楽界を中心に高い評価を得ていたプログレ打ち込みポップユニットrefioからヴォーカルのriyaがeufonius結成のため脱退、残されたコンポーザーmyuはゲストヴォーカルを迎えながらrefioの看板を守り続けていました。そして2004年アニメ「ローゼンメイデン」のエンディングテーマ「透明シェルター」のヴォーカルに、同人音楽界でカルトな人気を誇るシンガー霜月はるかを迎え成功をおさめたのをきっかけとして、霜月と新たなユニットとして結成されたのがkukuiです。前述の「ローゼンメイデン」シリーズ一連の楽曲にて脚光を浴びたことで、アニメソング界隈でひっぱりだこであるkukuiは2007年にはオリジナルのフルアルバムを制作します。同年には「ローゼンメイデン」楽曲を集めたベスト盤もリリースされましたが、正真正銘のオリジナル作となったのが本作です。
メルヘンチックでかわいらしい色合いも美しいジャケがあらわすように、kukuiの音楽はメルヘンかつファンタジックな世界観で、等身大というよりは心象風景を仮想現実化したような幻想的なサウンドを得意としています。ともすれば難解に感じられるこのサウンドを構築するのは、refio時代からプログレッシブな展開を多用する楽曲を得意とするmyuで、彼女の作風からはストリングスを始めとした生楽器で温かみを持たせつつ、電子音を多用する打ち込みフレーズを入れざるを得ない性分が見え隠れします。しかし一歩間違えば違和感が先立つこの手のサウンドの噛み合わせを見事にナチュラルに融合させていて、楽曲の構築力というか展開力に非常に優れている印象を持たされます。霜月のヴォーカルも現在のアニソン界での主流となりつつある清涼感にあふれたファニーな声質で、これもファンタジー系POPSのスタイルでもある造語で歌うコーラスと共に歌の壁を作り上げています。
このように作り上げられているkukui楽曲は、明るい楽曲はどこまでも喉越し爽やかに、暗めの楽曲は限りなくモヤがかった曇りガラスの装いを呈しながら、これからも緩やかに増殖していくことでしょう。次回作が楽しみです。
<Favorite Songs>
・「箱庭ノート」
kukuiのアップテンポソングらしい軽やかなリズムと緻密なストリングスフレーズが心地良いタイトルチューン。しかしゴージャスな印象は強くなくチープな打ち込みを混ぜ合わせとにかく軽やかに進行する精神的癒しソングです。
・「コンコルディア」
アニメ「神奏曲界ポリフォニカ」ED曲にもなったミディアムバラード。うねりのあるストリングスと癒しボイス(造語コーラス付)は彼女らの得意技であるが、あくまで歌を生かしながら必ず淡い電子的な打ち込みで装飾する音が心憎いです。
・「二重奏」
ディレイ&リバーブによるイントロのシーケンスが幻想感を助長する名曲。シンセ&ストリングスのいつもの構成であるが、この楽曲ではシンセ度がはるかに高く、ラストではチップチューンを思い起こさせるゲーム音で締めるユーモア精神も楽しめます。
<評点>
・サウンド ★★★★ (普遍的になりがちな部分を補う電子音の主張が一際光る)
・メロディ ★★★★ (実験的な構成も垣間見せながら勝負所を知ったフレーズ)
・リズム ★★★ (全編打ち込みながら常に出過ぎずバッキングに徹している)
・曲構成 ★★★ (後半になるにつれてマンネリ化するが緩急に優れる)
・個性 ★★★★ (ファンタジーPOPSとしてeufoniusと並ぶ質の高さ)
総合評点: 9点
kukui

<members>
霜月はるか:vocal・chorus
myu:all instruments・chorus
1.「Approach」 曲・編:myu
2.「箱庭ノート」 詞:霜月はるか 曲・編:myu
3.「コンコルディア」 詞:霜月はるか 曲・編:myu
4.「Starry Waltz」 詞:霜月はるか 曲・編:myu
5.「cycle」 詞:霜月はるか 曲・編:myu
6.「夜の奥底」 詞:霜月はるか 曲・編:myu
7.「透明シェルター~kukui ver.~」 詞・曲・編:myu
8.「虹色クオーツ」 詞:霜月はるか 曲・編:myu
9.「空のメロディ」 詞:霜月はるか 曲・編:myu
10.「記憶」 詞:霜月はるか 曲・編:myu
11.「アマヤドリ」 詞:霜月はるか 曲・編:myu
12.「二重奏」 詞:霜月はるか 曲・編:myu
