「ファースト・フライト」 井上ほの花
「ファースト・フライト」(2016 CLINCK)
井上ほの花:vocals

1.「月世界フライト」 詞・曲・編:無果汁団
2.「スパークリング・チャイナタウン」 詞・曲・編:無果汁団
3.「虹のファンタジア」 詞・曲・編:無果汁団
4.「幕間」 詞・曲・編:無果汁団
5.「わすれもの」 詞・曲・編:無果汁団
<support musician>
井上喜久子:vocal
ショック太郎:all instruments
とんCHAN:background vocals
produced by ショック太郎
mixing engineered by 森達彦
vocal recording engineered by 徳永祐也
● 古き良き80’s歌謡のファンタジックな世界をカラフルで細部を極めた美メロ&ラグジュアリーサウンドで綴る短編アルバム
ベテラン声優・井上喜久子を母に持つ井上ほの花は、2015年にナムコの人気音楽ゲーム「太鼓の達人」に使用された楽曲「恋幻想(Love Fantasy)」の歌い手として静かに表舞台へ登場します。HONOKA名義で歌われたこの楽曲を手がけたのは、職人芸系POPSユニットとして注目を浴びていたblue marbleの解散により、独立した楽曲制作チーム(ショック太郎・とんCHAN)「無果汁団」で、後期blue marbleの続編といった印象のファンタジックなメロディ&コードワークによるこの名曲は、ゲーム内楽曲という枠にとどまらないクオリティを兼ね備えた楽曲として隠れた評価を得ていました。またそれ以上にHONOKAのピュアな歌唱にも注目が集まり、そのプロジェクトの成就が待たれていましたが、翌2016年末には堂々と井上ほの花名義を冠して、5曲入りミニアルバムである本作を完成、世間にそのハイクオリティな楽曲を世に問うことになりました。
当然全ての楽曲は変幻自在のPOPS職人チーム・無果汁団が手がけていますが、5曲とも非常に多幸感に溢れたドリーミーで幻想的なイメージを喚起させるもので、それは種々のフレーズやS.Eに使用されるシンセサイザーとそれらを美しく際立たせ引き立たせるミキシングワークによるものと言えるでしょう。楽曲自体は複雑なコード進行と美しきメロディラインに裏打ちされたミドル80'sの古き良きテクノロジーPOPS歌謡に振り切っており、そのあたりはショック太郎の80'sテクノロジー歌謡への憧憬を存分にアウトプットできる創造性と、80年代をシンセプログラマーとして駆け抜けてきた森達彦の酸いも甘いも知り尽くしたサウンドデザインのケミストリーによって生まれたと言っても過言ではないでしょう。そして魅力的なのは井上のストレートな声質による歌唱で、穢れを知らない涼やかな歌いっぷりはドリーミーで火現実感すら感じさせるこの質の高い楽曲群に絶妙にマッチしています。恐らくblue marbleからの大野方栄や武井麻里子と比較しても、そのジョイント感覚は最もしっくりきているのではないかと思われます。本作は5曲というハーフサイズの作品ですが、このクオリティが維持できれば当然フルアルバムに期待したいところですし、実現できれば時代を代表する究極のPOPS作品として名を残すことになろうかと個人的には思います。決してプレッシャーをかけたいわけではないですが、それほどまでに期待感を煽られる名盤ですので、興味があれば是非ご一聴下さい。
<Favorite Songs>
・「スパークリング・チャイナタウン」
後に7inchレコードでシングルカットされる珠玉の名曲。何と言ってもこの楽曲のポイントは、トリッキーなリズム&シンセベースと不思議コードワークによるAメロがあってこその、80年代中期のMIDIレコードの音満載のオリエンタリズム溢れるキラーメロ炸裂のサビの存在感です。
・「わすれもの」
イントロから既にワクワクが止まらない完成度の高さに頭がさがるラストチューン。本作のどの楽曲にも言えることですが、そのフレーズの複雑さを全く感じさせない楽曲としての無理のない展開力が半端ではありません。本作でもBメロのロマンティックなコード進行が素晴らしいです。ドリーミーなエンディングも大好き。
<評点>
・サウンド ★★★★★ (シンセの音色やエフェクトだけで会話できる)
・メロディ ★★★★★ (親しみやすさと玄人好みと仕掛けが見事に同居)
・リズム ★★★★ (80'sドラムの音処理再現率はさすがの職人芸)
・曲構成 ★★ (統一感は抜群だがやはり5曲は物足りない)
・個性 ★★★ (この優れた楽曲群に溶け込む清純ヴォーカル)
総合評点: 9点
