「realizing-living」 SAJU
「realizing-living」 (1998 コロムビア)
SAJU:vocals

1.「AIYA-LEIYA」 詞:SAJU 曲:小川弘・黒沢永紀・SAJU 編:小川弘・黒沢永紀
2.「JING LING」 詞:SAJU 曲・編:蓜島邦明
3.「STILL SEARCHIN'」 詞:SAJU 曲・編:福岡ユタカ
4.「FURUSATO」
詞:高野辰之(訳詞:Jia Ding) 曲:岡野貞一 編:小川弘・黒沢永紀
5.「ILLUSION」 詞:Jazz Chen 曲・編:福岡ユタカ
6.「LOVE IN VAIN」
詞:SAJU 曲:小川弘・黒沢永紀 編:小川弘・黒沢永紀・SAJU
7.「CHRISTMAS EVE」 詞:Chen Tao 曲・編:蓜島邦明
8.「ONLY」 詞:SAJU 曲・編:福岡ユタカ
9.「OUR EYES」 詞:SAJU 曲・編:蓜島邦明
10.「THE HAZY MOUNTAIN」 詞:Chen Tao 曲・編:蓜島邦明
<support musician>
鬼怒無月:electric guitar
MECKEN:bass
Whacho:percussion
Dennis Gun:voice
小川弘:computer programming
黒沢永紀:computer programming
蓜島邦明:computer programming
福岡ユタカ:computer programming・keyboard
produced by 福岡ユタカ・蓜島邦明・MASTERMIND
engineered by 岡部潔・沖津徹・MASTERMIND
● 電脳中華歌姫光臨!3組の個性派クリエイターが奏でるアジアンテクノサウンドが堪能できる話題作
中国人歌手であるSAJUは90年代に日本に来日し、97年アルバム「Saju」でデビュー。福岡ユタカ全面プロデュースのこの1stアルバムは、彼女の歌唱力を生かしつつどこか歌謡曲的な色合いも残す発展途上的な作品でしたが、次作「missing」では引き続き福岡のプロデュースのもと、エレクトロアンビエント風の癒しサウンドに乗ったアジアンPOPSを展開、一気に個性を確立します。そしてそのアンビエントな作風に北京語ヴォーカルを乗せる音楽性が注目され、アニメ映画「スプリガン」の主題歌に「Jing Ling」が抜擢された後にリリースされた満を持した自信作が本作です。今回は盟友福岡ユタカの他に、当時新進気鋭のアンビエントユニットMASTERMINDや、エスニックかつダークな作風で知られるサウンドクリエイター蓜島邦明をアレンジャーに迎え、さらにエレクトリックに、壮大にサウンドとヴォーカルの幅を広げた姿を見せてくれています。
基本的には前作で確立したオリエンタルなアンビエントPOPS路線を引き継ぐ作風と言えますが、福岡ユタカアレンジの「STILL SEARCHIN'」「ILLUSION」で聴けるような癒し系メロディアスPOPSは数曲にとどまり、新たに参加したMASTERMINDや蓜島邦明の楽曲は、時にはインダストリアルな、時には壮大なオーケストレーションを駆使したエレクトロサウンドが中心となっており、多彩かつ不思議な音色と北京語ヴォーカルの融合によって今までになくアクの強い楽曲が目白押しになっています。特に誰もが知っている童謡「ふるさと」のリメイクの変貌ぶりには脱帽です。しかし注目すべきはやはり一筋縄ではいかない難解なトラックを自由自在に歌いこなすSAJUのヴォーカリストとしての力量です。そもそもこの手のサウンドトラックに北京語が乗るというのが不思議なくらいですが、本作では全く違和感なくアジアンTECHNOLOGY POPSとして融合させており、独自の立ち位置を確保したように当時は思えました。その後、21世紀になって紆余曲折があったようですが、そろそろ復活のニュースが聞こえていますので、この手のサウンドではないにしても新たな活躍に期待です。
<Favorite Songs>
・「FURUSATO」
日本のかの有名な童謡を北京語で歌い、さらにMASTERMINDによるインダストリアルなトラックに仕立て上げられた強烈なインパクトを誇るリメイク曲。童謡をここまでダークで不思議な空間に構築するMASTERMINDの力量は侮れません。
・「ILLUSION」
福岡ユタカによる前作路線を引き継ぐ癒し系アンビエントトラック。チベットの子供達のボイスサンプリングを効果的に使用したサウンドは匠の域に達していますが、PINK以来の彼のメロディセンスが全く衰えていないところにも注目です。
・「CHRISTMAS EVE」
非常にわかりやすいエスニックなメロディにクワイアのサンプルや粘っこい電子音で形成される不思議サウンドを乗せた楽曲。Dennis Gunのねちっこいボイスが良いアクセントになっていて、タイトルには似つかわしくないダークな世界を構築しています。
<評点>
・サウンド ★★★ (90年代後半の最先端サウンドが詰まっているようにも思える)
・メロディ ★★ (福岡ユタカ楽曲は特に安定感が感じられるが、その他は難解)
・リズム ★★ (ドラムンベース等も多用しているが想定の範囲内)
・曲構成 ★ (3者3様の楽曲を並べてはいるがただ集めた感がまだある)
・個性 ★★★ (エレクトロな北京語ヴォーカルという時点で唯一無二)
総合評点: 7点
SAJU:vocals

