「STRONGER THAN REASON」 PERSON TO PERSON
「STRONGER THAN REASON」 (1985 Epic)
PERSON TO PERSON

<members>
Pete Eason:vocals
Lloyd Richards:guitars
David Palmer:drums
Dave Clayton:keyboards
Jeremy Meek:bass
1.「HIGH TIME」
Dave Clayton/David Palmer/Jeremy Meek/Lloyd Richards/Pete Eason
2.「LOVE ON THE REBOUND」
Dave Clayton/David Palmer/Jeremy Meek/Lloyd Richards/Pete Eason
3.「TURNING BACK THE PAGES」
Dave Clayton/David Palmer/Jeremy Meek/Lloyd Richards/Pete Eason
4.「REPUTATION」
Dave Clayton/David Palmer/Jeremy Meek/Lloyd Richards/Pete Eason
5.「RIGHT FROM WRONG」
Dave Clayton/David Palmer/Jeremy Meek/Lloyd Richards/Pete Eason
6.「STILL ON MY MIND」
Dave Clayton/David Palmer/Jeremy Meek/Lloyd Richards/Pete Eason
7.「POISON STREET」
Dave Clayton/David Palmer/Jeremy Meek/Lloyd Richards/Pete Eason
8.「4 A.M.」
Dave Clayton/David Palmer/Jeremy Meek/Lloyd Richards/Pete Eason
9.「WRONG SIDE OF MIDNIGHT」
Dave Clayton/David Palmer/Jeremy Meek/Lloyd Richards/Pete Eason
10.「RUNNING OUT」
Dave Clayton/David Palmer/Jeremy Meek/Lloyd Richards/Pete Eason
produced by Mic Murphy & David Frank・Steve Harvey
mixing engineered by Michael Brauer・John Hudson・Steve Harvey・John Gallen
recording engineered by John Gallen
● 元ABCのドラマーが結成したエレポップユニットをTHE SYSTEMがプロデュース!聴きやすさの中にパワフルなドラムが炸裂する唯一のアルバム
1980年代初頭を飾ったUKニューロマンティックバンドABCのドラマーであったDavid Palmerは、82年の彼らの大ヒットデビューアルバム「The Lexicon Of Love」に参加しますが、この1stアルバムを引っ提げたワールドツアー中に当時YMOとしての活動と共にソロプロジェクトを進めていた高橋幸宏にライブサポートドラマーへの参加を打診されます。もともとABCはメンバーが流動的なユニットということもあって、律儀なDavidはあっさりとABCを脱退、その後高橋のツアーのみならずYMO散開ライブにもゲストドラマーとして参加(その仕事ぶりは素晴らしかった!)、一気に日本における知名度を獲得しました。一方彼は本国UKにおいて新たな5人組のシンセポップバンドPERSON TO PERSONを結成、84年にシングル「High Time」をリリース、パワフルなドラムとバキバキのエレクトリックサウンドでポストエレポップの美意識を継承するかのごとき楽曲で期待感を煽り、2ndシングル「REPUTATION」のリリース後、翌85年に待望の1stアルバムである本作を完成させることになります。
