「密室哲学」 岡野晶
「密室哲学」(2004 Hu-Kenkoh STUDIO)
岡野晶:vocal・computers・all instruments

1.「箱庭ロック(アルバム・ヴァージョン)」 詞・曲・編:岡野晶
2.「フライデー・ナイト・ニュース」 詞・曲・編:岡野晶
3.「愛ゆえに」 詞・曲・編:岡野晶
4.「Nのブルース」 詞・曲・編:岡野晶
5.「ハイウェイをぶっ飛ばせ」 詞・曲・編:岡野晶
6.「それは、難しい」 詞・曲・編:岡野晶
7.「みずうみ」 詞・曲・編:岡野晶
8.「情熱」 詞・曲・編:岡野晶
9.「リング・マイ・ベル」 詞・曲・編:岡野晶
10.「百葉箱」 詞・曲・編:岡野晶
11.「会社こそ我が人生」 詞・曲・編:岡野晶
12.「モノレールに乗ってどこまでも」 詞・曲・編:岡野晶
produced by 岡野晶
engineered by 岡野晶
●完全宅録の魔術師健在!関西が誇るPOPSクリエイターが孤独に作り上げた気合いの自主制作盤
関西インディーズミュージックシーンにおいて異彩を放つポップマエストロ、オカノアキラは、90年代に活動していた自身のニューウェーブガールポップユニットであるオカノフリークを清算した後、イラストレーターのチャンキー松本と30代デュオ33を結成、80'sネタと身体を張ったパフォーマンスでそれなりに話題を呼んだ後、3枚のアルバムを残し惜しまれつつ解散、ソロ活動に移ることになります。当初はオカノが「歌う」ということもあり、毎日放送のキャラクター「らいよんちゃん」の声も担当する非常に個性的なその声質が、彼の作り出すポップなメロディにマッチするのか不安であったが、いざふたを開けてみると、彼の独特の嗄れた声質が良い味を出すことに成功していたことに驚きました。そんな満を持したソロとしてのデビューアルバム(といっても完全自主制作であるが)が本作「密室哲学」です。
オカノフリークにおいて彼の卓越したメロディセンスは明らかになっていたものの、このデビューアルバムでも耳にやさしいポップなメロディは健在です。しかしソロになって自身で歌うことによる印象の変化をしっかりアレンジで表現しているところに狡猾さを感じます。その声質ゆえに渋味を増したブルージーなギターやピアノを多用し、独特の熟れたストリングスによって、お得意の渋い昭和感覚溢れるPOPSに仕上げることに成功しています。また、声質を逆手に取ったオヤジ要素を前面に出した開き直りすら思わせるその潔さには頭が下がる思いです。逆に、オカノフリークのようなキャピキャピした爽やかPOPS(本作では「リング・マイ・ベル」をセルフカバー。渋い。)は聴くことはできない(当たり前か)が、この作品はこの作品なりの個性が十分に感じさせる好作品と評価されるべきだと思います。相変わらずもっと評価されて良い才能の持ち主であることに間違いありません。
<Favorite Songs>
・「フライデー・ナイト・ニュース」
80's感覚を感じさせながらクロスオーヴァーなサウンドが心地よいオカノお得意タイプの楽曲。サビをボコーダーで攻めるという思い切った構成が当たっています。そしていつものことながらストリングスのフレーズが渋いです。ラストのラジオのナレーションが地方を感じさせるところもご愛嬌です。
・「みずうみ」
弾き語り風のバラードですが、うっすら流れるストリングスがやはり渋いです。そして決して上手いと言えない歌唱力を補って余りあるサウンドの構成力には目を見張るものがあります。バラードがただ声が伸びればいいってものではない典型的な例とも言えます。
・「百葉箱」
レトロなリズムが表すとおり昭和的なメロディが印象的なムード歌謡的POPS。Aメロからサビまでのメロディに無駄がなく、すんなり耳になじんでいく展開が職人芸です。ラストのギターサウンドも昭和です(しかもほのかに80'sニューウェーブ風味)。
<評点>
・サウンド ★★★ (アマチュアらしからぬPOPSストリングスの使い方が絶妙)
・メロディ ★★★ (80'sの影響が強いこともあり、メロディに芯が通っている)
・リズム ★★ (オカノフリークよりはリズムのはっちゃけぶりは後退)
・曲構成 ★ (ソロ第1作ということもあって試行錯誤な面も見え隠れする)
・個性 ★★ (実はありそうでないこのオヤジ路線は今後も武器になるはず)
総合評点: 6点
岡野晶:vocal・computers・all instruments

