「パノラマ」 Qujila
「パノラマ」(1985 エピックソニー)
Qujila

<members>
杉林恭雄:vocal・guitar
キオト:bass・side vocal
楠均:drums・percussion・side vocal
1.「鋼」 詞・曲:杉林恭雄 編:くじら
2.「ランドリー」 詞・曲:杉林恭雄 編:バナナ
3.「青空」 詞・曲:杉林恭雄 編:くじら
4.「ヴェロナアル」 詞・曲:杉林恭雄 編:くじら
5.「ひまわり」 詞・曲:杉林恭雄 編:くじら
6.「パノラマ」 詞・曲:杉林恭雄 編:宮川泰
7.「エア・アタック」 詞・曲:杉林恭雄 編:くじら
8.「ハート・ビート」 詞・曲:杉林恭雄 編:くじら
9.「サンデー・モーニング」 詞・曲:杉林恭雄 編:くじら
10.「KAPPA」 詞・曲:杉林恭雄 編:くじら
<support musician>
BANANA:keyboards
斎藤毅:violin
栄田嘉彦:violin
山田雄司:viola
溝口肇:cello
藤井将登:synthesizer manipulate
石井明:computer programming
梅野貴典:computer programming
木村晋平:computer programming
貫田顕勇:computer programming
produced by Qujila
engineered by 飯泉俊之
● ノンPAのライブによるアコースティックなイメージを見事に覆し世界観をそのままに打ち込み満載のエレクトロ路線で突き進んだデビュー作
1980年代初頭にテクノポップ・ニューウェーブのムーブメントに刺激を受けて名古屋から上京を果たした杉林恭雄は、ミニマル要素の強い実験的な電子音楽作品を自身のレーベル「MIMIC RECORDS」を立ち上げ、3枚のレコードをリリースしていますが、これは後年杉林の作品であることが明らかになるまでは秘密性の高い匿名作品として知る人ぞ知る存在でした。3年間シンセサイザーやギターが創り出す音響面に興味を見出していた彼でしたが、ふとしたきっかけにより「歌」に開眼、バナナリアンズやポマードといったグループを経て、82年に結成されたのがくじら(Qujila)です。同郷のキオトとすきすきスイッチの佐藤幸雄のトリオとして活動を開始した彼らでしたが、ほどなくリズム担当の楠均の参加に伴い佐藤が脱退、パーマネントなメンバーが揃うことになりライブ活動を開始、杉林のMIMIC時代の電子音楽狂な側面の反動もあってか、時代におもねることなくノンPAのシンプルなアコースティックスタイルでのライブを敢行し密かな話題となっていきます。そして85年にプロデューサー福岡智彦に見出された彼らはSWITCH45レーベルから12インチシングル「砂の子供」でレコードレビューを果たしますが、福岡のエピックソニーへの移籍に伴いメジャーへ進出、そのままの勢いでデビューアルバムである本作がリリースされることになったわけです。
そんなノンPAアコースティックバンドの印象が強かった彼らの1stアルバムは、イメージとは裏腹にシンセプログラミング中心のエレクトリック仕様のサウンドに仕上がっています。オープニングの先行シングル「鋼」からしてスピード感に任せた16ビートのシンセベースにEmulatorのサンプリングフレーズが炸裂する攻撃的な楽曲で度肝を抜きます。全体的に楠のドラムはスネアがサンプリングされエフェクターで加工されることでマシナリーなリズムに仕立て上げられ、前述のサンプラーやシーケンスフレーズの多用と音の隙間を埋める変幻自在なコーラスワークが、このQujilaというバンドのストレンジ性を増幅させています。彼らの特徴であるミニマルなワンコード構成の楽曲はシンプルの中に癒しを感じさせるものでもありますが、前述のサウンドギミックや随所で和の心を感じさせる土着的な民謡まで意識したフレージング、そして私小説のような個性的な杉林の歌詞世界によって、時空が歪むようなファンタジックワールドすらイメージさせるという、既にデビュー作にして個性が抜きん出ている感覚を本作からは覚えずにはいられません。それにしてもこれが時代と言うべきか、本作のエレクトロ度は異常に高いわけですが、これはいわゆるアコギ中心のフォークトリオが流行に乗ってエレクトロに走ったということではなく、そもそも杉林が電子音楽で世に出たことを考えると本人達にとってはごく当然のことであって、Qujilaというグループに電子音楽の素養があったということなので何ら不思議ではありません。そのようなわけで本作によってQujilaはサウンド面でもチャレンジ精神溢れる一筋縄ではいかないアヴァンギャルドなバンドであることを世に知らしめることに成功したわけですが、次作「Tamago」では清水靖晃や小野誠彦らを迎えてさらにストレンジなエレアコサウンド楽曲に磨きをかけていくことになります。
<Favorite Songs>
・「パノラマ」
壮大なオーケストレーションによる昭和歌謡のタイトルチューン。大御所・宮川泰の素晴らしいオーケストレーションアレンジが炸裂します。どこかゲルニカを彷彿としてしまうサウンドと楽曲の雰囲気ですが、何と言ってもコーラスの若さ溢れるパワーが微笑ましいです。最後のデフォルメされた「ヤッホー!」の狂気が怖いです(笑)。