David Palmerのリーダーバンドということでやはり耳を持っていかれるのはドラムプレイ。85年という時代もあってスネアもパワフルに加工され、時にはゲートリバーブ&コンプレッション、時にはエレクトロノイズ成分を含んだSIMMONSサウンドで、リズムトラックを豊かに彩っていきます。もちろん艶やかでコクのあるシンセベース、そしてエレガントなシンセフレーズも質の高いものであることは一聴して印象づけられるわけですが、本作をプロデュースしているのはニューヨーク出身の気鋭のデジタルファンクユニットTHE SYSTEMで、ゴリゴリのシーケンスやきらびやかなシンセフレーズに加えて、強烈なドラム処理が施されている部分はTHE SYSTEMの本領発揮というところです。「HIGH TIME」「RUNNING OUT」といったハードなエレクトロダンスビートと、「TURNING BACK THE PAGES」「4 A.M.」のようなスウィートロマンティックなミディアムナンバーが同居しているのも、このデジタリックソウルなニューヨーカーデュオの貢献が大きいと言わざるを得ません。しかし80年代中期という時代はこうしたサウンドが雨後の筍のように出現していた時代ということで、彼らもその波に飲み込まれるように本作を持って活動を中止してしまうことになります。David PalmerもYMOサポートの杵柄から80年代後半の坂本龍一をサポートするなど、相変わらず日本では知られた存在でしたが、徐々に表舞台から姿を消していくことになります。
<Favorite Songs>
・「HIGH TIME」
DavidのジャストなスネアがフィーチャーされたScritti Politti調のメカニカルなエレポップチューン。実に気持ちよくキマるスネアやゲートリバーブ成分たっぷりのタムのフィルインが抜群です。コクのあるシンセベースシーケンスとの絡みも秀逸で、80年代中期のダンスビートの快感を一手に閉じ込めた名曲です。
・「STILL ON MY MIND」
マシナリーなベースラインと哀愁メロディが噛み合ったエレクトロダンスナンバー。切迫感と共に駆け寄ってくるシンセリフ、角松敏生も大いに参考にしたと思われるこの黄金のシンセベーススタイルは、流石のTHE SYSTEM節といったところでしょう。
・「RUNNING OUT」
イントロのシリアスなシンセパッドが秀逸なラストナンバー。キュートなアルペジオとパワードラムとの対比も楽しく、ジャストなリズムキープだからこそ生まれる、どこを切り取ってもカッコ良いマシナリーな快感を味わえるこれぞUKエレポップの醍醐味といった佳曲です。
<評点>
・サウンド ★★★ (生とシーケンスを使い分けるベースラインに命をかける)
・メロディ ★ (オリジナリティを見つけるのは難しいが悪くはない)
・リズム ★★★ (パワーあふれるスネア&タムの処理とリズム感覚は流石)
・曲構成 ★★ (キラーチューンでサンドイッチするが中間でマンネリも)
・個性 ★★ (プロデューサーの色が出過ぎた感もあるが悪くはない)
総合評点: 7点
PERSON TO PERSON

<members>
Pete Eason:vocals
Lloyd Richards:guitars
David Palmer:drums
Dave Clayton:keyboards
Jeremy Meek:bass
1.「HIGH TIME」
Dave Clayton/David Palmer/Jeremy Meek/Lloyd Richards/Pete Eason
2.「LOVE ON THE REBOUND」
Dave Clayton/David Palmer/Jeremy Meek/Lloyd Richards/Pete Eason
3.「TURNING BACK THE PAGES」
Dave Clayton/David Palmer/Jeremy Meek/Lloyd Richards/Pete Eason
4.「REPUTATION」
Dave Clayton/David Palmer/Jeremy Meek/Lloyd Richards/Pete Eason
5.「RIGHT FROM WRONG」
Dave Clayton/David Palmer/Jeremy Meek/Lloyd Richards/Pete Eason
6.「STILL ON MY MIND」
Dave Clayton/David Palmer/Jeremy Meek/Lloyd Richards/Pete Eason
7.「POISON STREET」
Dave Clayton/David Palmer/Jeremy Meek/Lloyd Richards/Pete Eason
8.「4 A.M.」
Dave Clayton/David Palmer/Jeremy Meek/Lloyd Richards/Pete Eason
9.「WRONG SIDE OF MIDNIGHT」
Dave Clayton/David Palmer/Jeremy Meek/Lloyd Richards/Pete Eason
10.「RUNNING OUT」
Dave Clayton/David Palmer/Jeremy Meek/Lloyd Richards/Pete Eason
produced by Mic Murphy & David Frank・Steve Harvey
