「THE FURY」 Gary Numan
「THE FURY」(1985 NUMA)
Gary Numan:vocals・keyboards

1.「Call Out The Dogs」 Gary Numan
2.「This Disease」 Gary Numan/Andy Coughlan
3.「Your Fascination」 Gary Numan
4.「Miracles」 Gary Numan
5.「The Pleasure Skin」 Gary Numan
6.「Creatures」 Gary Numan
7.「Tricks」 Gary Numan/Andy Coughlan
8.「God Only Knows」 Gary Numan
9.「I Still Remember」 Gary Numan
<support musician>
Andy Coughlan:bass
Ian Herron:PPG
Mike Smith:PPG・keyboards
Dick Morrissey:sax
Ian Ritchie:sax
Tessa Niles:background vocals
Tracy Ackerman:background vocals
produced by Gary Numan・The Wave Team・Colin Thurston
mixing engineered by Pete Buhlmann・Gary Numan
recording engineered by Pete Buhlmann
● 奇妙で硬質なサウンドで歪みを感じさせるアダルトPPG歌謡と化したNUMA3部作の名盤
84年リリースの「Berserker」から自身のインディーズレーベルNUMAに移ったGary Numanが、当時彼が目指した硬質デジタルファンク路線をさらに押し進めたのが85年リリースの本作です。NUMA移籍以前のフレットレスベースをフィーチャーしたゲリマン流ファンクから、一気にマシナリー化した「Berserker」からさらに進化したデジタルサウンドを聴かせてくれますが、本作では特に音色面での変化が著しく、前作よりもクッキリしたシンセベースとパワフルなドラムサウンドが目立ちます。そしてジャケの蝶ネクタイ真っ白スーツ姿に表れているように、前作の青髪白塗りフェイスのサイバー感覚からアダルトなソウルフル(しかし音は思いっきりデジタル)な作風にややシフトしてきているのも感じられます。そのような変化が功を奏しているアルバムだと言えます。
さて、ブラックテイストの女性コーラスとサックスというアダルトな要素に負けず劣らず主張しているのが、前作でも活躍したIan HerronとMike SmithのWave Teamが創り出すPPG WAVEサウンドです。この作品の全体を覆う硬質ガキゴキなデジタルシンセサウンドは、DX-7等のFM音源全盛の中、存在感を放っていた青いボディの高級Wave Table音源シンセPPG WAVEの力による部分が大きく、随所で聴くことができるデジタルノイジーな不思議音響の存在感は強烈なものがあります。極力グルーヴ感を排したジャストなリズムにこのSE的なストレンジ音色をギミックとして混ぜ合わせるセンスが、本作の最大の特徴であり名盤たらしめているゆえんであると言えるでしょう。次作「Strange Charm」ではよりソウルフルな側面がクローズアップされていくだけに、この時期のデジタル感溢れる作品はTECHNOLOGY POPS的にも見過ごすことのできないのです。
<Favorite Songs>
・「Call Out The Dogs」
オリエントな導入からガキゴキなシーケンスと爆音スネアによる硬質な打ち込みサウンドが光るオープニングナンバー。恐らくNUMA期では最高傑作に値するこの楽曲は、サウンドコラージュを取り入れたドラマティックな展開にテンションが高くなりますが、メロディは相川rズのゲリマン節で、一本筋の通ったサウンドコンセプトを感じさせます。
・「This Disease」
サビのソウルフルなコーラスとサックスが印象的なデジタルファンクナンバー。個人的に気に入っているのは冒頭のノイジー&ストレンジなシンセS.E.的パッドです。あの病的な音色はまさにPPG WAVE。ファンキーな楽曲にエフェクティブなギミックを織り込んだサウンドはカッコいいの一言です。
・「Creatures」
タイトル通り怪物をイメージした冒頭の不思議シンセ音色に驚かされる楽曲。滲むようなシンセパッドに金属的なベースの音色でマシナリー感を前面に出しています。しかしコーラスはどこまでもソウルフルで、Numanのヌメッとした歌との対比も興味深いところです。
<評点>
・サウンド ★★★★★ (PPGによるWave Table音源のシンセサウンドは絶品)
・メロディ ★★ (聴きやすくポップであるが結局いつものゲリマン節)
・リズム ★★★★ (ベース&スネアが常にエフェクティブな硬質音色で好感触)
・曲構成 ★ (ゴリ押し楽曲を楽しめるがラストバラード2曲がしんどい)
・個性 ★★ (言うなればいつものゲリマン節なわけなので)
総合評点: 8点
Gary Numan:vocals・keyboards