・「ハート・ビート」
単純なコードワークながら開放感あふれるメロディラインで爽快感を得ることができるファインチューン。秀逸なAメロの清々しさからの、サビから入ってくるメロトロン的なシンセストリングスが良い味を出しています。中盤のきらびやかなシンセソロも美しさを助長しています。
・「KAPPA」
平坦なサンプリング(河童)ボイスのシーケンスが不気味さを助長する後に12インチシングルカットされる代表曲。和のAメロと中華なサビのコントラストが面白い構成ですが、サンプラーによる腰砕けなブラスセクションも興味深く、二胡的なストリングスが活躍するサビが繰り返される大団円の乱痴気騒ぎへの流れも秀逸です。
<評点>
・サウンド ★★★ (全編にわたるシンセ&サンプラーの活躍ぶりが出色)
・メロディ ★★ (ロックともフォークとも行き着かない独特の旋律)
・リズム ★★★ (スネアの加工にこだわりマシナリー性を獲得)
・曲構成 ★★ (異色の楽曲も入れながらデビュー作としては安定的)
・個性 ★★★ (オリジナリティという面では際立つ存在感)
総合評点: 7点
Qujila

<members>
杉林恭雄:vocal・guitar
キオト:bass・side vocal
楠均:drums・percussion・side vocal
1.「鋼」 詞・曲:杉林恭雄 編:くじら
2.「ランドリー」 詞・曲:杉林恭雄 編:バナナ
3.「青空」 詞・曲:杉林恭雄 編:くじら
4.「ヴェロナアル」 詞・曲:杉林恭雄 編:くじら
5.「ひまわり」 詞・曲:杉林恭雄 編:くじら
6.「パノラマ」 詞・曲:杉林恭雄 編:宮川泰
7.「エア・アタック」 詞・曲:杉林恭雄 編:くじら
8.「ハート・ビート」 詞・曲:杉林恭雄 編:くじら
9.「サンデー・モーニング」 詞・曲:杉林恭雄 編:くじら
10.「KAPPA」 詞・曲:杉林恭雄 編:くじら
<support musician>
BANANA:keyboards
斎藤毅:violin
栄田嘉彦:violin
山田雄司:viola
溝口肇:cello
藤井将登:synthesizer manipulate
石井明:computer programming
梅野貴典:computer programming
木村晋平:computer programming
貫田顕勇:computer programming
produced by Qujila
engineered by 飯泉俊之
● ノンPAのライブによるアコースティックなイメージを見事に覆し世界観をそのままに打ち込み満載のエレクトロ路線で突き進んだデビュー作
1980年代初頭にテクノポップ・ニューウェーブのムーブメントに刺激を受けて名古屋から上京を果たした杉林恭雄は、ミニマル要素の強い実験的な電子音楽作品を自身のレーベル「MIMIC RECORDS」を立ち上げ、3枚のレコードをリリースしていますが、これは後年杉林の作品であることが明らかになるまでは秘密性の高い匿名作品として知る人ぞ知る存在でした。3年間シンセサイザーやギターが創り出す音響面に興味を見出していた彼でしたが、ふとしたきっかけにより「歌」に開眼、バナナリアンズやポマードといったグループを経て、82年に結成されたのがくじら(Qujila)です。同郷のキオトとすきすきスイッチの佐藤幸雄のトリオとして活動を開始した彼らでしたが、ほどなくリズム担当の楠均の参加に伴い佐藤が脱退、パーマネントなメンバーが揃うことになりライブ活動を開始、杉林のMIMIC時代の電子音楽狂な側面の反動もあってか、時代におもねることなくノンPAのシンプルなアコースティックスタイルでのライブを敢行し密かな話題となっていきます。そして85年にプロデューサー福岡智彦に見出された彼らはSWITCH45レーベルから12インチシングル「砂の子供」でレコードレビューを果たしますが、福岡のエピックソニーへの移籍に伴いメジャーへ進出、そのままの勢いでデビューアルバムである本作がリリースされることになったわけです。
そんなノンPAアコースティックバンドの印象が強かった彼らの1stアルバムは、イメージとは裏腹にシンセプログラミング中心のエレクトリック仕様のサウンドに仕上がっています。オープニングの先行シングル「鋼」からしてスピード感に任せた16ビートのシンセベースにEmulatorのサンプリングフレーズが炸裂する攻撃的な楽曲で度肝を抜きます。全体的に楠のドラムはスネアがサンプリングされエフェクターで加工されることでマシナリーなリズムに仕立て上げられ、前述のサンプラーやシーケンスフレーズの多用と音の隙間を埋める変幻自在なコーラスワークが、このQujilaというバンドのストレンジ性を増幅させています。彼らの特徴であるミニマルなワンコード構成の楽曲はシンプルの中に癒しを感じさせるものでもありますが、前述のサウンドギミックや随所で和の心を感じさせる土着的な民謡まで意識したフレージング、そして私小説のような個性的な杉林の歌詞世界によって、時空が歪むようなファンタジックワールドすらイメージさせるという、既にデビュー作にして個性が抜きん出ている感覚を本作からは覚えずにはいられません。