「HALO」 HALO
「HALO」(1990 アルファ)
HALO

<members>
福岡ユタカ:voice・guitar・keyboards・computer programming
矢壁アツノブ:drums・computer programming・voice
1.「SUSPECT」 詞:来生えつこ 曲:福岡ユタカ 編:HALO & FRIENDS
2.「HOLY STAR」 詞:矢壁アツノブ 曲:福岡ユタカ 編:HALO & FRIENDS
3.「EARTH」 詞:吉田美奈子 曲:福岡ユタカ 編:HALO & FRIENDS
4.「IN RAIN」 詞:来生えつこ 曲:福岡ユタカ 編:HALO & FRIENDS
5.「TIME & GRACE, TIDE & GROUND」
詞:吉田美奈子 曲:福岡ユタカ 編:HALO & FRIENDS
6.「ILLIAN」 詞・曲:福岡ユタカ 編:HALO & FRIENDS
7.「NEVER ENDING STORY」 詞・曲:福岡ユタカ 編:HALO & FRIENDS
8.「BIG MONDAY」 詞:矢壁アツノブ 曲:福岡ユタカ 編:HALO & FRIENDS
9.「AMENITY」 詞・曲:福岡ユタカ 編:HALO & FRIENDS
10.「AMANA」 詞:金原瑞人 曲:福岡ユタカ 編:HALO & FRIENDS
<support musician>
窪田晴男:guitars
逆井オサム:guitars
MECKEN:bass
武石務:bass
清水一登:acoustic piano・clarinet
BANANA:keyboards・steel drums
蓜島邦明:keyboards
おおたか静流:voice
produced by HALO・佐々馨
mixing engineered by Bruce Miller
recording engineered by 小池光夫・早乙女正雄・KONIYAN
● PINK解散後さらにAOR色が濃いアダルトシンセポップを目指したユニットデビュー盤
80年代を代表するスーパー技巧派ロックバンド、PINKが空中分解した後、バンドの3つの柱のうち、ベースの岡野ハジメはSALON MUSICの吉田仁とのQUADRAPHONICSやプロデュース業、ホッピー神山は下山淳とのRAELやソロ活動へ移っていきましたが、ヴォーカル&コンポーザーの福岡ユタカはドラムの矢壁アツノブとHALOというユニットを結成します。HALOはアルファレコードに新たに立ち上げられたレーベルZaZaから第1弾のリリースとして本作をリリースしますが、岡野やホッピーがいないためサウンドの肉感には欠けるものの逆に福岡のメロディセンスを際立たせており、PINKのミディアムテンポの楽曲を進化させたような隙のない楽曲、そしてPINKのロック色を抜きデジタルファンクな側面を強調した楽曲が並び、福岡も持ち前のエスニックなヴォーカルを駆使して、独特のよく伸びる声質と天性のリズム感で作品に躍動感を与えています。
前述したように、本作は大きく分けて2つの側面を持った作品になっていますが、前半と後半でその色がくっきり分かれています。前半はゆったりめのAOR的な楽曲でヴォーカルを目立たせ、後半はキレのあるシンセサウンドを駆使した跳ねるリズムをフィーチャーしています。しかし全体的には福岡の創り出す無国籍感漂う個性的なメロディであり、PINKというバンドの枷がなくなったことからそのセンスを全開させている印象を受けます。もちろんお得意の造語フェイクも存分に披露され、「EARTH」や「IN RAIN」のような渋めの曲から「ILLIAN」「AMANA」といった民族POPSに至るまで、日本では追随の許さない個性的なヴォーカル力を見せつけています。そしてやはりこうしたクセのあるPOPSのシンセサウンドを支える随一の職人、BANANAこと川島裕二がこの作品でも(特に後半)強烈なシンセフレーズを連発して作品に華を添えています(彼は矢壁とはユニット、Drum Tracksで活動していたこともあり、また自身のユニットUPLMでもHALOの2人を起用し、関係が深い)。
