「NEUROVISION」 TELEX
「NEUROVISION」(1980 Sire)
TELEX

<members>
Dan Lacksman:synthesizer programming
Michel Moers:vocal・vocoder
Marc Moulin:keyboards
1.「WE ARE ALL GETTING OLD」 TELEX
2.「MY TIME」 Villahermosa/Cacciapaglia
3.「TOUR DE FRANCE」 TELEX
4.「EURO-VISION」 TELEX
5.「PLUS DE DISTANCE」 TELEX
6.「DANCE TO THE MUSIC」 Sylvester Stewart
7.「REALITE」 TELEX
8.「CLICHE」 TELEX
9.「A/B」 TELEX
10.「EN ROUTE VERS DE NOUVELLES AVENTURES」 TELEX
11.「FINALE」 LIO
<support musician>
LIO:voice
produced by TELEX
engineered by Dan Lacksman
● 楽天的で軽めのシンセサウンドでテクノポップ界を席巻したベルギー出身トリオの名盤2nd
ベルギーが生んだ世界に誇るテクノポップユニットTELEX。フランス語圏から現れたテクノポップということでUKニューウェーブのような憂いと哀愁に満ちたスーツの似合うサウンドとは一線を画したオプティミズムが感じられるユニットです。ミュージシャン、建築家、エンジニアというノンミュージシャン的な構成もそうですが、演奏できなくてもセンスで音楽を作ることができることを拠り所にしたテクノポップの典型とも言えるスタイルは、時代の産物と言えるでしょう。シングル「Moscow Discow」でその名の通りディスコシーンに名を馳せた彼らの2ndアルバムが本作ですが、1st「Looking For Saint-Tropez」よりもさらにダンサブルかつ高速になったリズム&シーケンスと能天気なポップメロディはTELEXサウンドを不動にした、と思えたのでした。
前作よりリズムが強調されたといっても、リズムマシンを基調とした軽さは相変わらずで、その軽さを逆手に取ったかのようなアナログな質感を持つスネアドラムが全体を支配しています。そして最も評価されるべきはそのペラペラのシンセサウンドでしょう。この薄さ、エフェクトを重ねても隠せないこの薄っぺらさが、彼らの楽天的で且つ楽しめるサウンドの源になっているのだと思います。ボコーダーを利用したヴォーカルもシリアスさを感じさせず、どちらかといえばユーモラスに聴こえてしまうのも彼らのサウンド構築が成せる業でしょう。
本作でTELEXサウンドに一応の完成を見た彼らでしたが、その後細野晴臣と越美晴との交流によって日本のテクノポップファンにも広く知られることになります。そして80年代中盤にはサンプラーの普及によってサンプリングサウンドに目覚めることとなり、何枚かの作品を残しますがその後沈黙。しかし一昨年突如としてアルバム「How Do You Dance?」で復活しました。全く変わらないその姿に安心いたしました。
<Favorite Songs>
・「MY TIME」
Ann Steelのカバーでありながら、その繊細なサウンド構築で見事にTELEXの代表曲に仕立て上げた名曲。Aメロのシンセパッドの柔らかさが素晴らしく、これに尽きます。この淡々と進行する楽曲に広がりを持たせるこのシンセパッド、非常に印層的です。
・「PLUS DE DISTANCE」
TELEXがPOPSバンドたるゆえんは、こうしたミディアムバラードの名曲を何のてらいもなく生み出すことができるところに起因します。朴訥としたフランス語訛りの英語で歌うヴォーカルがなんともいい味を出しています。
・「A/B」
本作の特徴であるダンサブルな高速シーケンスが中心ですが、音色的に抑え気味でそれがかえってCOOLな印象を醸し出しています。この楽曲はサビがいいですね。「face A、face B」と言ってるだけなのですが、そのコード感だけで語るというキラー進行だと思います。
<評点>
・サウンド ★★★ (薄っぺらいシンセサウンドも味だが音色の選び方が良い)
・メロディ ★★★ (テクノというよりPOPSとして違和感なく聴けるのも長所)
・リズム ★★ (徹底した軽いリズムの中にもスネアに多彩な工夫が)
・曲構成 ★★ (緩急をつけた楽曲の配置だが朴訥とした雰囲気は不変)
・個性 ★★ (シンセ=COOLなイメージを覆す楽天的な音楽性に注目)
総合評点: 7点
TELEX

<members>