それにしてもこれが時代と言うべきか、本作のエレクトロ度は異常に高いわけですが、これはいわゆるアコギ中心のフォークトリオが流行に乗ってエレクトロに走ったということではなく、そもそも杉林が電子音楽で世に出たことを考えると本人達にとってはごく当然のことであって、Qujilaというグループに電子音楽の素養があったということなので何ら不思議ではありません。そのようなわけで本作によってQujilaはサウンド面でもチャレンジ精神溢れる一筋縄ではいかないアヴァンギャルドなバンドであることを世に知らしめることに成功したわけですが、次作「Tamago」では清水靖晃や小野誠彦らを迎えてさらにストレンジなエレアコサウンド楽曲に磨きをかけていくことになります。
<Favorite Songs>
・「パノラマ」
壮大なオーケストレーションによる昭和歌謡のタイトルチューン。大御所・宮川泰の素晴らしいオーケストレーションアレンジが炸裂します。どこかゲルニカを彷彿としてしまうサウンドと楽曲の雰囲気ですが、何と言ってもコーラスの若さ溢れるパワーが微笑ましいです。最後のデフォルメされた「ヤッホー!」の狂気が怖いです(笑)。
・「ハート・ビート」
単純なコードワークながら開放感あふれるメロディラインで爽快感を得ることができるファインチューン。秀逸なAメロの清々しさからの、サビから入ってくるメロトロン的なシンセストリングスが良い味を出しています。中盤のきらびやかなシンセソロも美しさを助長しています。
・「KAPPA」
平坦なサンプリング(河童)ボイスのシーケンスが不気味さを助長する後に12インチシングルカットされる代表曲。和のAメロと中華なサビのコントラストが面白い構成ですが、サンプラーによる腰砕けなブラスセクションも興味深く、二胡的なストリングスが活躍するサビが繰り返される大団円の乱痴気騒ぎへの流れも秀逸です。
<評点>
・サウンド ★★★ (全編にわたるシンセ&サンプラーの活躍ぶりが出色)
・メロディ ★★ (ロックともフォークとも行き着かない独特の旋律)
・リズム ★★★ (スネアの加工にこだわりマシナリー性を獲得)
・曲構成 ★★ (異色の楽曲も入れながらデビュー作としては安定的)
・個性 ★★★ (オリジナリティという面では際立つ存在感)
総合評点: 7点
「SUMMER BREEZE」 中山美穂
「SUMMER BREEZE」(1986 キング)
中山美穂:vocal

1.「Tropic Mystery」 詞:湯川れい子 曲:井上大輔 編:入江純
2.「クローズ・アップ」 詞:松本隆 曲:財津和夫 編:大村雅朗
3.「Leave Me Alone」 詞・曲・編:角松敏生
4.「ひと夏のアクトレス」 詞:芹沢類 曲:来生たかお 編:入江純
5.「Ocean In The Rain」 詞:湯川れい子 曲:井上大輔 編:大村雅朗
6.「サインはハング・ルーズ」 詞:湯川れい子 曲:井上大輔 編:入江純
7.「Rising Love」 詞・曲・編:角松敏生
8.「わがまま」 詞:細田博子 曲:来生たかお 編:入江純
9.「瞳のかげり」 詞:松本隆 曲:財津和夫 編:矢野立美
10.「You’re My Only Shinin’ Star」 詞・曲・編:角松敏生 弦編:大谷和夫 管編:数原晋
produced by 樋口紀男
engineered by 吉江一郎
associate engineered by 内沼映二
● 角松敏生が初めて関わり芯の入ったデジタルリゾートPOPSで楽曲派アイドルとしての道を歩み始めた転換作
85年の思春期バイブル的ドラマ「毎度おさわがせします」のヒロインに抜擢される形で芸能活動を開始した中山美穂は、同年1stシングル「C」で歌手デビュー、順調に期待されながらスター街道を歩み始めます。同年12月には映画「ビーバップ・ハイスクール」のヒロイン役でさらにブレイクするとともに、自身が歌う同名タイトルの主題歌もスマッシュヒット、その勢いは86年になっても続いていくことが約束された状態となりました。そんな多忙ながらも成長著しい85年にあってシングル3枚、アルバム2枚のハイペースで歌手活動をこなしてきた彼女ですが、与えられた楽曲はいかにもアイドル王道の歌謡曲の枠を出ないものでした。しかし86年からは様相が変化してまいります。竹内まりや楽曲に清水信之アレンジの4thシングル「色・ホワイトブレンド」のリリースを皮切りに、同年夏には財津和夫楽曲の「クローズ・アップ」を先行シングルに勢いのままに3rdアルバムがリリースされます。今回はこの3rdアルバムのレビューとなりますが、本作は彼女にとってその後の芸能活動に成功へと導くきっかけとなった転換期として非常に重要な位置付けとなる作品と言えるでしょう。