mixing engineered by Michael Brauer・John Hudson・Steve Harvey・John Gallen
recording engineered by John Gallen
● 元ABCのドラマーが結成したエレポップユニットをTHE SYSTEMがプロデュース!聴きやすさの中にパワフルなドラムが炸裂する唯一のアルバム
1980年代初頭を飾ったUKニューロマンティックバンドABCのドラマーであったDavid Palmerは、82年の彼らの大ヒットデビューアルバム「The Lexicon Of Love」に参加しますが、この1stアルバムを引っ提げたワールドツアー中に当時YMOとしての活動と共にソロプロジェクトを進めていた高橋幸宏にライブサポートドラマーへの参加を打診されます。もともとABCはメンバーが流動的なユニットということもあって、律儀なDavidはあっさりとABCを脱退、その後高橋のツアーのみならずYMO散開ライブにもゲストドラマーとして参加(その仕事ぶりは素晴らしかった!)、一気に日本における知名度を獲得しました。一方彼は本国UKにおいて新たな5人組のシンセポップバンドPERSON TO PERSONを結成、84年にシングル「High Time」をリリース、パワフルなドラムとバキバキのエレクトリックサウンドでポストエレポップの美意識を継承するかのごとき楽曲で期待感を煽り、2ndシングル「REPUTATION」のリリース後、翌85年に待望の1stアルバムである本作を完成させることになります。
David Palmerのリーダーバンドということでやはり耳を持っていかれるのはドラムプレイ。85年という時代もあってスネアもパワフルに加工され、時にはゲートリバーブ&コンプレッション、時にはエレクトロノイズ成分を含んだSIMMONSサウンドで、リズムトラックを豊かに彩っていきます。もちろん艶やかでコクのあるシンセベース、そしてエレガントなシンセフレーズも質の高いものであることは一聴して印象づけられるわけですが、本作をプロデュースしているのはニューヨーク出身の気鋭のデジタルファンクユニットTHE SYSTEMで、ゴリゴリのシーケンスやきらびやかなシンセフレーズに加えて、強烈なドラム処理が施されている部分はTHE SYSTEMの本領発揮というところです。「HIGH TIME」「RUNNING OUT」といったハードなエレクトロダンスビートと、「TURNING BACK THE PAGES」「4 A.M.」のようなスウィートロマンティックなミディアムナンバーが同居しているのも、このデジタリックソウルなニューヨーカーデュオの貢献が大きいと言わざるを得ません。しかし80年代中期という時代はこうしたサウンドが雨後の筍のように出現していた時代ということで、彼らもその波に飲み込まれるように本作を持って活動を中止してしまうことになります。David PalmerもYMOサポートの杵柄から80年代後半の坂本龍一をサポートするなど、相変わらず日本では知られた存在でしたが、徐々に表舞台から姿を消していくことになります。
<Favorite Songs>
・「HIGH TIME」
DavidのジャストなスネアがフィーチャーされたScritti Politti調のメカニカルなエレポップチューン。実に気持ちよくキマるスネアやゲートリバーブ成分たっぷりのタムのフィルインが抜群です。コクのあるシンセベースシーケンスとの絡みも秀逸で、80年代中期のダンスビートの快感を一手に閉じ込めた名曲です。
・「STILL ON MY MIND」
マシナリーなベースラインと哀愁メロディが噛み合ったエレクトロダンスナンバー。切迫感と共に駆け寄ってくるシンセリフ、角松敏生も大いに参考にしたと思われるこの黄金のシンセベーススタイルは、流石のTHE SYSTEM節といったところでしょう。
・「RUNNING OUT」
イントロのシリアスなシンセパッドが秀逸なラストナンバー。キュートなアルペジオとパワードラムとの対比も楽しく、ジャストなリズムキープだからこそ生まれる、どこを切り取ってもカッコ良いマシナリーな快感を味わえるこれぞUKエレポップの醍醐味といった佳曲です。
<評点>
・サウンド ★★★ (生とシーケンスを使い分けるベースラインに命をかける)
・メロディ ★ (オリジナリティを見つけるのは難しいが悪くはない)
・リズム ★★★ (パワーあふれるスネア&タムの処理とリズム感覚は流石)
・曲構成 ★★ (キラーチューンでサンドイッチするが中間でマンネリも)
・個性 ★★ (プロデューサーの色が出過ぎた感もあるが悪くはない)
総合評点: 7点
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