「空飛ぶ密室哲学 II 地の巻」 岡野晶
「空飛ぶ密室哲学 II 地の巻」(2007 Hu-Kenkoh STUDIO)
岡野晶:vocal・computers・all instruments

1.「オーバーチュア」 詞・曲・編:岡野晶
2.「夢見る8ビート」 詞・曲・編:岡野晶
3.「S38.4.3」 詞・曲・編:岡野晶
4.「浮気なロメオ」 詞・曲・編:岡野晶
5.「ハニーB」 詞・曲・編:岡野晶
6.「ハートビート」 詞・曲・編:岡野晶
7.「11月」 詞・曲・編:岡野晶
8.「黒蜥蜴」 詞・曲・編:岡野晶
9.「ノクターン」 詞・曲・編:岡野晶
10.「くたばれ!ディスコティック」 詞・曲・編:岡野晶
11.「ガールフレンド」 詞・曲・編:岡野晶
12.「rainy」 詞・曲・編:岡野晶
<support musician>
山田ヤーソ裕:guitar solo
源代恭子:chorus
早川綾:chorus
produced by 岡野晶
engineered by 岡野晶
● 80's的渋味かつ情念溢れるAOR POPSを繰り広げる宅録ソロ3部作最終章
オカノフリーク~33と経て、アルバム「密室哲学」でソロ活動を開始した関西屈指のアマチュアコンポーザー岡野晶は、引き続き密室哲学シリーズと称して2枚に分けて「空飛ぶ密室哲学 I 天の巻」「空飛ぶ密室哲学 II 地の巻」をリリースします。12曲という決して少なくない曲数のアルバムを1年に2回リリースするという楽曲を生み出すペースもさることながら、この2007年はライブも頻繁にこなし、その精力的な活動は目を見張るものがありました。しかしながら、「空飛ぶ密室哲学 I 天の巻」は前作路線を踏襲しながら少々作風がくどいという個人的な印象もありました。しかし後半にあたる本作では、オカノフリークにて培われた実験性とポップ性が甦り、楽曲の粒が立ってきた印象を受けました。
本作におけるキラーチューン扱いと思われる「夢見る8ビート」「くたばれ!ディスコティック」のようなダンス&ポップな楽曲ではオカノフリークを彷佛とさせるメロディセンスをちらつかせ、「11月」「黒蜥蜴」のように昭和的歌謡アレンジ路線も奇をてらうことなく平然とこなす幅広さを持ち合わせているところにはいつも感心させられます。そうかと思えば「ハニーB」「ハートビート」といったエレクトロな作風でサウンドフリークをも唸らせるこだわりをも持っています。ある種雑然としながらもその守備範囲の広さが彼の長所と言えるのではないでしょうか。そしてラストの「rainy」。この楽曲が本作を名盤たらしめる感傷的なバラードで、数々の名曲を生み出してきた彼のメロディメーカーとしての真価が発揮された逸品です。まさに「密室哲学」シリーズのラストを飾るにふさわしい名曲と言えるでしょう。
それにしても岡野氏のアルバムは一般流通に乗らないため、主にライブ会場でしか手に入らないことが多いので、ぜひ「らいよんちゃん」(岡野氏が声を担当)の威を借りてでも結構なので、amazonとかでも手に入れることができると嬉しいのですが。
<Favorite Songs>
・「夢見る8ビート」
お得意の打ち込みオーケストレーションにボコーダーを多用したメジャー調のサビが印象的なダンスビートナンバー。冒頭のほのぼのとしたやりとりも微笑ましいが、何よりポップ性抜群の構成はさすがのオカノメロディです。カウントアップで曲を支配するセンスも素晴らしい。
・「ハートビート」
細かいシーケンスとボコーダーやサンプラーを駆使した高速リズムの実験的作風の楽曲。こうした楽曲をアルバムに収録できるのも彼の才能がなせる業であると思います。サビに代表されるお得意のシンセパッドの響きはこの曲調と思わぬ調和を見せています。
・「rainy」
ラストにふさわしい夜明けの朝日を感じさせる名バラード。切ない歌詞と切ないギターソロ、切ないコード進行と切なさ三段がまえの構成がまぶしいです。メロディは2つのフレーズの繰り返しなのに非常に完成度の高さを感じさせる、シンプルイズベストな楽曲です。
<評点>
・サウンド ★★★ (打ち込み主体ながらあくまでPOPSとして成立させている)
・メロディ ★★★ (メロディセンスに久しぶりに冴えを見せた)
・リズム ★★ (打ち込みのためか軽い音色に終始している印象)
・曲構成 ★★ (天の巻と合わせて10曲にまとめても良かったかも)
・個性 ★★ (雑然とした感じも含めてソロとしての作風は確立したか)
総合評点: 7点
岡野晶:vocal・computers・all instruments