タイトルからしてリゾートPOPSへの期待感を煽られる本作ですが、そのあたりのイメージは1stアルバムから参加している杏里等で活躍していたアレンジャー、入江純の色が濃く出ている部分まではこれまでの路線を踏襲しているところです(入江アレンジも相当攻めていることは忘れてはなりませんが)。しかし何と言っても本作の特徴は角松敏生の参加でしょう。「Gold Degger」〜「Touch And Go」期の当時最高潮の勢いの中にあった角松のゴリゴリのエレクトリックサウンドと、とにかく出たがりであわよくば主役を乗っ取ろうとする角松のキャラクターが相まって、彼が参加した楽曲は3曲とも存在感が半端なく、異色かつ珠玉の出来と言っても過言ではありません。アイドル楽曲だからと言って全く手を抜く気配のない角松はエンジニアも自身の信頼するCAMU SPIRITSの相棒・内沼映二を連れてきてミックスを担当させることにより角松ソロのような極太リズムで楽曲を強化、サウンドには全く妥協を許さない偏執的な音キチぶりを発揮しています。特に「Rising Love」の狂気ぶりには思わず呆れるどころか笑ってしまいますが、その反面「You're My Only Shinin' Star」という名バラードを生み出すなどキッチリ仕事をこなしている部分も当然見逃せません。結果としてアルバム全体としてはバランスを欠くデメリットはあったものの、中山美穂という音楽的パッケージを進化させるための媒介としては十二分に機能していると言えるでしょう。角松サウンドのその異物感は実は結構大村雅朗が攻めたアレンジを施している「クローズ・アップ」が浮くどころかサウンド面では大人しく聴こえるほどですが、当時はまだ女優業の方に存在感を発揮していた彼女の音楽的方向性を決定づける鍵となった功績は想像以上に大きいと思われます。
その後の彼女の歌手活動としての活躍ぶりは皆さんご存知の通りで、シングル曲ではヒットを連発、アルバムではコンセプトワークに優れた「エキゾティック」、鷺巣詩郎の狂気なアレンジを楽しめる傑作「ONE AND ONLY」を経て、88年には遂に角松敏生を全面プロデュースに迎えた「CATCH THE NITE」で音楽的本懐を遂げることになります。
<Favorite Songs>
・「Leave Me Alone」
イントロのゲートリバーブタムとゴリゴリベースから一気に引き込まれる角松印のサマーチューン。極太なボトムのリズム隊がとにかく全く異空間に意識を飛ばしてしまいますが、非常にコーラスワークが秀逸です。サビ前からはとにかく出たがりで目立ちまくる角松本人のコーラスも堪能できます。とはいうもののBメロからサビへと展開するコードワークの美しさはやはり特筆すべきものがある名曲です。ラストは完全に角松が乗っ取ってしまいますが・・・。
・「サインはハング・ルーズ」
角松に負けずとサウンド面で冒険的なアプローチを見せる入江純アレンジのラテンフレーバーな楽曲。次作「エキゾティック」の予告編のような曲調ですが、イントロ&アウトロやAメロに入る前の不穏なリズム&シーケンスのきめ細かいプログラミングは恐らく松武秀樹仕事であると思われますが、さすがの職人芸です。
・「Rising Love」
コシのあるシンセベースが魅力などこを切り取っても角松印の稀代のオーバープロデュース楽曲。「Girl in the Box」を彷彿とさせるコードワークに添いながらシンセベースとエレドラが暴れ回ります。しかし最も暴れまわっているのは角松自身。楽曲前半では合いの手で抑え気味にしていますが、「Take off Melody」気味なシンセソロからの怒涛の後半では、やっぱり完全に主役を乗っ取って前後左右角松コーラスだらけにしてしまう狂気の楽曲です。
<評点>
・サウンド ★★★★ (角松サウンドにつられて他の編曲陣も攻めまくる)
・メロディ ★★ (楽曲によって質の差が現れるが角松の異物感のせい)
・リズム ★★★ (やはり角松楽曲のボトムの太さは尋常ではない)
・曲構成 ★ (角松の気合いの入れ過ぎによりバランスを欠く)
・個性 ★★ (中山美穂の音楽的方針を一変させた転換期の重要作品)
総合評点: 7点
中山美穂:vocal

1.「Tropic Mystery」 詞:湯川れい子 曲:井上大輔 編:入江純
2.「クローズ・アップ」 詞:松本隆 曲:財津和夫 編:大村雅朗
3.「Leave Me Alone」 詞・曲・編:角松敏生
4.「ひと夏のアクトレス」 詞:芹沢類 曲:来生たかお 編:入江純
5.「Ocean In The Rain」 詞:湯川れい子 曲:井上大輔 編:大村雅朗
6.「サインはハング・ルーズ」 詞:湯川れい子 曲:井上大輔 編:入江純
7.「Rising Love」 詞・曲・編:角松敏生
8.「わがまま」 詞:細田博子 曲:来生たかお 編:入江純
9.「瞳のかげり」 詞:松本隆 曲:財津和夫 編:矢野立美
10.「You’re My Only Shinin’ Star」 詞・曲・編:角松敏生 弦編:大谷和夫 管編:数原晋
produced by 樋口紀男
engineered by 吉江一郎
associate engineered by 内沼映二
● 角松敏生が初めて関わり芯の入ったデジタルリゾートPOPSで楽曲派アイドルとしての道を歩み始めた転換作