1.「Call Out The Dogs」 Gary Numan
2.「This Disease」 Gary Numan/Andy Coughlan
3.「Your Fascination」 Gary Numan
4.「Miracles」 Gary Numan
5.「The Pleasure Skin」 Gary Numan
6.「Creatures」 Gary Numan
7.「Tricks」 Gary Numan/Andy Coughlan
8.「God Only Knows」 Gary Numan
9.「I Still Remember」 Gary Numan
<support musician>
Andy Coughlan:bass
Ian Herron:PPG
Mike Smith:PPG・keyboards
Dick Morrissey:sax
Ian Ritchie:sax
Tessa Niles:background vocals
Tracy Ackerman:background vocals
produced by Gary Numan・The Wave Team・Colin Thurston
mixing engineered by Pete Buhlmann・Gary Numan
recording engineered by Pete Buhlmann
● 奇妙で硬質なサウンドで歪みを感じさせるアダルトPPG歌謡と化したNUMA3部作の名盤
84年リリースの「Berserker」から自身のインディーズレーベルNUMAに移ったGary Numanが、当時彼が目指した硬質デジタルファンク路線をさらに押し進めたのが85年リリースの本作です。NUMA移籍以前のフレットレスベースをフィーチャーしたゲリマン流ファンクから、一気にマシナリー化した「Berserker」からさらに進化したデジタルサウンドを聴かせてくれますが、本作では特に音色面での変化が著しく、前作よりもクッキリしたシンセベースとパワフルなドラムサウンドが目立ちます。そしてジャケの蝶ネクタイ真っ白スーツ姿に表れているように、前作の青髪白塗りフェイスのサイバー感覚からアダルトなソウルフル(しかし音は思いっきりデジタル)な作風にややシフトしてきているのも感じられます。そのような変化が功を奏しているアルバムだと言えます。
さて、ブラックテイストの女性コーラスとサックスというアダルトな要素に負けず劣らず主張しているのが、前作でも活躍したIan HerronとMike SmithのWave Teamが創り出すPPG WAVEサウンドです。この作品の全体を覆う硬質ガキゴキなデジタルシンセサウンドは、DX-7等のFM音源全盛の中、存在感を放っていた青いボディの高級Wave Table音源シンセPPG WAVEの力による部分が大きく、随所で聴くことができるデジタルノイジーな不思議音響の存在感は強烈なものがあります。極力グルーヴ感を排したジャストなリズムにこのSE的なストレンジ音色をギミックとして混ぜ合わせるセンスが、本作の最大の特徴であり名盤たらしめているゆえんであると言えるでしょう。次作「Strange Charm」ではよりソウルフルな側面がクローズアップされていくだけに、この時期のデジタル感溢れる作品はTECHNOLOGY POPS的にも見過ごすことのできないのです。
<Favorite Songs>
・「Call Out The Dogs」
オリエントな導入からガキゴキなシーケンスと爆音スネアによる硬質な打ち込みサウンドが光るオープニングナンバー。恐らくNUMA期では最高傑作に値するこの楽曲は、サウンドコラージュを取り入れたドラマティックな展開にテンションが高くなりますが、メロディは相川rズのゲリマン節で、一本筋の通ったサウンドコンセプトを感じさせます。
・「This Disease」
サビのソウルフルなコーラスとサックスが印象的なデジタルファンクナンバー。個人的に気に入っているのは冒頭のノイジー&ストレンジなシンセS.E.的パッドです。あの病的な音色はまさにPPG WAVE。ファンキーな楽曲にエフェクティブなギミックを織り込んだサウンドはカッコいいの一言です。
・「Creatures」
タイトル通り怪物をイメージした冒頭の不思議シンセ音色に驚かされる楽曲。滲むようなシンセパッドに金属的なベースの音色でマシナリー感を前面に出しています。しかしコーラスはどこまでもソウルフルで、Numanのヌメッとした歌との対比も興味深いところです。
<評点>
・サウンド ★★★★★ (PPGによるWave Table音源のシンセサウンドは絶品)
・メロディ ★★ (聴きやすくポップであるが結局いつものゲリマン節)
・リズム ★★★★ (ベース&スネアが常にエフェクティブな硬質音色で好感触)
・曲構成 ★ (ゴリ押し楽曲を楽しめるがラストバラード2曲がしんどい)
・個性 ★★ (言うなればいつものゲリマン節なわけなので)
総合評点: 8点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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