13.「Little Primrose」 詞:霜月はるか 曲・編:myu
<support musician>
飯室博:guitar
高山一也:guitar
渡辺等:bass
朝川朋之:harp
高桑英世:flute
CHIKAストリングス:strings
小池弘之ストリングス:strings
篠崎正嗣ストリングス:strings
大先生室谷ストリングス:strings
produced by 伊藤善之
engineered by 浅野浩伸・小林敦・守屋勝美・森田信之音
● 癒しボイスとデジアナサウンドがファンタジックな世界観を彩る充実のデビューアルバム
同人音楽界を中心に高い評価を得ていたプログレ打ち込みポップユニットrefioからヴォーカルのriyaがeufonius結成のため脱退、残されたコンポーザーmyuはゲストヴォーカルを迎えながらrefioの看板を守り続けていました。そして2004年アニメ「ローゼンメイデン」のエンディングテーマ「透明シェルター」のヴォーカルに、同人音楽界でカルトな人気を誇るシンガー霜月はるかを迎え成功をおさめたのをきっかけとして、霜月と新たなユニットとして結成されたのがkukuiです。前述の「ローゼンメイデン」シリーズ一連の楽曲にて脚光を浴びたことで、アニメソング界隈でひっぱりだこであるkukuiは2007年にはオリジナルのフルアルバムを制作します。同年には「ローゼンメイデン」楽曲を集めたベスト盤もリリースされましたが、正真正銘のオリジナル作となったのが本作です。
メルヘンチックでかわいらしい色合いも美しいジャケがあらわすように、kukuiの音楽はメルヘンかつファンタジックな世界観で、等身大というよりは心象風景を仮想現実化したような幻想的なサウンドを得意としています。ともすれば難解に感じられるこのサウンドを構築するのは、refio時代からプログレッシブな展開を多用する楽曲を得意とするmyuで、彼女の作風からはストリングスを始めとした生楽器で温かみを持たせつつ、電子音を多用する打ち込みフレーズを入れざるを得ない性分が見え隠れします。しかし一歩間違えば違和感が先立つこの手のサウンドの噛み合わせを見事にナチュラルに融合させていて、楽曲の構築力というか展開力に非常に優れている印象を持たされます。霜月のヴォーカルも現在のアニソン界での主流となりつつある清涼感にあふれたファニーな声質で、これもファンタジー系POPSのスタイルでもある造語で歌うコーラスと共に歌の壁を作り上げています。
このように作り上げられているkukui楽曲は、明るい楽曲はどこまでも喉越し爽やかに、暗めの楽曲は限りなくモヤがかった曇りガラスの装いを呈しながら、これからも緩やかに増殖していくことでしょう。次回作が楽しみです。
<Favorite Songs>
・「箱庭ノート」
kukuiのアップテンポソングらしい軽やかなリズムと緻密なストリングスフレーズが心地良いタイトルチューン。しかしゴージャスな印象は強くなくチープな打ち込みを混ぜ合わせとにかく軽やかに進行する精神的癒しソングです。
・「コンコルディア」
アニメ「神奏曲界ポリフォニカ」ED曲にもなったミディアムバラード。うねりのあるストリングスと癒しボイス(造語コーラス付)は彼女らの得意技であるが、あくまで歌を生かしながら必ず淡い電子的な打ち込みで装飾する音が心憎いです。
・「二重奏」
ディレイ&リバーブによるイントロのシーケンスが幻想感を助長する名曲。シンセ&ストリングスのいつもの構成であるが、この楽曲ではシンセ度がはるかに高く、ラストではチップチューンを思い起こさせるゲーム音で締めるユーモア精神も楽しめます。
<評点>
・サウンド ★★★★ (普遍的になりがちな部分を補う電子音の主張が一際光る)
・メロディ ★★★★ (実験的な構成も垣間見せながら勝負所を知ったフレーズ)
・リズム ★★★ (全編打ち込みながら常に出過ぎずバッキングに徹している)
・曲構成 ★★★ (後半になるにつれてマンネリ化するが緩急に優れる)
・個性 ★★★★ (ファンタジーPOPSとしてeufoniusと並ぶ質の高さ)
総合評点: 9点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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