85年の思春期バイブル的ドラマ「毎度おさわがせします」のヒロインに抜擢される形で芸能活動を開始した中山美穂は、同年1stシングル「C」で歌手デビュー、順調に期待されながらスター街道を歩み始めます。同年12月には映画「ビーバップ・ハイスクール」のヒロイン役でさらにブレイクするとともに、自身が歌う同名タイトルの主題歌もスマッシュヒット、その勢いは86年になっても続いていくことが約束された状態となりました。そんな多忙ながらも成長著しい85年にあってシングル3枚、アルバム2枚のハイペースで歌手活動をこなしてきた彼女ですが、与えられた楽曲はいかにもアイドル王道の歌謡曲の枠を出ないものでした。しかし86年からは様相が変化してまいります。竹内まりや楽曲に清水信之アレンジの4thシングル「色・ホワイトブレンド」のリリースを皮切りに、同年夏には財津和夫楽曲の「クローズ・アップ」を先行シングルに勢いのままに3rdアルバムがリリースされます。今回はこの3rdアルバムのレビューとなりますが、本作は彼女にとってその後の芸能活動に成功へと導くきっかけとなった転換期として非常に重要な位置付けとなる作品と言えるでしょう。
タイトルからしてリゾートPOPSへの期待感を煽られる本作ですが、そのあたりのイメージは1stアルバムから参加している杏里等で活躍していたアレンジャー、入江純の色が濃く出ている部分まではこれまでの路線を踏襲しているところです(入江アレンジも相当攻めていることは忘れてはなりませんが)。しかし何と言っても本作の特徴は角松敏生の参加でしょう。「Gold Degger」〜「Touch And Go」期の当時最高潮の勢いの中にあった角松のゴリゴリのエレクトリックサウンドと、とにかく出たがりであわよくば主役を乗っ取ろうとする角松のキャラクターが相まって、彼が参加した楽曲は3曲とも存在感が半端なく、異色かつ珠玉の出来と言っても過言ではありません。アイドル楽曲だからと言って全く手を抜く気配のない角松はエンジニアも自身の信頼するCAMU SPIRITSの相棒・内沼映二を連れてきてミックスを担当させることにより角松ソロのような極太リズムで楽曲を強化、サウンドには全く妥協を許さない偏執的な音キチぶりを発揮しています。特に「Rising Love」の狂気ぶりには思わず呆れるどころか笑ってしまいますが、その反面「You're My Only Shinin' Star」という名バラードを生み出すなどキッチリ仕事をこなしている部分も当然見逃せません。結果としてアルバム全体としてはバランスを欠くデメリットはあったものの、中山美穂という音楽的パッケージを進化させるための媒介としては十二分に機能していると言えるでしょう。角松サウンドのその異物感は実は結構大村雅朗が攻めたアレンジを施している「クローズ・アップ」が浮くどころかサウンド面では大人しく聴こえるほどですが、当時はまだ女優業の方に存在感を発揮していた彼女の音楽的方向性を決定づける鍵となった功績は想像以上に大きいと思われます。
その後の彼女の歌手活動としての活躍ぶりは皆さんご存知の通りで、シングル曲ではヒットを連発、アルバムではコンセプトワークに優れた「エキゾティック」、鷺巣詩郎の狂気なアレンジを楽しめる傑作「ONE AND ONLY」を経て、88年には遂に角松敏生を全面プロデュースに迎えた「CATCH THE NITE」で音楽的本懐を遂げることになります。
<Favorite Songs>
・「Leave Me Alone」
イントロのゲートリバーブタムとゴリゴリベースから一気に引き込まれる角松印のサマーチューン。極太なボトムのリズム隊がとにかく全く異空間に意識を飛ばしてしまいますが、非常にコーラスワークが秀逸です。サビ前からはとにかく出たがりで目立ちまくる角松本人のコーラスも堪能できます。とはいうもののBメロからサビへと展開するコードワークの美しさはやはり特筆すべきものがある名曲です。ラストは完全に角松が乗っ取ってしまいますが・・・。
・「サインはハング・ルーズ」
角松に負けずとサウンド面で冒険的なアプローチを見せる入江純アレンジのラテンフレーバーな楽曲。次作「エキゾティック」の予告編のような曲調ですが、イントロ&アウトロやAメロに入る前の不穏なリズム&シーケンスのきめ細かいプログラミングは恐らく松武秀樹仕事であると思われますが、さすがの職人芸です。
・「Rising Love」
コシのあるシンセベースが魅力などこを切り取っても角松印の稀代のオーバープロデュース楽曲。「Girl in the Box」を彷彿とさせるコードワークに添いながらシンセベースとエレドラが暴れ回ります。しかし最も暴れまわっているのは角松自身。楽曲前半では合いの手で抑え気味にしていますが、「Take off Melody」気味なシンセソロからの怒涛の後半では、やっぱり完全に主役を乗っ取って前後左右角松コーラスだらけにしてしまう狂気の楽曲です。
<評点>
・サウンド ★★★★ (角松サウンドにつられて他の編曲陣も攻めまくる)
・メロディ ★★ (楽曲によって質の差が現れるが角松の異物感のせい)
・リズム ★★★ (やはり角松楽曲のボトムの太さは尋常ではない)