このように1stにしてここまで完成度の高い作品を残した彼らですが、1年も立たないうちに勢いを買って2ndをリリース、そしてあっという間に活動を休止してしまう短命のユニットとなってしまいました。
<Favorite Songs>
・「NEVER ENDING STORY」
PINK末期にも見られた跳ねるシンセベースを使用したデジファンク調の楽曲。BANANAのシンセブラスのキレが尋常ではなく、その躍動感たるやこれぞダンサブルといった趣です。実はパンやリバーブを効果的に使い音響的な部分でも凝った楽曲で、ラストのホーミーエンドも異色です。
・「BIG MONDAY」
本作中最もポップかつ凝りに凝りまくったダンサブルな名曲。素晴らしいリズム感と伸び過ぎるほど良く伸びる福岡のヴォーカルを支えるバックトラックが秀逸の一言で、シンセの音色や前曲と打って変わった生ベースを含んだ跳ねるリズム隊、Bメロのスペーシーなサウンドなど非の打ち所のない構成に脱帽です。
・「AMENITY」
作品中後半に連続する怒濤のダンサブルナンバーの中でも最もスピード感のある楽曲。MECKENのスラップベースのフレーズがかっこ良過ぎます。もちろんそのスピード感に任せた窪田晴男のギター、計算され尽くしたBANANAのシンセワーク、そんなサウンドにしっかりエスニックコーラスを乗せてくるところも個性抜群です。
<評点>
・サウンド ★★★★★(ヴォーカル力、シンセサウンドの質、総合的にハイレベル)
・メロディ ★★★★★(PINKを支えてきた福岡のメロディセンスがさらに開花)
・リズム ★★★★★(民族っぽいリズムやデジファンクな楽曲のノリが凄まじい)
・曲構成 ★★★★ (緩めの曲とアップテンポの曲を分散した方が個人的には好み)
・個性 ★★★★★(福岡ユタカでしかなし得ないエスニックデジファンクに脱帽)
総合評点: 10点
HALO

<members>
福岡ユタカ:voice・guitar・keyboards・computer programming
矢壁アツノブ:drums・computer programming・voice
1.「SUSPECT」 詞:来生えつこ 曲:福岡ユタカ 編:HALO & FRIENDS
2.「HOLY STAR」 詞:矢壁アツノブ 曲:福岡ユタカ 編:HALO & FRIENDS
3.「EARTH」 詞:吉田美奈子 曲:福岡ユタカ 編:HALO & FRIENDS
4.「IN RAIN」 詞:来生えつこ 曲:福岡ユタカ 編:HALO & FRIENDS
5.「TIME & GRACE, TIDE & GROUND」
詞:吉田美奈子 曲:福岡ユタカ 編:HALO & FRIENDS
6.「ILLIAN」 詞・曲:福岡ユタカ 編:HALO & FRIENDS
7.「NEVER ENDING STORY」 詞・曲:福岡ユタカ 編:HALO & FRIENDS
8.「BIG MONDAY」 詞:矢壁アツノブ 曲:福岡ユタカ 編:HALO & FRIENDS
9.「AMENITY」 詞・曲:福岡ユタカ 編:HALO & FRIENDS
10.「AMANA」 詞:金原瑞人 曲:福岡ユタカ 編:HALO & FRIENDS
<support musician>
窪田晴男:guitars
逆井オサム:guitars
MECKEN:bass
武石務:bass
清水一登:acoustic piano・clarinet
BANANA:keyboards・steel drums
蓜島邦明:keyboards
おおたか静流:voice
produced by HALO・佐々馨
mixing engineered by Bruce Miller
recording engineered by 小池光夫・早乙女正雄・KONIYAN
● PINK解散後さらにAOR色が濃いアダルトシンセポップを目指したユニットデビュー盤