Dan Lacksman:synthesizer programming
Michel Moers:vocal・vocoder
Marc Moulin:keyboards
1.「WE ARE ALL GETTING OLD」 TELEX
2.「MY TIME」 Villahermosa/Cacciapaglia
3.「TOUR DE FRANCE」 TELEX
4.「EURO-VISION」 TELEX
5.「PLUS DE DISTANCE」 TELEX
6.「DANCE TO THE MUSIC」 Sylvester Stewart
7.「REALITE」 TELEX
8.「CLICHE」 TELEX
9.「A/B」 TELEX
10.「EN ROUTE VERS DE NOUVELLES AVENTURES」 TELEX
11.「FINALE」 LIO
<support musician>
LIO:voice
produced by TELEX
engineered by Dan Lacksman
● 楽天的で軽めのシンセサウンドでテクノポップ界を席巻したベルギー出身トリオの名盤2nd
ベルギーが生んだ世界に誇るテクノポップユニットTELEX。フランス語圏から現れたテクノポップということでUKニューウェーブのような憂いと哀愁に満ちたスーツの似合うサウンドとは一線を画したオプティミズムが感じられるユニットです。ミュージシャン、建築家、エンジニアというノンミュージシャン的な構成もそうですが、演奏できなくてもセンスで音楽を作ることができることを拠り所にしたテクノポップの典型とも言えるスタイルは、時代の産物と言えるでしょう。シングル「Moscow Discow」でその名の通りディスコシーンに名を馳せた彼らの2ndアルバムが本作ですが、1st「Looking For Saint-Tropez」よりもさらにダンサブルかつ高速になったリズム&シーケンスと能天気なポップメロディはTELEXサウンドを不動にした、と思えたのでした。
前作よりリズムが強調されたといっても、リズムマシンを基調とした軽さは相変わらずで、その軽さを逆手に取ったかのようなアナログな質感を持つスネアドラムが全体を支配しています。そして最も評価されるべきはそのペラペラのシンセサウンドでしょう。この薄さ、エフェクトを重ねても隠せないこの薄っぺらさが、彼らの楽天的で且つ楽しめるサウンドの源になっているのだと思います。ボコーダーを利用したヴォーカルもシリアスさを感じさせず、どちらかといえばユーモラスに聴こえてしまうのも彼らのサウンド構築が成せる業でしょう。
本作でTELEXサウンドに一応の完成を見た彼らでしたが、その後細野晴臣と越美晴との交流によって日本のテクノポップファンにも広く知られることになります。そして80年代中盤にはサンプラーの普及によってサンプリングサウンドに目覚めることとなり、何枚かの作品を残しますがその後沈黙。しかし一昨年突如としてアルバム「How Do You Dance?」で復活しました。全く変わらないその姿に安心いたしました。
<Favorite Songs>
・「MY TIME」
Ann Steelのカバーでありながら、その繊細なサウンド構築で見事にTELEXの代表曲に仕立て上げた名曲。Aメロのシンセパッドの柔らかさが素晴らしく、これに尽きます。この淡々と進行する楽曲に広がりを持たせるこのシンセパッド、非常に印層的です。
・「PLUS DE DISTANCE」
TELEXがPOPSバンドたるゆえんは、こうしたミディアムバラードの名曲を何のてらいもなく生み出すことができるところに起因します。朴訥としたフランス語訛りの英語で歌うヴォーカルがなんともいい味を出しています。
・「A/B」
本作の特徴であるダンサブルな高速シーケンスが中心ですが、音色的に抑え気味でそれがかえってCOOLな印象を醸し出しています。この楽曲はサビがいいですね。「face A、face B」と言ってるだけなのですが、そのコード感だけで語るというキラー進行だと思います。
<評点>
・サウンド ★★★ (薄っぺらいシンセサウンドも味だが音色の選び方が良い)
・メロディ ★★★ (テクノというよりPOPSとして違和感なく聴けるのも長所)
・リズム ★★ (徹底した軽いリズムの中にもスネアに多彩な工夫が)
・曲構成 ★★ (緩急をつけた楽曲の配置だが朴訥とした雰囲気は不変)
・個性 ★★ (シンセ=COOLなイメージを覆す楽天的な音楽性に注目)
総合評点: 7点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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