「DON'T TRUST OVER THIRTY」 MOON RIDERS
「DON'T TRUST OVER THIRTY」(1986 ポニーキャニオン)
MOON RIDERS

<members>
鈴木慶一:vocal・guitar・blues harp・backing vocals
白井良明:vocal・guitar・charango・bass・backing vocals
橿渕哲郎:tambourine・cymbal
鈴木博文:vocal・guitar・bass・backing vocals
岡田徹:vocal・keyboards・backing vocals
武川雅寛:vocal・violin・trumpet・backing vocals
1.「CLINIKA」 曲:かしぶち哲郎 編:MOON RIDERS
2.「9月の海はクラゲの海」 詞:サエキけんぞう 曲:岡田徹 編:MOON RIDERS
3.「超C調」 詞・曲:白井良明 編:MOON RIDERS
4.「だるい人」 詞:蛭子能収 曲:E.D Morrison 編:MOON RIDERS
5.「マニアの受難」 詞・曲:鈴木慶一 編:MOON RIDERS
6.「DON'T TRUST ANYONE OVER 30」
詞:鈴木博文 曲:E.D Morrison 編:MOON RIDERS
7.「ボクハナク」 詞・曲:鈴木博文 編:MOON RIDERS
8.「A FROZEN GIRL, A BOY IN LOVE」
詞:滋田みかよ 曲:武川雅寛 編:MOON RIDERS
9.「何だ?この、ユーウツは!!」
詞:鈴木慶一・鈴木博文 曲:E.D Morrison 編:MOON RIDERS
<support musician>
滋田みかよ:vocal
宙也:vocal
直枝政太郎:vocal・backing vocals
安部王子:digital 12st. Rickenbacker・backing vocals
DARIE:backing vocals
後藤チカコ:backing vocals
渋川ナオミ:backing vocals
鈴木智文:backing vocals
野宮真貴:backing vocals
堀田テツヤ:backing vocals
本間哲子:backing vocals
土岐幸男:computer operation (PPG 2.3 wave term system)
入江カン:synclavier operation
松本賢:synclavier operation
produced by MOON RIDERS
mixing engineered by 田中信一・山口州治・飯尾芳史・河野英之
recording engineered by 河野英之・林雅之・赤川新一・原口宏
● 分業に拍車がかかりつつPOPさの影に狂気がうごめく30代のロックアルバム
80年代の電子楽器の本格的導入によってニューウェーブサウンドが板についてきた80年代中期のMOON RIDERS。「アマチュア・アカデミー」「ANIMAL INDEX」といったマシナリーなサウンドを持ち合わせたアルバムをリリースした後、10周年記念ということでまさに集大成的作品を目指したのが本作「DON'T TRUST OVER THIRTY」です。タイトルから見てもかなり挑戦的であることが読み取れますが、彼ららしい「ひねり」を効かせたエッセンスを忍ばせつつ、それでいてポップな作風に見事に仕立て上げています。常にサウンド面においては実験性を取り入れマニアックかつ緻密な音を構築する彼らですが、やはり根っこはロックミュージシャンであり、POPSミュージシャンです。その証拠にアルバムの中には必ずシングルカットできるようなわかりやすいキラーチューンを当然のように入れてくる幅広い音楽性を披露しています。さすが伊達に芸歴が長くはないのです。
80年代の彼らの特徴でもありますが、1人1人がサウンドクリエイターとしての実力を確立しているので、楽曲それぞれを分業で仕上げていくといった手法がとられているようです。それゆえにそれぞれの楽曲に作曲者の個性が目立っている印象です。とはいえ、今回のテーマに沿って1本筋の通ったコンセプトを含んでいる気がしてならないほどの統一感が感じられます。サウンド面においては、前作からの流れを引き継いで打ち込み度はそのままに、さらに本作では特に「超C調」に代表されるサンプリングされた声のピッチを変調させる技の多用が目立ちます。現在こそAuto Tuneに代表される声のピッチ補正が全盛ですが、このアルバムではピッチ補正をあえてヘタウマに、機械的なニュアンスとして利用しているアイデアのもと利用している感があります。まだまだピッチ補正技術が不完全な時代だからこその産物かもしれませんが、現在のピッチ補正された歌の先駆と言ってもよいのではないかと思います。