1.「AIYA-LEIYA」 詞:SAJU 曲:小川弘・黒沢永紀・SAJU 編:小川弘・黒沢永紀
2.「JING LING」 詞:SAJU 曲・編:蓜島邦明
3.「STILL SEARCHIN'」 詞:SAJU 曲・編:福岡ユタカ
4.「FURUSATO」
詞:高野辰之(訳詞:Jia Ding) 曲:岡野貞一 編:小川弘・黒沢永紀
5.「ILLUSION」 詞:Jazz Chen 曲・編:福岡ユタカ
6.「LOVE IN VAIN」
詞:SAJU 曲:小川弘・黒沢永紀 編:小川弘・黒沢永紀・SAJU
7.「CHRISTMAS EVE」 詞:Chen Tao 曲・編:蓜島邦明
8.「ONLY」 詞:SAJU 曲・編:福岡ユタカ
9.「OUR EYES」 詞:SAJU 曲・編:蓜島邦明
10.「THE HAZY MOUNTAIN」 詞:Chen Tao 曲・編:蓜島邦明
<support musician>
鬼怒無月:electric guitar
MECKEN:bass
Whacho:percussion
Dennis Gun:voice
小川弘:computer programming
黒沢永紀:computer programming
蓜島邦明:computer programming
福岡ユタカ:computer programming・keyboard
produced by 福岡ユタカ・蓜島邦明・MASTERMIND
engineered by 岡部潔・沖津徹・MASTERMIND
● 電脳中華歌姫光臨!3組の個性派クリエイターが奏でるアジアンテクノサウンドが堪能できる話題作
中国人歌手であるSAJUは90年代に日本に来日し、97年アルバム「Saju」でデビュー。福岡ユタカ全面プロデュースのこの1stアルバムは、彼女の歌唱力を生かしつつどこか歌謡曲的な色合いも残す発展途上的な作品でしたが、次作「missing」では引き続き福岡のプロデュースのもと、エレクトロアンビエント風の癒しサウンドに乗ったアジアンPOPSを展開、一気に個性を確立します。そしてそのアンビエントな作風に北京語ヴォーカルを乗せる音楽性が注目され、アニメ映画「スプリガン」の主題歌に「Jing Ling」が抜擢された後にリリースされた満を持した自信作が本作です。今回は盟友福岡ユタカの他に、当時新進気鋭のアンビエントユニットMASTERMINDや、エスニックかつダークな作風で知られるサウンドクリエイター蓜島邦明をアレンジャーに迎え、さらにエレクトリックに、壮大にサウンドとヴォーカルの幅を広げた姿を見せてくれています。
基本的には前作で確立したオリエンタルなアンビエントPOPS路線を引き継ぐ作風と言えますが、福岡ユタカアレンジの「STILL SEARCHIN'」「ILLUSION」で聴けるような癒し系メロディアスPOPSは数曲にとどまり、新たに参加したMASTERMINDや蓜島邦明の楽曲は、時にはインダストリアルな、時には壮大なオーケストレーションを駆使したエレクトロサウンドが中心となっており、多彩かつ不思議な音色と北京語ヴォーカルの融合によって今までになくアクの強い楽曲が目白押しになっています。特に誰もが知っている童謡「ふるさと」のリメイクの変貌ぶりには脱帽です。しかし注目すべきはやはり一筋縄ではいかない難解なトラックを自由自在に歌いこなすSAJUのヴォーカリストとしての力量です。そもそもこの手のサウンドトラックに北京語が乗るというのが不思議なくらいですが、本作では全く違和感なくアジアンTECHNOLOGY POPSとして融合させており、独自の立ち位置を確保したように当時は思えました。その後、21世紀になって紆余曲折があったようですが、そろそろ復活のニュースが聞こえていますので、この手のサウンドではないにしても新たな活躍に期待です。
<Favorite Songs>
・「FURUSATO」
日本のかの有名な童謡を北京語で歌い、さらにMASTERMINDによるインダストリアルなトラックに仕立て上げられた強烈なインパクトを誇るリメイク曲。童謡をここまでダークで不思議な空間に構築するMASTERMINDの力量は侮れません。
・「ILLUSION」
福岡ユタカによる前作路線を引き継ぐ癒し系アンビエントトラック。チベットの子供達のボイスサンプリングを効果的に使用したサウンドは匠の域に達していますが、PINK以来の彼のメロディセンスが全く衰えていないところにも注目です。
・「CHRISTMAS EVE」
非常にわかりやすいエスニックなメロディにクワイアのサンプルや粘っこい電子音で形成される不思議サウンドを乗せた楽曲。Dennis Gunのねちっこいボイスが良いアクセントになっていて、タイトルには似つかわしくないダークな世界を構築しています。
<評点>
・サウンド ★★★ (90年代後半の最先端サウンドが詰まっているようにも思える)
・メロディ ★★ (福岡ユタカ楽曲は特に安定感が感じられるが、その他は難解)
・リズム ★★ (ドラムンベース等も多用しているが想定の範囲内)
・曲構成 ★ (3者3様の楽曲を並べてはいるがただ集めた感がまだある)
・個性 ★★★ (エレクトロな北京語ヴォーカルという時点で唯一無二)
総合評点: 7点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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