・曲構成 ★ (角松の気合いの入れ過ぎによりバランスを欠く)
・個性 ★★ (中山美穂の音楽的方針を一変させた転換期の重要作品)
総合評点: 7点
「Afar」 Ice Choir
「Afar」(2012 Underwater Peoples)
Ice Choir

<members>
Kurt Feldman:voice・computer programming・guitar(Fernandes FST)・synthesizers
<electric instruments>
Yamaha DX7:Yamaha TX-816・Akai AX-60・Ensoniq SQ-1・Moog Minimoog・Oberheim OB-8・Yamaha VSS-200
1.「I Want You Now And Always」 Kurt Feldman
2.「Teletrips」 Kurt Feldman
3.「A Vision Of Hell, 1996」 Kurt Feldman
4.「Bounding」 Kurt Feldman
5.「Two Rings」 Kurt Feldman
6.「Afar」 Kurt Feldman
7.「Peacock In The Tall Grass」 Kurt Feldman
8.「The Ice Choir」 Kurt Feldman
9.「Everything Is Spoilt By Use」 Kurt Feldman
<support musician>
Patrick South:fretless bass (Wal Pro Bass Fretless)・synthesizer
Caroline Polachek:voice
Jorge Elbrecht:computer programming
produced by Kurt Feldman
co-produced by Patrick South
mixing engineered by Jorge Elbrecht
recording engineered by Kurt Feldman
● 80’s特有の瑞々しいメロディアスエレポップの伝道者として米国に颯爽と現れたこだわりのシンセデザインが光る若手クリエイターユニットの名盤
00年代のニューヨーク・ブルックリンのインディーズロックシーンでは名の知られた存在であったThe Pains of Being Pure at Heart。このバンドのドラマーであったKurt Feldmanは80'sシンセポップ、特に80's後半のデジタルシンセやサンプラーが世界中の音楽シーンを席巻していた時代のエレクトリックポップをフェイバリットとしてきたアーティストで、彼の音楽的アイデンティティを具現化するために、The Pains〜脱退後に結成していた自身のバンドThe Depreciation Guildを中断して新たに始めたソロプロジェクトが、Ice Choirです(ライブでは4人組で活動)。このユニットで示されたサウンドは、開き直ったかのようなミドル80'sサウンドで、これまではバンドサウンドの中にエレクトリカルな要素を効果的に取り入れてきた彼のエレクトロサウンドセンスの全貌を遂に明らかにしたと言った印象です。2011年に始動したIce Choirは、まず1stシングル「Two Rings」をリリース、計算され尽くしたシーケンスとFM系デジタルシンセがきらびやかに鳴り響くエレクトロダンスポップでこの種の好事家を魅了すると、翌12年に待望の1stアルバムである本作をリリースすることになります。
さて、Kurt Feldmanといえば大の80'sジャパニーズポップフリークとしても有名ですが、彼に音楽的影響を与え合い続けている存在が、本作を共同プロデュースしている彼のルームメイト、Patrick Southです。本作において効果的なフレットレスベースプレイを聴かせてくれる彼もまた、80'sジャパニーズ「テクノポップ」サウンドフリークであります。そのため、本作でも欧米の80'sシンセポップの香りと共に日本で独自に育った「テクノポップ」の匂いをそこはかとなく感じさせるサウンド作りが施されています。特に1曲目の「I Want You Now and Always」はどことなく80's中盤の高橋幸宏を彷彿とさせますし、全体的にリバーブの深いミックスなどは大瀧詠一のナイアガラサウンド(吉田保ミックス)を意識しているかもしれません。もちろん「A Vision Of Hell, 1996」はScritti Polittiとの近似性を意識させられますし、「Two Rings」や「Afar」の美しいコードワークやメロディラインには、Prefab SproutやGangwayといった先達のグレートポップバンドの魂を継承していることは間違いありませんが、彼らの楽曲から感じられる欧米POPSらしからぬ違和感は、日本のテクノポップよりはむしろ、テクノポップの手法が取り入れられた80's J-POPサウンド(シティポップやポストニューウェーブ、テクノ歌謡etc)からの影響による部分が大きいのではないかと思われます。サウンド面においてはDX-7やTX-816といったFM音源やEnsoniq SQ-1(個人的に好きなシンセ)のPCM音源の多用(彼らのシンセベル音色の処理は絶品!)もさることながら、これらのハードウェアシンセを実に効果的に使いこなすサウンドセンス、特にシンセベースの見事な譜割など、留意すべき点は数え切れませんが、80's中期〜後期にかけてのエレクトリックサウンドの美味しい部分をここまで楽しませてくれる作品もなかなか見つからないと思われます。