本作以後、しばらくMOON RIDERSは休養に入りますが、90年代にハウスのリズムを従えて再び元気に復活することになります。
<Favorite Songs>
・「超C調」
ボイス変調したサンプリングボイスを細かくつなぎ合わせたストレンジな楽曲です。当時サンプラーに凝っていたと思われる白井良明の鬼才アレンジが炸裂しています。声だけでなく底で蠢いているようなモコモコしたシンセ音色も、さらに不思議度を増しています。
・「マニアの受難」
タイトル通り非常にマニアックで狂った展開を見せる問題作にして名作。Aメロからボイス変調全開でただものでない印象を植え付け、変調が激しくなるにつれてギターも呼応していななき始めるという、狂乱の世界を見せつけています。後半の混声コーラスや締めの子供ボイスも唐突で、さらに狂気度を駆り立てています。
・「DON'T TRUST ANYONE OVER 30」
打ち込みによる重厚なリズムが支配する気合いの入ったタイトルチューン。さすがに覚えやすいサビの掛け合いは見事ですが、間奏のギターソロからの鈴木慶一の一歩間違えると狂気かつ渾身のフェイクは(元からそうですが)圧巻です。
<評点>
・サウンド ★★★★ (ポップな曲調ながらボイス変調などの実験的サウンドを多用)
・メロディ ★★ (覚えやすい曲と実験曲と地味な曲と波が激しい)
・リズム ★★ (打ち込みリズムの音色はコクがあるが、少々単調かも)
・曲構成 ★★ (曲数が少ないのに加えて前半に比べて後半の印象が薄い)
・個性 ★★ (白井良明等個人の力量は発揮されたがバンドとしては・・)
総合評点: 7点
MOON RIDERS

<members>
鈴木慶一:vocal・guitar・blues harp・backing vocals
白井良明:vocal・guitar・charango・bass・backing vocals
橿渕哲郎:tambourine・cymbal
鈴木博文:vocal・guitar・bass・backing vocals
岡田徹:vocal・keyboards・backing vocals
武川雅寛:vocal・violin・trumpet・backing vocals
1.「CLINIKA」 曲:かしぶち哲郎 編:MOON RIDERS
2.「9月の海はクラゲの海」 詞:サエキけんぞう 曲:岡田徹 編:MOON RIDERS
3.「超C調」 詞・曲:白井良明 編:MOON RIDERS
4.「だるい人」 詞:蛭子能収 曲:E.D Morrison 編:MOON RIDERS
5.「マニアの受難」 詞・曲:鈴木慶一 編:MOON RIDERS
6.「DON'T TRUST ANYONE OVER 30」
詞:鈴木博文 曲:E.D Morrison 編:MOON RIDERS
7.「ボクハナク」 詞・曲:鈴木博文 編:MOON RIDERS
8.「A FROZEN GIRL, A BOY IN LOVE」
詞:滋田みかよ 曲:武川雅寛 編:MOON RIDERS
9.「何だ?この、ユーウツは!!」
詞:鈴木慶一・鈴木博文 曲:E.D Morrison 編:MOON RIDERS
<support musician>
滋田みかよ:vocal
宙也:vocal
直枝政太郎:vocal・backing vocals
安部王子:digital 12st. Rickenbacker・backing vocals
DARIE:backing vocals
後藤チカコ:backing vocals
渋川ナオミ:backing vocals
鈴木智文:backing vocals
野宮真貴:backing vocals
堀田テツヤ:backing vocals
本間哲子:backing vocals
土岐幸男:computer operation (PPG 2.3 wave term system)