80年代を代表するスーパー技巧派ロックバンド、PINKが空中分解した後、バンドの3つの柱のうち、ベースの岡野ハジメはSALON MUSICの吉田仁とのQUADRAPHONICSやプロデュース業、ホッピー神山は下山淳とのRAELやソロ活動へ移っていきましたが、ヴォーカル&コンポーザーの福岡ユタカはドラムの矢壁アツノブとHALOというユニットを結成します。HALOはアルファレコードに新たに立ち上げられたレーベルZaZaから第1弾のリリースとして本作をリリースしますが、岡野やホッピーがいないためサウンドの肉感には欠けるものの逆に福岡のメロディセンスを際立たせており、PINKのミディアムテンポの楽曲を進化させたような隙のない楽曲、そしてPINKのロック色を抜きデジタルファンクな側面を強調した楽曲が並び、福岡も持ち前のエスニックなヴォーカルを駆使して、独特のよく伸びる声質と天性のリズム感で作品に躍動感を与えています。
前述したように、本作は大きく分けて2つの側面を持った作品になっていますが、前半と後半でその色がくっきり分かれています。前半はゆったりめのAOR的な楽曲でヴォーカルを目立たせ、後半はキレのあるシンセサウンドを駆使した跳ねるリズムをフィーチャーしています。しかし全体的には福岡の創り出す無国籍感漂う個性的なメロディであり、PINKというバンドの枷がなくなったことからそのセンスを全開させている印象を受けます。もちろんお得意の造語フェイクも存分に披露され、「EARTH」や「IN RAIN」のような渋めの曲から「ILLIAN」「AMANA」といった民族POPSに至るまで、日本では追随の許さない個性的なヴォーカル力を見せつけています。そしてやはりこうしたクセのあるPOPSのシンセサウンドを支える随一の職人、BANANAこと川島裕二がこの作品でも(特に後半)強烈なシンセフレーズを連発して作品に華を添えています(彼は矢壁とはユニット、Drum Tracksで活動していたこともあり、また自身のユニットUPLMでもHALOの2人を起用し、関係が深い)。
このように1stにしてここまで完成度の高い作品を残した彼らですが、1年も立たないうちに勢いを買って2ndをリリース、そしてあっという間に活動を休止してしまう短命のユニットとなってしまいました。
<Favorite Songs>
・「NEVER ENDING STORY」
PINK末期にも見られた跳ねるシンセベースを使用したデジファンク調の楽曲。BANANAのシンセブラスのキレが尋常ではなく、その躍動感たるやこれぞダンサブルといった趣です。実はパンやリバーブを効果的に使い音響的な部分でも凝った楽曲で、ラストのホーミーエンドも異色です。
・「BIG MONDAY」
本作中最もポップかつ凝りに凝りまくったダンサブルな名曲。素晴らしいリズム感と伸び過ぎるほど良く伸びる福岡のヴォーカルを支えるバックトラックが秀逸の一言で、シンセの音色や前曲と打って変わった生ベースを含んだ跳ねるリズム隊、Bメロのスペーシーなサウンドなど非の打ち所のない構成に脱帽です。
・「AMENITY」
作品中後半に連続する怒濤のダンサブルナンバーの中でも最もスピード感のある楽曲。MECKENのスラップベースのフレーズがかっこ良過ぎます。もちろんそのスピード感に任せた窪田晴男のギター、計算され尽くしたBANANAのシンセワーク、そんなサウンドにしっかりエスニックコーラスを乗せてくるところも個性抜群です。
<評点>
・サウンド ★★★★★(ヴォーカル力、シンセサウンドの質、総合的にハイレベル)
・メロディ ★★★★★(PINKを支えてきた福岡のメロディセンスがさらに開花)
・リズム ★★★★★(民族っぽいリズムやデジファンクな楽曲のノリが凄まじい)
・曲構成 ★★★★ (緩めの曲とアップテンポの曲を分散した方が個人的には好み)
・個性 ★★★★★(福岡ユタカでしかなし得ないエスニックデジファンクに脱帽)
総合評点: 10点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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