そして彼らは2014年のクリスマスシングル「Pure Holiday」を挟みながら2017年、さらに成長した姿を(本ブログにて紹介した作品を参考にしたという噂の)傑作2ndアルバム「DESIGNS IN RHYTHM」で見せてくれることになるわけですが、この名盤の後の3rdアルバムが一体どのような展開になるのか、首を長くして待ちたいと思わせる数少ないプロジェクトの1つですので、今後の動向にますます注視していきたいと思います。
<Favorite Songs>
・「A Vision Of Hell, 1996」
Scritti Polittiが現代に蘇ったかのような擬似フェアライトなサウンドを楽しめるエレポップチューン。シンセベースのフレージングが素晴らしく、特に休符の扱い方にセンスを感じさせます。ハンドクラップの減衰音やオケヒットによるフィルインなどはまさしくScrittiなサウンドです。
・「Bounding」
軽やかなスピード感で疾走する風通しの良いポップチューン。高速エレポップ伝統のシンセベースの上を浮遊するPatrickのフレットレスベースが実に効果的です。エレドラを含めたリズムの組み立て方も計算され尽くされていますし、後半の繊細なギターソロもドリーミーです。
・「Two Rings」
シリアスなダンスチューンである先行シングル。Aメロから既にコードワークが秀逸、破裂的なスネアの音色も強烈ですが、それ以上にロマンティックなメロディラインに魅了されます。そしてここでもベースラインの構築が美しく、ただ音数を詰め込むだけでなく、一瞬休符を作ることによりテクノな質感を醸し出すことに成功しています。
<評点>
・サウンド ★★★★ (きめ細かいシンセ音色に対するセンスの良さが滲み出る)
・メロディ ★★★ (ノスタルジーを誘う見事なフレージングは天性のもの)
・リズム ★★★★ (スネアの音色から80'sへの造詣の深さを感じ取れる)
・曲構成 ★★★ (さらなる成長の余地も残した隙も味わい深さに)
・個性 ★★★ (古き良き80'sを具現化した桃源郷のような楽曲の数々)
総合評点: 8点
Ice Choir

<members>
Kurt Feldman:voice・computer programming・guitar(Fernandes FST)・synthesizers
<electric instruments>
Yamaha DX7:Yamaha TX-816・Akai AX-60・Ensoniq SQ-1・Moog Minimoog・Oberheim OB-8・Yamaha VSS-200
1.「I Want You Now And Always」 Kurt Feldman
2.「Teletrips」 Kurt Feldman
3.「A Vision Of Hell, 1996」 Kurt Feldman
4.「Bounding」 Kurt Feldman
5.「Two Rings」 Kurt Feldman
6.「Afar」 Kurt Feldman
7.「Peacock In The Tall Grass」 Kurt Feldman
8.「The Ice Choir」 Kurt Feldman
9.「Everything Is Spoilt By Use」 Kurt Feldman
<support musician>
Patrick South:fretless bass (Wal Pro Bass Fretless)・synthesizer
Caroline Polachek:voice
Jorge Elbrecht:computer programming
produced by Kurt Feldman
co-produced by Patrick South
mixing engineered by Jorge Elbrecht
recording engineered by Kurt Feldman
● 80’s特有の瑞々しいメロディアスエレポップの伝道者として米国に颯爽と現れたこだわりのシンセデザインが光る若手クリエイターユニットの名盤