入江カン:synclavier operation
松本賢:synclavier operation
produced by MOON RIDERS
mixing engineered by 田中信一・山口州治・飯尾芳史・河野英之
recording engineered by 河野英之・林雅之・赤川新一・原口宏
● 分業に拍車がかかりつつPOPさの影に狂気がうごめく30代のロックアルバム
80年代の電子楽器の本格的導入によってニューウェーブサウンドが板についてきた80年代中期のMOON RIDERS。「アマチュア・アカデミー」「ANIMAL INDEX」といったマシナリーなサウンドを持ち合わせたアルバムをリリースした後、10周年記念ということでまさに集大成的作品を目指したのが本作「DON'T TRUST OVER THIRTY」です。タイトルから見てもかなり挑戦的であることが読み取れますが、彼ららしい「ひねり」を効かせたエッセンスを忍ばせつつ、それでいてポップな作風に見事に仕立て上げています。常にサウンド面においては実験性を取り入れマニアックかつ緻密な音を構築する彼らですが、やはり根っこはロックミュージシャンであり、POPSミュージシャンです。その証拠にアルバムの中には必ずシングルカットできるようなわかりやすいキラーチューンを当然のように入れてくる幅広い音楽性を披露しています。さすが伊達に芸歴が長くはないのです。
80年代の彼らの特徴でもありますが、1人1人がサウンドクリエイターとしての実力を確立しているので、楽曲それぞれを分業で仕上げていくといった手法がとられているようです。それゆえにそれぞれの楽曲に作曲者の個性が目立っている印象です。とはいえ、今回のテーマに沿って1本筋の通ったコンセプトを含んでいる気がしてならないほどの統一感が感じられます。サウンド面においては、前作からの流れを引き継いで打ち込み度はそのままに、さらに本作では特に「超C調」に代表されるサンプリングされた声のピッチを変調させる技の多用が目立ちます。現在こそAuto Tuneに代表される声のピッチ補正が全盛ですが、このアルバムではピッチ補正をあえてヘタウマに、機械的なニュアンスとして利用しているアイデアのもと利用している感があります。まだまだピッチ補正技術が不完全な時代だからこその産物かもしれませんが、現在のピッチ補正された歌の先駆と言ってもよいのではないかと思います。
本作以後、しばらくMOON RIDERSは休養に入りますが、90年代にハウスのリズムを従えて再び元気に復活することになります。
<Favorite Songs>
・「超C調」
ボイス変調したサンプリングボイスを細かくつなぎ合わせたストレンジな楽曲です。当時サンプラーに凝っていたと思われる白井良明の鬼才アレンジが炸裂しています。声だけでなく底で蠢いているようなモコモコしたシンセ音色も、さらに不思議度を増しています。
・「マニアの受難」
タイトル通り非常にマニアックで狂った展開を見せる問題作にして名作。Aメロからボイス変調全開でただものでない印象を植え付け、変調が激しくなるにつれてギターも呼応していななき始めるという、狂乱の世界を見せつけています。後半の混声コーラスや締めの子供ボイスも唐突で、さらに狂気度を駆り立てています。
・「DON'T TRUST ANYONE OVER 30」
打ち込みによる重厚なリズムが支配する気合いの入ったタイトルチューン。さすがに覚えやすいサビの掛け合いは見事ですが、間奏のギターソロからの鈴木慶一の一歩間違えると狂気かつ渾身のフェイクは(元からそうですが)圧巻です。
<評点>
・サウンド ★★★★ (ポップな曲調ながらボイス変調などの実験的サウンドを多用)
・メロディ ★★ (覚えやすい曲と実験曲と地味な曲と波が激しい)
・リズム ★★ (打ち込みリズムの音色はコクがあるが、少々単調かも)
・曲構成 ★★ (曲数が少ないのに加えて前半に比べて後半の印象が薄い)
・個性 ★★ (白井良明等個人の力量は発揮されたがバンドとしては・・)
総合評点: 7点
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テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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