井上ほの花:vocals

1.「月世界フライト」 詞・曲・編:無果汁団
2.「スパークリング・チャイナタウン」 詞・曲・編:無果汁団
3.「虹のファンタジア」 詞・曲・編:無果汁団
4.「幕間」 詞・曲・編:無果汁団
5.「わすれもの」 詞・曲・編:無果汁団
<support musician>
井上喜久子:vocal
ショック太郎:all instruments
とんCHAN:background vocals
produced by ショック太郎
mixing engineered by 森達彦
vocal recording engineered by 徳永祐也
● 古き良き80’s歌謡のファンタジックな世界をカラフルで細部を極めた美メロ&ラグジュアリーサウンドで綴る短編アルバム
ベテラン声優・井上喜久子を母に持つ井上ほの花は、2015年にナムコの人気音楽ゲーム「太鼓の達人」に使用された楽曲「恋幻想(Love Fantasy)」の歌い手として静かに表舞台へ登場します。HONOKA名義で歌われたこの楽曲を手がけたのは、職人芸系POPSユニットとして注目を浴びていたblue marbleの解散により、独立した楽曲制作チーム(ショック太郎・とんCHAN)「無果汁団」で、後期blue marbleの続編といった印象のファンタジックなメロディ&コードワークによるこの名曲は、ゲーム内楽曲という枠にとどまらないクオリティを兼ね備えた楽曲として隠れた評価を得ていました。またそれ以上にHONOKAのピュアな歌唱にも注目が集まり、そのプロジェクトの成就が待たれていましたが、翌2016年末には堂々と井上ほの花名義を冠して、5曲入りミニアルバムである本作を完成、世間にそのハイクオリティな楽曲を世に問うことになりました。
当然全ての楽曲は変幻自在のPOPS職人チーム・無果汁団が手がけていますが、5曲とも非常に多幸感に溢れたドリーミーで幻想的なイメージを喚起させるもので、それは種々のフレーズやS.Eに使用されるシンセサイザーとそれらを美しく際立たせ引き立たせるミキシングワークによるものと言えるでしょう。楽曲自体は複雑なコード進行と美しきメロディラインに裏打ちされたミドル80'sの古き良きテクノロジーPOPS歌謡に振り切っており、そのあたりはショック太郎の80'sテクノロジー歌謡への憧憬を存分にアウトプットできる創造性と、80年代をシンセプログラマーとして駆け抜けてきた森達彦の酸いも甘いも知り尽くしたサウンドデザインのケミストリーによって生まれたと言っても過言ではないでしょう。そして魅力的なのは井上のストレートな声質による歌唱で、穢れを知らない涼やかな歌いっぷりはドリーミーで火現実感すら感じさせるこの質の高い楽曲群に絶妙にマッチしています。恐らくblue marbleからの大野方栄や武井麻里子と比較しても、そのジョイント感覚は最もしっくりきているのではないかと思われます。本作は5曲というハーフサイズの作品ですが、このクオリティが維持できれば当然フルアルバムに期待したいところですし、実現できれば時代を代表する究極のPOPS作品として名を残すことになろうかと個人的には思います。決してプレッシャーをかけたいわけではないですが、それほどまでに期待感を煽られる名盤ですので、興味があれば是非ご一聴下さい。
<Favorite Songs>
・「スパークリング・チャイナタウン」
後に7inchレコードでシングルカットされる珠玉の名曲。何と言ってもこの楽曲のポイントは、トリッキーなリズム&シンセベースと不思議コードワークによるAメロがあってこその、80年代中期のMIDIレコードの音満載のオリエンタリズム溢れるキラーメロ炸裂のサビの存在感です。
・「わすれもの」
イントロから既にワクワクが止まらない完成度の高さに頭がさがるラストチューン。本作のどの楽曲にも言えることですが、そのフレーズの複雑さを全く感じさせない楽曲としての無理のない展開力が半端ではありません。本作でもBメロのロマンティックなコード進行が素晴らしいです。ドリーミーなエンディングも大好き。
<評点>
・サウンド ★★★★★ (シンセの音色やエフェクトだけで会話できる)
・メロディ ★★★★★ (親しみやすさと玄人好みと仕掛けが見事に同居)
・リズム ★★★★ (80'sドラムの音処理再現率はさすがの職人芸)
・曲構成 ★★ (統一感は抜群だがやはり5曲は物足りない)
・個性 ★★★ (この優れた楽曲群に溶け込む清純ヴォーカル)
総合評点: 9点
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