00年代のニューヨーク・ブルックリンのインディーズロックシーンでは名の知られた存在であったThe Pains of Being Pure at Heart。このバンドのドラマーであったKurt Feldmanは80'sシンセポップ、特に80's後半のデジタルシンセやサンプラーが世界中の音楽シーンを席巻していた時代のエレクトリックポップをフェイバリットとしてきたアーティストで、彼の音楽的アイデンティティを具現化するために、The Pains〜脱退後に結成していた自身のバンドThe Depreciation Guildを中断して新たに始めたソロプロジェクトが、Ice Choirです(ライブでは4人組で活動)。このユニットで示されたサウンドは、開き直ったかのようなミドル80'sサウンドで、これまではバンドサウンドの中にエレクトリカルな要素を効果的に取り入れてきた彼のエレクトロサウンドセンスの全貌を遂に明らかにしたと言った印象です。2011年に始動したIce Choirは、まず1stシングル「Two Rings」をリリース、計算され尽くしたシーケンスとFM系デジタルシンセがきらびやかに鳴り響くエレクトロダンスポップでこの種の好事家を魅了すると、翌12年に待望の1stアルバムである本作をリリースすることになります。
さて、Kurt Feldmanといえば大の80'sジャパニーズポップフリークとしても有名ですが、彼に音楽的影響を与え合い続けている存在が、本作を共同プロデュースしている彼のルームメイト、Patrick Southです。本作において効果的なフレットレスベースプレイを聴かせてくれる彼もまた、80'sジャパニーズ「テクノポップ」サウンドフリークであります。そのため、本作でも欧米の80'sシンセポップの香りと共に日本で独自に育った「テクノポップ」の匂いをそこはかとなく感じさせるサウンド作りが施されています。特に1曲目の「I Want You Now and Always」はどことなく80's中盤の高橋幸宏を彷彿とさせますし、全体的にリバーブの深いミックスなどは大瀧詠一のナイアガラサウンド(吉田保ミックス)を意識しているかもしれません。もちろん「A Vision Of Hell, 1996」はScritti Polittiとの近似性を意識させられますし、「Two Rings」や「Afar」の美しいコードワークやメロディラインには、Prefab SproutやGangwayといった先達のグレートポップバンドの魂を継承していることは間違いありませんが、彼らの楽曲から感じられる欧米POPSらしからぬ違和感は、日本のテクノポップよりはむしろ、テクノポップの手法が取り入れられた80's J-POPサウンド(シティポップやポストニューウェーブ、テクノ歌謡etc)からの影響による部分が大きいのではないかと思われます。サウンド面においてはDX-7やTX-816といったFM音源やEnsoniq SQ-1(個人的に好きなシンセ)のPCM音源の多用(彼らのシンセベル音色の処理は絶品!)もさることながら、これらのハードウェアシンセを実に効果的に使いこなすサウンドセンス、特にシンセベースの見事な譜割など、留意すべき点は数え切れませんが、80's中期〜後期にかけてのエレクトリックサウンドの美味しい部分をここまで楽しませてくれる作品もなかなか見つからないと思われます。
そして彼らは2014年のクリスマスシングル「Pure Holiday」を挟みながら2017年、さらに成長した姿を(本ブログにて紹介した作品を参考にしたという噂の)傑作2ndアルバム「DESIGNS IN RHYTHM」で見せてくれることになるわけですが、この名盤の後の3rdアルバムが一体どのような展開になるのか、首を長くして待ちたいと思わせる数少ないプロジェクトの1つですので、今後の動向にますます注視していきたいと思います。
<Favorite Songs>
・「A Vision Of Hell, 1996」
Scritti Polittiが現代に蘇ったかのような擬似フェアライトなサウンドを楽しめるエレポップチューン。シンセベースのフレージングが素晴らしく、特に休符の扱い方にセンスを感じさせます。ハンドクラップの減衰音やオケヒットによるフィルインなどはまさしくScrittiなサウンドです。
・「Bounding」
軽やかなスピード感で疾走する風通しの良いポップチューン。高速エレポップ伝統のシンセベースの上を浮遊するPatrickのフレットレスベースが実に効果的です。エレドラを含めたリズムの組み立て方も計算され尽くされていますし、後半の繊細なギターソロもドリーミーです。
・「Two Rings」
シリアスなダンスチューンである先行シングル。Aメロから既にコードワークが秀逸、破裂的なスネアの音色も強烈ですが、それ以上にロマンティックなメロディラインに魅了されます。そしてここでもベースラインの構築が美しく、ただ音数を詰め込むだけでなく、一瞬休符を作ることによりテクノな質感を醸し出すことに成功しています。
<評点>
・サウンド ★★★★ (きめ細かいシンセ音色に対するセンスの良さが滲み出る)
・メロディ ★★★ (ノスタルジーを誘う見事なフレージングは天性のもの)
・リズム ★★★★ (スネアの音色から80'sへの造詣の深さを感じ取れる)
・曲構成 ★★★ (さらなる成長の余地も残した隙も味わい深さに)
・個性 ★★★ (古き良き80'sを具現化した桃源郷のような楽曲の数々)
総合評点: 8点
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