1.「箱庭ロック(アルバム・ヴァージョン)」 詞・曲・編:岡野晶
2.「フライデー・ナイト・ニュース」 詞・曲・編:岡野晶
3.「愛ゆえに」 詞・曲・編:岡野晶
4.「Nのブルース」 詞・曲・編:岡野晶
5.「ハイウェイをぶっ飛ばせ」 詞・曲・編:岡野晶
6.「それは、難しい」 詞・曲・編:岡野晶
7.「みずうみ」 詞・曲・編:岡野晶
8.「情熱」 詞・曲・編:岡野晶
9.「リング・マイ・ベル」 詞・曲・編:岡野晶
10.「百葉箱」 詞・曲・編:岡野晶
11.「会社こそ我が人生」 詞・曲・編:岡野晶
12.「モノレールに乗ってどこまでも」 詞・曲・編:岡野晶
produced by 岡野晶
engineered by 岡野晶
●完全宅録の魔術師健在!関西が誇るPOPSクリエイターが孤独に作り上げた気合いの自主制作盤
関西インディーズミュージックシーンにおいて異彩を放つポップマエストロ、オカノアキラは、90年代に活動していた自身のニューウェーブガールポップユニットであるオカノフリークを清算した後、イラストレーターのチャンキー松本と30代デュオ33を結成、80'sネタと身体を張ったパフォーマンスでそれなりに話題を呼んだ後、3枚のアルバムを残し惜しまれつつ解散、ソロ活動に移ることになります。当初はオカノが「歌う」ということもあり、毎日放送のキャラクター「らいよんちゃん」の声も担当する非常に個性的なその声質が、彼の作り出すポップなメロディにマッチするのか不安であったが、いざふたを開けてみると、彼の独特の嗄れた声質が良い味を出すことに成功していたことに驚きました。そんな満を持したソロとしてのデビューアルバム(といっても完全自主制作であるが)が本作「密室哲学」です。
オカノフリークにおいて彼の卓越したメロディセンスは明らかになっていたものの、このデビューアルバムでも耳にやさしいポップなメロディは健在です。しかしソロになって自身で歌うことによる印象の変化をしっかりアレンジで表現しているところに狡猾さを感じます。その声質ゆえに渋味を増したブルージーなギターやピアノを多用し、独特の熟れたストリングスによって、お得意の渋い昭和感覚溢れるPOPSに仕上げることに成功しています。また、声質を逆手に取ったオヤジ要素を前面に出した開き直りすら思わせるその潔さには頭が下がる思いです。逆に、オカノフリークのようなキャピキャピした爽やかPOPS(本作では「リング・マイ・ベル」をセルフカバー。渋い。)は聴くことはできない(当たり前か)が、この作品はこの作品なりの個性が十分に感じさせる好作品と評価されるべきだと思います。相変わらずもっと評価されて良い才能の持ち主であることに間違いありません。
<Favorite Songs>
・「フライデー・ナイト・ニュース」
80's感覚を感じさせながらクロスオーヴァーなサウンドが心地よいオカノお得意タイプの楽曲。サビをボコーダーで攻めるという思い切った構成が当たっています。そしていつものことながらストリングスのフレーズが渋いです。ラストのラジオのナレーションが地方を感じさせるところもご愛嬌です。
・「みずうみ」
弾き語り風のバラードですが、うっすら流れるストリングスがやはり渋いです。そして決して上手いと言えない歌唱力を補って余りあるサウンドの構成力には目を見張るものがあります。バラードがただ声が伸びればいいってものではない典型的な例とも言えます。
・「百葉箱」
レトロなリズムが表すとおり昭和的なメロディが印象的なムード歌謡的POPS。Aメロからサビまでのメロディに無駄がなく、すんなり耳になじんでいく展開が職人芸です。ラストのギターサウンドも昭和です(しかもほのかに80'sニューウェーブ風味)。
<評点>
・サウンド ★★★ (アマチュアらしからぬPOPSストリングスの使い方が絶妙)
・メロディ ★★★ (80'sの影響が強いこともあり、メロディに芯が通っている)
・リズム ★★ (オカノフリークよりはリズムのはっちゃけぶりは後退)
・曲構成 ★ (ソロ第1作ということもあって試行錯誤な面も見え隠れする)
・個性 ★★ (実はありそうでないこのオヤジ路線は今後も武器になるはず)
総合評点: 6点
テーマ : 本日のCD・レコード - ジャンル : 音楽
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