1.「オーバーチュア」 詞・曲・編:岡野晶
2.「夢見る8ビート」 詞・曲・編:岡野晶
3.「S38.4.3」 詞・曲・編:岡野晶
4.「浮気なロメオ」 詞・曲・編:岡野晶
5.「ハニーB」 詞・曲・編:岡野晶
6.「ハートビート」 詞・曲・編:岡野晶
7.「11月」 詞・曲・編:岡野晶
8.「黒蜥蜴」 詞・曲・編:岡野晶
9.「ノクターン」 詞・曲・編:岡野晶
10.「くたばれ!ディスコティック」 詞・曲・編:岡野晶
11.「ガールフレンド」 詞・曲・編:岡野晶
12.「rainy」 詞・曲・編:岡野晶
<support musician>
山田ヤーソ裕:guitar solo
源代恭子:chorus
早川綾:chorus
produced by 岡野晶
engineered by 岡野晶
● 80's的渋味かつ情念溢れるAOR POPSを繰り広げる宅録ソロ3部作最終章
オカノフリーク~33と経て、アルバム「密室哲学」でソロ活動を開始した関西屈指のアマチュアコンポーザー岡野晶は、引き続き密室哲学シリーズと称して2枚に分けて「空飛ぶ密室哲学 I 天の巻」「空飛ぶ密室哲学 II 地の巻」をリリースします。12曲という決して少なくない曲数のアルバムを1年に2回リリースするという楽曲を生み出すペースもさることながら、この2007年はライブも頻繁にこなし、その精力的な活動は目を見張るものがありました。しかしながら、「空飛ぶ密室哲学 I 天の巻」は前作路線を踏襲しながら少々作風がくどいという個人的な印象もありました。しかし後半にあたる本作では、オカノフリークにて培われた実験性とポップ性が甦り、楽曲の粒が立ってきた印象を受けました。
本作におけるキラーチューン扱いと思われる「夢見る8ビート」「くたばれ!ディスコティック」のようなダンス&ポップな楽曲ではオカノフリークを彷佛とさせるメロディセンスをちらつかせ、「11月」「黒蜥蜴」のように昭和的歌謡アレンジ路線も奇をてらうことなく平然とこなす幅広さを持ち合わせているところにはいつも感心させられます。そうかと思えば「ハニーB」「ハートビート」といったエレクトロな作風でサウンドフリークをも唸らせるこだわりをも持っています。ある種雑然としながらもその守備範囲の広さが彼の長所と言えるのではないでしょうか。そしてラストの「rainy」。この楽曲が本作を名盤たらしめる感傷的なバラードで、数々の名曲を生み出してきた彼のメロディメーカーとしての真価が発揮された逸品です。まさに「密室哲学」シリーズのラストを飾るにふさわしい名曲と言えるでしょう。
それにしても岡野氏のアルバムは一般流通に乗らないため、主にライブ会場でしか手に入らないことが多いので、ぜひ「らいよんちゃん」(岡野氏が声を担当)の威を借りてでも結構なので、amazonとかでも手に入れることができると嬉しいのですが。
<Favorite Songs>
・「夢見る8ビート」
お得意の打ち込みオーケストレーションにボコーダーを多用したメジャー調のサビが印象的なダンスビートナンバー。冒頭のほのぼのとしたやりとりも微笑ましいが、何よりポップ性抜群の構成はさすがのオカノメロディです。カウントアップで曲を支配するセンスも素晴らしい。
・「ハートビート」
細かいシーケンスとボコーダーやサンプラーを駆使した高速リズムの実験的作風の楽曲。こうした楽曲をアルバムに収録できるのも彼の才能がなせる業であると思います。サビに代表されるお得意のシンセパッドの響きはこの曲調と思わぬ調和を見せています。
・「rainy」
ラストにふさわしい夜明けの朝日を感じさせる名バラード。切ない歌詞と切ないギターソロ、切ないコード進行と切なさ三段がまえの構成がまぶしいです。メロディは2つのフレーズの繰り返しなのに非常に完成度の高さを感じさせる、シンプルイズベストな楽曲です。
<評点>
・サウンド ★★★ (打ち込み主体ながらあくまでPOPSとして成立させている)
・メロディ ★★★ (メロディセンスに久しぶりに冴えを見せた)
・リズム ★★ (打ち込みのためか軽い音色に終始している印象)
・曲構成 ★★ (天の巻と合わせて10曲にまとめても良かったかも)
・個性 ★★ (雑然とした感じも含めてソロとしての作風は確立したか)
総合評点: 7点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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